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当面の資金も必要になり、タニアはラーサの案内でカーシーの北西にある捨てられた砦へ向かった。ラーサはそこに若干の宝物が隠してあるのを知っているという。
丘の中腹にそびえる砦に近づいたとき、空中から輝く人間型の生物が襲いかかってきた。彼らの投げる強力な石の槍と、小さな身体からは想像できない怪力に、一行はまったく太刀打ちできず、次々と深手を負っていく。そのときタニアが己を大地の化身大トカゲとする魔術を用い、瀕死の状態になりながらも皆を砦へ避難させることに成功した。
砦は斜めに沈み込んでおり、ラーサが前に来た時は部屋が半分水没していたという。いまは水は引いており、壁はコケに覆われていた。ラーサが記憶していた宝物は失われていたが、武具やいくつかの呪付物は残っており、一定の収穫は得ることができた。しかし当面一行にとって問題なのは、砦の外を飛び回る光人であった。数日を砦で過ごしたが彼らが立ち去る様子はなく、日一日と食料が乏しくなっていった。
備考:光る人型生物は<ぱるっこ>と命名。また、ウェインはこの戦いで右腕をひきちぎられた。
脱出の方法を探して砦を探索していたタニア達は、地下への通路を発見した。深い竪穴から降り立った円形の部屋には魔法陣が書かれており、この砦の名前の由来ともなった美しい宝石――くっきりと白と黒に別れた大粒のシマメノウ――が置かれていた。それを手にしたバーンバーグは「生きている魔漿石」であることを感じ取り、時価数万ルナーは下らないはずだと叫んだ。
魔法陣の中央にある窪みにその宝石をはめ込むと左側に通路が現れ、通路の奥に進んだ一行の前には闇に満たされた部屋が現れた。部屋には背中を向けて一匹のトロウルが立ち尽くしていた。凍り付いたように動かないトロウルを部屋から引きずりだすと、彼はダルボーグと名乗ったが、なぜここにいるのかはわからないといって、大切なものを失ったと涙を流した。底知れぬ恐怖に幾度も意識を失いながらも部屋を探索した末にみつけたのは、部屋の奥の壁から切り取られた人型の影と、凍てつく刃のかけらであった。
刃は触れたダルボーグの手に焼き付き、彼はその刃で影が切り取れることに気がついた。ラーサは部屋の中から自分の影を切り出すことに成功したが、それが何を意味するのかはわからなかった。この部屋にそれ以上得るものはなく、一行は再び魔法陣にもどった。
魔法陣の文字を読み取ろうとしていたバーンバーグがシマメノウを逆向きにはめてみると、右側に通路が開き、そこからは光が溢れ出した。通路の先の部屋には中央に巨大な球体が浮かび、透明なその殻のむこうに、泡立つ液体と光り輝く巨大な「翼持つ女」の姿が浮かび上がった。
壁にびっしりと描かれた古ワーミッシュ語からは、この輝く女が精霊であること、名がアリスということ、女性によって目覚めさせられること、などが読み取れた。しかしこの難解な文字を完全に解読できるものはおらず、脱出への糸口は途切れてしまった。
ついに食糧も尽き、タニアはアリスに接触を試みることを決意する。しかしタニアが球体に触れても何ら変わったことは起きなかった。しかしアルストがその球体に触れたとたん、アルストの身体が球体の中に沈み込んだ。球体の光は歓喜の色に踊り、目を見開いたアリスとアルストのあいだに何かが起こり始めていた。そのとき砦のそして球体から溢れ出した光は、
(推敲中)
光の部屋のアリス
スターミストレス「運命に私すらもとりこまれるのか」
カーシーに戻った一行は、それぞれの生活を過ごしながら、今後の行動を模索していた。ウェインは左手を失ったことで生活の手段を失い、救貧院での奉仕に身を落とし、バーンバーグは軍属を離れたことで、不慣れな商売を始めていた。
火の32日、宿屋で寝ていたアルストを正体不明の小さな毛むくじゃらの生物の群れが襲った。被害は剛毛によるひっかき傷程度で、特に危害を加えられたわけではなかったが、散乱した毛のなかでアルストの血液が付着したものには変色が見られた。どうやらブラックカメリア城の側で夜に見かけた猿のような生物らしいが、残された毛が他の人間の血とは反応しないため、一行はアルストが目的で現れたのではないかと推理した。
火の39日、タニアが不在の夜に再びアルストが襲われた。しかしそれらは前回と異なり、手に手に刃物を携帯していた。見張りに立っていたラーサやバーンバーグも必死に応戦するものの、20匹あまりの襲撃にアルストは全身を切り付けられて気絶してしまう。毛玉はある程度の傷を与えると消滅したが、アルストの血をすすった毛玉の残骸は混沌的な姿形に変貌を遂げていた。ラーサ達はほとんどの敵を打ち倒したが、一匹うちもらした怪物は、天井を透過して消えていった。
翌日、アルストが襲撃されたことを聞かされたタニアは、自分の行動が彼女に過酷な運命を背負わせてしまったのではないかと悩み、原因の究明に乗り出すことを決意する。しかしカーシーではいままで調べた以上の助力が得られる見込みはなく、タニアはボールドホームに向かうことを宣言した。腕の治療が終わっていなかったウェインは躊躇したが、スターミストレスとの契約を遵守するためにトレイシーから離れるわけには行かず、同道することになった。
いまはルナー占領下にあるボールドホーム。タニアはその北門から険しい山道を分け入り、山の中腹にそびえる塔まで一行を導いた。
求めるものよ救われん
第一話:ブラックカメリア城
■ 3 名前: なゆた :2001/06/24 23:29:35当面の資金も必要になり、タニアはラーサの案内でカーシーの北西にある捨てられた砦へ向かった。ラーサはそこに若干の宝物が隠してあるのを知っているという。
丘の中腹にそびえる砦に近づいたとき、空中から輝く人間型の生物が襲いかかってきた。彼らの投げる強力な石の槍と、小さな身体からは想像できない怪力に、一行はまったく太刀打ちできず、次々と深手を負っていく。そのときタニアが己を大地の化身大トカゲとする魔術を用い、瀕死の状態になりながらも皆を砦へ避難させることに成功した。
砦は斜めに沈み込んでおり、ラーサが前に来た時は部屋が半分水没していたという。いまは水は引いており、壁はコケに覆われていた。ラーサが記憶していた宝物は失われていたが、武具やいくつかの呪付物は残っており、一定の収穫は得ることができた。しかし当面一行にとって問題なのは、砦の外を飛び回る光人であった。数日を砦で過ごしたが彼らが立ち去る様子はなく、日一日と食料が乏しくなっていった。
備考:光る人型生物は<ぱるっこ>と命名。また、ウェインはこの戦いで右腕をひきちぎられた。
2 第二話:影法師
■ 4 名前: なゆた :2001/06/24 23:30:15脱出の方法を探して砦を探索していたタニア達は、地下への通路を発見した。深い竪穴から降り立った円形の部屋には魔法陣が書かれており、この砦の名前の由来ともなった美しい宝石――くっきりと白と黒に別れた大粒のシマメノウ――が置かれていた。それを手にしたバーンバーグは「生きている魔漿石」であることを感じ取り、時価数万ルナーは下らないはずだと叫んだ。
魔法陣の中央にある窪みにその宝石をはめ込むと左側に通路が現れ、通路の奥に進んだ一行の前には闇に満たされた部屋が現れた。部屋には背中を向けて一匹のトロウルが立ち尽くしていた。凍り付いたように動かないトロウルを部屋から引きずりだすと、彼はダルボーグと名乗ったが、なぜここにいるのかはわからないといって、大切なものを失ったと涙を流した。底知れぬ恐怖に幾度も意識を失いながらも部屋を探索した末にみつけたのは、部屋の奥の壁から切り取られた人型の影と、凍てつく刃のかけらであった。
刃は触れたダルボーグの手に焼き付き、彼はその刃で影が切り取れることに気がついた。ラーサは部屋の中から自分の影を切り出すことに成功したが、それが何を意味するのかはわからなかった。この部屋にそれ以上得るものはなく、一行は再び魔法陣にもどった。
第三話:聖なるかな!聖なるかな!
■ 5 名前: なゆた :2001/06/24 23:31:48魔法陣の文字を読み取ろうとしていたバーンバーグがシマメノウを逆向きにはめてみると、右側に通路が開き、そこからは光が溢れ出した。通路の先の部屋には中央に巨大な球体が浮かび、透明なその殻のむこうに、泡立つ液体と光り輝く巨大な「翼持つ女」の姿が浮かび上がった。
壁にびっしりと描かれた古ワーミッシュ語からは、この輝く女が精霊であること、名がアリスということ、女性によって目覚めさせられること、などが読み取れた。しかしこの難解な文字を完全に解読できるものはおらず、脱出への糸口は途切れてしまった。
ついに食糧も尽き、タニアはアリスに接触を試みることを決意する。しかしタニアが球体に触れても何ら変わったことは起きなかった。しかしアルストがその球体に触れたとたん、アルストの身体が球体の中に沈み込んだ。球体の光は歓喜の色に踊り、目を見開いたアリスとアルストのあいだに何かが起こり始めていた。そのとき砦のそして球体から溢れ出した光は、
(推敲中)
光の部屋のアリス
スターミストレス「運命に私すらもとりこまれるのか」
第四話:闇の中から
■ 6 名前: なゆた :2001/06/24 23:33:05カーシーに戻った一行は、それぞれの生活を過ごしながら、今後の行動を模索していた。ウェインは左手を失ったことで生活の手段を失い、救貧院での奉仕に身を落とし、バーンバーグは軍属を離れたことで、不慣れな商売を始めていた。
火の32日、宿屋で寝ていたアルストを正体不明の小さな毛むくじゃらの生物の群れが襲った。被害は剛毛によるひっかき傷程度で、特に危害を加えられたわけではなかったが、散乱した毛のなかでアルストの血液が付着したものには変色が見られた。どうやらブラックカメリア城の側で夜に見かけた猿のような生物らしいが、残された毛が他の人間の血とは反応しないため、一行はアルストが目的で現れたのではないかと推理した。
火の39日、タニアが不在の夜に再びアルストが襲われた。しかしそれらは前回と異なり、手に手に刃物を携帯していた。見張りに立っていたラーサやバーンバーグも必死に応戦するものの、20匹あまりの襲撃にアルストは全身を切り付けられて気絶してしまう。毛玉はある程度の傷を与えると消滅したが、アルストの血をすすった毛玉の残骸は混沌的な姿形に変貌を遂げていた。ラーサ達はほとんどの敵を打ち倒したが、一匹うちもらした怪物は、天井を透過して消えていった。
第五話:魔術師の塔
■ 7 名前: なゆた :2001/06/24 23:33:50翌日、アルストが襲撃されたことを聞かされたタニアは、自分の行動が彼女に過酷な運命を背負わせてしまったのではないかと悩み、原因の究明に乗り出すことを決意する。しかしカーシーではいままで調べた以上の助力が得られる見込みはなく、タニアはボールドホームに向かうことを宣言した。腕の治療が終わっていなかったウェインは躊躇したが、スターミストレスとの契約を遵守するためにトレイシーから離れるわけには行かず、同道することになった。
いまはルナー占領下にあるボールドホーム。タニアはその北門から険しい山道を分け入り、山の中腹にそびえる塔まで一行を導いた。