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通常のキャラクターのWILLはPOWと同じか少し多い程度で、実際の行動を越えて世界に影響を与えることはありません。しかし中には多くの経験や魔術を介してWILLが100ポイントを越える者があらわれます。
WILLが100ポイントを越えた存在は<時の盟約>を得て「英雄」となることがあります。宇宙がビックバン直後にインフレーションを起こしたとき物理法則そのものが変化したように、この技能を得た者にとっては世界法則が変化します。
英雄のする行為は彼ひとりの中におさまりません。たとえば「麦のカルトの英雄が新しい魔力を得る」という行為は、その時代の信者達にとっては「新しい魔術がもたらされた」ことを意味し、客観的な歴史をひもとけば「(カルトの)麦はこの時代に品種改良が行われ、農民達の間で広く栽培された」ことになります。「冬のカルトの英雄が多くの敵を倒した」ということは、その地に冬が早く来ることであり、年表には「厳寒の冬」が記されるのです!
■POWの現在値
POWの現在値がWILLの基本値になります。WILLはPOW以下になることはありません。
■100%習得した技能につき+5
「習得した技能」とは技能の基本成功率と技能分野修正値を加えない値です。ひとつの技能が200%、300%と上昇するたびに+5のボーナスを得ることができます。
■魔精のPOW
魔精のPOW1ポイントにつき+1をWILLに積算することができます。
■特殊能力(混沌の諸相を含む)
混沌の諸相1つにつき5ポイント
(執筆中)。「WILLの負債」。
■フリーWILL
特に由来を持たないWILLです。能力値や技能の解体、WILL戦闘などで獲得されます。
■神性呪文の再使用。神性介入D10。
神性呪文の再使用が可能になると+10のWILLを得ます。神から特別に目をかけられる地位に達した者(神性介入がD10で行なえる)は+10のWILLを得ます。強力なカルトのロードなどでは重複して+20になることもあります。これらの修正は複数入信も重ねて計算します。
■保有している神性呪文1ポイントにつき+1。
入信等により獲得しているWILLと加算はされず、どちらか大きい値をWILLとして獲得します。例えば司祭が15ポイントの神性呪文持っていたとしても、獲得できるWILLは25ポイントではなく15ポイントです。
一回限りの呪文を使用した場合はWILLが低下しますが、再使用可の呪文を消費した状態になっていてもWILLは低下しません。
■加護1ポイントにつき+1
フマクトやイェルマリオなど、加護と制約のあるカルトでは、受けている加護1ポイントにつき+1のWILLを得ます。
■信徒ひとりにつき+1(通常は英雄のみ)。
■神性カルトへの入信
POWを消費して神性カルトに入信したものは1ポイントのWILLを神と共有します。
■精神結合した相手のPOW
同盟精霊など精神結合した相手とは、互いのPOWと同じ値をWILLに加算します。《精神結合》呪文などで一時的に結びついたばあいでも、呪文の持続時間中は、この恩恵を獲得することができます。
■POWを介して結びついたアイテムのPOW(WILL)。
生きている魔漿石など。WILLを持つ特殊なアイテムをゲームマスターが設定することもあります。こういったアイテムはほとんどが秘宝です。真の石は込められている神性呪文のポイントと同じWILLを持ちます。
■使い魔に付与した能力値
《使い魔創造》に際して使い魔に付与した能力値1ポイントにつき+1のWILLを得ます。
同盟精霊が所持している神性呪文や使い魔が所持しているアイテムのPOWは、同盟精霊や使い魔のWILLには加算されますが、キャラクターのWILLには加算されません。
WILLを獲得するもとになっている条件が失われると、WILLはその分だけ低下します(「WILLの喪失」の項を参照)。
キャラクターのWILLが100を越えたなら、キャラクターは「立脚するルーン」をひとつ獲得します。これはキャラクターを最も象徴するルーンであることが普通です。特定の条件下においてはまったく関連性のないルーンや相反するルーンとなる可能性もあります。通常はマスターの判断ですが、プレイヤーと合議してもよいでしょう。
WILLが100を超えている状態で、「立脚するルーン」に関連する技能ロールで決定的成功を出した瞬間、キャラクターは〈時の盟約〉技能を1%獲得します。
WILLを消費することで、キャラクターは〈時の盟約〉を1%獲得します。
〈時の盟約〉は経験や訓練・研究で上昇することはありません。WILLで能力を解体する1回(1ポイントではない)ごとに1%づつ上昇します。
〈時の盟約〉は人に教えることができません。それどころか自分がその技能を持っていることもわかりません。この技能について対話することも記録することもできません。英雄は、意志の力で何かを成し遂げようとするときに、ただ無意識に、この技能を用いるのです。
〈時の盟約〉を得たキャラクターは、世界との不思議な一体感、もしくはこれまでは感じなかったような濃密な敵意というべきものを感じます。身体は重く、呼吸は粘り気のある水を咀嚼するに等しく、踏み出す一歩に大地が震え、すべてのものはそれまでよりもはっきりと、しかし捉えどころのない深みをたたえて瞳に映るでしょう。
キャラクターは、POWとそのほかの能力値、技能、魔術などに本質的に区別がないことを無意識に理解します。そして、自らが望む、もしくは自分が囚われたルーンの性質に従って、自らを変化させ始めることになります。
〈時の盟約〉が5%に達した時点でキャラクターは「自覚」し、下記3つの行動を選択できるようになります。
1.立脚するルーンに紐づいた技能をロールするときに〈時の盟約〉を同時ロールしない。
2.POWとフリーWILLの変換
3.能力の解体と再構成
解体・再構成できる属性は、キャラクターの能力として記載されるすべての項目――すなわち能力値、耐久力、皮膚の硬度、移動力、それから技能、呪文、魔術能力、さらには種族、性別、年齢――です。マスターが認めたならばどんな能力(そのために独自のルールが必要なものでさえ)も身につけ得ますが、ヒーロークエストなしに再構成できるのはいくつかの簡単なものだけです。
〈時の盟約〉の成功、ファンブルなどによってフリーWILLを消費しなくてはならないばあい、充分なフリーWILLがなければ失敗、とはなりません。キャラクターはそれによって死亡したり、存在が消滅したりするとしても、任意の属性を解体し、必要なポイントのフリーWILLを調達しなくてはなりません。
技能分野修正値や呪文・状況等のボーナスは含めず、技能値のみで判断します。
フリーWILLとPOWの変換はもっとも基本的な行為なので、〈時の盟約〉技能のロールを行う必要がありません(行うことができません)。
POWの解体はDEXストライク・ランクで何ポイント行ってもかまいません。再構成できるのは10ストライク・ランクあたり、〈時の盟約〉技能の5分の1(切り上げ)に等しいポイントまでです。どのストライク・ランクに何ポイント再構成されているかは、端数切捨てで計算します。
解体と再構成のスピードは〈時の盟約〉の成功度で変わります。成功であれば1週間に1ポイント、効果的成功であれば1日に1ポイント、決定的成功であれば1時間に1ポイントの割合で変化させることができます。
一般にはWILLによる解体/再構成で能力値の本来値は増減しません。したがって訓練限界を上げることもできません。ですから病気や寿命、魔術などで能力値の本来値がゼロになったなら、不老不死を獲得していない英雄はその能力値にWILLを割り当てることができなくなり死亡します。不老不死を獲得している英雄は本来値がゼロになったとしてもWILLの加算を能力値として保持することができます。
特定のルーンに立脚した英雄は、対応する能力値の本来値を変化させることが可能です。また、対応する能力値の現在値1ポイントにつきフリーWILL1ポイントで再構成することができます。
能力値増減とルーンの対応
INTを司るルーンは存在しません(もしくはすでに失われています)。したがってINTの上限は本来値から上昇することはありません。
POWはWILLの源泉としての純粋さゆえに、本来値を持ちません。
技能パーセントの解体表
例えば78%の技能から40%を解体することで4ポイントのフリーWILLを獲得したならば、技能は38%に低下します。技能を解体するには特に時間は必要なく、〈時の盟約〉のロールに成功するだけで構いません。しかし値を意図して失うことは難しく、効果的成功で20%、決定的成功で40%を、キャラクターの意図より多く解体してしまいます。
〈時の盟約〉による解体によって技能パーセントが0になった技能は完全に失われ、+5ポイントのボーナスがフリーWILLに加算されます。完全に失った技能は、以降どのような手段をもってしても回復することはできません。また、キャラクターはその技能がどのようなものであったか漠然と覚えているだけで、その技能を持つものが何を行うかを推測することさえ困難になります。「混沌」に立脚したキャラクターは、技能を完全に失ってもこのボーナスを得ることはできません。20%に満たない技能を完全に失っても、フリーWILLを獲得することはできません。
再構成には技能20%につき5ポイントのフリーWILLを必要とします。
①指導者の訓練による再構成
指導者による訓練では、フリーWILL5ポイントを消費して〈時の盟約〉をロールします。成功であれば1週間、効果的成功であれば1日、決定的成功であれば1時間の訓練を行った後に、20%の技能を向上させることができます。〈時の盟約〉に失敗したばあいでも、1週間分(50時間)の訓練時間は得ることができます。
訓練によって指導者を上回る技能パーセントを獲得することはできません。
②経験チェックによる再構成
キャラクターは、プレイ中に経験チェックに値する技能ロールを振る前に「存在を賭けて行動する」と宣言することができます。キャラクターは技能に加算したい値を20%単位で宣言し、対象とする技能と〈時の盟約〉の同時ロールを行います。
〈時の盟約〉に成功したならば、対象とする技能はキャラクターの意図した値まで成長します。また、効果的成功であれば20%、決定的成功であれば40%、キャラクターが意図した値より対象の技能は成長してしまいます。キャラクターは成長した技能20%あたり5ポイントのフリーWILLを消費しなくてはなりません。
必要なフリーWILLが足りない場合、キャラクターは「強制的な解体」に従って必要なWILLを調達しなければなりません。
対象とした技能の成否は〈時の盟約〉による再構成を行った技能パーセントを元に、同時ロールの値で判定します。
「安定」に立脚するキャラクターは、経験チェックによる再構成を行うことができません。
③ヒーロークエストによる再構成
ヒーロークエストによる再構成は「ヒーロークエスト」の項で解説されます。
ただしフリーWILL1ポイントは必ず一回の投射で消費しなくてはなりません。フリーWILLは2ポイント、3ポイント…と同時に使用することもできます。ストライク・ランクさえ余分に消費すれば、フリーWILLを一時使用した上にMPを加算することも可能です。
魔力ポイントとして一時的に消費しているWILLは再構成に用いることはできません。
通常、英雄が信徒の存在に気づくのは、カルトの礼拝行為の場です。キャラクターが司祭として祭儀を取り仕切っているならば、儀式におけるキャラクターの浄化技能が〈時の盟約〉を下回っていたばあい、キャラクターを尊敬する幾人かの信徒の魔力ポイントが流れ込んできます。これ以降、キャラクターは彼の仕えるカルトのサブカルトとして独立することができます。
神性カルトに属さないキャラクターは、こうした機会がほぼありません。よほど熱狂的な信奉者がいるならば、英雄を慕うあまり自発的にPOWを捧げ、英雄がそれに気づくかもしれません。そうでなければ、(英雄にはままあるような)魂が直接触れ合うような事件が必要になります。
ただし「支配」に立脚するキャラクターは、〈雄弁〉など「支配」に属する技能で「経験チェックによる再編成」が発生したときに、対象とした相手が忠誠を誓えば、意識することなく「信徒」として受け入れることができます。(が、それがキャラクターのアイデンティティーと相容れるかどうかは別の問題です。通常、祈祷師、魔道師は「支配」のルーンと相性がよくありません。)
信徒は入信時に捧げた1ポイントのWILLを介して英雄と結びついています。信徒が英雄を信仰しなくなっても、信徒の獲得によって得たWILLは失われません。
祈りの効果
浄化への修正――結界の強度あたり-10%、界が違う場合-100%。
祈りを通じて信徒は英雄に交渉技能を用いることもできます。交渉技能がどの程度効果を表すかは祈りの成功度で変わります。
英雄になったからといって知性や判断力はそれまでと変わりません。1000人の信徒がいっせい語りかければ、とてもすべてを理解することはできません。そのため英雄が気にかけていられるのはINTに等しい信徒に限られます。どの信徒を対象とするかは英雄が任意に選択します。対象とする信徒は1ラウンドにひとりづつ切り替えることもできます。
このとき信徒が祈ったならば、英雄が気にかけているかどうかにかかわらず、その祈りは明確に伝わります。信徒から送られてきたWILLは信徒が願った目的にかなうように(英雄の意思にかかわりなく!)消費されます。英雄は〈時の盟約〉知識に成功すればこのWILLを消費せずにフリーWILLとして留めることができます。
《礼拝》呪文が成功したなら礼拝の参加者が奉げたMPは(個々の信徒の〈浄化〉儀式の必要なしに)まとめて英雄に送られます。英雄が精霊界や英雄界、または神界にいるばあいは《聖別》呪文が必要になります。
WILLが100を越えたキャラクターは神々に近づきつつあり、大いなる盟約の「直接に力を振るうことなかれ」という制約によって、徐々に物質界から疎外され始めます。
これは倦怠感や霞のかかったような知覚、鈍い痛みや不快感、他者からの疎外感となって現れ、ルール的には疲労の上限値が100をWILLが超えているポイント分低下することになります。
疲労を持たないキャラクターは、単純に超過分をすべての行動の成功率へのペナルティーとします。
これを「網の目」ペナルティーと呼びます。
網の手ペナルティーによって技能成功率がゼロになる場合、キャラクターはその技能を認識できなくなります。
キャラクターの思考からその手段が除外されるため、最低成功率の05%で判定することもできません。
キャラクターの行動は、ルーンを体現する存在として、ふさわしいものになっていくでしょう。
〈時の盟約〉が5%に満たないキャラクターは〈浄化〉の5分の1を代替して判定することがあります。
この判定には「網の目」ペナルティーは適用されません。
この技能によってキャラクターは網の目の細かさを感じることができるようになります。
つまり、網の目の大きな場所、精霊会・英雄界・神界へと続く道を見つけられるようになるのです。
〈時の盟約〉が5%に満たないキャラクターは〈呪付〉の5分の1を代替して判定することがあります。
この判定には「網の目」ペナルティーは適用されません。
WILLを1点消費することで、自分の技能や能力値ひとつを20WILLの範囲で封じ込めます。
以下、能力値と技能を合わせて、「能力」と呼びます。
封じ込めた能力分WILLは低下したものとして時の網ペナルティーを計算します。
効果的成功では40WILLを封じ込めるか、ふたつの能力を封じ込めるかを選択できます。
決定的成功では60WILLを封じ込めるか、みっつの能力を封じ込めるかを選択できます。
ファンブルするとWILLを1D6ポイント消費して、封印は失敗します。このとき対象とした能力から消費するWILLを支払うことはできません。
封印した能力を解放するには1アクションを使用して〈封印〉技能に成功する必要があります。
ファンブルすると封印は解除されず、WILLを1D6ポイント消費してしまいます。このとき封じている能力のWILLを使用することはできません。
ひとつの能力を分割して複数の封印に振り分けることは可能です。
WILLの供給源となっている特殊能力も封印の対象とすることができます。
複数の封印がある場合、個別に解放する必要があります。
この場合、再封印することなく、1シーンの終了時に能力は再封印されます。
英雄技能は〈時の盟約〉と同様、再構成の対象とすることができません。
英雄技能はWILLを消費しての経験チェックにより、1%づつ上昇します。
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以下、執筆中
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ヒーロークエスト
英雄界
小クエスト
礼拝
特殊能力の獲得
移動力/耐久力/AP/行動回数/不老不死/転生
魔術能力の獲得
精霊魔術
神性魔術
魔道
大クエスト
英雄界との行き来
WILL戦闘
WILLの大きさによる階層乖離
検討項目
WILLの負債
共有WILLのアンビバレンツ
抵抗ロールのインフレーション
縁
2020/01/19 時の盟約と自覚を追記。フリーWILLの回復を100MPに。
2020/02/01 網の目ペナルティー。
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英雄たちのための追加ルール――WILL Ver4.2 2020/02/01
英雄とは
物語で語られる英雄とはどんな人物だろう。神々の血を引く者、人の上に立つ地位に生まれた者、常人とはかけはなれた力を持った者、強靭な意志と目的を持った者......。また、秀でたところがなくても、世界の宝たる人物、歴史に名を残す人物はあまたいる。望む望まぬに関わりなく歴史の焦点がひとりの人物にあたったときに、彼は英雄と呼ばれる。
しかしグローランサにおける「英雄」は、それとは少し異なるニュアンスを持つ。グローランサにおいては、世界のありようは社会的にというだけでなく「法則的に」、POWを持つ住人達の意志で左右される。意思の反映は局地的には目に見えなくても、大局的な流れを形作るのはありありと感じられる。グローランサでは1万の住民が望むなら、――それ以上の反対がなければ――世界はゆっくりとそちらへ向かって進んでゆくのだ。
このルールで定義する英雄とは、個人の意志が「局地的に目に見えるほどに」グローランサを変える人物のことである。これは尋常なことではないが、とびきり珍しいことでもない。ことに「英雄戦争」と呼ばれる時代においては――。
WILLとは何か
WILLはそのキャラクター(存在)が世界に対してどれだけ影響力を持つかを現した能力値です。POWは能動的な意思の強さ、WILLは潜在的な存在の大きさといってもよいでしょう。通常のキャラクターのWILLはPOWと同じか少し多い程度で、実際の行動を越えて世界に影響を与えることはありません。しかし中には多くの経験や魔術を介してWILLが100ポイントを越える者があらわれます。
WILLが100ポイントを越えた存在は<時の盟約>を得て「英雄」となることがあります。宇宙がビックバン直後にインフレーションを起こしたとき物理法則そのものが変化したように、この技能を得た者にとっては世界法則が変化します。
英雄のする行為は彼ひとりの中におさまりません。たとえば「麦のカルトの英雄が新しい魔力を得る」という行為は、その時代の信者達にとっては「新しい魔術がもたらされた」ことを意味し、客観的な歴史をひもとけば「(カルトの)麦はこの時代に品種改良が行われ、農民達の間で広く栽培された」ことになります。「冬のカルトの英雄が多くの敵を倒した」ということは、その地に冬が早く来ることであり、年表には「厳寒の冬」が記されるのです!
WILLの獲得
WILLは主にPOWのさまざまな状態と技能への熟練によって得ることができます。また、WILLはそれをもたらしている源泉によって、3種類に区別されます。①源泉が【自身】であるもの
自分が保持する属性から算出されるWILLです。■POWの現在値
POWの現在値がWILLの基本値になります。WILLはPOW以下になることはありません。
■100%習得した技能につき+5
「習得した技能」とは技能の基本成功率と技能分野修正値を加えない値です。ひとつの技能が200%、300%と上昇するたびに+5のボーナスを得ることができます。
■魔精のPOW
魔精のPOW1ポイントにつき+1をWILLに積算することができます。
■特殊能力(混沌の諸相を含む)
混沌の諸相1つにつき5ポイント
(執筆中)。「WILLの負債」。
■フリーWILL
特に由来を持たないWILLです。能力値や技能の解体、WILL戦闘などで獲得されます。
②源泉が【貸与】であるもの
他者が保持するWILLを霊的に貸し借りしているときに加算されるWILLです。■神性呪文の再使用。神性介入D10。
神性呪文の再使用が可能になると+10のWILLを得ます。神から特別に目をかけられる地位に達した者(神性介入がD10で行なえる)は+10のWILLを得ます。強力なカルトのロードなどでは重複して+20になることもあります。これらの修正は複数入信も重ねて計算します。
■保有している神性呪文1ポイントにつき+1。
入信等により獲得しているWILLと加算はされず、どちらか大きい値をWILLとして獲得します。例えば司祭が15ポイントの神性呪文持っていたとしても、獲得できるWILLは25ポイントではなく15ポイントです。
一回限りの呪文を使用した場合はWILLが低下しますが、再使用可の呪文を消費した状態になっていてもWILLは低下しません。
■加護1ポイントにつき+1
フマクトやイェルマリオなど、加護と制約のあるカルトでは、受けている加護1ポイントにつき+1のWILLを得ます。
■信徒ひとりにつき+1(通常は英雄のみ)。
③源泉が【共有】であるもの
相手にも自分にも互いのWILLの一部が加算される状態のWILLです。■神性カルトへの入信
POWを消費して神性カルトに入信したものは1ポイントのWILLを神と共有します。
■精神結合した相手のPOW
同盟精霊など精神結合した相手とは、互いのPOWと同じ値をWILLに加算します。《精神結合》呪文などで一時的に結びついたばあいでも、呪文の持続時間中は、この恩恵を獲得することができます。
■POWを介して結びついたアイテムのPOW(WILL)。
生きている魔漿石など。WILLを持つ特殊なアイテムをゲームマスターが設定することもあります。こういったアイテムはほとんどが秘宝です。真の石は込められている神性呪文のポイントと同じWILLを持ちます。
■使い魔に付与した能力値
《使い魔創造》に際して使い魔に付与した能力値1ポイントにつき+1のWILLを得ます。
同盟精霊が所持している神性呪文や使い魔が所持しているアイテムのPOWは、同盟精霊や使い魔のWILLには加算されますが、キャラクターのWILLには加算されません。
WILLを獲得するもとになっている条件が失われると、WILLはその分だけ低下します(「WILLの喪失」の項を参照)。
〈時の盟約〉技能の獲得
キャラクターの姿勢や状態がどうであれ、ルール上では〈時の盟約〉を得た者は「英雄」として扱われます。キャラクターのWILLが100を越えたなら、キャラクターは「立脚するルーン」をひとつ獲得します。これはキャラクターを最も象徴するルーンであることが普通です。特定の条件下においてはまったく関連性のないルーンや相反するルーンとなる可能性もあります。通常はマスターの判断ですが、プレイヤーと合議してもよいでしょう。
WILLが100を超えている状態で、「立脚するルーン」に関連する技能ロールで決定的成功を出した瞬間、キャラクターは〈時の盟約〉技能を1%獲得します。
コラム:立脚するルーン
この部分がWILLルールの中核でありながら、なゆたのセッションでプレイしていない方にはもっともわかりにくいと思われます。
立脚するルーンとは、コアルーンのようなメジャーなものである必要はありません。〈時の盟約〉を獲得するまでになったキャラクターには、彼/彼女を一言で表す「ことば」があるはずです。マスターはその「ことば」がもっともどのメジャールーンに近いかだけを決めておき、あとはその「ことば」が世界に引き起こす事象だけを表現します。
参考までに、いままでキャンペーン中で獲得されたルーンの例をあげておきます。
立脚するルーンの例:助けて!(コミュニケーション)、見切る(真実)、同調(調和)、耐える(支配のリバース)、斬る(死)、彷徨う(移動)、敗残兵(運命)、人類補完計画(人)、記す(真実・幻影)、眠る(安定)、反逆(無秩序)
〈時の盟約〉 特殊00
立脚するルーンに紐づいた技能で1/100以下をロールしたとき、キャラクターはロールした技能の奥義に目覚め、世界の真実を垣間見ます。「経験チェックによる再構成(後述)」に従い、ロールした技能を上昇させ、代償としてなんらかの技能もしくはPOWを減少させて相当するWILLを消費します。WILLを消費することで、キャラクターは〈時の盟約〉を1%獲得します。
〈時の盟約〉は経験や訓練・研究で上昇することはありません。WILLで能力を解体する1回(1ポイントではない)ごとに1%づつ上昇します。
〈時の盟約〉は人に教えることができません。それどころか自分がその技能を持っていることもわかりません。この技能について対話することも記録することもできません。英雄は、意志の力で何かを成し遂げようとするときに、ただ無意識に、この技能を用いるのです。
〈時の盟約〉を得たキャラクターは、世界との不思議な一体感、もしくはこれまでは感じなかったような濃密な敵意というべきものを感じます。身体は重く、呼吸は粘り気のある水を咀嚼するに等しく、踏み出す一歩に大地が震え、すべてのものはそれまでよりもはっきりと、しかし捉えどころのない深みをたたえて瞳に映るでしょう。
キャラクターは、POWとそのほかの能力値、技能、魔術などに本質的に区別がないことを無意識に理解します。そして、自らが望む、もしくは自分が囚われたルーンの性質に従って、自らを変化させ始めることになります。
〈時の盟約〉の自覚
時の盟約が5%に達するまで、立脚したルーンに基づく行動は常に〈時の盟約〉との同時ロールとして扱われます。〈時の盟約〉に成功した場合、「経験チェックによる再構成」が発生し、対象の技能が大幅に上昇し、〈時の盟約〉も1%上昇することになります。〈時の盟約〉が5%に達した時点でキャラクターは「自覚」し、下記3つの行動を選択できるようになります。
1.立脚するルーンに紐づいた技能をロールするときに〈時の盟約〉を同時ロールしない。
2.POWとフリーWILLの変換
3.能力の解体と再構成
フリーWILLの獲得と消費
〈時の盟約〉を自覚したキャラクターは、自分の能力値や技能パーセントを失うことを代償に、フリーWILLを獲得することができるようになります。これを「属性の解体」と呼びます。また、フリーWILLを消費して能力値や技能パーセントを増加させることもできます。これを「属性の再構成」と呼びます。一般には解体よりも再構成のほうが時間がかかり、コストも高くなります。解体・再構成できる属性は、キャラクターの能力として記載されるすべての項目――すなわち能力値、耐久力、皮膚の硬度、移動力、それから技能、呪文、魔術能力、さらには種族、性別、年齢――です。マスターが認めたならばどんな能力(そのために独自のルールが必要なものでさえ)も身につけ得ますが、ヒーロークエストなしに再構成できるのはいくつかの簡単なものだけです。
〈時の盟約〉の一般的な処理ルール
ある属性に対する〈時の盟約〉による解体・再構成のロールが失敗したばあい、フリーWILLは消費されません。ファンブルした場合は1ポイントのフリーWILLを失い、次に〈時の盟約〉が上昇するまで、その属性に対する解体・再構成を試みることはできません。技能に成功したばあいの効果は各項目別の指示に従ってください。〈時の盟約〉の成功、ファンブルなどによってフリーWILLを消費しなくてはならないばあい、充分なフリーWILLがなければ失敗、とはなりません。キャラクターはそれによって死亡したり、存在が消滅したりするとしても、任意の属性を解体し、必要なポイントのフリーWILLを調達しなくてはなりません。
立脚するルーン
キャラクターの立脚するルーンに準じた技能の技能値が100に達している場合、1/100以下をロールすると〈時の盟約〉とは無関係に、強制的に「1/100成功による再構成」が発生します。技能分野修正値や呪文・状況等のボーナスは含めず、技能値のみで判断します。
存在の慣性
自分自身を変化させるのは、生易しいことではありません。キャラクターがいったんWILLを消費して増加もしくは減少させた能力値や技能は、次回逆方向に変化させるときに2倍のコストを必要とします。ただし「幻影/無秩序/混沌」のルーンに立脚したキャラクターはこの制約を受けません。POWの解体と再構成
POW1ポイントを解体すると1ポイントのフリーWILLを得ることができます。POW1ポイントを再構成するには1ポイントのフリーWILLを必要とします。POWとフリーWILLの変換は1対1であるため、WILLの総量が変わりません。フリーWILLとPOWの変換はもっとも基本的な行為なので、〈時の盟約〉技能のロールを行う必要がありません(行うことができません)。
POWの解体はDEXストライク・ランクで何ポイント行ってもかまいません。再構成できるのは10ストライク・ランクあたり、〈時の盟約〉技能の5分の1(切り上げ)に等しいポイントまでです。どのストライク・ランクに何ポイント再構成されているかは、端数切捨てで計算します。
女王主トロウルの“曲がり歯”ダンデは<時の盟約>を33%持つ英雄です。彼女は普段はPOWを12に落として、フリーWILLを200ポイントにしています。彼女には十分な魔術防御がありますし、敵を油断させるにも、寝首を掻くにも、目立っていいことはありません。
彼女を侮って襲撃してきたイェルマリオの戦士団を率いる司祭は、《霊視》に映る彼女の姿が、刻一刻とおぞましく膨れ上がっていくのに気がつきます。2ラウンド目にはPOW22、3ラウンド目にはPOW32となったダンデは、凄まじい近接攻撃に《惑い》を織り交ぜるだけで、12人の戦士団のほとんどを食料に変えてしまいました。
戦闘が終わると、彼女はPOWをフリーWILLに戻して、POWを12まで引き下げます。これでまた、間抜けな食料どもが、彼女にちょっかいをかけやすくなるでしょう。
能力値の解体と再構成
STR、CON、SIZ、INT、DEX、APPの現在値1ポイントを解体すると1ポイントのフリーWILLを得ることができます。現在値1ポイントを再構成するには2ポイントのフリーWILLを必要とします。解体と再構成のスピードは〈時の盟約〉の成功度で変わります。成功であれば1週間に1ポイント、効果的成功であれば1日に1ポイント、決定的成功であれば1時間に1ポイントの割合で変化させることができます。
一般にはWILLによる解体/再構成で能力値の本来値は増減しません。したがって訓練限界を上げることもできません。ですから病気や寿命、魔術などで能力値の本来値がゼロになったなら、不老不死を獲得していない英雄はその能力値にWILLを割り当てることができなくなり死亡します。不老不死を獲得している英雄は本来値がゼロになったとしてもWILLの加算を能力値として保持することができます。
特定のルーンに立脚した英雄は、対応する能力値の本来値を変化させることが可能です。また、対応する能力値の現在値1ポイントにつきフリーWILL1ポイントで再構成することができます。
能力値増減とルーンの対応
STR増加 | 火/水 |
CON増加 | 豊穣 |
SIZ増加 | 大地 |
DEX増加 | 風/移動 |
APP増加 | 調和/支配 |
すべての能力値の減少 | 暗黒 |
STR/CON/SIZ/DEX/APP増加 | 混沌 |
STR/CON/SIZ/INT/DEX/APP減少 | 混沌 |
POWはWILLの源泉としての純粋さゆえに、本来値を持ちません。
技能パーセントの解体と再構成
技能パーセントの解体
ひとつの技能から、一定以上の技能パーセントを失うことで、「技能パーセントの解体表」に従って、フリーWILLを獲得することが可能です。技能パーセントの解体表
解体する技能% | 必要なフリーWILL |
20% | 1ポイント |
40% | 4ポイント |
60% | 9ポイント |
80% | 16ポイント |
100% | 25ポイント |
以降20%につき+5ポイント |
例えば78%の技能から40%を解体することで4ポイントのフリーWILLを獲得したならば、技能は38%に低下します。技能を解体するには特に時間は必要なく、〈時の盟約〉のロールに成功するだけで構いません。しかし値を意図して失うことは難しく、効果的成功で20%、決定的成功で40%を、キャラクターの意図より多く解体してしまいます。
〈時の盟約〉による解体によって技能パーセントが0になった技能は完全に失われ、+5ポイントのボーナスがフリーWILLに加算されます。完全に失った技能は、以降どのような手段をもってしても回復することはできません。また、キャラクターはその技能がどのようなものであったか漠然と覚えているだけで、その技能を持つものが何を行うかを推測することさえ困難になります。「混沌」に立脚したキャラクターは、技能を完全に失ってもこのボーナスを得ることはできません。20%に満たない技能を完全に失っても、フリーWILLを獲得することはできません。
技能パーセントの再構成
技能パーセントを再構成するには指導者による訓練、もしくは経験チェック、場合によっては小規模なヒーロークエストが必要です。再構成には技能20%につき5ポイントのフリーWILLを必要とします。
①指導者の訓練による再構成
指導者による訓練では、フリーWILL5ポイントを消費して〈時の盟約〉をロールします。成功であれば1週間、効果的成功であれば1日、決定的成功であれば1時間の訓練を行った後に、20%の技能を向上させることができます。〈時の盟約〉に失敗したばあいでも、1週間分(50時間)の訓練時間は得ることができます。
訓練によって指導者を上回る技能パーセントを獲得することはできません。
②経験チェックによる再構成
キャラクターは、プレイ中に経験チェックに値する技能ロールを振る前に「存在を賭けて行動する」と宣言することができます。キャラクターは技能に加算したい値を20%単位で宣言し、対象とする技能と〈時の盟約〉の同時ロールを行います。
〈時の盟約〉に成功したならば、対象とする技能はキャラクターの意図した値まで成長します。また、効果的成功であれば20%、決定的成功であれば40%、キャラクターが意図した値より対象の技能は成長してしまいます。キャラクターは成長した技能20%あたり5ポイントのフリーWILLを消費しなくてはなりません。
必要なフリーWILLが足りない場合、キャラクターは「強制的な解体」に従って必要なWILLを調達しなければなりません。
対象とした技能の成否は〈時の盟約〉による再構成を行った技能パーセントを元に、同時ロールの値で判定します。
「安定」に立脚するキャラクターは、経験チェックによる再構成を行うことができません。
ブレンダインは右手を失い、左手でブロードソードを握り締めました。次の一撃を受け止めなければ、彼の運命もついえるのでしょう。タルートスの赤いシミターが鋭く唸りを上げた瞬間、ブレンダインは彼の全身全霊をかけて受け止めました。ブレンダインの左手ブロードソード受けは35%。〈時の盟約〉は18%です。
彼は技能95%(+60=フリーWILL15ポイント)を目標として〈左手ブロードソード受け〉と〈時の盟約〉を同時ロールします。ロールは04。〈時の盟約〉に効果的成功をしているため、フリーWILL20ポイントが消費され、〈左手ブロードソード受け〉は105%まで上昇しました。04は決定的受けとなり、タルートスの攻撃を弾き飛ばします。しかしブレンダインは大きな代償も支払ったのです。
③ヒーロークエストによる再構成
ヒーロークエストによる再構成は「ヒーロークエスト」の項で解説されます。
魔力ポイントとしての一時使用
英雄はフリーWILLをあたかも魔力ポイント(MP)のように一時的に使用することができます。1ポイントのフリーWILLは10ポイントの魔力ポイントとして使うことができ、1ポイントのフリーWILLを消費するのに必要なストライク・ランクは1ですみます。つまり英雄は一般人が投射するのにDEXSRM+10ストライク・ランク必要とする呪文をDEXSRM+1ストライク・ランクで投射することができるのです!ただしフリーWILL1ポイントは必ず一回の投射で消費しなくてはなりません。フリーWILLは2ポイント、3ポイント…と同時に使用することもできます。ストライク・ランクさえ余分に消費すれば、フリーWILLを一時使用した上にMPを加算することも可能です。
魔力ポイントとして一時的に消費しているWILLは再構成に用いることはできません。
一時使用したフリーWILLの回復
一時使用した1ポイントのフリーWILLはMPを100ポイント消費することで回復させることができます。一般的に英雄は信徒の捧げるMPで一時使用したフリーWILLを回復します。信徒の獲得
英雄となったものはPOWによる結びつきを行う「信徒」を持つことができるようになります。ただし神性カルトに属さない英雄が信徒を持てることに気づくのは稀です。通常、英雄が信徒の存在に気づくのは、カルトの礼拝行為の場です。キャラクターが司祭として祭儀を取り仕切っているならば、儀式におけるキャラクターの浄化技能が〈時の盟約〉を下回っていたばあい、キャラクターを尊敬する幾人かの信徒の魔力ポイントが流れ込んできます。これ以降、キャラクターは彼の仕えるカルトのサブカルトとして独立することができます。
神性カルトに属さないキャラクターは、こうした機会がほぼありません。よほど熱狂的な信奉者がいるならば、英雄を慕うあまり自発的にPOWを捧げ、英雄がそれに気づくかもしれません。そうでなければ、(英雄にはままあるような)魂が直接触れ合うような事件が必要になります。
ただし「支配」に立脚するキャラクターは、〈雄弁〉など「支配」に属する技能で「経験チェックによる再編成」が発生したときに、対象とした相手が忠誠を誓えば、意識することなく「信徒」として受け入れることができます。(が、それがキャラクターのアイデンティティーと相容れるかどうかは別の問題です。通常、祈祷師、魔道師は「支配」のルーンと相性がよくありません。)
英雄への入信
結びつきを創るにあたっては信徒を志願する者がPOWを1ポイント消費して〈浄化〉儀式に成功しなくてはなりません。英雄は信徒を受け入れるかどうかを選択することができます。このとき通常はなんらかの「誓い」がなされるのが普通です。信徒は英雄の望む行いを誓い、英雄は信徒への助力を誓います。信徒は入信時に捧げた1ポイントのWILLを介して英雄と結びついています。信徒が英雄を信仰しなくなっても、信徒の獲得によって得たWILLは失われません。
英雄と信徒の結びつき
祈り
英雄と信徒は精神的に交流を持ちます。信徒は〈浄化〉技能を用いて英雄に祈り、問いかけや報告をすることができます。祈りは地上界での物理的な距離には左右されませんが、《聖別》などの魔術的な結界や霊的な結界、精霊界や英雄界のような次元的な距離によって弱まることはあります。祈りの効果
決定的成功 | 言葉と感情がすべて伝わる。 |
効果的成功 | おおよその内容が伝わる。交渉技能は半分。 |
成 功 | 漠然とした祈りのイメージが伝わる。交渉技能は4分の1。 |
失 敗 | 効果なし。 |
ファンブル | 正反対の祈りが伝わる。 |
祈りを通じて信徒は英雄に交渉技能を用いることもできます。交渉技能がどの程度効果を表すかは祈りの成功度で変わります。
英雄になったからといって知性や判断力はそれまでと変わりません。1000人の信徒がいっせい語りかければ、とてもすべてを理解することはできません。そのため英雄が気にかけていられるのはINTに等しい信徒に限られます。どの信徒を対象とするかは英雄が任意に選択します。対象とする信徒は1ラウンドにひとりづつ切り替えることもできます。
語りかけ
英雄も祈りと同じように、気にかけている信徒に対して「語りかけ」ることができます。英雄から信徒に対する語りかけは気にかけている信徒全員に同時に行うことができます。MPを送る
英雄と信徒は<浄化>儀式に成功すれば、互いにMPを送ることができます。嘆願
信徒はD100ロールの出目と同じPOWを消費して英雄にそのポイント分のWILLを与えることができます。ロールでPOWと同じ値が出たばあい信徒は死亡します。ロールがPOWを上回ったばあいは何の効果もありません。このとき信徒が祈ったならば、英雄が気にかけているかどうかにかかわらず、その祈りは明確に伝わります。信徒から送られてきたWILLは信徒が願った目的にかなうように(英雄の意思にかかわりなく!)消費されます。英雄は〈時の盟約〉知識に成功すればこのWILLを消費せずにフリーWILLとして留めることができます。
信徒にWILLを使用する
英雄は自分に用いるのと同じように自分のWILLを消費して信徒にさまざまな能力を【貸与】することができます。《礼拝(英雄)》
英雄が《礼拝(英雄)》呪文を再使用可として能力化すれば、信徒は英雄への礼拝を行えるようになります。《礼拝》呪文が成功したなら礼拝の参加者が奉げたMPは(個々の信徒の〈浄化〉儀式の必要なしに)まとめて英雄に送られます。英雄が精霊界や英雄界、または神界にいるばあいは《聖別》呪文が必要になります。
魔術の貸与
表に表示されたWILLを英雄が能力化している神性魔術に割り当てることで、信徒はその魔術をPOWを消費して取得することができるようになります。POWコスト | 1 | 2 | 3 |
一回限り | 100 | 500 | 2500 |
再使用可 | 1000 | 5000 | 25000 |
神性呪文の再使用
10ポイントのWILLを【貸与】することで、ひとりの信徒を「神性呪文の再使用が可能」にすることができます。神性介入
10ポイントのWILLを【貸与】することで、ひとりの信徒を「神性介入D10」にすることができます。網の目ペナルティー
通常のキャラクターでは問題にならないため明文化されていなかったルールが追加されます。WILLが100を越えたキャラクターは神々に近づきつつあり、大いなる盟約の「直接に力を振るうことなかれ」という制約によって、徐々に物質界から疎外され始めます。
これは倦怠感や霞のかかったような知覚、鈍い痛みや不快感、他者からの疎外感となって現れ、ルール的には疲労の上限値が100をWILLが超えているポイント分低下することになります。
疲労を持たないキャラクターは、単純に超過分をすべての行動の成功率へのペナルティーとします。
これを「網の目」ペナルティーと呼びます。
WILLが171まで上がったジェロは、長期疲労の上限が71ポイント低下します。
STRとCONを足した元の疲労ポイントの上限は39。71ポイント低下すると、上限値がマイナス32になります。
ジェロは十分休息した後でも、全ての判定に-31%のペナルティーを受ける状態から行動することになります。
当然、戦闘行動をすれば、毎ラウンド疲労し、-32、-33と、ペナルティーが大きくなっていきます。
それでも攻撃成功率は500%以上あるので、剣を振れば対象は死ぬことになります。
〈自国語〉が50%あったとしても成功率は20%。INTの5倍ロールも同様にペナルティーを受けます。
ジェロに相対したものは、彼を人間と認識せず、「死」そのものとして恐怖に震えることになるでしょう。
網の手ペナルティーによって技能成功率がゼロになる場合、キャラクターはその技能を認識できなくなります。
キャラクターの思考からその手段が除外されるため、最低成功率の05%で判定することもできません。
キャラクターの行動は、ルーンを体現する存在として、ふさわしいものになっていくでしょう。
〈知覚(網)〉 英雄00
〈時の盟約〉を5%を越えたキャラクターは〈浄化〉の5分の1を初期値として〈知覚(網)〉技能を獲得します。〈時の盟約〉が5%に満たないキャラクターは〈浄化〉の5分の1を代替して判定することがあります。
この判定には「網の目」ペナルティーは適用されません。
この技能によってキャラクターは網の目の細かさを感じることができるようになります。
つまり、網の目の大きな場所、精霊会・英雄界・神界へと続く道を見つけられるようになるのです。
〈封印〉 英雄00
〈時の盟約〉を5%越えたキャラクターは〈呪付〉の5分の1を初期値として〈封印〉技能を獲得します。〈時の盟約〉が5%に満たないキャラクターは〈呪付〉の5分の1を代替して判定することがあります。
この判定には「網の目」ペナルティーは適用されません。
WILLを1点消費することで、自分の技能や能力値ひとつを20WILLの範囲で封じ込めます。
以下、能力値と技能を合わせて、「能力」と呼びます。
封じ込めた能力分WILLは低下したものとして時の網ペナルティーを計算します。
効果的成功では40WILLを封じ込めるか、ふたつの能力を封じ込めるかを選択できます。
決定的成功では60WILLを封じ込めるか、みっつの能力を封じ込めるかを選択できます。
ファンブルするとWILLを1D6ポイント消費して、封印は失敗します。このとき対象とした能力から消費するWILLを支払うことはできません。
封印した能力を解放するには1アクションを使用して〈封印〉技能に成功する必要があります。
ファンブルすると封印は解除されず、WILLを1D6ポイント消費してしまいます。このとき封じている能力のWILLを使用することはできません。
ひとつの能力を分割して複数の封印に振り分けることは可能です。
WILLの供給源となっている特殊能力も封印の対象とすることができます。
複数の封印がある場合、個別に解放する必要があります。
封印能力の一時使用
〈封印〉を判定し、1フリーWILLを一時消費することで「1シーン」の間、封じられた能力を解放することができます。この場合、再封印することなく、1シーンの終了時に能力は再封印されます。
英雄技能
英雄技能は〈浄化〉で成功率を上昇させることが可能です。英雄技能は〈時の盟約〉と同様、再構成の対象とすることができません。
英雄技能はWILLを消費しての経験チェックにより、1%づつ上昇します。
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以下、執筆中
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ヒーロークエスト
英雄界
小クエスト
礼拝
特殊能力の獲得
移動力/耐久力/AP/行動回数/不老不死/転生
魔術能力の獲得
精霊魔術
神性魔術
魔道
大クエスト
英雄界との行き来
WILL戦闘
WILLの大きさによる階層乖離
検討項目
WILLの負債
共有WILLのアンビバレンツ
抵抗ロールのインフレーション
縁
改定履歴
2008/09/23 〈時の盟約知識〉を知識分野から特殊技能として〈時の盟約〉に変更。知識分野修正値をつけないものとした。2020/01/19 時の盟約と自覚を追記。フリーWILLの回復を100MPに。
2020/02/01 網の目ペナルティー。
- WILLポイントの補正予定
再使用可能な神性魔術を1から2にする代わりに司祭の+10廃止。 -- (なゆた) 2015-12-23 22:39:46