少女・牧村美樹は壁に背を預け、紅い月を見上げながらフゥ、と息を吐いた。
「死んじゃったんだよね、あたしって」
自分は確かに死んだ筈だった。
ワムやミーコに託されて、託されて、それでも逃げきれずに背中から包丁を振り下ろされて。
あの裂かれた痛みは決して忘れられない。
傷こそ完治しているが、決して夢などではない。
ならばここはあの世なのだろうか。
だとしたら、死んだ先でも殺し合わせるなんて無情にもほどがある。
ワムやミーコに託されて、託されて、それでも逃げきれずに背中から包丁を振り下ろされて。
あの裂かれた痛みは決して忘れられない。
傷こそ完治しているが、決して夢などではない。
ならばここはあの世なのだろうか。
だとしたら、死んだ先でも殺し合わせるなんて無情にもほどがある。
(...明くん、心配だなあ)
想いを馳せるのは、家族として共に生きてきた少年・不動明のこと。
彼は悪魔に取り憑かれながらも人間の心を保ち、悪魔族(デーモン)ではなく"デビルマン"となり人々の為に戦ってきた(と美樹は聞かされている)。
ワムやガビは彼の言葉をすぐには信じられなかったが、美樹にはすぐにわかった。
ずっと一緒に暮らしていたというだけではない。
美樹の家族が殺された時、明は涙を流していた。
例えデビルマンであろうとも、誰かを気遣い、誰かの為に悲しみ涙をする男。それが不動明だとあの時ハッキリとわかったのだ。
だから、美樹は明を恐れなかった。真っ先に彼を信じ、共に抱きしめあった。
表立ってデビルマンである彼に味方をする旨を発信してしまったせいで殺されることにも、それ自体には恨みも後悔も無かった。
彼は悪魔に取り憑かれながらも人間の心を保ち、悪魔族(デーモン)ではなく"デビルマン"となり人々の為に戦ってきた(と美樹は聞かされている)。
ワムやガビは彼の言葉をすぐには信じられなかったが、美樹にはすぐにわかった。
ずっと一緒に暮らしていたというだけではない。
美樹の家族が殺された時、明は涙を流していた。
例えデビルマンであろうとも、誰かを気遣い、誰かの為に悲しみ涙をする男。それが不動明だとあの時ハッキリとわかったのだ。
だから、美樹は明を恐れなかった。真っ先に彼を信じ、共に抱きしめあった。
表立ってデビルマンである彼に味方をする旨を発信してしまったせいで殺されることにも、それ自体には恨みも後悔も無かった。
「明くんは私が死んできっと泣いてる。だったら私も蹲ってても仕方ないや」
元の世界に戻ったところで、また人間同士の悪魔狩りに晒されるだけかもしれない。
それでも、明をずっと孤独に戦わせるよりはいい。
殺し合いには賛同せず、自分のやり方で彼の元へ会いに行って安心させてあげよう。
それでも、明をずっと孤独に戦わせるよりはいい。
殺し合いには賛同せず、自分のやり方で彼の元へ会いに行って安心させてあげよう。
決意を改に、美樹は殺し合いを止めて生き残ることを決意する。
その為に支給品を確認する。
ワムから自衛の為にと拳銃を渡された時は『人を殺したくない』と断ってしまったが、もしもあの殺される直前、脅しでも武器を使っていたらなにかが変わっていたかもしれない。
せめて護身用でも何かしらは携帯しておかなくては。
その為に支給品を確認する。
ワムから自衛の為にと拳銃を渡された時は『人を殺したくない』と断ってしまったが、もしもあの殺される直前、脅しでも武器を使っていたらなにかが変わっていたかもしれない。
せめて護身用でも何かしらは携帯しておかなくては。
ふにぃ
掴んだ柔らかい感触に、美樹は疑問を抱きながらも引きずり出す。
ズルリ、とデイバックから出てきたのは猫のような獣の耳と鋭い爪を生やした前足、そして大きなくりくりとした片目が特徴的な肉塊だった。
―――そう、肉塊。生物としての型を留めておらず、割れた西瓜のように取り付けられた大きな口から「な〜」「み〜」などと鳴くその様は生物として冒涜的にも思える。
そんなソレは、まさに蠢く肉塊としか言いようがなかった。
ズルリ、とデイバックから出てきたのは猫のような獣の耳と鋭い爪を生やした前足、そして大きなくりくりとした片目が特徴的な肉塊だった。
―――そう、肉塊。生物としての型を留めておらず、割れた西瓜のように取り付けられた大きな口から「な〜」「み〜」などと鳴くその様は生物として冒涜的にも思える。
そんなソレは、まさに蠢く肉塊としか言いようがなかった。
「ひ、いやああああ!!」
美樹は悲鳴と共に思わず掴んだソレを放り出し尻餅を着いてしまう。
「な〜〜〜〜〜」
ずるり、ずるりと地を這い寄ってくるソレから距離を取ろうとするも、美樹は腰が砕けてしまい立つことすらままならなかった。
「い...いや...助けて...」
助けを求めるも、ここに自分の味方は誰もいない。明も、ミーコも、ワムたちも。
再びこの生はここで潰えてしまうのか、と涙と共に目を瞑る。
再びこの生はここで潰えてしまうのか、と涙と共に目を瞑る。
―――大柴流必殺剣 断鉄閃
否。彼女の救いの声を聞く者はここにいた。
肉塊を一文字に切り裂いた影は、スタリと華麗に美樹の前に降り立つ。
その影は女だった。一振りの刀を手に、文字通り燃え盛る身体と実った果実を惜しみなく露わにした少女だ。
肉塊を一文字に切り裂いた影は、スタリと華麗に美樹の前に降り立つ。
その影は女だった。一振りの刀を手に、文字通り燃え盛る身体と実った果実を惜しみなく露わにした少女だ。
「大丈夫?怪我はない!?」
第一声がこちらを気遣うものだったので、美樹はハァ、と安心感から気の抜けた声が漏れてしまう。
「う、うん。なんともない」
「そっか。いや〜良かったよ間一髪間に合ったみたいで」
「そっか。いや〜良かったよ間一髪間に合ったみたいで」
そう言いながら朗らかに笑う異形の少女を見て、美樹は思う。見た目は怪物みたいだけど、こんな状況で悲鳴を聞いて駆けつけてくれるなんて優しい人なんだろうなと。
「...!」
その彼女の姿が、明と繋がった。明もまた、テレビで放送された映像こそは禍々しい怪物の姿で暴れまわっていたものの、その心は変わっていなかった。
ならばこの娘も明と同じ境遇にあるのではないか。
ならばこの娘も明と同じ境遇にあるのではないか。
「あ、あの」
「な〜〜〜〜〜な〜〜〜〜〜」
「な〜〜〜〜〜な〜〜〜〜〜」
そう尋ねようとした美樹の言葉は、そんな気の抜けるような鳴き声に邪魔された。
「うそっ!クリーンヒットさせたはずなのに!」
二人が声の出所へと視線をやれば、それは紛れもなく、先ほど両断された筈の肉塊だった。
肉塊は斬られた部位同士が蠢き接合し、また元の形へと戻ろうとしている。
肉塊は斬られた部位同士が蠢き接合し、また元の形へと戻ろうとしている。
「こんにゃろそういうタイプの悪魔族(デーモン)か!だったらそれ用の技も教わってるもんね!」
異形の少女が刀に手をかけ吼える一方で、美樹は肉塊に対して奇妙な違和感を抱いていた。
(泣いてる...?)
肉塊の大きな右目からは、ぽろぽろと水滴が零れていた。
その様子から、とてもこちらを害するようなつもりがあるようには見えなくて。
思い返せば、引きずり出した時もなにをするつもりでもなく、ただ放り出されてしまったので元の場所に戻ろうとしているだけに見えなくもない。
その様子から、とてもこちらを害するようなつもりがあるようには見えなくて。
思い返せば、引きずり出した時もなにをするつもりでもなく、ただ放り出されてしまったので元の場所に戻ろうとしているだけに見えなくもない。
「くらえ大柴流連連斬り―――」
「待って!」
「待って!」
美樹の静止の声に、異形の少女はピタリと止まる。
「っとと、どうしたのさ?」
「ごめん、ちょっとあの子と話をさせて欲しいの」
「いや、話って...ええ!?」
「ごめん、ちょっとあの子と話をさせて欲しいの」
「いや、話って...ええ!?」
止めた方がいいと呼び止める声に構わず、美樹は肉塊へと歩み寄る。
「さっきは怖がってごめんね。でも、もう大丈夫だから」
(そうよ牧村美樹。自分で言ったことじゃない)
(そうよ牧村美樹。自分で言ったことじゃない)
自分が殺される数時間前、美樹は己の意志で世界に向けて発信した。
どんな状況下においても信じる心を無くしたくない。話し合う心があるならどんな相手でも受け入れたいと。
それを嘘にはしない。相手が人間でなくても、争いたくないという意思があれば誰であれ尊重したい。
どんな状況下においても信じる心を無くしたくない。話し合う心があるならどんな相手でも受け入れたいと。
それを嘘にはしない。相手が人間でなくても、争いたくないという意思があれば誰であれ尊重したい。
屈みこみ、肉塊へとそっと手を差し伸べる。
「な〜〜〜〜〜」
肉塊は鳴き声を上げながら美樹の掌へとよじ登っていく。
「ちょ、ちょっと離れた方がいいって!」
「んっ...大丈夫。なんともないから」
「んっ...大丈夫。なんともないから」
這われる感触に嫌悪は抱かず、むしろマッサージをされてるような心地よささえ感じる。
「な〜〜〜〜〜〜み〜〜〜〜〜〜〜」
肉塊は美樹の腕を這い上っていき、頭部を目指していく。
その様を指を咥えて見ていられないと剥がそうとする異形の少女に、大丈夫だからと微笑みかけて制する。
その様を指を咥えて見ていられないと剥がそうとする異形の少女に、大丈夫だからと微笑みかけて制する。
やがて肉塊は美樹の頭頂まで辿り着き、やがて首元まで降りてマフラーのようにスポリと収まった。
「そこが落ち着くのかな?うん、ならここにいなよ」
「な〜〜〜〜〜〜」
「な〜〜〜〜〜〜」
その一連の流れを見届けた異形の少女はポカンと口を開けまま呆けてしまった。
「...凄い、手なづけちゃった」
「まあ、元々は私の支給品だったし」
「えっ、そうなの?じゃああたしひょっとして早とちりしちゃった?」
「ううん。あなたが助けに来てくれたお陰で落ち着けたし、殺し合いに乗ってない人がほかにもいるってわかって安心できてうれしいよ」
「うへへ...やっぱり褒められると嬉しいねえ」
「まあ、元々は私の支給品だったし」
「えっ、そうなの?じゃああたしひょっとして早とちりしちゃった?」
「ううん。あなたが助けに来てくれたお陰で落ち着けたし、殺し合いに乗ってない人がほかにもいるってわかって安心できてうれしいよ」
「うへへ...やっぱり褒められると嬉しいねえ」
朗らかに会話し、間に在る空気も緩いものになった二人。
美樹は今が好機と見て、意を決して先の質問の続きを投げかけた。
「あの、あなたのその姿。明くんに似てるんだけど、彼についてなにか知ってる?」
「えっ、あなたアキラくんのこと知ってるの!?」
「えっ、あなたアキラくんのこと知ってるの!?」
やっぱり、と美樹は確信する。
この少女は間違いなく明と同類の仲間だ。
この少女は間違いなく明と同類の仲間だ。
「うん。明くんは私の家族だよ。SNSでも公表したけど...」
「え?」
「え?」
異形の少女はパチクリと目を瞬かせる。
その様子に、美樹は首を傾げる。
その様子に、美樹は首を傾げる。
「どうしたの?」
「いやー、うちにもアキラって居候がいてさ。幼馴染なんだけどね」
「えぇっ!?」
「いやー、うちにもアキラって居候がいてさ。幼馴染なんだけどね」
「えぇっ!?」
今度は美樹が驚く番だった。
まさかこの短時間で、自分と同じく身内に明という少年がいる参加者に会えるとはもはや奇跡と言えよう。
まさかこの短時間で、自分と同じく身内に明という少年がいる参加者に会えるとはもはや奇跡と言えよう。
「凄い偶然だね。えっと...」
「おっと名前教えてなかったっけ。あたし魔鬼邑(マキムラ)ミキ。よろしくね!」
「」
「おっと名前教えてなかったっけ。あたし魔鬼邑(マキムラ)ミキ。よろしくね!」
「」
ポカンと口を開けて呆ける美樹に、ミキが首を傾げる。
「どうしたのさ?」
「...あたしも名前、牧村美樹(まきむらみき)なの」
「......」
「...あたしも名前、牧村美樹(まきむらみき)なの」
「......」
思考も止まる数秒の沈黙。そして声をそろえて
「「ぅえええええええええええ!!!??」」
【魔鬼邑ミキ@デビルマンG】
[状態]健康
[装備]魔女っ子の衣装、冨岡義勇の日輪刀
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:打倒主催者。殺し合いには絶対に乗らない!!
0:うええ!?あたしと同じ名前!?
※参戦時期はデビルマンの力を手に入れた後
[状態]健康
[装備]魔女っ子の衣装、冨岡義勇の日輪刀
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:打倒主催者。殺し合いには絶対に乗らない!!
0:うええ!?あたしと同じ名前!?
※参戦時期はデビルマンの力を手に入れた後
【牧村美樹@デビルマンcrybaby】
[状態]健康
[装備]制服、ミーティ@メイドインアビス
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:殺し合いを止める
0:あたしと同じ名前で明くんと住んでいて!?
※参戦時期は死亡後
[状態]健康
[装備]制服、ミーティ@メイドインアビス
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:殺し合いを止める
0:あたしと同じ名前で明くんと住んでいて!?
※参戦時期は死亡後
【ミーティ@メイドインアビス】
少女・ミーティがアビスの呪いを受けた成れ果て。
自我はなく、大概の怪我を自動で修復し、ただただ死ねずに生き続けるだけの哀れな肉塊。
ミーティに毒を打ち込むと自力で治し、その血を解毒剤の材料にすることが出来る。
少女・ミーティがアビスの呪いを受けた成れ果て。
自我はなく、大概の怪我を自動で修復し、ただただ死ねずに生き続けるだけの哀れな肉塊。
ミーティに毒を打ち込むと自力で治し、その血を解毒剤の材料にすることが出来る。