殺し合いなんて冗談じゃない。
平安京に投げ出された桃井愛莉が考えたのは、そんな当たり前のことだった。
平安京に投げ出された桃井愛莉が考えたのは、そんな当たり前のことだった。
やっと自分が本当にやりたかったことに気づいて、新しい仲間とユニット名を決めて練習を始めたところなのだ。
『ステージの上からみんなに希望を届けるアイドルになりたい』という、たった一つのシンプルな答え。
これからの仕事のこととか、事務所のこととかはまだ全然考えてないけど、一番大切なことに気づけたところなのに。
『ステージの上からみんなに希望を届けるアイドルになりたい』という、たった一つのシンプルな答え。
これからの仕事のこととか、事務所のこととかはまだ全然考えてないけど、一番大切なことに気づけたところなのに。
先ほど見せしめとして殺された少女のことを思えば、体は恐怖で震える。
当然だろう。アイドルであってもこの場所の基準においては自分は一般人。ただのか弱い女子高生でしかない。
……自分が生き残るためには、誰かをこの手にかけなければいけないのだろうか。
当然だろう。アイドルであってもこの場所の基準においては自分は一般人。ただのか弱い女子高生でしかない。
……自分が生き残るためには、誰かをこの手にかけなければいけないのだろうか。
―――桃井先輩!! ダメ!!
―――桃井先輩は『アイドル』なんですよ!!
―――アイドルは、みんなに希望をあげる存在なんですよ!!
そんな声が頭の中にフラッシュバックした。
自分が頭に血が上っていた時、道を踏み外さないよう止めてくれた言葉。
自分が頭に血が上っていた時、道を踏み外さないよう止めてくれた言葉。
「……わかってるわよ、みのり。私は、アイドルだから。」
必死なみのりの顔を思い返して苦笑する。
またみのりに助けられちゃったな、と思った。
そう、私はアイドルなのだ。殺し合いなど絶対にやってやるものか。
またみのりに助けられちゃったな、と思った。
そう、私はアイドルなのだ。殺し合いなど絶対にやってやるものか。
決意を新たに平安京の町を歩いていると、この場所に不釣り合いなものを見つけた。
それは、どこかの野外ステージだろうか?ステージ、客席、舞台袖と見覚えのあるものがそろっていた。
しかしそれはあまりにも浮いていた。空が一面真っ赤に染まり、不気味な月が浮かぶこの平安京では。
まるでここだけ切り取って無理矢理くっつけたような異様さ。
それは、どこかの野外ステージだろうか?ステージ、客席、舞台袖と見覚えのあるものがそろっていた。
しかしそれはあまりにも浮いていた。空が一面真っ赤に染まり、不気味な月が浮かぶこの平安京では。
まるでここだけ切り取って無理矢理くっつけたような異様さ。
それを見た愛莉は、主催の少女たちに嘲笑われているように感じた。
まるで「こんな場所でアイドルを貫き通せるものならやってみろ」と、そう言われているように。
……そんなステージを見せられて、カチンときた。
まるで「こんな場所でアイドルを貫き通せるものならやってみろ」と、そう言われているように。
……そんなステージを見せられて、カチンときた。
「―――上等じゃない。やってやるわよ!」
言うや否や、ステージに向かって駆け出した。
観客は一人もおらず、音響の設備や照明自体はあるもののそれを動かすスタッフは一人もいない。
でもそんなの関係なかった。一人でステージに上がり、客席を見据えて目を瞑る。
瞼の裏に浮かぶのはセカイのステージ。そして近くにいる他のメンバーの姿。
一緒にいなくても心は繋がっている。そう実感した。
観客は一人もおらず、音響の設備や照明自体はあるもののそれを動かすスタッフは一人もいない。
でもそんなの関係なかった。一人でステージに上がり、客席を見据えて目を瞑る。
瞼の裏に浮かぶのはセカイのステージ。そして近くにいる他のメンバーの姿。
一緒にいなくても心は繋がっている。そう実感した。
音響スタッフはいないから当然歌はアカペラだ。マイクもないから、歌声が届く距離にも限度がある。
それでも、という思いで大きく息を吸った。当然立ち位置も確認済み。
歌うのは、あの曲がいいだろう。―――みのりが遥へ気持ちを伝えるために歌った、あの曲が。
それでも、という思いで大きく息を吸った。当然立ち位置も確認済み。
歌うのは、あの曲がいいだろう。―――みのりが遥へ気持ちを伝えるために歌った、あの曲が。
◇◆◇
「何なのよ、殺し合いって……。」
平安京に投げ出された黛冬優子はそう呟いた。
現実とはかけ離れた真紅の空、平安京の町並み。そして先ほど見せしめとして殺された少女。
いっそ悪い夢であってくれたらどんなに良かっただろうか。だが、自分の五感から流れてくる情報がこれは現実なのだと否応なく伝えてくる。
現実とはかけ離れた真紅の空、平安京の町並み。そして先ほど見せしめとして殺された少女。
いっそ悪い夢であってくれたらどんなに良かっただろうか。だが、自分の五感から流れてくる情報がこれは現実なのだと否応なく伝えてくる。
当然、人並みに自分の命は惜しい。
理想を言えば、誰も命を落とさないでこの殺し合いというイベントをぶち壊してほしい。
そんな子供のようなハッピーエンドを思い浮かべる。
だが、それが夢物語であろうことがわかるくらいには冬優子は大人だった。
理想を言えば、誰も命を落とさないでこの殺し合いというイベントをぶち壊してほしい。
そんな子供のようなハッピーエンドを思い浮かべる。
だが、それが夢物語であろうことがわかるくらいには冬優子は大人だった。
自分がどうしたいのか、何をすればいいのかもわからず街中を歩いていく。
……ふと、どこからか歌声が聞こえた気がした。
最初は聞き間違いだと思った。この場所とは不釣り合いな歌。
冬優子でも聞いたことがある、バーチャルシンガーが歌うポップでキュートなラブソング。
……ふと、どこからか歌声が聞こえた気がした。
最初は聞き間違いだと思った。この場所とは不釣り合いな歌。
冬優子でも聞いたことがある、バーチャルシンガーが歌うポップでキュートなラブソング。
幻聴かと思っていたが、いつまでたってもその歌声が途切れる様子はない。
まさか、本当に誰かが歌っているのか?と信じられぬままに周辺を捜索した。
すぐにそれらしい会場を見つけ、ステージの上を確認する。―――そこには確かに「アイドル」がいた。
まさか、本当に誰かが歌っているのか?と信じられぬままに周辺を捜索した。
すぐにそれらしい会場を見つけ、ステージの上を確認する。―――そこには確かに「アイドル」がいた。
音響設備も照明もなしに、自分の歌声とダンスだけでステージを舞う少女。
踊りに合わせて乱れるピンクの長髪と、時折跳ねる透明な汗がどこか眩しかった。
踊りに合わせて乱れるピンクの長髪と、時折跳ねる透明な汗がどこか眩しかった。
歌っている歌はラブソングで、今の状況とは何の関係もない。
でも、歌っている彼女の気持ちが歌に乗って聞こえてくるような感じがした。
「殺し合いなんて知ったことか。私はアイドルだ。」という叫び声が。
でも、歌っている彼女の気持ちが歌に乗って聞こえてくるような感じがした。
「殺し合いなんて知ったことか。私はアイドルだ。」という叫び声が。
さっきまで「自分は大人だから、そんなものは夢物語だ。」と思っていた冬優子にもどこか刺さった。
大人になんてならなくていい、なってたまるか、こんな状況クソくらえだ。
……まるで、自分の気づいていなかった本音を暴かれたような、そんな気持ちだった。
いや違う。本当は気づいていた。だけど、そんなことできるわけがないと、どこか大人ぶって見ないふりをしていた。
大人になんてならなくていい、なってたまるか、こんな状況クソくらえだ。
……まるで、自分の気づいていなかった本音を暴かれたような、そんな気持ちだった。
いや違う。本当は気づいていた。だけど、そんなことできるわけがないと、どこか大人ぶって見ないふりをしていた。
それを目の前の少女のように、さらけ出してぶつけることに怯えていただけなんだと。
―――ただ、アイドルでいたい。殺し合いなど知ったことか。
それを邪魔する建前など、自分の歌で消してやる。そう背中を押された気がした。
―――ただ、アイドルでいたい。殺し合いなど知ったことか。
それを邪魔する建前など、自分の歌で消してやる。そう背中を押された気がした。
自分の気持ちを自覚した冬優子の内に湧いてきたのは、目の前の少女に対するライバル心だった。
あの子に負けたくない、自分だってアイドルだ、と。
自分の気持ちに素直に行動する、と決めた冬優子は気づいたらステージに向かって駆け出していた。
あの子に負けたくない、自分だってアイドルだ、と。
自分の気持ちに素直に行動する、と決めた冬優子は気づいたらステージに向かって駆け出していた。
ステージの少女も最初気づいた時には驚いたような顔をしていた。
でも、冬優子がそのまま彼女の横に立って一緒に踊りだしたのを見て、パフォーマンスへと意識を戻した。
でも、冬優子がそのまま彼女の横に立って一緒に踊りだしたのを見て、パフォーマンスへと意識を戻した。
この曲の振り付けは、知っている限りでもいくつかのパターンがある。
少女が踊っている振り付けは、幸運なことに冬優子も以前見たことがあるものだった。
少女が踊っている振り付けは、幸運なことに冬優子も以前見たことがあるものだった。
ストレイライトの二人と一緒に踊っていたからわかる。彼女の踊っているダンスは本来、複数人で踊るものだ。
でも、あえて一人用のアレンジをせずに自分のパートだけを踊っている。他のメンバーの立ち位置と姿が幻視できる気がした。
それに冬優子も感じ入るものがあったから、自然と少女の反対側で合わせるように踊り始める。
でも、あえて一人用のアレンジをせずに自分のパートだけを踊っている。他のメンバーの立ち位置と姿が幻視できる気がした。
それに冬優子も感じ入るものがあったから、自然と少女の反対側で合わせるように踊り始める。
もちろん冬優子は芹沢あさひのような天才とは違うので、練習もなしに見ただけの踊りを完璧にこなすことなどできない。
自分でもはっきりわかるくらい、所々振り付けは間違えている。
それでも、彼女には負けたくなかった。その一心だけで彼女のパフォーマンスに食らいつく。無我夢中だった。
自分でもはっきりわかるくらい、所々振り付けは間違えている。
それでも、彼女には負けたくなかった。その一心だけで彼女のパフォーマンスに食らいつく。無我夢中だった。
いつの間にか一曲のパフォーマンスを終えていた。
茫然自失としながら肩で息をする。隣の少女も同じようだったが、その顔には満足げな笑顔を浮かべていた。
鏡を見なくてもわかる。自分も同じような顔をしているだろう。
何も言葉は交わしていないが、お互いの気持ちは十分伝わっただろうと思った。
……そこまで考えたところで、まだお互いに相手の名前すら知らないことに気づく。
茫然自失としながら肩で息をする。隣の少女も同じようだったが、その顔には満足げな笑顔を浮かべていた。
鏡を見なくてもわかる。自分も同じような顔をしているだろう。
何も言葉は交わしていないが、お互いの気持ちは十分伝わっただろうと思った。
……そこまで考えたところで、まだお互いに相手の名前すら知らないことに気づく。
「……ストレイライトの黛冬優子よ。アンタには負けないから。」
『ふゆ』で応対するべきか、と一瞬考えた。
でも、ここまで闘争心をむき出しにしてパフォーマンスをした相手に今更それは違うような気がした。
悩んだ末に、冬優子として啖呵を切る。「ストレイライトって、283プロの!?」と相手は驚いていた。
どうやら相手はこちらのことを知っていたらしい。……おそらく、普段のふゆとは全然違うから今まで気づかなかったのだろう。
でも、ここまで闘争心をむき出しにしてパフォーマンスをした相手に今更それは違うような気がした。
悩んだ末に、冬優子として啖呵を切る。「ストレイライトって、283プロの!?」と相手は驚いていた。
どうやら相手はこちらのことを知っていたらしい。……おそらく、普段のふゆとは全然違うから今まで気づかなかったのだろう。
「MORE MORE JUMP!の桃井愛莉よ。……訳あってまだ事務所には所属してないけど。
こっちだって、負けるつもりは毛頭ないから。」
こっちだって、負けるつもりは毛頭ないから。」
向こうも真っ向から啖呵を切ってきた。
相手の名乗ったユニット名には聞き覚えがなかったが、事務所と同じで何か訳があるのだろう。
相手の名乗ったユニット名には聞き覚えがなかったが、事務所と同じで何か訳があるのだろう。
お互いに啖呵を切ったまましばらくにらみ合っていたが、どちらからともなく笑いだす。
どこか他人のような気がしなかった。こんな場所で会うと思わなかった、志を同じくする相手。
平安京に投げ出された直後の後ろ向きな気持ちは、いつの間にか吹き飛んでしまっていた。
どこか他人のような気がしなかった。こんな場所で会うと思わなかった、志を同じくする相手。
平安京に投げ出された直後の後ろ向きな気持ちは、いつの間にか吹き飛んでしまっていた。
【桃井愛莉@プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク】
[状態]:健康、歌って踊ったことによる疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:アイドルを貫く。
1:冬優子には負けない。
2:殺し合いには絶対乗らない。
3:283プロって、あの283プロよね……?
[備考]
※参戦時期は少なくともMORE MORE JUMP!のユニットストーリー20話終了後です。
※283プロのことは多少知っているようです。
[状態]:健康、歌って踊ったことによる疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:アイドルを貫く。
1:冬優子には負けない。
2:殺し合いには絶対乗らない。
3:283プロって、あの283プロよね……?
[備考]
※参戦時期は少なくともMORE MORE JUMP!のユニットストーリー20話終了後です。
※283プロのことは多少知っているようです。
【黛冬優子@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康、歌って踊ったことによる疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:アイドルを貫く。
1:愛莉には負けない。
2:殺し合いには絶対乗らない。
3:MORE MORE JUMP!なんてアイドルユニット、あったかしら。
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします。
[状態]:健康、歌って踊ったことによる疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:アイドルを貫く。
1:愛莉には負けない。
2:殺し合いには絶対乗らない。
3:MORE MORE JUMP!なんてアイドルユニット、あったかしら。
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします。