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 シャンゼリオンとほむらは、決して単純に行く協力関係ではなかった。
 性別は勿論、年齢も、性格も、変身の性質も、力の差も、何もかもが二人は正反対で、共通点が無かったのである。
 いま現在、こうして目の前に怪人が現われ、自分たちの命を護るために協力しろと言われても、二人はすぐにはできないだろう。


「──!」


 ほむらは、何も言わずとも威嚇には充分なほどの剣幕で、ディバイトランチャーをメタルドーパントに向ける。だが、彼女の戦法はただ撃つだけではない。
 誰も認識できない止まった世界の中で、相手の意表をつくような形で敵を撃つ。
 ──現実に、銃口がメタルドーパントに向いた瞬間を誰も認識していない。
 魔法少女としての能力と、輪廻の中で培った経験が、彼女の戦力であった。

 ほむらは引き金を引く。現状で使える唯一の武器がコレだ。
 せめて、もう少し重火器が欲しいと、何度となく願ったが、あるだけあり難い。

 その弾が当たった瞬間、メタル・ドーパントは驚愕する。二発、三発、四発……撃った分は、全て当たった。
 丈瑠も、弾斬りくらいは造作もないと思っていたのに、自分の体にビームが何発も当たったのだ。
 メタルドーパントの体表で、光は破裂する。衝撃波が、彼の体を吹き飛ばした。一瞬、何が起こったのか理解できないようだった。


「さすがっ!」


 暁はほむらを素直に褒めた。
 まだ互いの戦法を上手く理解してないとはいえ、暁も先ほどほむらをギリギリで助けた身だ。ほむらが超常的な能力を持つことはわかっている。
 とはいえ、戦闘中にこうして手を弾いて相手を褒めるというのもどうか。
 こうした様子が、ほむらを脱力させる。この男は、どこまでお気楽なのだろう。生死をかける戦いでさえも、冗談を言うかのように軽く行っていた。

「──俺もちょっとは頑張らないとね! シャイニンっぶぇっ!!」


 ただし、暁は自分自身の戦い方と能力を知らない。
 丈瑠の熟練された剣技は、容赦なくシャンゼリオンの体を切りつけた。まるでガラス片が飛散したかのように、綺麗な体表がきらきらと舞う。
 暁に格好をつける暇があるか……? そんなもの、あるわけがない。
 変身後のスペックよりも、変身前の能力が戦闘に投影されていると思っていい。
 暁にシャンゼリオンの力は不釣合いであった。ほむらもそれを間近で見て、思わず呟く。


「……どうして、貴方にそんな力が宿ったのか……不思議だわ」

「俺だって別に好きでやってんじゃないの!」


 メタルドーパントは裏正を真っ直ぐに前へと突き出す。
 確かにそれは俊敏な動きだったが、シャンゼリオンは本能的にそれを掴んだ。
 百度に一度の偶然が来たとでもいうべきか。常人ならば避けたりなどできないはずの動きを、シャンゼリオンは偶然にも回避してしまったのである。
 それは、彼が「超ラッキー」だからだろうか。おそらく、そうだろう。
 メタルドーパントも別に驚きはしなかった。何度も戦えば、このくらいのことはある。ましてや、相手はシンケンレッド以上の武装を持っているかもしれない相手だ。


「おりゃぁっ!」


 裏正の切っ先を抱えて、シャンゼリオンはメタルドーパントの腹に蹴りを入れた。
 後方に吹き飛ぶが、裏正は離さない。その辺りが、侍の覚悟を感じさせる。刀と命は同一と考えているのだろう。
 シャンゼリオンの腕から、裏正の切っ先は離れていく。前方にあるのは、裏正を掴まれて攻撃できないメタルドーパントではなく、次の一撃を繰り出そうとするメタルドーパントである。


「ひぇぇっ!」


 思わずシャンゼリオンが頭を抱えて座り込んだが、これが効いた。
 シャンゼリオンの頭が下がった瞬間を逃さず、ほむらが前方から敵を撃つ。
 今回は時を止める必要もない。これだけで充分な不意打ちだ。もし、シャンゼリオンが頭を下げるのが一秒遅れていたら彼の頭に当たっていたが、それならそれでまあ仕方ないだろう。
 だが、そこまで上手く行ったそのビームは裏正が両断する。

ブォンッ

 両断された光線が裏正に弾かれ、軌道をずらして地面に落ちた。
 ここにきて、改めて彼が常人離れした相手であるということがわかった。
 弾丸を弾く……? 刀で……? ──ほむらの常識を遥かに凌駕する眼前の剣豪に、彼女は恐怖を抱いた。
 時を止めなければ、おそらくは勝てない。だが、あれは使い続けるとソウルジェムのにごりを加速させるだけだ。だから余計な戦いは避けたかった。
 なら、シャンゼリオンこと暁を置いて逃げるか……?
 そうしたとして、彼以外に味方はいるのか……?


「謝りはしない……。怨め! 外道の俺を!」


 斬る。つまり殺す。──彼はそれを謝罪しないと言ったのだ。
 許されることとは思っていないし、謝罪を行うことで善人ぶろうともしなかったのだ。
 その瞬間、メタルドーパントは常識外の速さで間合いを詰めた。
 ──半分の距離を越えた瞬間、ほむらに危害を加えさせまいとシャンゼリオンが起つ。


「シャイニングブレード!」


 ほむらを庇う剣が、再び召喚される。
 それはシャンゼリオンの頭上へと真っ直ぐと突き立てられ、そこより前に来る者へ、縦に振り下ろすぞと誇示していた。メタルドーパントはそれを見て斬る動作を中止して、立ち止まる。
 シャンゼリオンはそのまま立ち上がり、まるでついさっきまで座り込んでいたことなど忘れたかのように、胸を張る。


「……あんた、ほむらには甘くないか?」

「何? ──」


 シャンゼリオンは、自信満々に胸を張り、自分が戦闘の中で見つけた発見に、小さな喜びを感じていた。
 メタルドーパントは、どう見ても本気でほむらを斬ろうとはしていなかったのである。
 装甲を持つシャンゼリオンに対しては、体表が割れるほどの斬撃を見舞った。だが、ほむらに対しては、素人が突き出したシャイニングブレードに妨害されて攻撃するのをやめた。
 そこには、適当な妨害が来れば斬らない言い訳ができる……という甘さがあるように思えたのだ。


「もしかしてあんた、生身の人間に攻撃すんのに抵抗あるんじゃない?」


 そこに暁は本能的に気がついたのである。
 最初は、「自分にだけ厳しくないか?」という不平不満だったのだが、相手の甘さだと気づく。


 丈瑠の戦意が本能的にピタリと止まった。──それは、図星ということなのである。本人も、不意の戦意喪失の本義に気づいてしまったらしい。
 ──俺は、殺し合いにまだ躊躇っている?
 自分の中で、そんな疑問が生まれ、それを振り払うために再び戦意をわきあがらせる。
 だが、一度萎えてしまったものはなかなか取り戻ってこなかった。

 この試練に臨むには、自分は未熟すぎたのではないか。
 だとするのなら、これまで自分がやってきたことは何なのか。
 この様で、流之介や源太にであったとき、己はどうすることができるのか。
 この先々、殺し合いの中でやっていくことに不安が芽生えてくる。
 誰もが抱く将来への不安が、彼にはこの時、嵐のようにやって来た。
 思考だけがせくせくと走っているが、体は全く動かない。頭が働きすぎて、動くということを忘れているのだ。


「……よし、ほむら……なんかあいつが止まってる隙に逃げよう!」


 シャンゼリオンは、そんなメタルドーパントを見て、小声でほむらに言う。
 目の前で戦意を失い、黙って立ちすくむメタルドーパントは、隙だらけだ。
 今ならば、逃げても追ってこないのではないか。
 だが、ほむらはその提案を聞いて、呆気にとられる。──これは所謂、悪が自分の迷いを見出す良いシーンではないか?
 無論、ほむらはそんなことを意に介さないタイプだったが、暁はほむらの上を行く「非王道」だったのだろう。それゆえに、彼の行動には拍子抜けした。


「あんなの適当だって! ああいう糞真面目なタイプは、ちょっと言われるとバカみたいに悩むんだよ!」


 暁は、確かに丈瑠に迷いがあるとは考えていたが、確信ではなく、どちらかといえば、本能的に思ったことを口に出しただけと言ってもよかった。
 勿論、100パーセント適当に言ったわけではない。一応考えがあってのことだが、わざわざそれを言うのは気恥ずかしかったから、「適当」という言葉をあてはめただけだ。確かに、その言葉は今の彼の考えに近い。
 結果として、丈瑠にも多少のダメージは与えられている。


「……いいわ。行きましょう……」


 ほむらは小声で返した。その言葉には呆れも交じっている。
 視界に何が映っているのかさえ、よくわからないくらいにぼうっと立ち尽くしたメタルドーパントの目線の先から、少しずつシャンゼリオンの姿は消えていく。
 ほむらなどは、すぐに逃げたのだが、シャンゼリオンはいやにゆっくりと視界から消えていた。
 なるべく自然な形で消えることで、相手に気づかせまいとしたのだろうが、逆に不自然である。


 しかし、視界で動くシャンゼリオンに気づきながらも、メタルドーパントは動くことができなかった。
 自分のこれからの行動方針に疑問が出てしまったのである。
 スタンスを変えるつもりはないが、それでも果たして、そのスタンスに殉じることができるのかという思い。
 自分は意志薄弱なのではないかという自責。


 ────メタルドーパントは、変身を解除した。

 志葉丈瑠。──かつて志葉家の当主と名乗った美青年が、その姿を現す。
 その表情がはっきりと見えたいま、彼の苦悩が強いことはメタルドーパントの時よりも、はっきりとわかるだろう。
 立っているだけにも関わらず、その姿は疲弊しきって、まるで三日間睡眠をしなかった人間が、ふらふらと立っているような印象を受ける。


「……ぐふっ。何故追わなかった?」


 そんな彼に、木陰から何者かが声をかけた。
 腰にパンストを巻いて腕を組んだ不気味な男が、丈瑠を見ていたのである。
 男の名はパンスト太郎という。


「……誰だ、貴様は」

「俺は早乙女乱馬(の知りあい←小声)だ」

「嘘をつくな。俺はもう早乙女乱馬に会っている」

「…………」


 パンスト太郎は、先ほどのポーズのまま冷や汗をかいて立ちすくむ。
 要するに、名前を名乗りたくなかったのである。知り合いの名前を借りて、ともかく場を誤魔化そうとしようとしたのだが、それは一瞬で見透かされた。
 完全に乱馬の名前を名乗ることができず、小声で知りあいと付け加えたのは、中国の掟で「パンスト太郎」以外の名前を名乗れなかったからである。
 何にせよ、今のやり取りで「乱馬が近くにいる」というのはわかった。今、おそらく協力関係にはなれないであろう乱馬とパンスト太郎では、会っても意味はないが……。


「……まあいい。今の戦いを見ていたのか?」

「ああ。お前が変身したあたりからな」


 パンスト太郎は、彼らの戦いをほぼ最初から見ていたのである。
 気配を殺し、木陰に隠れて……。
 その意図は簡単であった。彼が充分な戦闘力を有しながら、彼らの戦いに割り込まなかったことも含め、ただの監視だったのだ。
 そして、その監視から得た情報から、一つの提案を口にする


「……俺と協力しないか? お前がある程度、腕の立つ人間だというのは見てわかる」

「……何?」

「お前は敵に止めが刺せない。だが、俺には躊躇はない。お前が敵を半殺しにして、残りの半分の命を俺が貰う。そうすれば、殺し合いは優位に進む」

「……断る。これは、俺一人の試練だ」


 丈瑠は、頑なに断ろうとした。
 この男は、要するに漁夫の利を拾いたいだけだと思えたのだ。いつ裏切るかもわからない、不利な契約を担わされようとしている。とにかく、丈瑠を利用して殺し合いを楽に進めたいのだろう。
 無論、丈瑠はそんなものに簡単には引っ掛からない。
 彼は、人一倍自分に厳しかったのである。たとい、堕ちるときであっても。


「……そうして、誰も殺せずに死んでいく気か」

「お前の言葉に耳を貸す気はない」

「……そうか、わかった……。ならば交渉決裂か」


 パンスト太郎はそう言いつつ、丈瑠にパンストを伸ばす。気で硬化されたパンストが、丈瑠の右腕の裏正に絡みついた。
 そして、侍として手放してはならないと決めた裏正を、あっさりとパンスト太郎が引き寄せてしまったのである。
 それは僅か一瞬の出来事で、丈瑠としても不測の事態である。諦めたふりをして、油断させ、その一瞬の隙にパンストで刀を奪ったのだ。
 まさか、パンストで刀を奪われるとは思うまい。


「貴様は刀を使って戦う。これがなければどうだ? 刀なしで戦うと、実力は半分も出せないんじゃないか?」

「……!」

「……ぐふっ。最初に言っておくが、俺は強い。貴様を、このパンストだけも殺してやれる。それをわざわざ仲間にしてやると言ってるんだ」

「……その刀を返せ」

「仲間になれ」

「ぐっ……」


 確かに丈瑠は体術だけでも、常人よりは強い。
 だが、彼が重点的に磨いてきた能力は、あくまで剣である。
 ゆえに、その武器が奪われると、パンスト太郎の言うように、能力が半分も出せない。
 下手をすれば、シャンゼリオンにも負けるかもしれない。

「仲間になるといえば、これは返す。何も下僕になれとは言わない。俺たちは平等だ」

「……」

「ぐふっ……あるとすれば、力の差のみだ」

「……わかった。お前の仲間になろう」


 強い者と共に行動することも、また修業だ。
 そう考え直し、丈瑠は、敢えてこの男と共に行動することにした。
 この男が言ったように、平等な関係というのはおそらく嘘だろう。この男は、自分より上に立つものを寄せ付けようとはしない。
 だが、裏正を取り戻すという意味でも仲間になる必要はあるだろうし、彼と組んでも大きな損はない。あくまで試練の一つとして、彼と同盟を組むのも悪くないだろう。


「……ぐふっ。そういうことなら、これは返すぞ」


 パンスト太郎は、不適に笑いながら裏正を差し出した。
 丈瑠は素直にそれを受け取るが、パンスト太郎に対して睨むような視線を浴びせる。
 何も、彼を斬ろうというわけではない。最後の瞬間まで、彼と仲間であることをやめるつもりはない。そういう約束をしてしまった以上は、そうしていくしかないのだ。


 ここに、志葉丈瑠とパンスト太郎の不思議な同盟が誕生することとなった。


 ……ちなみに、丈瑠は彼の武器と名簿から、既にパンスト太郎の本名をなんとなく察していた。
 呼ばれるほうも嫌なのだろうが、口に出すのも何となく恥ずかしいため、それを言う気はないが……。
 それに、丈瑠もまた、志葉という名前にコンプレックスがあったのである。
 だから、彼の名前を呼ぼうとはしない……。


★ ★ ★ ★ ★


 暁とほむらはゆっくりと森の中を歩いていく。


 暁は、一応殺し合いに乗っている身でありながら、丈瑠の心の矛盾をついた。
 では、彼には矛盾はないのか?
 殺し合いに乗っているのに、ほむらという仲間を守り、丈瑠の心に迷いを埋めた。

 彼の心は、明らかに矛盾しているのだ。
 問題は、その矛盾をどう受け止めるか。
 彼──涼村暁の場合は、矛盾にさえ気づかず、思考などは気分で変わってしまう。

 元々、女子供を殺す殺気など、彼は有していないのだろう。
 本人もそれに気づいているはずだが、彼は優勝を狙っている。
 優勝、女……どちらの欲望も捨てきれないのだ。
 だから、それが相反するものであっても両方手に入れようとする。


 要するに、彼の行動は、全てノリだ。

 優勝を目指すというスタンスも、飾りでしかないのだろう。
 彼の最重要願望は優勝だが、目の前に美女・美少女がいれば、そんな最終目標よりも目の前の欲が彼を行動させる。
 純粋で、邪心はない。
 優勝するということを重く考えたこともない。
 殺人も、もしかすれば出来るかもしれない。自分のために他人を犠牲にすることもできるかもしれない。現実に、彼は世界の平和より自分の事を優先した。彼にとって、自分以外の命とはそこまで重くないのかもしれない。
 だが、今のところほむらに対して危害を加えていないし、これまで誰も殺していない。

 彼をただのクズと思っている人は、彼がダグバからほむらを守ったことを思い出して欲しい。
 彼がヒーローになりうるという人は、彼が当初殺し合いに乗るという方法を選んだことを思い出して欲しい。
 まだ彼は、そのどちらでもない。まだ、どういう風にもなりうる──。


「ほむら、大丈夫か? なんだか辛そうだけど……」


 暁は、少なくとも今は無害だった。だから、ほむらの異常に気づき、一応は声をかけた。
 ほむらは、グリーフシードの消耗が進行していることに気づき、焦りを感じていたのである。
 グリーフシードが支給されていれば……。この場に魔女がいれば……。
 そう思いながら、彼女は表情を直す。暁に察されるほどでは、まだまだだ。


「大丈夫よ。……でも、早く何とかしないといけないわ」


 彼女は、もうこれ以上迂闊に戦闘できそうにないということを感じはじめる。
 もし、万が一にでも、誰かが戦闘を仕掛けてきたとしても、暁にどうにかしてもらうほかない。
 本当にどうするか……。先行き不安だ。
 彼女は自分の心配をすると同時に、まどかが生きているのかどうかも不安だった。
 一つの不安からネガティブになった思考は、更なるネガティブを引き起こす。
 まどかが死ぬのは、もう見たくない。何度見ても、慣れるものじゃなかった。
 だから、毎回本気で彼女を救う気で戦っている。
 もし今回死んでしまったら、巻き戻すことはできるのだろうか……。
 彼女は不安だった。

 もし彼女が死んでしまうことがあれば────。
 ほむらだって、まだどうなるかわからない。
 暁もほむらも、まだ不安定だった。丈瑠も、パンスト太郎もそうなのかもしれない。
 彼らの本気がどの程度なのかは、まだわからなのだ。

【早朝】
【F-6/森】

暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:全身にダメージ(極大・回復中)、疲労(大)、ソウルジェムの濁り(中・濁り進行中)、暁に対するイライラ、魔法少女に変身中?
[装備]:ディバイトランチャー(シューター・ガンナー)、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:無し
[思考]
基本:鹿目まどかを守る。
1:鹿目まどかを発見する。
2:早急にグリーフシードを確保し、バカ(暁)と離れたい。それまではやむを得ないので利用する。
3:他の参加者から情報を集める。
4:ダグバ、ガドル、ゴオマは発見次第排除する。
5:鹿目まどかを守る目的以外の争いは避ける。
[備考]
※参戦時期は第11話キュゥべぇとの会話シーン後~ワルプルギスの夜戦前。
※制限をある程度把握しました。一度に止められる時間は数秒程度、ソウルジェムの消耗がいつもより激しいです。
※プリキュアに関しては話半分に聞いていますが、「特別な力を持つ存在」だとは解かりました。
※未確認生命体及びクウガについてある程度把握しました。
※ディバイトランチャーは認証解除されていますが、怪獣を仕留めたりできるほどの能力はなくなっています。

【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】
[状態]:胸部に軽い痛み
[装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン、スカルメモリ&ロストドライバー@仮面ライダーW、ウィンチェスターライフル(14/14)
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:願いを叶えるために優勝する。
1:ほむらと一緒に行動する。
2:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。
[備考]
※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。
 つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない)



★ ★ ★ ★ ★



 丈瑠とパンスト太郎はそれから、三途の池から離れていった。当然といえば当然である。わざわざ火の立つところで行動する意味はない。
 参加者もそれを幾ばく気にするだろうが、そこに向かうとは限らない。わざわざこの状況下で、火災現場に向かう人間は稀有だと思える。


 いや、厳密には、向うであろう人間を丈瑠は知っている。
 ──無論、池波流之介や梅盛源太のことである。
 ここで最も会いたくない人物の上位二名だ。彼らは人を救うために己を犠牲にすることを辞さない。
 かつて、丈瑠も彼らの仲間だったからこそ、それはよくわかっていた。
 だから、丈瑠はその場に留まることを本能的に避けたのだ。


 パンスト太郎は、丈瑠のように深い考えがあったのではない。
 ただ、その場を避けたのは「熱いから」だ。メラメラと燃える森の中に、そう何時間も留まってなどいられない。
 これもある種本能的な反応だった。


 気づけば、もう炎が霞んで見えるほどに遠くまで来ている。
 流石に気になり、何度も後ろを振り返ったが、消えたのか見えなくなっただけなのか、炎はない。
 汗もあまり体に残ってはいなかった。


(……ところで、こいつ、何も話さない気か?)


 ……パンスト太郎は、それまでの時間、ほぼ口を利こうとしない丈瑠に気まずい空気を感じていた。
 ほとんど寡黙な彼であっても、丈瑠の持つオーラには何となく共感しがたかったのだ。


(俺以上に重い何かを背負っている……そういう目だ。まあいい、そういう男ほど利用しやすい)


 思いつつも、この我慢大会のような空気には彼も息が詰まりそうになっていた。
 寡黙同士、寡黙と寡黙──その雰囲気を気まずいと感じているのは、パンスト太郎だけのようだ。
 丈瑠は一切意に介さず、一言も会話を交わさないのは普通と思っているようである。


(とにかく何か話でもするか……いや、しかし何かを言えば名前の話が出てくるかもしれん)


 趣味の話とか、好きな食べ物の話とか、将来の夢の話とかをしようかとも思ったが、迂闊なことはできない。名前の話題を出されたらパンスト太郎は同盟を切るしかなくなってしまう。
 そもそも、ここまで名前を知らずにパンスト太郎と付き合ってることが異常なのだ。
 そう思うと、丈瑠が少し良いヤツであるようにも見えた。名前を聞いてこない人間ほど、良いヤツはこの世にいない。


 丈瑠の寡黙さは、パンスト太郎に少しの迷いを生んだが、彼はそれをすぐに断ち切った。
 名前を変えてしまえば、名前を聞いてこない人間を友好的に思う必要もない。
 そう、


 ──かっこいい太郎


 その名前に変われば、名前を言って馬鹿にされることもなくなるのだ。
 彼はそう信じていた。


【G-5/森】

【志葉丈瑠@侍戦隊シンケンジャー】
[状態]:健康
[装備]:裏正@侍戦隊シンケンジャー、T2メタルメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:殺し合いに乗り、戦う
0:人斬りに対する躊躇や抵抗が拭えない
1:パンスト太郎と協力する
2:十臓は最優先に探し出し、決着を着けたい。
3:流ノ介や源太が相手でも容赦はしない
[備考]
※参戦時期は、第四十六、四十七幕での十臓との戦闘中です
※流ノ介や源太と戦うことに、迷いがあります

【パンスト太郎@らんま1/2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:水とお湯の入ったポット1つずつ(変身一回分消費)、支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:殺し合いに勝利し、主催も殺す。奪った技術を用いて自分の名前を付け替える
1:適当に参加者を殺して回る
2:丈瑠と協力する
3:丈瑠はもしかしたら少し良いヤツかもしれない
[備考]
※参戦時期は不明です。
※乱馬が近くにいることを知りましたが、特別興味はないようです。



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最終更新:2013年03月14日 22:57