その4

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homuhomu_tabetai

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..................


「じゃあ…J子さん…ほむほむをきれいに洗ってくれるかい?」

「はい!!先生!! …えーっと…服は剥かなくていいのか…?」

「ホントは無い方がいいんだけど…外したら逃げちゃうかもしれないから…「このままやる!!こいつは逃がさない!!」

「…じゃあ少し熱めのお湯で洗ってね…終わったら僕の横に並んでくれるかな…?」

「了解!!…湯は…これ…か?」


J子は湯沸かし器をいじりながらボウルに湯を貯める…かなり熱そうだ…。貯め終えるとボウルをテーブルに置き…板を湯に漬け込んだ。

…現実逃避していたほむほむは突然の事に驚いた。


「ボギョッ!! ゴバッ…ホギャガボッ!! ボッゴボゴボッ!!」

   …熱っ!!熱いっ熱い熱いー!!たすけてっ!!たすけてーっ!!死んじゃうっーっ!!


もちろん夢ではない…突き刺すような熱さがほむほむに…これは現実だ…と告げる…。


「…んー…そろそろいいか? 熱すぎて…手が入れられないけど…先生も湯をかけるだけだったしな…」


ようやくほむほむは熱湯から開放された。身体中がやけどを負っている…。

「…ゴビャッ!!!!!!ガッ!!!…ガホガホガボッ…」

口に入った湯と空気を入れ替える…激痛で顔がゆがむ…。…目は…なんとか無事のようだ…。


「おお~!! まだ死んでないんだ!! …そう簡単に死なれてもつまんないから安心したよ///」

ほむほむはJ子をにらむ。J子は顔を紅潮させていた…。

「…目も大丈夫そうだね。なにをされるか…そのかわいい目でちゃんと見てるんだよ///」


J子は板を持ってT久の隣に並んだ。ほむほむとまどまどは並べられ…お互いを見つめ合う…。

「さあ!T久先生の料理教室の始まりだー!!」

「…指を切らないように気をつけてね…」ヤレヤレ…


「…ホムー…マドカ…ホムホムー…」

まどまどに語りかける…しかしまどまどは泣きながら首を振るだけで喋れない…。

ほむほむもいつの間にか泣いていた…涙で目がかすむ…しかし固定された腕は動かせない…首を振って涙を飛ばした…。


「…ホ…ホミュ…」「…ミャロ…ミャッ…」


…頭の近くで子ども達の声がした。ほむほむはまだ動く首を精一杯子ども達の方に向ける…。
子ども達は腰を抜かし、怯えた表情でこちらを見ている…。子ども達は恐怖で動けなくなってしまっているようだ…無理もない…。

…目の前で両親が血を流して並べられているのだから…。

…子ども達のへたり込んでいるカップの底には小便が溜まっている。


「ホムッ!!!ホムホムッ!!! ホムーッ!!!」
   『子ども達!!逃げなさい!!すぐに!!あなたたちも死んじゃう!!…お願い!!…子ども達だけは…』

精一杯叫ぶ…。だが子ども達は動く事ができない…。…仮に逃げようとしても…それをT久達が許すわけはないのだが…。


「こいつ…自分の事より子どもの事を心配してるよ!!く~!!泣かせるねぇ~!!」

J子が軽口を叩く…。ほむほむは意にも介さない。


「こっちが終わったらお弁当の仕込みに使うからね。この恐怖を感じさせたまま絞めたら、どんな味になるか知りたいから。」

「…ほむほむ達ってのは感情で味が変わるのか? …少し興味が出てきたぞ…。小さいのなら…食べてみる…か…」

「まず自分の作ったのを味見するのが基本だよ…「無理!!無理無理無理!!」ブンブンブン!!

「…小さい子どもは明日のお弁当に入れてあげるから…。…仕方ないね…出来上がったら交換してあげるよ…」フゥ…

「たぶん…明日は…今まで食べた事のないものが出来上がると思うよ。楽しみにしててね。」

「…うーん…普通の肉と思えば…大丈夫…か?…こいつら…」ダラダラダラ…


楽しそうに話す人間の声が聞こえる…内容はもう理解すらしたくない…。
…目を閉じて…開ける…自分の前に…T久が立っているのに気づいた…。

…ほむほむは視線をT久に向ける…。…本当はもう…見たくなかったのだが…。

その目には…疑問と怒りと…悲しみとが混ざっている…。それに気づき、T久はほむほむに声をかける。

「どうしたんだい?なにか言いたそうだけど…?んー…聞いてあげるよ。言ってごらん。」


…もう人間…とは、喋らない!…そうも思ったが…それは無理だった…。
ほむほむにとって…T久の存在はあまりにも大きすぎた…。

…ゆっくりと…ほむほむは喋りだす…。


「…ホムホムホム…ホムーホムーホムー…」ポロポロポロ…
   『…人間…さん…どうしてこんなこと…するの?…わたし…あなたに…なにかしちゃった?…悪い事…しちゃった?』
   『朝まで…あんなに優しかったのに…どうして?…わたしを…だまして…いたの?…そうなの?』
   『わたし…これは悪い夢だと…思ったけど…夢じゃなかった…痛くて…怖くて…悲しくて…心も…』
   『…ねえ!?…どうして!?…どうしてなの!?…T久さんっ!?』


…一番最後にT久の名前を言った…。それは…ほむほむがみんなに内緒で練習した言葉だった…。

   …ちゃんと…間違えずに…人間さんの名前を…呼んであげたい///

…それが…自分がT久にできる一番のお返しだと思ったからだ…。


T久は少し考えるようにしてから…こう言った…。

「…うーん…君はなにか勘違いをしているみたいだね…。教えてあげるよ…勘違いしたままじゃかわいそうだしね…」

ほむほむはT久の言葉を待つ…答えを待つ…一言一句聞き逃すまい…そう思って…。

…T久は口を開く…ほむほむは身構える…。





             「だって君は…ほむほむだろ?」





..................


「…T久…こう…かい?」グリッ

「あー!?…J子さん…危ないよ…包丁の持ち方から教えなきゃ…」フゥ…

「…しっかし…面白くないな…こいつ…醍醐味ってモンを知らないのか~!?」ツンツン…


…T久の最後の言葉を聞いて…ほむほむはもう…なにも反応しなくなった…まるで生きたまま…死んでしまっているかのように…。
包丁が腹を切り開いても…悲鳴ひとつ出さない…ほむほむの中は…悲しみだけが満ちている…。


   …声が…聞こえないから…わからない…けど……まどまどは…     ブチッ…
   …先に…逝っちゃったみたい…ね…お母さん達と…お姉ちゃんに…ちゃんと…挨拶できる…かな…    ゴリゴリゴリ…

   …もうちょっと…待っててくれたら…わたしが…教えてあげる事が…できたのに…

   …しかた…ないか…それじゃあ…天国の入り口で…待っててね…わたしも…すぐに…逝くから…     グチャ…ブツン…    

   …子ども達…ちょっと心配だけど…ちゃんと…わたしが…待ってて…あげるから…泣かないで…ね…     ブチブチブチ…     

   …なんだか…暗くなって…きたなぁ……

   …

   ……あ…

   ………そっか…


   …それ…だ……そう…だったん…だ……どうして…こんなに…悲しいか…



   …やっと……わかった…


…ほむほむの目から…大粒の涙がこぼれだした…。



   ……わたしは……人間さんを…愛して……しまっていたんだ……ほむほむ…なのに…

   ……まどまどには……悪いけど…そう…だったん…だ…



   ………最後に…わかって…よか…った……T久…さ…ん…       ザクッ


「あ…首が切れちまった…」



『完』





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