その4
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homuhomu_tabetai
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また次の日……
ほむほむは昨日と同じように排泄して摂取した……しかし、昨日より量が少ないように見えた……
あ!俺の言い方が変わったのは気分的なものだ……気にしないで欲しい。
そしてまた寝床で横になる……
「…ホ…ムー…」Zzz…
「あれ?……こいつ痩せたか?…………無理ないな……今まで栄養価の高いひまわりの種ばっかり食ってたからなぁ……」
その辺りは人間と同じだな……体内の脂肪や骨のカルシウムを消費しているんだろう……
今日もこれ以上は動きが無かった……
・・・・・・・・
ピンポーン…
「ホムッ!?ホムウウゥゥゥゥゥーッ!!」トテテテテ… ペチペチペチ…
昼前に鳴った玄関のチャイムの音に、ほむほむは飛び起きて壁に走って行き、壊れんばかりに叩きだした。
「……ん?……誰だろ?」
「ホムウウウゥゥゥーッ!!ホビャアアアァァァァーッ!!」ペチペチペチ…
俺は必死に壁を叩くほむほむを置いて玄関に向かった……と言ってもこの部屋のすぐ横が玄関なので間の壁をすり抜けただけだが……
ピン…ポーン…
「……ん~?」
開けられないので覗き穴から外を見る……知らない男がいた……
「……手に持ってるのは……新聞か?」
そのまま見ていると、外の男は頭を掻きながら手に持っていた新聞をドアに差し込んだ……
カタン…
ドアについている新聞受けに新聞が落ちた……
「……新聞の勧誘か……もう居ないな…………はぁ……こんな時、彼女でもいたら心配して来てくれるんだろうな……」
俺は新聞を無視して壁をすり抜け、元の部屋に戻った……
「ホビャアアアアアアァァァァァァ…ホムムウウウウゥゥゥゥゥ…」ペチペチペチ… ポロポロポロ…
ほむほむはまだ壁を叩いている……
「……残念だったな……お前の待ってる『俺』じゃなかったよ……」
「ホムッ…ホムゥッ…ホムウウウウウウゥゥゥゥゥ…」ペチペチペチ… ピエェェ…ン…
……しばらく壁を叩いていたが、やがてあきらめてまた寝床に入った……ほむほむの両腕が真っ赤に腫れているのがわかった……
よほどショックだったのか……その後は何も摂取せずに寝床から出なかった……すすり泣く声がずっと寝床から聞こえてきた……
・・・・・・・・
俺が目を覚まして……窓から外を見るともう夜だった……
「いかんいかん……こいつが鳴かないと目が覚めなくなってたからな……今何時だ?」
時計を見る……幸か不幸か、俺の部屋の時計にはカレンダーも付いている。
「んー……?えっ!?二日も寝てたのか!?……えっ!?こいつ、その間ずっと鳴かなかったのか!?」
慌てて飛び起きて水槽を見る……いつもと変わらずほむほむが寝床で横になっている……小さな胸が上下しているので生きているのがわかった……
「ふぅー、生きてるな……良かった……でも……全然鳴かなかったって事は……起き上がらなかったって事か?」
近づいてほむほむの様子をじっくり見てみる……
「…ホ……ホ……ム……」ハッ……ハッ……ハッ……
「……おいっ!?大丈夫かっ!?しっかりしろっ!!」
寝床の中のほむほむは虚ろな目で一点をじっと見ている…………視線は俺……と言うか……俺がいつも世話をしている時に座っているベッドに向いている……
……呼吸が浅い……『これはヤバイ』と……俺の中の何かがそう言った……
「おい!!しっかりしろ!!ほら!!」
俺は水槽のほむほむに向けて手を差し出す……何も出来ないから期待させちゃいけないと思って控えてきたのだが、そんな事は頭から吹っ飛んでいた……
「…ホ…ム…?」クン…クン…
「わかるか!?俺だぞ!!ずっとお前のそばに居たんだぞ!!……なんにもしてやれなくて……すま……ん……」
…………涙が止まらなくなっていた……何度ぬぐっても、ほむほむの姿がぼやけてしまう……
「……お前をこんな目にあわせてしまって……寂しかったよな?怖かったよな?ひもじかったよな?……ごめんよ……」
「…ホ……ム?……ホム…ゥン…」ヨロ…ヨロ…
……ほむほむが俺の指の気配に気づいて……弱々しく身体を起こした……
「おい!?無理するな!!寝てろ!!」
ほむほむに聞こえないのが歯がゆい……思わずほむほむを寝かせようとしてもっと手を近づけてしまった……
「…ホ……ム……」クン…クン…
ほむほむの顔の前まで指を近づけて……触れない事に気づき、止めた……止まった俺の指をこいつは鼻を鳴らしてかぐ……
「……頼むから……起き上がるな……頼むから……」
「…ホム……ム…」フルフル…
……ほむほむが俺の指に手を差し出した……無理をしている事はその身体の震えを見ればわかる……
「……あぁ……俺はここに居るぞ……」
「…ホ…ム…///」キュ…
「……!?」
…………ほむほむの手が……俺の指を掴んだ……今まで触れなかったのに!?
「……お前……どうして!?」
「……ホムゥ///」スリ…スリ…
……ほむほむは以前のように俺の指に甘える…………しかし……次の瞬間……
「……ホ……」パサ…
「……おい!?……おい!?どうした!?しっかりしろ!!おいっ!!」
…………ほむほむは支えを失ったように寝床に崩れ落ち……動かなくなった……
「……おい……マジか?……おいーっ!!」
何度呼びかけてもほむほむは起きない……何度手のひらで抱きしめてやろうとしても……もう触る事が出来なかった……
・
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・
・
「……うぅ……う……」
どれだけの時間泣き続けたのかわからない……ほむほむを失った事がこれほど堪えるとは考えて無かった……
「……自分が死んだことを受け入れるより堪えたな……」
そこでふと閃くものがあった……
「……俺が死んで……この部屋に戻ってきたんだから……こいつもどっかに居るんじゃないか?」
「……よし!探してみるか!」
俺は全ての部屋を探した。
・・・・・・・・
「……居ないぞ……なんでだ?」
……ほむほむはどこにも居なかった……俺はほむほむの亡骸の入っている水槽の前に戻ってきた。
「……人間と、ほむほむの違いか?そんな事ってあるかよっ!!くそっ!!」
声を荒げてみたが何も変わらない……じっとほむほむの亡骸を見つめる……
「……すまん……こんな死に方になって……俺はいい飼い主じゃなかったな……」
「お前が俺より先に逝くのはわかってたけど……それでもずっと一緒に居たかったんだぞ……俺はお前の相棒だからな……」
「……ははは……よく考えたら俺の方が先に逝っちゃってたな…………すまんすまん……」
「……それでも俺はここに居る……お前はどこに行ったんだ?」
……また視界が曇ってきた……
「……まぁいいか……もしまた生まれ変わる事があるなら……今度は俺よりいい飼い主に飼ってもらえよ……」
「……ん!?なんだ!?……身体が……」
気がつくと、俺の身体が輝きだし……徐々に透き通り始めていた……
「……ふん……やっと俺もお迎えが来たみたいだ…………じゃあな……相棒……」
……俺の意識が……薄れてゆく……
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フシァーッ!!
「ホミュウウウウゥゥゥゥ…!?」
『……あれ?……どこだここ?って!?……虎!?』
再び気がつくと、俺の前に虎が居た……しかも見たことも無いほどの大きさだ……
「ホミュッ!?ホミャアアアアアァァァァァ…」トテテテテ…
『ヤバイ!?よくわからんが逃げないとヤバイ!!』
俺は急いで振り返り、走り出した……
「ホミュッ!?ホミャアァァァァァーッ!?」トテテテテ…
『あれ!?俺ってこんなに足が遅かったっけ!?……つか……周りの建物が異様にでかくないか!?』
ナーッ!!
「ホミッ!!!」バンッ!!
『あぐっ!!』
虎に簡単に追いつかれた俺は、その前足の一撃を食らって吹っ飛んだ……目の前が暗闇に包まれてゆく……
「…ホ…ミュ…」ピク…ピク…
『……ははっ……痛ってぇ……せっかく生き返ったと思ったのに……な……』
……意識がまた遠のいていき…………その後……俺の自我は目覚める事は無くなった……
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・
「しっしっ!!あっち行け!!」
「…ナー…」サササ…
「ふぅ…………ありゃあ……ひどいな、一家全滅だなこりゃ……」
「……ん?この仔ほむは結構離れたトコまで逃げたんだな……猫にくわえられて……たら身体ごと無くなってるか……」
「血まみれになってるが……やっぱり死んでるのか?」スタスタ…
「…ホ……ホミャアアアアアアアァァァァァァァ…」
「うわっ!?……生きてたか!!すげーな!!」
「ホミュウウウウウゥゥゥゥゥ…」
「……でもこいつの家族はダメっぽいな……よし!お前俺んちに来い!」ヒョイ!
「ホミュウウゥゥ…ホミャッ!?」ポテ…
「今お前の家族を埋めてやるからポケットでおとなしくしてろよ!」
「ホミュウン?」ジタバタ…
「暴れるなって!…………よし!これでいいだろ……お前らは助けられなくてすまん……その代わりにこいつは俺が責任持って育てるからな……」ナムー…
「ホミャァ…」モソモソ…
「よし行くか!俺もさっき世話になったところを出たばっかりなんだ!お前も一人になったけどこれからは俺が居るからな!」
「ホミャ?」キョトン…
「わかるわけないか……まぁいいか…………よろしくな……相棒……」スタスタスタ…
「終わり」