◆◇◆◇



ひとり分の隙間。
たったそれだけの、僅かな空間。
すぐ隣にいるのに。
すぐ傍にいるのに。
近くて遠い、距離があって。
ふたりの心は、分かたれている。

櫻木真乃と、星奈ひかる
ベンチに腰掛ける少女達は、言葉を交わさず。
星空に見下されながら、静まり返っていた。

なけなしの勇気を絞り出して。
ほんの僅かに、手を伸ばそうとしても。
結局、後ろめたさのような躊躇いを感じてしまう。
お互いに、手を繋ごうとしているのに。
ほんの数センチの距離が、届かない。

ひかるは、苛まれていた。
“子供”の命を奪って。
“守るべき人達”を助けられなくて。
結局、真乃さえも支えられていない。
それどころか、真乃を心配させている。

真乃は、苦悩していた。
ひかるに重荷を背負わせて。
心に深い傷を負ってるのに、それを癒せなくて。
心を通わせたあさひやプロデューサーから、決別を告げられて。
思いを、何ひとつ届けられない。

二人の心は、互いを想っていた。
淡く輝く星の光のように。
二人の感情が、胸の奥底で燻っていた。

手を伸ばさなきゃ。
この子の手を、この人の手を、握らなきゃ。
二人はそう思っていた。
それでも、互いの心は縮まらない。

また一歩、踏み出して。
そうして、心を癒せなかったら。
結局、余計に苦しめてしまうかもしれない。
無理に励まそうとして、逆に相手に気を遣わせて。
それだと、結局自分の為にしかならない。

支えてあげたい。
でも、傷つけたくない。
どうすればいいか分からない。
そうやって二人は、沈黙を重ねて。


「―――真乃さん、アーチャーさん」


やがて、彼女達を呼ぶ声が飛び込んでくる。
二人はすぐに顔を上げて、声の主の方へと視線を向けた。
アサシンのサーヴァント―――ウィリアムが、二人を見つめていた。

「私は、マスター達のもとへと戻ります」

ウィリアムは、静かにそう伝える。
赤い瞳の表情を動かさず、黙々と。
彼の言葉に、二人は何も言わずに耳を傾ける。

「世田谷にいる283の脱出派の面々は、既に“子供達”の一味に捕捉されています。
先程来た“密告”が事実ならば、じきに攻撃を受けることになる」

伝えられたその情報に、思わず二人は目を見開く。
直後に真乃は、ひかるの方へと視線を向けた。

ひかるは、膝の上でギュッと拳を握って。
だけど、その手は―――静かに震えていて。
表情には、迷いと葛藤が滲み出ていた。

子供達。グラス・チルドレン。
この舞台で蠢く、幼い殺し屋たち。
白瀬咲耶を殺害した張本人。
そして、星奈ひかるが一度は手に掛けた相手。

ああ、そうだ。
ひかるにとって、苦悩の始まりだった。
彼女の責任と罪の意識を自覚させた、最初の出来事だった。
真乃はそのことを考えて、目を伏せた。

「そして彼らだけではなく、峰津院財閥……この聖杯戦争における一大勢力すら攻撃を仕掛けてくる可能性があります」

283の面々へと迫る窮地が、次々に伝えられる。
峰津院財閥―――その名前は、真乃達ですら知っていた。
この東京で絶大な権力を握っている組織が、聖杯戦争の勢力として存在している。
そして彼らが、283への攻撃を目論んでいる可能性がある。
件の“新宿事変”にも峰津院財閥が関わっていることが確実であると、ウィリアムは二人に伝えた。

「安全を確保できていない中でマスターを一斉に避難させれば、寧ろ彼女達が奇襲されかねない。
だからこそ、一旦合流した上で今後の対処を急がなくてはならない」

これから世田谷へと戻る中で、残留してる面々に避難の指示を出さない理由を語る。

グラス・チルドレンは確実に襲撃を仕掛けてくる。峰津院による攻撃もいつ始まるか分からない。
そんな状況下で考えなしにマスターの避難を急げば、敵にとっては格好の獲物となる可能性が高い。
サーヴァントの面々で護衛を努めたとしても、無力なマスター達をその場で守りながらの戦闘は容易である筈がない。
ならばこそ、今は自身が帰還するまで下手に動くべきではない。
敵を迎え撃つにせよ、撤退を選ぶにせよ、マスター達の安全は出来る限り確保しなければならないのだから。

「そして――283プロダクションの“黒幕”である私が、これから戦場となる世田谷へと到着する。
それだけでも、大きな意味がある」

そう、黒幕であるウィリアムが帰還する。
今まさに攻撃を受けようとしている彼らの元へ、脱出派の盟主であるサーヴァントが現れる。
それを告げたウィリアムの意図を、ひかるは悟ってしまった。


「アサシンさん、それって……もしかして」
「彼らにとって最優先で排除すべきなのは、脱出派の盟主に等しい私です」


そう呟くウィリアムの瞳に宿っていたのは。
生きるための覚悟か。勝つための決意か。
あるいは、限界を悟ったが故の抵抗だったのか。
ひかるには、分からなかった。それでも。



「私が、彼らを迎え撃ちます」



彼が宣言したことの意味だけは、理解してしまった。
アサシンが、敵を迎え撃つ――――違う。
彼が言いたいのは、そういうことじゃない。
相手にとって最優先に排除すべき存在であることを、彼は自覚している。
彼というサーヴァントを排除することは、283という集団の要を崩すことを意味する。
それは間違いなく、敵にとっては“勝利”に等しく。

つまり、ウィリアムは。
――――自分が囮を引き受ける。
――――彼らは、間違いなく此方を狙うのだから。
そう言っているのだ。
ひかるは、それに気付いてしまった。
そんな。それじゃ、アサシンさんは。
そうやって彼を引き留めようとした矢先。


「―――貴方達は、先に逃げて下さい」


紅い瞳が、真っ直ぐに二人を射抜いた。
真乃も、ひかるも。思わず唖然としたように声を漏らす。

「真乃さんも、アーチャーさんも、まだ心の傷は癒えていない。
それにお二人は今から戦線を離脱すれば、少なくとも今回の襲撃からは逃れられる」

ウィリアムは、伝える。
二人の心を案じて、訴えかける。
貴方達は、これ以上傷付かないでほしいと。

「他の皆さんの無事は……私や、彼女達のサーヴァントが引き受けます。
少なくとも、生存の道だけは必ず確保しなければならない」

此処から先は、自分達が引き受ける。
他のサーヴァントと連携して、彼女達を守り抜く。
大丈夫だから。貴方達は、先に逃げてほしい。

それは、ウィリアムにとっての本心だった。
自らの責任に葛藤する少女への、贖罪だった。
自分が果たさねばならなかった“汚れ役”を、彼女にやらせてしまった。
自分がもっと彼女達を支えていれば、苦しまずに済んだ―――。
その想い故に、ひかる達にそう伝えていた。

彼らの標的は自分である。
だから自分が、彼らを迎え撃つ。
その言葉を聞いたひかるは。
ほんの少しの躊躇いを、覚えつつも。
彼に、その疑問を投げかけようとした。


「その……アサシン、さん」


その矢先に。
真乃が先に、口を開いた。


「アサシンさんは……私たちを気遣ってくれてる。
本当に、ありがとうございます。その上で、聞かせてください」


恐る恐る。
しかし、何かを悟ったように。
彼女は言葉を紡いでいく。
それは、ひかるが抱いたものと同じ疑問であり。


「本当は―――ひとりで、引き受けるつもりなんじゃないですか」


だからこそ。
真乃はその言葉を、彼にぶつけた。
それを問いかけずには、いられなかった。

彼が他のサーヴァントと協力しようとしているのは、きっと間違いない。
だけど、もしもの時は、一人で全部を背負おうとしている。
自分が犠牲になることで、ひとつの終止符を打とうとしている。
真乃は、それを感じ取ってしまった。
ひかるもまた、それを察してしまった。

何か、不思議な感じがする。
なんとなく、胸騒ぎがする。
ざわざわと、ひかるの胸中に不安が込み上げる。

こんなことに、覚えがあった。
何か、思い当たる節があった。
こうして一人で背負おうとして。
自分の体と心を、犠牲にして。
痛みで引き裂かれそうになっても。
それでも誰かのために、奔らなくてはならない。
何だろう、この感じは。
確か――――。


「……ええ、その通りです」


そして、ウィリアムは一言。
そう呟いて、肯定した。
見抜かれてしまったことを、悔やむように。
既に腹は決まっているかのように。
彼は、ふっと口元に笑みを浮かべた。
ひどく、ひどく―――寂しげな微笑みを。



「これは、私がやるべきことですから」



その時。その一言。
アサシンが呟いた、何気ない言葉が。
ひかるの脳髄に、心に、打ち付けられ。
そして―――ふいに記憶が、蘇った。








あの瞬間。
灯織さん、めぐるさんに手を掛けて。
氷の鬼へと変貌した人々を“止める”と決意した、あの時。
拭えない罪で私自身を縛り付けた、あの言葉。


――――“それでも”。


ああ。
それは、酷く単純なことで。
私はどうして、気付けなかったんだろう。
私はどうして、向き合えなかったんだろう。


――――“これはわたしにしか出来ないことだから”。


苦しんでるのは。
背負ってるのは。
責任を抱えているのは。
何かがを守っているのは。
私“ひとり”だけじゃない。


真乃さんが、悩み抜いてたように。
あさひさんが、決別を告げたように。
他の人達だって、思いを抱え込んで。
そうやって、みんな苦悩と戦って。
前へと進んで、未来を見つめていく。


アサシンさんは、ずっと。
そう――――ずっと、ずっと。
私達に代わって、283プロダクションを守ってくれた。


たとえ仮初めだとしても。
この世界で再現されたモノだとしても。
真乃さん達にとっての大切な居場所を、大切な人達を、支え続けてくれた。
誰にも頼れない中で、戦い続けて。
考え抜いて、守り抜いて―――――。
私は、そんな簡単なことに気付かなくて。
それで、この人に重荷を背負わせていた。



―――――“辛えよなぁ。嫌になっちまうよなぁ”。
―――――“大人になれって突き付けられるのは……痛ェよなあ”。



ライダーさんが、あの時。
どうしてああ言ってくれたのか。
今なら、分かる。

痛みを背負って、何かを諦めて。
苦しみを隠して、妥協してしまう。
未来の輝きを、捨ててしまう。
そんなのは、とても悲しくて。
全然、“キラやば”じゃないから。

そして、すぐ側にいるひとを見つめた。
真乃さん。私の大切なマスターで。
私の―――掛け替えのない“家族”。
ずっと、ずっと、心配を掛けてしまった。
傷付いた私を、支えてくれようとして。
なのに、ちゃんと応えられなくて。
そうして、お互いに一歩を踏み出せなくなって。

真乃さんと、視線が交錯した。
ほんの少し、悲しそうで。
あることを、悟ったようで。
それで、何かを決意したような。
そんな表情をしていた。

何となく。何となくの直感だけれど。
今の私も、同じような顔をしていたんだと思う。
真乃さんも、アサシンさんの一言で気づいたんだ。
大切なことを、改めて分かったんだ。
星と星が結びつくみたいに。
私達の心は、繋がっていた。



ああ、そうだ。
私は今―――何をやるべきなのか。








「アサシンさん」


星奈ひかるは、立ち上がった。
影が掛かっていたウィリアムの瞳を、真っ直ぐに見据えていた。

先程までのひかるとは、違う。
何かを悟り、何かを想い。
そして、何かを決意し。
自らの道を、見出したかのような。

そんな眼差しを、ひかるは持っていた。
そこに、弱々しく項垂れてた時の面影はなく。
彼女の姿に、ウィリアムは思わず微かな驚きを見せる。


「―――ごめんなさい」


ひかるは、深々と頭を下げた。
自らの過ちを、非を詫びるように。
大切なことに気付けなかった自分の不甲斐なさを謝った。

「アーチャーさん、貴方は……」
「“アサシンさんなら何とかしてくれる”って、私は思ってました。
あなたは私たちの光になってくれる。あなたなら、暗い未来を変えてくれる―――」

そうしてひかるは、正直に打ち明けた。
あのプロデューサーのビデオメッセージが来たとき。
ひかるは、ウィリアムを頼ることに迷わなかった。
彼なら何とかしてくれる。
星のように道を照らしてくれる。
何も出来なかった、自分とは違う。
そんな思いを胸に、ひかるはウィリアムの元へと駆けつけた。

「―――そう思い込んで、アサシンさんに重荷を背負わせようとしてたって。
やっと、気付いたんです。あなたの輝きばかり信じて、私はちゃんと輝けてなかった」

けれど、それは間違いだった。
ウィリアムへの盲信であることに、ひかるは気づかなかった。
信頼というものを履き違えて、彼に寄りかかろうとしていた。
それを背負うことになるウィリアムが、どんな苦悩を抱えているのか。
自分の葛藤ばかりに目を向けて、そのことに向き合えなかった。


「だから。本当に、ごめんなさい」


だから、ひかるは謝罪した。
あなたを分かろうとしなくて。
あなたの思いに、気付かなくて。
あなたを知ろうとせず、背負わせようとして。
そんな自分に、やっと気付いてしまったから。

呆気に取られたように、目を丸くしていたウィリアム。
顔を上げたひかるは、再び彼を見つめる。
星のような瞳が、彼を捉える。
確かな輝きを放って、彼と向き合う。


「私、一緒に行きます」


そして、ひかるはそう告げる。
迷いなき言葉で、伝える。
――――あなた一人で、戦わせない。
彼女は確かに、それを示した。

「アーチャーさん、ですが……」
「アサシンさん。私、すっごく強いんですよ」

戸惑うウィリアム――彼はまだ、彼女達の傷を案じていた。
それに対し、ひかるはニッと笑みを見せて応える。
大丈夫。私はもう戦えると、伝えるように。

「みんなと手を合わせて――宇宙だって、救ってみせたんですから」

そう。
彼女は何者なのか。
彼女は一体誰なのか。

この街にいる誰もが、彼女を知らなかった。
犯罪卿でさえも、その全貌を掴んではいなかった。
無垢な祈りで、現実と向き合い。
個々の輝きによって、心を繋ぎ止めて。
希望を胸に奇跡を成し遂げてみせた、本物の英雄だ。
たった5人の少女達が、宇宙(そら)の理すら乗り越えてみせたのだ。


「私は、アーチャーのサーヴァント……星奈ひかる!
宇宙(そら)に輝く星、“キュアスター”!」


その名は、プリキュア。
銀河を救ってみせた、伝説の戦士。
そう、星奈ひかるは。



「私も―――みんなを守ります!」



キュアスターは、紛れもなく―――。
この聖杯戦争における、最強のサーヴァントだった。

この空を仰ぐのは、一人だけではない。
世界を超越する力を持つのは、新宿を破壊した“最強の英霊”だけではない。
“蝿の王”が全ての空を支配せんとする力を持つように。
“煌めく星の少女”は、果てなき星の空を救ってみせたのだ。

その輝きを前にし。
困惑と動揺を浮かべていたウィリアムは。
やがて、その瞳の淀みを――少しずつ、晴らしていく。
喪いつつあった色が、取り戻されていく。


「ひかるちゃん」


そして、ひかるを呼びかける声。
真乃もまた立ち上がり、彼女を見つめていた。

「……真乃さん」

ひかるは、同じように真乃を見つめていた。
互いの視線が、ようやく一つに繋がった。
それから、ひかるは―――届かなかった手を、ゆっくりと伸ばし。

「ありがとうございます。私を、ずっと支えてくれて―――」

真乃の手を掴んで、感謝を伝えた。
届けられなかった想いを、届けた。


「―――私の、“お姉さん”でいてくれて」


自らの友人であり、家族でもある真乃に。
精一杯の想いを、確かに伝えた。

「私は……正直、まだ気持ちは晴れてません。
救えなかった人達がいて、許されないこともしました。
心の奥が痛いのは、今でも変わらない……」

それからぽつり、ぽつりとひかるは呟く。
自らがするべきことを気づいたとはいえ。
まだ心の傷が癒えた訳ではないし、そのことを隠したくもない。
これ以上は、誰かに迷惑を掛けたくなかった。

「でもッ!それで足踏みして、後悔を積み重ねたら……いつまでも輝けない!
同じように苦しんでる人達がすぐ側に居るのに、寄り添ってあげられない……それが一番悲しいことだって、分かったんです!」

その上で、彼女は宣言する。
進むべき道を選んだことを。
自らが成すべきを理解したことを。
懺悔するように。
そして、決意するように。


「だから、真乃さん―――」
「――――うん。分かってるよ、ひかるちゃん」


そんなひかるに、真乃は微笑みとともに言葉を返した。

「ひかるちゃんが、アサシンさんに……誰かに寄り添うなら。
私は、ひかるちゃんに寄り添いたい」

罪というものは、拭いがたい傷で。
例えこの世界がなくなっても、それを背負いながら生きていくことになる。
誰かが赦してくれたとしても、その人の心はずっと苛まれるかもしれない。
優しい人達は、そうして苦しんでいく―――ひかるちゃんも、アサシンさんも。
そして、“七草にちか”を支えられなかったプロデューサーも。

だからこそ。
優しい人が、誰かに寄り添うように。
優しい人へと、寄り添いたいと。
真乃は、そう祈った。
星は、一つ一つ輝きを放つように。
星々もまた、繋がりを持って輝くのだから。



――――アイさん。


真乃の脳裏に、あるマスターの姿が浮かぶ。
同業者であり。同盟者であり。
やがて決別へと至った、とあるアイドル。
例え汚れても、傷付いても、私は立ち続ける。
そう宣言してみせた彼女のことを、追憶していた。


――――アサシンさんが、言ってたように。
――――あなたは、“強い人”だったんだと思います。
――――自分で“いま”を考えて、自分の道をちゃんと見つめてた。


だから、これからは。
進む道は、きっと相容れないけれど。
私も―――自分の道を、真っ直ぐに見据えたい。
貴女みたいに、強くありたい。
そうすることで、優しい人達に寄り添いたい。

誰かが、前へと進みたいと願ったときに。
誰かが、自分の世界に色を求めたときに。
ほんの少しだけ手を伸ばして、小さな光を与える存在。
それが彼女にとっての、アイドルだったから。

星野アイが、生き抜いた果てにアイドルで在り続けることを望んだように。
櫻木真乃は、アイドルで在り続けるために生きることを誓った。


――――あさひくん。
――――いつか、あなたと向き合える日も来れば。


その果てに。
あの優しい少年に。
想いを背負って、戦い続けるあの子に。
再び、寄り添うことができれば―――。
真乃は胸の内で、小さな祈りと決意を抱いた。

そしてひかると真乃は、再びウィリアムと向き合う。
その瞳に、迷いはなかった。
双子の星の輝きが、そこに宿っていた。

そんな二人を見つめる、ウィリアムの瞳には。
霞みかけていた、微かな光が宿っていた。
自ら希望を取り戻した彼女達に、驚嘆の思いを抱いていた。

そして、暫しの沈黙の後。
彼もまた、口を開く。


「―――感謝致します。本当に、良かった」


僅かな負い目を感じるように。
それでも安心したように、彼は微笑んだ。



◆◇◆◇




世田谷へと急行していく最中、ウィリアムは摩美々と念話によって情報を共有していた。

真乃達との合流を果たしたこと。
にちか同士の会談が無事に終わり、共に道を見出したこと。
ウィリアムが手を結んだ“協力者”の一味が襲撃を受けたこと。
グラス・チルドレンが皮下医院の勢力と手を結んだ可能性が高いこと。
ライダーが聖杯戦争を打破する上での具体的なプランを述べたこと。
峰津院財閥が283を標的にする可能性が極めて高いこと。
プロデューサーから送られた、あの動画のこと。
そして―――じきに世田谷への“襲撃”が始まり、乱戦になる可能性があること。

今対処すべきことは、これから訪れるであろう敵襲の件だ。
ここで下手に外部へと散らばれば、逆に奇襲攻撃の餌食となる可能性がある。
だから今は拠点で待機するように。
自分達が到着してからマスター達の安全を確保し、急ぎ侵攻へと備える。
ウィリアムは摩美々にそう伝えた。

NPCのアイドル達は、恐らく既に犠牲になっている。
密告のメッセージについて言及し、ウィリアムはその可能性を打ち明けた。
これからこの聖杯戦争を生き抜けば、遅かれ早かれ気付かされることになる事柄だ。
故に隠し通したりなどしない。
どのみち襲撃の根拠となる密告の件に触れる上で、避けては通れないことだった。

そして、とあるメッセージが届いたことを、摩美々が伝えた。
傷心を抱く少女達に、更なる追い打ちをかける言葉だった。


『仲間思いの誰かさん。貴女の尽力のお陰で死人が増えました』
『無駄な努力をご苦労様でした』


それは、NPCである彼女達の死を突きつける宣告。
それは、283にとっての決定的な“敗北”を伝える通告。
それは、彼女達を守護してきた犯罪卿にとって。
その心の奥底を深く抉る、後悔という呪いを叩き付けた。


―――守れなかったのは、自分だ。
―――予測できなかったのは、自分だ。


ウィリアムは、自責の念を抱く。
“子供達”への脅迫が無意味になっていたことを、もっと早く悟るべきだった。
ああ、そうだ。彼女もまた―――“星奈ひかる”も、このような想いを抱いたのだろう。
罪や過ちが身体に伸し掛かり、鎖のように縛り続ける。

それでも彼女達は、寄り添うことを選んでくれた。
その輝きに、ウィリアムは安心を覚えた。
二人の輝きを守りたいと、確かな想いを抱いた。
その姿を見届けられたことで、少なからず苦悩が癒やされたとは言え。
彼女達を戦線へと巻き込む結果になったのは、変わらない。

そして、ひかるの心の傷が簡単には癒えないように。
ウィリアムの心に掛かる影も、容易くは消えず――――。


『……アサシンさん』


そんな矢先に。
摩美々が、ふいに声をかけた。


『こうなったのは自分のせいだ、って思ってませんか』


そして、単刀直入にそう問い掛ける。
ウィリアムは、思わず目を見開き。

『……はい。お恥ずかしいことながら』
『そういうの、やめてくださいね』
『真に……申し訳ありません』

僅かな沈黙の後に、そう打ち明けた。
やっぱり、と摩美々はぼやきつつ釘を差した。

『誰が悪いとか、誰が憎いとか、誰のせいだとか……多分、そういうのじゃない。
こんなのを送ってきた人は、許したくないけど。
でも……やっぱり、何か違うと思います』

それから、一呼吸の間を開けて。
ゆっくりと、言葉を紡ぎ出した。

『前に真乃と話した時に、思ったことがあるんです』

どうしても叶えたい願いがあって、そのために戦う。
そんな人達の思いに向き合う意志は忘れたくない。
真乃は以前、摩美々との電話でそう伝えていた。

『本当に許せないのは……願いのために誰かを殺す道を選んだ人達じゃないし。
もしかしたら、平気で酷いことをする人達ですらないかもしれない』

良い人。悪い人。あるいは、どっちでもない人。
様々な者達が、この聖杯戦争に招かれている。
願いを叶えるために、生きるために、皆戦いへと駆り出されている。

戦わなければ、この世界に消されるのみ。
聖杯が欲しくても、そうでなくとも。
マスターとサーヴァントという主従関係を結ばされた以上、勝ち抜くために奔らなければならない。
それが界聖杯における絶対的な掟だ。
そんなルールを、有無を言わさず押し付けられている。

願いを叶えるためだった。仕方がないことだった。
そんな謳い文句で戦う人達がいるかもしれない。
自分以外の他人なんて、障害物でしかない。
そうやって誰かを蹴落とせる人達だって、いるかもしれない。

だけど、違う。
摩美々は、思う。

例えそういった者達を受け入れられなかったとしても。
本当に憎まなければならないのは、彼らではない。


『“たった一組しか願いは叶えられませんし、生き残れません”。
“他は皆死んじゃうから、争ってください”――――そうやって皆を巻き込んだ界聖杯が、一番許せない』


“こんなこと”を強いているのは、この世界。
“命懸けの戦い”を無理やり始めたのは、この世界。
何でも願いが叶う奇跡の力。元の世界に生きて帰れる権利。
それらを餌にして、奪い合いを正当化しようと押し付けてくる張本人。

悪戯好きで、天邪鬼で、優しくて、誰よりも身内想いで。
そんな少女が、一番許せなかったもの。
それは―――界聖杯だった。

『勝ち取るとか、奪い合うとか、覚悟とか。
一組しか幸せにできないから、蹴落とし合わせるとか。
そうやってアイドル同士のオーディションみたいに、平気で命を競わせる。
聖杯に到れるかどうかで、命の価値を決めつける』

だから摩美々は、改めて憤る。
皆に痛ましい責任や覚悟を背負わせる、この世界に。
身勝手な理屈で可能性を語る、この舞台に。


『そんなの、奇跡の願望器なんかじゃない。
みんなを幸せにして、めでたくハッピーエンドで終わらせて……それが“奇跡”でしょ?』


本当の“奇跡”は、そんなものじゃない。
犠牲のもとに積み上げられる戦利品なんかじゃない。
優しい人達が追い求める“理想”こそが、奇跡だと。
摩美々は、そう信じていた。

『なんていうか……プロデューサーも、咲耶も、そうだったんです。
誰かに怒ったりするよりも、まず自分を追い詰めてた。
自分を許せなくて、苦しみを抱え込んで……』

そんな優しい誰かを支えられたら、どんなに良いか。
摩美々は、それを果たせなかった。
“七草にちか”を挫折させてしまった在りし日のプロデューサーの哀しみに、寄り添うことが出来なかった。
奇跡に縋るまでに追い詰められる―――そうなる前に、彼を支えることが出来なかった。

『“いい人”は、みんな……自分だけで責任を背負おうとするから』

それが、摩美々の哀しみであり。
彼女が背負ってきた、確かな想いだった。
みんな、一人で抱え込んで。一人で悩んで。
そうやって、押し潰されてしまう。

『正直……あのビデオメッセージ、ショックでした』

だからこそ、プロデューサーからの“決別の言葉”に打ちのめされた。

『最初見たときは、“何でこんなことになっちゃったんだろう”って思いました。
しばらく、気持ちも上手く纏まらなかった』

もう君達の元へ戻るつもりはない。
君達のプロデューサーは死んだものと思ってくれて構わない。
『彼等』と共に全ての役割を遂げて、全ての結末を見届ける。
摩美々を見つけてくれたあの人は、淡々とそう告げていた。


『だけど、それ以上に……悲しかったんです。
“ああ、プロデューサーは一人で全部背負う気なんだな”―――って』


―――この道しか、俺は今まで自分が犯した間違いと折り合いがつけられない。
その一言で、摩美々が抱いたのは“悲しみ”だった。


裏切りを告げられた衝撃。
もう戻らないと伝えられた断絶。
だけど、それだけではない。
彼が何を思っているのか。
何故こんなことに至ってしまったのか。
かつてプロデューサーが経た一件を振り返って。
この聖杯戦争での経験や、対話を通じて。
摩美々は、半ば悟っていた。


『マスターは、彼から……何を見出しましたか?』
『夢で見た“生前のアサシンさん”と、同じものです』


ウィリアムの問いに、摩美々はそう断言した。
その一言と共に、互いが思い浮かべた心象風景は―――同じものだった。


『走馬灯みたいで曖昧だったけど……あのときのアサシンさんが何を思ってたのか、やっと分かったんです。
プロデューサーの気持ちが、少しでも分かったから』


そうして、摩美々は言葉を紡ぎ続ける。
プロデューサーが抱える痛みを、静かに噛み締めるように。


『ずっと一人で苦しんでるのに、独りぼっちのまま戦おうとしてる。
痛い、辛い、悲しいって。心が泣いてるのに、無理して全部引き受けようとしてる。
だけど、そういう風にしか生きられなかったから、前に進むしかない……』


摩美々の紡ぐ想いと共に。
“彼”の言葉が、ウィリアムの脳裏をよぎる。
生前にぶつけられた、あの言葉が。


『だから、誰かが手を掴んであげないといけないんです』


―――まだ間に合う。
―――この世で、取り返しのつかないことなんて!
―――ひとつもねえんだよ!


夢を通じて共有した、とある“探偵”の姿。
救われぬ道を進もうとした青年に手を伸ばした、一人の“親友/ヒーロー”の姿。
俺はお前を救いたい。
取り返しのつかないことなんてない。
だから、共に生きよう。
そう叫び続けた“彼”の姿が、“今”と重なった。

ウィリアムは、確信した。
摩美々は、確信していた。
最後に残された、決定的なピースを。
彼が抱えている痛みを、苦悩を。
それ故に背負っている、大きな十字架を。
ああ、同じだった―――ウィリアムは、全てを悟った。
自身を慕う少女達と決別し、たった一人で戦い抜こうとする青年の心を、確かに捉えた。
そして、そんな生き方を選ぶことの哀しみに、改めて向き合った。


―――“誰が相手でも、こう言うと決めているんだよ。”
―――“俺がお前に協力すれば、全ては丸く収まるのだろうか。”


そうだ。
善とは、正しさとは。
孤独に背負う犠牲の意志ではない。
心を繋ぎ止める、光り輝く道なのだ。

進むべき道を見つけたのはウィリアムだけではない。
罪を背負おうとする彼の手を掴む。
きっと、それが出来るのは。
“七草にちか”だけなのだろうと。
あの会談を経て、摩美々は既に理解していた。

そのことに一抹の寂しさを感じても、摩美々はもう受け入れている。
にちかにしか出来ないことがあるように。
自分には、自分の出来ることがある。
悲しんでる場合じゃない。苦しんでる場合でもない。
今やるべきことは、一歩前へと進み続けることなのだから。

プロデューサー。咲耶。
そして、ウィリアム。
摩美々にとって、みんな大切な人達で。
そんな人達が、この世界で傷付いていた。


『……だから、アサシンさん』


そう。
だからこそ、摩美々は告げる。


『“あなた一人のせい”だなんて絶対に考えないで』


自らを守ってくれた、“優しい人”へと。
摩美々は、寄り添いたかった。
ウィリアムは―――ただその言葉を、静かに聞き届けていた。

『私は、優しい人達に傷付いてほしくないです。
プロデューサーも、プロダクションの皆も……もう家族みたいなものですし』

そうして噛み締めるように、どこか照れ臭く思うように。
摩美々は言葉を紡ぎ、一呼吸を置いて。


『アサシンさんだって、私の家族ですから』


そして、そう伝えてきた。

その一言に、ウィリアムは目を再び丸くして。
少しばかり驚いたように、沈黙し―――そして。

『……ありがとうございます、摩美々さん』

ふっと微笑んで、礼を伝えた。
ひどく安心したように。
心の霧が晴れたように。
だからこそ、ウィリアムは確信する。


『貴女は、僕の……親愛なる友人です』


“もう一人友達を作りなさい”。
それは一日目の夕方に、摩美々から告げられた命令だった。
あの言葉は、支え会える仲間―――信頼できるサーヴァントとの交流を持ってほしいという祈りであり。
そういう意味では、未だに果たされていない事柄ではあったけれど。
それでも“友達を作ってほしい”という願いそのものは、知らず知らずのうちに果たされていた。


『どういたしまして、リアムさん』


寄り添い、支え合うのは“家族”だけではなく。
きっと“友達”もまた、そういうものなのだろう。
摩美々がいたから彼は自らの心を繋ぎ止められ、彼がいたから摩美々はこの世界に屈さなかった。

“掛け替えのない親友”とまでは行かなくとも。
“運命で結ばれた二人”には及ばなくとも。
摩美々とウィリアムは、間違いなく―――友達だった。



さあ―――往こう。
この世界で抱いた“理想”を胸に。
彼(ヒーロー)が守った未来に焦がれ。
犯罪卿は、夜を駆ける。



◆◇◆◇



「なあ、ランサー」


夜風に吹かれながら、男は問いかける。
窶れた眼差しで、星空を見つめながら。
彼は、虚ろな木偶の兵隊達を率いる。


「俺は、滑稽なのかな」


自嘲するような笑みを浮かべて、男はそう問いかけた。
彼の従者であるサーヴァント―――猗窩座は、目を閉じて。
ゆっくりと、口を開いた。


「ああ」


弱い奴が、嫌いだった。
常に間に合わず。
何も成し得ず。
信じるものを、喪っていく。
そんな者を、憎んでいた。
虫酸が走るほどに、忌まわしい。


「哀れで、惨めで、“役立たず”だ」


そう。弱い奴が、嫌いだ。
眼前の男も、そうだった。
守るべき者たち。
愛する者たち。
その死を、まざまざと見せつけられ。
そして今、あの幼き殺人者達の掌で踊らされている。
彼女達を守るために、彼女達の陣営を崩す。
皮肉で、惨い話だ。


「だからお前は、鬼になろうとする」


脳裏をよぎる、記憶。
遥か昔。霞の掛かった、朧気な情景。
口から血を流し、肌を青白く染めて、ぴくりとも動かず。
そんな愛しき者の“亡骸”を前に、泣き崩れる者がいた。
俺が守る。俺が助ける。
下らぬ戯言を吐き続けて、何一つ成し遂げられなかった。


「お前は、なれもしないのに―――」


脳裏をよぎる、記憶。
ほんの十数分の過去。
守るべき者の“亡骸”の前で、沈黙する男がいた。
淀んだ眼差しで、自らの罪を背負う男がいた。
彼女達を守る。あの娘を幸せにする。
そんな儚き理想を抱いて、修羅の道を歩んでいく。


ああ、お前も―――俺も。


だが、お前は違う。
お前は、人であることしか出来なかった。
何処まで行っても心を棄てられず。
それでも尚、戦うことを選んだ。
最早幾ばくの命も無く。
愛する者達と生きる未来も見えず。
今にも朽ち果てそうな身体を引き摺り。
それでもお前は、戦い続ける。

ひどく惨めで、滑稽で。
何ともまあ、つまらない姿だ。
だが、それ故に思う。



「―――――故に。此の俺が、修羅になろう」



お前が、空ろな勝利を求めるのは。
慈しき者達を、守るため。
ならば。なればこそ。
己は―――貴様の“鬼”となろう。

俺は、強さを求めていたのか。
俺は、武を極めることを望んでいたのか。
俺は、鬼神になりたかったのか。
違う―――それくらい、識っていた筈だった。
鬼の王の支配から解き放たれた時点で、真理を悟っていたはずだった。

俺は、取り返しが付かなかった。
弱さを憎み、己を憎み。
そうして全てを取り零し、化外へと成り果てた。
百余年もの間、望みも忘れ去り。
暴虐に明け暮れ、この手を業で穢し続けた。

だが、お前は違う―――お前は鬼になれなかった。
罪を背負い、罪に苛まれ、お前は人で在り続けた。
お前は、俺のような悪鬼ではない。
陽の下に立てず、虚ろに彷徨う影法師などではない。

人間であるお前には、未来がある。
故にお前は、光を求めてもいい。
愛する者達と共に歩む道を、選んでもいい。
鬼であることは、俺が引き受ける。



だから。
―――――生きろ。
その為に、俺は戦う。







鬼が駆ける。鬼が翔ぶ。
百鬼夜行の如く。逢魔の如く。
闇夜と共に、化外が跋扈する。

上弦の参、猗窩座。
今宵、正真正銘の修羅が此処に立つ。




◆◇◆◇




“犯罪卿”は絶望の淵に立たされ、それでも慈しき者達の為に奮い立つ。
“星の少女”は苦悩と葛藤の果てに、己が果たすべき使命と向き合う。
“狛犬”はかつて取り零した祈りを一人の男に見出し、修羅の鬼となる。
そして、迫り来る“蝿の王”は、ただ全てを蹂躙すべく翔ぶ。


今宵、世田谷の地にて。
誰にも譲れぬ死闘が、幕を開ける。
その果てに―――誰が散り、誰が生きるのか。



【新宿区(世田谷区へと移動中)/二日目・未明】

【アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)@憂国のモリアーティ】
[状態]:心痛、覚悟
[装備]:現代服(拠出金:マスターの自費)、ステッキ(仕込み杖)
[道具]:ヘルズ・クーポン(少量)、Mとの会話録音記録、予備の携帯端末複数(災害跡地で入手)
[所持金]:現代の東京を散策しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)→限定スイーツ購入でやや浪費
[思考・状況]基本方針:聖杯の悪用をもくろむ主従を討伐しつつ、聖杯戦争を望まない主従が複数組残存している状況に持って行く。
0:マスターの元へ戻る。そして、彼女達を生かすために動く。
1:いずれはライダー(アッシュ)とも改めて情報交換を行う。
2:『彼(ヒーロー)』が残した現代という時代を守り、マスターを望む世界に生還させる。
3:"割れた子供達"、“皮下医院”、“峰津院財閥”。今は彼らを凌ぐべく立ち回る。
4:いざとなればマスターを信頼できるサーヴァントに預けて、手段を選ばない汚れ仕事に徹する―――だが、願わくばマスターの想いを尊重したい。
5:乱戦を乗り切ることが出来たならば、"もう一匹の蜘蛛(ジェームズ・モリアーティ)"の安否も確認したい。
[備考]
※ライダー(アシュレイ・ホライゾン)とコンタクトを取りました。以後、定期的に情報交換を試みます。
※櫻木真乃およびアーチャー(星奈ひかる)から、本選一日目夜までの行動を聞き出しました。

【櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(小)、精神的疲労(中)、深い悲しみ、強い決意
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:予備の携帯端末
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。
0:ひかるちゃんと共に戦う。
1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。
2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
4:ひかるちゃんを助けるためなら、いざとなれば令呪を使う。
[備考]
※星野アイ、アヴェンジャー(デッドプール)と連絡先を交換しました。
※プロデューサー、田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。

【アーチャー(星奈ひかる)@スター☆トゥインクルプリキュア】
[状態]:ワンピースを着ている、精神的疲労(中)、悲しみと大きな決意
[装備]:スターカラーペン(おうし座、おひつじ座、うお座)&スターカラーペンダント@スター☆トゥインクルプリキュア
[道具]:洗濯済の私服、破損した変装セット
[所持金]:約3千円(真乃からのおこづかい)
[思考・状況]基本方針:何があっても、真乃さんを守りたい。
0:真乃さんと共に戦う。
1:何かを背負って戦っている人達の力になりたい。
2:ライダーさんには感謝しているけど、真乃さんを傷つけさせない。
3:罪は背負う。でも、大切なのは罪に向き合うことだけじゃない。



【世田谷区 七草にちか(弓)のアパート/二日目・未明】

【田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
0:ただ、プロデューサーに、生きていてほしい。
1:プロデューサーと改めて話がしたい。
2:アサシンさんの方針を支持する。
3:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています



【世田谷区・住宅街/二日目・未明】

【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失
[令呪]:残りニ画
[装備]:なし
[道具]:リンボの護符×10枚、連絡用のガラケー(グラス・チルドレンからの支給)
[所持金]:そこそこ
[思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。……動かなくてはいけない。
0:283のサーヴァントを攻撃。犯罪卿は必ず仕留める。
1:にちか(騎)と話すのは彼女達の安全が確保されてからだ。もしも“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。
2:283陣営を攻撃する中でグラス・チルドレン陣営も同様に消耗させ、最終的に両者を排除する。
3:白瀬咲耶が死んだことに悲しむ権利なんて、自分にはない。
4:『彼女』に対しては、躊躇はしない。
5:序盤は敵を作らず、集団形成ができたらベスト。生き残り、勝つ為の行動を取る。
6:神戸あさひは利用出来ると考える。いざとなれば、使う。
7:星野アイたちに関する情報も、早急に外部へ伝えたい。
[備考]
※チェス戎兵を中心に複数体のホーミーズを率いています。中には『覚醒者』であるグラス・チルドレンのメンバーや予選マスターの魂を使った純度の高い個体も混じっています。
※今回の強襲計画を神戸あさひ達が認知しているのか、またはその場合協力の手筈を打っているのかは次のリレーにおまかせします。

【猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:令呪『今回の戦い、絶対に勝利を掴め』
[装備]:なし
[道具]:携帯電話(犯罪卿より譲渡されたもの)
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は――――。
0:283のサーヴァントを強襲。
1:プロデューサーに従い、戦い続ける。
[共通備考]
※今回の時間軸は少なくとも106話「Cry Baby」以前を想定しています。


時系列順


投下順


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096:プロジェクション・イントロデュース 田中摩美々 114:逆光(前編)
101:さまよう星と僕 アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)
櫻木真乃 114:逆光(前編)
アーチャー(星奈ひかる)
093:支え合う心! あさひの覚悟と確かな繋がり プロデューサー 117:prismatic Fate
ランサー(猗窩座) 114:逆光(前編)

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最終更新:2023年03月19日 20:43