――白紙なんだ。

『探偵と犯罪卿』の呼び方に意味はなくなった、その先の物語が。
2人で座った、屋上のベンチ。
突き抜けるような青空。
干された白いシーツのなびく音。
髪をなぶる風と、右半分になった視界。
視界を歪ませる、初めての涙。

――ずっと“未来”がなかったはずだ

ずっと共にいてくれた、たった一人の君。

それは必然でもあり、必然だけでは足りなかったものを補ったのは彼女の意思と、偶然の噛み合いだった。

まず、第二宝具『すべての悪魔は地上にいる(ロード・オブ・クライム)』の破壊。
これにより、『彼は悪魔(犯罪卿)である』という英霊としてのアイデンティティーを、自ら放棄した。
壊れた幻想とは、己の起源となるものを自ら再現不可にまで破壊することで、一時の火力を得る諸刃の剣だから。
これにより【犯罪卿を全盛期とするアサシン】を召喚するにおいての、生涯の記憶に対する縛りは撤廃された。

また、マスターから令呪の一画使用による、『シャーロック・ホームズに対して助けを求める』という行為。
これは、彼の欠落部分、『シャーロック・ホームズとの思い出』を導き出す呼び水になった。

そして、これは原理詳細不明という正し書きの必要な一例だが。
英霊の、霊基欠落における仮説として。
同系統の伝説に根差す英霊同士が場にいる時。
相似、あるいは同根の神秘同士が近くにいる時。
存在同士の相互作用により、一方の欠けた霊基がもう一方の霊基の存在によって、補填される事がある。
たとえば『足柄山の金太郎』は、『子どものおとぎ話(ナーサリー・ライム)』を補填できるのだ。
そしてこの世界に、『ジェームズ・モリアーティ』は二人いる。
その分だけ、彼の霊基崩壊はしばらくだけ引き延ばされ、そこに令呪一画分の魔力と、銀炎による傷口の補修が合わさった。
意識が明瞭になった理屈さえ拾い出せば、そこに留まった上で、なお。

――なんだこれは

これもまた、曖昧な話だが。
異聞帯と、汎人類史の同一サーヴァントのように。
世界の垣根を越えて同一人物で取り扱われる英霊が召喚された時に。
汎人類史のサーヴァントが異聞帯での記憶を取り込む。
あるいは、異聞帯のサーヴァントが汎人類史のマスターに出会った時に、『向こう側』の記憶が流れ込む。
そういう現象が、しばしば起こることがある。
特異点接続体質。アシュレイ・ホライゾン
異邦人(ストレンジャー)。宮本武蔵
その場にいた両者が持つ、異界の法則を持ち込みやすいという体質もある。
そこに、『もう一人』の霊基を、隣区にいたがゆえの微小な効果ではあれど補填材料として利用した、というアクシデントがあれば。

大抵のサーヴァントは、『何だこれ、何だこれ、向こう側は羨ましいなぁ』と驚嘆する。
彼もまた、『羨ましい』かどうかはさておき、その感想に倣うしかなかった。

記憶として流しこまれたすべてに、圧倒的な驚嘆と、感動の双方があったから。

アトラス院。
ニューヨークの病院。
新宿幻霊事件。
ピンカートン探偵社。
天文台。
恐怖の谷。
ゼウスの雷霆。
空白の三年。
そして――シャーロック・ホームズの【奥の手】完全解明宝具。

モリアーティだけでは知り得ない視点、『彼』が見てきた物語も、そこには含まれる。
そもそも『憂国のモリアーティ』の物語上の役割において。
『本来の物語においてシャーロック・ホームズが手掛けた事件』とは。
『モリアーティがプロデュースしてホームズが動いた合作』という逸話の形をしている。
2人で一つの仕事を為した英霊は、英霊の座においても霊基にある程度の共有が起こるのだ。
そしていくら『もう一人の犯罪王』でも、この視点にだけは至れない。
なぜなら彼は、『ホームズと仲良くなかった』のだから。
対して彼らは、逸話としての物語においても、その後の運命においても、ずっと共にあったのだから。

――これは……これだと、まるで釣り合わないだろう

抱いたのは、喜びと、罪悪感。
なにせ、自分は『元の世界に送り届ける』という依頼を中途に果たせないままなのに。
こちらは半ば、願いを叶えてもらったようなものなのだから。

これではダメだ。
いつまでも眺めていたいそれらの数々は、しかし今はまだ寝かせておく。
このまま意識を落としたまま消えるようではいけない。
ほんのわずかに、猶予時間ができたということ。
それを体感で悟り、覚醒しようと足掻く。
だから、今は戻ることにするよ、と別れを告げて。

先に話をしておくべき人達が、まだ残っているから。
意識を星空のさらに向こう、浮上することにそそぎ、重たかった瞼を持ち上げると。



「…………ねぼすけ」
「はい、ごめんなさい」



いつも通りのような。ここ一か月眠っていないから、初めてのような。
そこには、ウィリアムの右手を、祈りの形にした両手で掴み取っている田中摩美々の姿があった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ランサーに連れられる形で撤退し。
ホーミーズと別れて鏡面世界へと帰還し。

彼だけが振動に気付いていた携帯端末を、誰とも合流する前にこっそりと開いた。
このメールに返信が来るとしたら一人しかおらず、果たしてそれはその通りの人物からだった。

そこに描かれていたのは、このメールを見た時に、もしまだ戦闘中であれば退いて欲しいという願望と。
そこに至るまでの『これからあなたはすぐに殺されることはないだろう』という見立てと根拠。
さらに『これ以上、このメールでやり取りをするのは見とがめられるリスクの方が勝るから控える』と、つまり仲間にもこのアドレスは話していないという補足。

そして、己の首を差しだす代わりに『アイドルの人物像について聞かれたら、その慈しさを語ってくれ』という謎の取引申し出。
ここまではいい。
意図は分からないにせよ事務的な文言であり、つまり犯罪卿がこちらに対して、最期に何らかの策謀を持っていたのだなと。
どういう狙いかは分からないまでも、アイドルを守るためのものであることは確かだなという感謝を。
そして、意図が読めない警戒の感情を持って相対すれば済む。

『そしてこれは追伸であり、これまで事務所に関わる事柄の黒幕だった者として』

だが、続く文言への感情は。
どういう種類のそれとして受け止めればいいのか、分からなかった。

『あなたに、関係者の代表として心から謝罪する』

これでは、まるで自分の方がこちらに迷惑をかけたと思っているかのようではないかと。
およそ、『これまで事務所の皆を守ってくれたヒーロー』という心象とは、かけはなれた自傷から始まっていた。

一方で、と気づくこともあった。
関係者の『代表として』謝罪するとそこには書かれていた。
逆に言えば、彼は事務所の崩壊の原因に関係する者が、少なくとも『自分だけのせい』とは思っていないのか。
あるいは『あの場にいた他のサーヴァント達も、同じ気持ちなのだろうか』というような想いがあって。

『あなたの不在時に事務所を乗っ取り、大きな混乱を招いたこと。
あなたの大切にしていた人達を守れなかったこと。
あなたが事ここに至っても彼女達の死などは絶対に望んでいなかったと推測した上で。
それを前提に、そして、 あなたが動画で告げていた『間違い』にだけは反論したい』

――この道しか、俺は今まで自分が犯した間違いと折り合いがつけられない。

『 もしもこの世界の事務所と彼女たちに関する事柄も含まれるのだとしたら。
その責任は等しく私にもあると断言する』

アイドルのサーヴァント達は、己のことを切りたくて仕方がないだろうと思っていた。
むしろ、『お前こそがアイドルの命を危険に晒しているのだ』などと言われて。
分かりました私は邪魔だから消えますと、すぐに頷ける者はそういない。
だから、自分たちと彼らサーヴァントの間にある感情は、敵対のそれになるだろうと。

『その上で、私のマスターを見つけてくれて、これまであの事務所を導いてくれて、ありがとう』
あなたが築いていた陽だまりは、とても美しく、眩しいものだった。
世界が色づいたばかりの私には尊くて、そこがあなたの場所だというのに度の過ぎた執心を持ってしまった』

だが、『ありがとう』の文言によって、そうではないと気付いた。
いざとなれば殺さねばならないと鬼のような覚悟を定めていることと。
その相手に心から感謝していて、素晴らしい人だと認めていることは、矛盾しないのだ。

何故なら、己だってさっき同じことを思った。言った。
犯罪卿に、「みんなをずっと守ってくれて、ありがとう」と。

『あなたが戻れないというのなら、元より私は、あの優しい世界に足を踏み入れることさえ憚られるような悪魔だ。
生前の通り名であった犯罪卿という忌み名は、決して冤罪や誇張の類ではない。
直接間接にこの手を汚した人数であれば、殺し屋によって犠牲になった少女たちの人数などはるかに超えて余りある。』

だが、それでは、まるで。
彼と己が、同じことを思っていたというならば。
己と同じように無力に嘆き、背負い込んだ犠牲に苦悩する一人の男を、『ヒーロー』と呼んでいた。

『けど、そんな私でさえ彼女らは仲間であり家族であり友人であるものとして扱った。私を必要としてくれた』

そして彼が言いたかったのは、そこに帰結するのだろう。
私はたくさん殺してきて、それはあなたと比べるまでもない大人数の大罪で。
それでも私は優しくされた。
その光があなたにも当たらないのは不公平だから、伝えたいと。

『だからこれは、取引でもなく策でもない。
差し出せるものは何もない、ただのお願い、悪魔だった愚者の懇願として』

彼は己のように滑稽な男とは違うと、決めつけていた。
だが、その大前提がまず違うと、彼は言いたいのだろう。
いったいどこで、彼が己の背負い込み方を察するような情報を得たのかまでは知らないが。

『あなたがどうなっても構わないどうか決めるのは、どうか彼女らの言葉に耳を傾けた後にしてください』

『ください』と。
いよいよ維持できなくなったように崩れた口調が、それだけで素の性格をにじませる。
いや、そもそも。
田中摩美々のサーヴァントだと分かった時点で。
真乃のアーチャーが、『さすが真乃のサーヴァントだ』と分かった時点で。
その人物が揺ぎ無い精神的超越者ではないとは、分かることだった。
だって、あの摩美々だぞ?

そして最後のくだりだけ何行も改行がされており、後から付け足したかのようだった

『私とアーチャーが脱落したことは気にしないでいい。
私は先々を見据えた取引のために自ら脱落した以上、私の脱落についてマスターから責められるべきは私にある。
アーチャーもまた、あなたとアイドル達に話をさせたいと願っていた。
だから彼女や私を引き返せない理由に追加されてしまうならば、そちらの方がよほど悲しい』

それが本当に本当の追伸であるとばかりに、文章はそこで途切れていて。
そのメールには、画像も添付されていた。
その画像は、手紙の全体図を真上から撮影したものだった。
画像からうかがえる手紙の字体は、とても見覚えがあるような筆跡だった。

『この手紙を私以外の誰かが読んでいるのなら、私はもうこの世にいないでしょう。』

画像表示を拡大させれば、全文を読めた。
彼が筆跡から連想した通りの差出人だった。


『貴方が無事に元の居場所に戻った後、幸せを掴めますように。
 それだけが、私の願いです。            

                    白瀬咲耶』


その男は、その文面と、画像とを繰り返し読み。
決して天才や抜きんでたエリートというわけではない彼でも、その文面を忘れないぐらいに眼に焼き付け。
そして。
文中にある『これ以上、このメールでやり取りをするのは見とがめられるリスクの方が勝るから控える』という忠告と提言に則る形で。
隠し持っていた携帯電話がこの先、露見することはないように。
ランサーの握力で、その端末を跡形もないほどぐしゃぐしゃに握りつぶさせ。
風に飛散しそうなほど細かな破片になるまで跡かたなく痕跡を消した。


【杉並区・鏡面世界/二日目・未明(早朝直前)】

プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失、魔力消費(中)、???
[令呪]:残り一画
[装備]:なし
[道具]:リンボの護符×8枚、連絡用のガラケー(グラス・チルドレンからの支給)
[所持金]:そこそこ
[思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。……動かなくてはいけない。
0:?????
1:にちか(騎)と話すのは彼女達の安全が確保されてからだ。もしも“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。
2:283陣営を攻撃する中でグラス・チルドレン陣営も同様に消耗させ、最終的に両者を排除する。
3:白瀬咲耶が死んだことに悲しむ権利なんて、自分にはない。
4:序盤は敵を作らず、集団形成ができたらベスト。生き残り、勝つ為の行動を取る。
5:神戸あさひは利用出来ると考える。いざとなれば、使う。
6:星野アイたちに関する情報も、早急に外部へ伝えたい。
[備考]※今回の強襲計画を神戸あさひ達が認知しているのか、またはその場合協力の手筈を打っているのかは次のリレーにおまかせします。

猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)、頸の弱点克服の兆し
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は――――。
0:?????
1:プロデューサーに従い、戦い続ける。



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太陽の影は未だなけれど、それでも空はずいぶんと白んでいた。
先の公園から延焼への避難も兼ねて移動を果たし。
都心部の一画をくりぬくように作られた別の森林公園に腰を下ろす。

気を失ったマスター達と、傷を塞がれただけで動けないことに変わりない『彼』はサーヴァント達が手分けして運び。
いまだ眼をさまさない櫻木真乃の介抱や情報共有やらの為に、彼と彼女だけが二人でベンチに座っていた。
みんな、気を遣って二人きりにしてくれたのだろう。
会話ができるのは、これが最後だから。

『ごめんなさい。手を掴んでいないといけないのに、離してしまって』

口を開くよりはまだ念話の方が悠長に話せるだろうと。
隣同士で、手と手を重ねて座りながら、それでも彼と彼女は念話を選んだ。

『それ、ずるくないですかねー。もし【助からないのに令呪ひとつ無駄に使わせてごめんなさい】って言われたら絶許でしたケド。
あ、そこちゃんと反省してるんだ、この人も辛いんだなーって言われたら、文句言いにくいですよ』
『摩美々さんは、僕のことそういう風に思ってたんですか……』
『ウィリアムさんは、働き過ぎで、自分のこと勘定にいれなくて、自己評価が低いんです
……なんかプロデューサーと、咲耶と、三峰の、全部乗せみたいじゃないですかぁ』

彼は、素の顔で話す時には『私』ではなく『僕』になる。
こちらのウィリアムさんという呼び方にも、なんだかこなれてしまった。
リアムさんと最初に呼んだのは身内になったことの意地っ張りみたいなものだったけど。
本物の彼との思い出を見てきましたなどと言われては、そこに割って入るみたいになって遠慮されたので。

『まみみも、対等っぽくするようには接してましたけど……。
少なくともブラック労働っぷりは、ウィリアムさんのが圧倒的だったじゃないですか』

ちらと横を見れば、ベンチに背を預けて空を見ている、力ない眼差しがあった。
外套は脱ぎ捨ててワイシャツ姿で、左眼まわりの傷は致命傷が過ぎてふさがり切らなかったからハンカチで痛々しくないよう隠している。

『すいません……眠らなくても済む身体になるという体験は生前ついぞなかったので。
その分、力になろうと思ったら調子に乗ったというか……』
『一か月間、ご飯でも寝てるのでも遊びでも、休んでるところほとんど見なかったですよ。
今日にちかのアパートで一緒にご飯食べる時、『サーヴァントは皆そういうもの』って騙されてたせいで、びっくりしたんですから』
『その節は、ごめんなさい……それに、その節は相手にしてくれて、ありがとうございました』
『だって、まみみが『多めに頼んじゃったから食べきれないー』って言わないと、自分も食べないじゃないですか』

ふぅ、と小さくため息を落として、いつもの仕草で髪をいじる。
隣にいる彼が、くすりと笑った。
いつもどおりの仕草だと懐かしく笑ってしまうぐらいには、彼はこちらを見てくれている。
しかし、続く声は沈んでいた。

『それに、心配をかけてしまったのに……心配してもらっただけのことを果たせなくて』

ぎゅう、と繋がれた手に力がこもるのが分かった。
先に力を強めたのは、どちらだったのか分からない。
彼が顔を俯かせたのを見て、見ていられなくて強く握ったのかもしれないし。
彼の方が、弱音をこぼすように手の力を強めたのかもしれない。

『守りたかった……』

それなのに守れなかったと、最期まで彼には後悔が残っていた。
『守りたかった』に入るのは、マスターやサーヴァントだけじゃない。
ここ一か月、被害が及ばないよう腐心していた事務所の関係者、全員に対して。
それが自分一人だけのせいではないという言葉を飲み込んだ上で、それでも。

『皆のことが、好きでした』

その言葉は、すべて私のせいだという自責だけではない。
失いたくなかったという哀しみと、敵わなかったという悔しさだ。
『マスターの社会的立場の』ためと言いながら、皆をとても眩しそうに見ていたのを知っている。

『僕なんかよりも、皆の方が……ずっと恐ろしくて、痛くて、救いのない最期だったのに』
『ウィリアムさん』

事実を否定はしない。
摩美々だって同じように大事に想っている人達だったのだから。
たとえば摩美々だって、自分だけは五体満足でいることに何も思うなというのは無理だから。
でも、僕『なんか』と言われては、話は別だ。

『前に三峰が、インタビューで印象に残った言葉ってテーマで語ってて、ですね。
【たとえ本人にでも、自分の好きなアイドルを実際より低く見積もられるのは嫌だ】って言うんです。
これ、アイドルとファン以外にも言えるんじゃないですかねー。自分の好きな人を悪く言われたら悲しいから』
『厳しくて、優しい言葉ですね』
『わたしもそうだなって。あなたのことを悪く言われたら、たとえ本人からでも悲しくなります』
『…………はい』

わたしのとこに来てくれたのがあなたで良かった
恥ずかしくて二度は言えないけど、絶対に真実であること。
たとえ咲耶や霧子が『うちの子だってすごいんだよ』と言い出したところで、こればかりは絶対に譲らないだろう。

『ごめんなさい……最期なのに、慰められるような事ばかり話して』
『悪いこと言いますケド…………私はそっちの方が、嬉しいです』
『そっち?』
『無理に元気そうにされるよりは、悲しいお別れの方が』

これが真乃だったら、相手を悲しませないように、無理にでも笑顔になって別れることを選ぶのかもしれない。
だけど真乃は真乃で、摩美々は摩美々だから。

『私は、悪い子なので』

そう、悪い子だ。
悪い子だから彼が来てくれたのだとしたら、今はそれが嬉しくて。

そして、ずっと前からそうだったのだけど。
たとえば摩美々は、『いつかアイドルを辞めたら』なんて話を笑顔でされると、悲しくなる。
少なくとも、辞めるだの、消えるだの、いなくなるだのという言葉を、軽々しく使われるよりは。

『相手が悲しんでくれない方が、悲しいんです』
『それは、私も同罪ですね』
『共犯、ですねぇ私達』
『はい、私も、今までたくさんもらいましたから……』

…………念話で、良かった。
発声だったら涙に邪魔されて、聞き取りにくい言葉にしかならなかった。

『守ってくれて、ありがとう』
『救けてくれて、ありがとう』

戦争から守られた。
絶望から救われた。
だから二人は、ここまで来れて。
そして今、その時間が来てしまったのは知っている。
握った手の熱が、どんどん冷たく、薄くなっているから。
だから最後に、せめてやすらかにと思って。

『おやすみなさい、ウィリアムお兄さん』
『おやすみなさい……次に目が覚めたら、また髪型が楽しみです』

おそらく、摩美々の髪がほどけていることに対してそう言ったのだろう。
これでも摩美々は、けっこうな頻度で髪型をいじるから。
一か月も一緒にいたら、両手の指では足りない髪型を見せていることになるから。

けれど。
摩美々は、知らなかった。
たしかに彼の過去夢で、色がついていたのはただ一人だったけど。
そのたった一人は、摩美々のそばにいる今の彼に、ちゃんと色彩を与えていったこと。
彼の世界は、過去夢でも最新のさわりでしかなかった最後の夜明けに、色がついたことで救われたこと。
だから。



『あなたは、きれいな紫色だから……』



たとえ、光も色彩も見えない行き止まりの世界だったとしても。
それでも、彼から見た彼女には、ちゃんと色があった。
そう教えてくれたのが、本当に最後だった。


――手と手の重なりが、ふつりと消えた。


傷跡を隠していたハンカチが、ひらひらとベンチに堕ちた。
摩美々はその、緋色に濡れたハンカチを、膝の上に広げ。
手荷物に顔を押し付け、両脚をみっともなくベンチの上に乗せて体育すわりのように丸まり。
誰にも表情を視えないよう、しばらくそうしているつもりで、己の膝を手荷物ごと抱いた。


【アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)@憂国のモリアーティ 消滅】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マスターを亡くしたメロウリンクは、サーヴァントを亡くした二人のマスターのうち、どちらかと再契約する。
メロウリンク自身が現界を望み続けている以上、それは既定の路線として進んでもいたしかたなかった。

そして、どちらと再契約するかとなれば、櫻木真乃に申し訳なさはあれど、どうしても一択になるところだ。
彼女は昨日の日中からメロウリンクと行動をともにしており、真乃よりもずっと付き合いなれているから。
彼女はまだ令呪を二画残している分、いざという時にメロウリンクを支援することが可能であるから。

それを察したのだろう。
移動中に、ライダーに運ばれながら彼から差し出されたのは、遺品だった。
もともと召喚時に纏っていた衣装の中にあらかじめ含まれていたのだろう、スーツの内側から取り出していた。
『どういうことか、トランプだけじゃなく、これも持ったままになっていて』という独り言は、意味不明だったが。

それは今になってもアサシンとともに消失していない。
もともとメロウリンクの機甲猟兵としてのスキルに、『所有する武装に全て神秘を付与する』というものがあり。
『時計』というのは日用品でもあるが、同時にどんなデザインの時計であれ軍用品と見なされるものでもあり。
つまり本人の許可を得て手に渡った瞬間、アサシンではなくメロウリンクの武装扱いされ遺品として残ったのだろう。
プロデューサーのサーヴァントに投げられた時に壊れてしまい、致命傷を受けた時刻を針が指したまま、ぴたりと時間の止まった鎖つきの時計。
それが、宝具のための仇を示すアイテムとして機能するかはまず微妙だが、問題はそれの裏面にあった。

【William J Moriarty】

「真名じゃないのか……?」

さて、ここで策謀などにも縁のないメロウリンクにも、分かることが一つ。
あの男は、己の真名を刻んだ所持品をずっと不用心に持ち歩くような真似はしない。
つまり、何の宝具でも装備品でもない真名露呈の品を肌身離さず持ち歩いていたというその時点で。
捨てることなど考えられない、よほど思い入れのある宝だったことになる。
それこそ、メロウリンクにとっての、戦友たちとのドックタグにも等しいような代物。

それを形見分けのように残すことの意味は、決して洒落者でないメロウリンクにも理解できた。

――あなたに託すのは、本当なら絶対に手放せない宝さえくれてやるほど大事な人だ。

くれぐれも、よろしく頼む。

「…………声をかけるのは、まだやめとくか」

少女がうずくまるベンチの近くの木陰で、だから彼はしばらく待つことにした。
この時ほど、ランサーやアヴェンジャーではなくアーチャーだということに感謝したことはない。
単独行動のおかげで、さっさと再契約だという話にはならないのだから。
そしてライダーの側には、考察やら今後の方針検討が必要なそれまでに得ていた情報入りの端末など色々と残されていたようだったが。
アサシンがメロウリンクに対して送ったのは、マスターを依頼する遺品と、たった一つだけだ。
最初の命令の、繰り返し。

――タイミングは、任せますよ。

彼が己に期待した役割がなんであるのか。
それは最初の共同作戦で、リンボや子ども達をようする陣営【海賊】に対して放たれた命令で、とっくに指示されている。

その命令一つがあれば、アサシンとアーチャーとの間は、それで十分だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アサシンが生前に得ていた情報は、好きに使ってくれと残されていた。
もともと昨日の一日で283プロに起こったことについては、アパート滞在中に田中摩美々からおよそ聞かされている。
アサシンから『もし長期別行動になった時のために把握させておいてほしい』と頼まれて。
あの世田谷のアパートに滞在していた数時間の間に、アッシュは『摩美々たち視点で分かっていたこと』を共有していたのだ。

そして、一連の行動をとった意図とそれに伴う『古手梨花を助けろ』の要請は、田中摩美々の手荷物に手紙として残っていた。

さらに、好きに役立ててくれていいと、連絡先も二つもらっている。
一つは、同盟を組もうとした相手。世田谷のアパートにバイクが送られてきたさいに合わせて届いた録音記録。
そこに通話のすべてが記録されている、もう一匹の蜘蛛糸をたどった先、【M】へと直通で繋がる番号。
いま一つは、風野灯織と八宮めぐるの連絡先だ。
なぜなら、新宿で彼女たちが亡くなった事故現場には、櫻木真乃との合流前に探し回ったところで、携帯端末が見当たらなかったから。
彼女らが皮下病院に昨日拉致されていた可能性を踏まえると、今、彼女達の端末を、『皮下病院一派』の誰かが強奪している可能性は低くない、とのこと。

そして、朗報と言えなくもない新情報がひとつ。
背中に負っての移動中に聞かされた、とある英霊の紹介。
令呪は一画欠けてしまったがために、どう足掻いても【方舟】の出航については実行見合わせではあるのだが。

それでもアシュレイが求めていた、界奏で引き出せる力の「選択肢」を増やしたいという要望。
それを、『人奏』に関係するプランに協力できなくなる埋め合わせとして、ひとつ共有しておくと。
仮に界奏を実現させることが今後あるなら、その成功率を引き上げるために伝えたいと。
作戦成功の根幹である、『0パーセントを1パーセントにできるかどうか』における、
成功率そのもののパーセンテージ改変。
変数の作為的操作。
完全犯罪の真逆である、【完全解明宝具】。
彼がその世界に存在する限り、世界に『解決法が存在するように』なるという因果逆転。
『友人でない方の彼』がそれを使うにあたっては不確定要素が多いらしく、そうそう切れる札ではないようだが。
『探偵としての完全解明宝具』なのであれば、『Wの世界の彼』自体にも、似たような性質は有するだろう。
そして、何より特筆すべきは、異邦人・宮本武蔵の知己であり、今現在において『同根の物語』を持つ己と彼らが関わったこと。
おそらく、探し当てるための『縁』をたどることハードルは、他の英霊よりも低い。

正直おどろいた。
アーチャーからというならまだしも、この英霊とはまだ顔を突き合わせての話し合いさえ講じていないのだ。
まだ直接に聴かされていないプランのためにあれこれ活路を見出そうとするほど、この男が軽率でないのは分かっている。
どうしてと尋ねれば、風に乗るだけで消えそうなほど小さな声で、こう言われた。



『君と殺し合おうというつもりは、もう無いので』



――それは残念だ。少しは考えも変わってくれてるものだと思ったんだけどな――
――少なくとも……"場合によっては"これまでの状況や立場を白紙にして殺し合う可能性のある相手に与えられる席ではない――

それは、かつて交わされたやりとりに対するアンサーだった。
君を信用することにした。
打ち手と駒ではなく、対等の同盟者として。
協力する意思を示すことにした。
だから、伝えたかったと。

「ずるいよなぁ……」

天を仰ぐ。
残されたのはたいへんありがたいお節介だが、善意がある一方での極悪な釘刺しでもあった。
ここまでされたら、今後、よほど七草にちかと『彼女』の二択にでもならない限り。
『Wのマスターだった彼女を切り捨てる』という選択肢だけは選べない。
そして、取り得る行動を与えられたのは。
サーヴァントの方だけでなく。

「ライダーさん」

悲嘆なのか、困惑なのか、疲労なのか。
そのどれでもあるのかもしれない頼りない足取りと、震える唇と。
何よりも、これから口にする言葉に対する、大きな緊張があった。

「そろそろ、教えてほしいんですけど」
「そろそろ、っていうのは?」

第一のファンであるプロデューサーの、その代理人たるサーヴァントから。
お前は介入せず、黙って見ているべきことを是とされた少女。

もう、アイドルの元に戻ってくることは無いと。
七色になった共鳴(レゾナンス)は、とっくに欠けた。
階層(レイヤー)に分かたれた翼は、展望(パノラマ)に至れなかった。
その、もう届かない彼方がどんなに優しい道でも。

「そろそろ?」
「ずっと、聞けてなかったじゃないですか。
夕方の時も、リンボってヤツに襲われた後、苦しそうだったし。
さっきの戦いでも、変なことになってたし、ずっと無理してたじゃないですか」

彼女がまず尋ねたいのは。
これまでずっと、一線を引いていたことに対してだった。
彼女のため必死になろうとしてくれている者に、近づこうとする為に。
まして彼女が、これから話をしたい相手のことさえ。
彼女は、彼女の主観においてよく知っているかどうかに、自信がないのだから。

たとえ違う世界でも。
たとえ出会えてなくて、一緒にいない世界でも。
キミを響かせる光の歌を歌えるか、どうか。
それを問われることになってしまった、普通の女の子から、アイドルになろうとする者は。

「ライダーさんの中には、何がいるんですか」

まずは、彼の中身(ブラック・ボックス)を知ることを選んだ。
アシュレイ・ホライゾンという、相方のことを。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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緋色の糸は風になびいて開幕を知らせ。
掃きだめに愛の歌は響いて。
拍手が歌に合わさり。
星々の場所にさよならをして。
偶像の候補生は、ゼロ時間に至る。

未だ虹の行方は、杳として知れず。
とある芸能事務所をめぐる長い長い崩落(カタストロフ)。
まずはこれにて、ひとたびの幕。


【杉並区(中野区付近・杉並区立蚕糸の森公園)/二日目・未明(早朝直前)】


【セイバー(宮本武蔵)@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(中)、霊骸汚染(中)、魔力充実、 令呪『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』
[装備]:計5振りの刀
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:マスターである古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ
0:梨花を助ける。そのために、まずは…
1:おでんのサーヴァント(継国縁壱)に対しての非常に強い興味。
2:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」
3:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。
4:あの鬼侍殿の宿業、はてさてどうしてくれようか。
5:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)は斬る。今度こそは逃さない。
※鬼ヶ島にいる古手梨花との念話は機能していません。

七草にちか(騎)@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:精神的負担(極大)、決意、全身に軽度の打撲と擦過傷、顔面が涙と鼻水でぐちゃぐちゃ
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:高校生程度
[思考・状況]基本方針:283プロに帰ってアイドルの夢の続きを追う。
0:……ライダーさんには、何が起こってるんですか
1:アイドルに、なります。……だから、まずはあの人に会って、それを伝えて、止めます。
2:殺したり戦ったりは、したくないなぁ……
3:ライダーの案は良いと思う。
4:梨花ちゃん達、無事……って思っていいのかな。
[備考]聖杯戦争におけるロールは七草はづきの妹であり、彼女とは同居している設定となります。

【ライダー(アシュレイ・ホライゾン)@シルヴァリオトリニティ】
[状態]:全身にダメージ(極大)、疲労(極大)
[装備]:アダマンタイト製の刀@シルヴァリオトリニティ
[道具]:七草にちかのスマートフォン(プロデューサーの誘拐現場および自宅を撮影したデータを保存)、ウィリアムの予備端末(Mとの連絡先、風野灯織&八宮めぐるの連絡先)、WとMとの通話録音記録
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:にちかを元の居場所に戻す。
0:――――。
1:今度こそ、P、梨花の元へ向かう。
2:界奏による界聖杯改変に必要な情報(場所及びそれを可能とする能力の情報)を得る。
3:情報収集のため他主従とは積極的に接触したい。が、危険と隣り合わせのため慎重に行動する。
[備考]宝具『天地宇宙の航海記、描かれるは灰と光の境界線(Calling Sphere Bringer)』は、にちかがマスターの場合令呪三画を使用することでようやく短時間の行使が可能と推測しています。
アルターエゴ(蘆屋道満)の式神と接触、その存在を知りました。
割れた子供達(グラス・チルドレン)の概要について聞きました。
七草にちか(騎)に対して、彼女の原型はNPCなのではないかという仮説を立てました。真実については後続にお任せします。
星辰光「月照恋歌、渚に雨の降る如く・銀奏之型(Mk-Rain Artemis)」を発現しました。
宝具『初歩的なことだ、友よ』について聞きました。他にもWから情報を得ているかどうかは後続に任せます

【アーチャー(メロウリンク・アリティ)@機甲猟兵メロウリンク】
[状態]:全身にダメージ(大・ただし致命傷は一切ない)、マスター喪失、疲労(大)、アルターエゴ・リンボへの復讐心
[装備]:対ATライフル(パイルバンカーカスタム)、照準スコープなど周辺装備
[道具]:圧力鍋爆弾(数個)、火炎瓶(数個)、ワイヤー、スモーク花火、工具、ウィリアムの懐中時計(破損)
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターの意志を尊重しつつ、生き残らせる。
0:…にちか。
1:田中摩美々と再契約を果たす。任された。
2:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)への復讐を果たす。
3:武装が心もとない。手榴弾や対AT地雷が欲しい。ハイペリオン、使えそうだな……
4:少しだけ、小隊長のことを思い出した。
[備考]※圧力鍋爆弾、火炎瓶などは現地のホームセンターなどで入手できる材料を使用したものですが、アーチャーのスキル『機甲猟兵』により、サーヴァントにも普通の人間と同様に通用します。また、アーチャーが持ち運ぶことができる分量に限り、霊体化で隠すことができます。
アシュレイ・ホライゾンの宝具(ハイペリオン)を利用した罠や武装を勘案しています。
※マスターを喪失しましたが、単独行動スキルにより引き続き現界の維持が可能です。

田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(大)、ところどころ服が焦げてる、サーヴァント喪失
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
0:――――。
1:もう一人の蜘蛛ではなく、そのマスターと話がしたい
2:プロデューサーと改めて話がしたい。
3:アサシンさんの方針を支持する。
4:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています

櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(極大)、深い悲しみ、強い決意、気絶、サーヴァント喪失
[令呪]:喪失
[装備]:なし
[道具]:予備の携帯端末
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。
0:――ひかるちゃん。私、私…
1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。
2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
[備考]
星野アイ、アヴェンジャー(デッドプール)と連絡先を交換しました。
プロデューサー田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。

時系列順


投下順


←Back Character name Next→
116:prismatic Fate 櫻木真乃 126:ハッピーエンドをはじめから
アーチャー(メロウリンク=アリティ) 126:ハッピーエンドをはじめから
七草にちか(騎) 126:ハッピーエンドをはじめから
ライダー(アシュレイ・ホライゾン)
田中摩美々 126:ハッピーエンドをはじめから
アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ) GAME OVER
プロデューサー 121:ある少年のプロローグ
ランサー(猗窩座
セイバー(宮本武蔵 126:ハッピーエンドをはじめから

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最終更新:2022年08月19日 02:01