ひょんなことから女の子
I'm my sister 1
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hyon
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251 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/19(月) 03:58:47.34 ID:eGbgoULD0
目覚ましの音。
重いまぶたを三分の一ほど上げる。
瞬間、自分が見知らぬ部屋に居ることに気づき、一気に目が覚めた。
重いまぶたを三分の一ほど上げる。
瞬間、自分が見知らぬ部屋に居ることに気づき、一気に目が覚めた。
どうやら女の子の部屋のようだ。
もしかして酔った勢いでそのまま…、
いやいや、俺はまじめな高校生で酒なんか飲んだこともないはず。
…寝起きで頭が混乱しているようだ、顔でも洗ってくるか。
そのとき、ふと部屋にあった大きな鏡に目が向いた。
そこには『彼』の姿はなく、一人の女の子が呆然と立ちすくんでいた。
もしかして酔った勢いでそのまま…、
いやいや、俺はまじめな高校生で酒なんか飲んだこともないはず。
…寝起きで頭が混乱しているようだ、顔でも洗ってくるか。
そのとき、ふと部屋にあった大きな鏡に目が向いた。
そこには『彼』の姿はなく、一人の女の子が呆然と立ちすくんでいた。
252 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/19(月) 04:12:11.00 ID:eGbgoULD0
居間では、二人分の朝食が出来上がっていた。
「あら恵、今日は早起きなのね。」
「母さんっ! 俺、女に………めぐみ…って誰?」
「何寝ぼけたこと言ってるのよ、恵。」
「いや、俺は正樹で…。」
「正樹ならもう朝練があるからって学校行ったわよ。
で、何のドッキリ? 正樹の口調そっくりだけど…。」
これ以上問いただしても意味は無いみたいだ。
急いで朝食を食べ終わると、恵は部屋に戻った―本来ならこの場所は物置になっていたはずだ。
「あら恵、今日は早起きなのね。」
「母さんっ! 俺、女に………めぐみ…って誰?」
「何寝ぼけたこと言ってるのよ、恵。」
「いや、俺は正樹で…。」
「正樹ならもう朝練があるからって学校行ったわよ。
で、何のドッキリ? 正樹の口調そっくりだけど…。」
これ以上問いただしても意味は無いみたいだ。
急いで朝食を食べ終わると、恵は部屋に戻った―本来ならこの場所は物置になっていたはずだ。
正樹は高校一年生。元々は一人っ子だった。
だが、恵が机においてあった教科書から得た情報は
立花恵 高校三年生
つまり、恵は正樹の姉という存在だということだった。
次に恵は正樹の部屋に入ってみる。
そこには昨日とほぼ変わらないままの『自分の』部屋が広がっていた。
だが、恵が机においてあった教科書から得た情報は
立花恵 高校三年生
つまり、恵は正樹の姉という存在だということだった。
次に恵は正樹の部屋に入ってみる。
そこには昨日とほぼ変わらないままの『自分の』部屋が広がっていた。
253 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/19(月) 04:23:20.14 ID:eGbgoULD0
「で」
部屋に戻った恵は部屋に掛けてあるセーラー服とにらめっこしていた。
「これ…着るのか…」
10分後、ようやく覚悟を決め、パジャマを脱いだ恵に、更なる葛藤が待ち受けていた。
「そういや…ぶらじゃー着けなくちゃ…ダメだよね…」
約1時間かかって、ようやく全部着替えることに成功した。
「スカート、ひらひらして気持ち悪い…」
ちなみに季節は夏である。そうでなかったら恵は風邪を引いていたに違いない。
部屋に戻った恵は部屋に掛けてあるセーラー服とにらめっこしていた。
「これ…着るのか…」
10分後、ようやく覚悟を決め、パジャマを脱いだ恵に、更なる葛藤が待ち受けていた。
「そういや…ぶらじゃー着けなくちゃ…ダメだよね…」
約1時間かかって、ようやく全部着替えることに成功した。
「スカート、ひらひらして気持ち悪い…」
ちなみに季節は夏である。そうでなかったら恵は風邪を引いていたに違いない。
ちょうどその時、ドアベルが鳴り、一人の男の声が聞こえてきた。
「めぐみー、迎えに着たぞー。」
「めぐみー、迎えに着たぞー。」
412 名前:253続き ◆iIl1lB4oT2 :2007/02/20(火) 01:13:20.95 ID:CvGjOGbI0
慌てて時間割を見て教科書とノートを詰め込み、階段を駆け下りる。
そこにはよく見知った顔があった。
「先輩…」
「? 何言ってるんだよ、さ、早くしないと遅れるぞ。」
彼の名は新庄英雄、正樹のサッカー部での先輩である。
行ってきますと声を残し、二人は玄関を発った。
「先輩は朝練行かないんですか?」
「今日は休みだよ。それより『先輩』って何だよ。」
このときは彼の反応も、恵の母親のそれと同じようなものだった。
「ところでもうすぐ模試だけど、どう? はかどってる?」
「あ…」
朝からそれどころじゃない展開が続いてすっかり忘れていた。
「二年分ほど、足りてないようです…」
「大丈夫? 見てあげようか?」
でもでも、そんなことより今はもっと気になることがあって…、
「あの…私達ってどういう関係なんですか?」
「え…は…恥ずかしいこと言わせるなよっ!」
ああ、やっぱりそうなんだ…。
顔が火照ってきた。
うつむいて気持ちを落ち着けようとする。
ひょいと英雄が顔を近づけてきた。
「何かあったの?」
近い近い近い…。心臓の鼓動は更に激しさを増した。
「分かった! 言います、言いますから!」
「別にそこまで追い詰めてないんだけどな…」
そこにはよく見知った顔があった。
「先輩…」
「? 何言ってるんだよ、さ、早くしないと遅れるぞ。」
彼の名は新庄英雄、正樹のサッカー部での先輩である。
行ってきますと声を残し、二人は玄関を発った。
「先輩は朝練行かないんですか?」
「今日は休みだよ。それより『先輩』って何だよ。」
このときは彼の反応も、恵の母親のそれと同じようなものだった。
「ところでもうすぐ模試だけど、どう? はかどってる?」
「あ…」
朝からそれどころじゃない展開が続いてすっかり忘れていた。
「二年分ほど、足りてないようです…」
「大丈夫? 見てあげようか?」
でもでも、そんなことより今はもっと気になることがあって…、
「あの…私達ってどういう関係なんですか?」
「え…は…恥ずかしいこと言わせるなよっ!」
ああ、やっぱりそうなんだ…。
顔が火照ってきた。
うつむいて気持ちを落ち着けようとする。
ひょいと英雄が顔を近づけてきた。
「何かあったの?」
近い近い近い…。心臓の鼓動は更に激しさを増した。
「分かった! 言います、言いますから!」
「別にそこまで追い詰めてないんだけどな…」
414 名前: ◆iIl1lB4oT2 :2007/02/20(火) 01:14:16.65 ID:CvGjOGbI0
「というわけで俺は本当は立花正樹なんです。」
「…ひとつだけ、訊いていい?」
「なんですか?」
「昨日練習終わってから僕が言ったこと、覚えてる?」
忘れるはずがない。昨年の全国大会にも出場した憧れの新庄先輩。
彼が掛けてくれた嬉しい言葉を、たった一日では。
『立花君、頑張ってるね。
~~~
(中略)
~~~
この調子だと夏にはベンチ入りできるかもしれないよ。』
「…うん、一字一句間違いない。これは認めるしかないか。
恵も正樹君もそんな悪い冗談言うような子には見えないしね。」
そこからは一言の会話もなく、学校に着いたときに「また後で」と取り付けただけだった。
「…ひとつだけ、訊いていい?」
「なんですか?」
「昨日練習終わってから僕が言ったこと、覚えてる?」
忘れるはずがない。昨年の全国大会にも出場した憧れの新庄先輩。
彼が掛けてくれた嬉しい言葉を、たった一日では。
『立花君、頑張ってるね。
~~~
(中略)
~~~
この調子だと夏にはベンチ入りできるかもしれないよ。』
「…うん、一字一句間違いない。これは認めるしかないか。
恵も正樹君もそんな悪い冗談言うような子には見えないしね。」
そこからは一言の会話もなく、学校に着いたときに「また後で」と取り付けただけだった。