【種別】
人名(仮)
【CV】
小原 好美
【解説】
「ドリー」の通称で呼ばれる、『
才人工房』で生活している少女。
当時の
警策看取や
食蜂操祈、
帆風潤子ら、『才人工房』に所属していた子どもたちと同様に、靴下やブラ・キャミソールなどは身に着けず、黒色の手術衣のような服と、下着のショーツのみ着けている。
「中学生」ということになっており、容姿も中学校一年生ほどだが、当時まだ小学生だった食蜂に「アナタ本当に中学生ぇ?」と笑われるほど、人格や精神、口調、行動などの面ではかなり幼く、裏表のない性格。
外の世界を知らず研究施設内で育ち、友人もいなかった生活環境から人寂しいのか、抱きついたり匂いを嗅いだりとスキンシップを好む。
『才人工房』から宛てがわれた警策を「みーちゃん」と呼び慕い、ただ一人の親友とした。
互いに裏表なく笑い会えるような親しい関係を続けていたが、ある日偶然にも、警策に後述の「身体の傷」と生命維持装置を見られてしまう。
警策は「医療機関ではなく
能力者開発施設の『才人工房』がドリーの「治療」をしている」ことに疑いを持ち、機密データを調べ上げ、彼女の境遇に憤慨し研究者達に反逆するが、捕らえられて暴行・監禁され、ドリーから引き離されてしまう。
事情を知らないドリーは「埋め込まれた機械を気味悪がられ、避けられた」と解釈して強いストレスを抱えてしまった。
このストレスがドリー実験データに影響することから、『才人工房』は新たに食蜂を彼女に宛てがう。
その能力で食蜂を「みーちゃん」と誤認した彼女は、しばらく食蜂と共に過ごした後、ついに肉体の限界を迎え倒れる。
倒れた彼女が研究者に引き取られる直前、食蜂に「おなまえ、きかせて」と頼み、友達になってくれた「みさきちゃん」に「ありがとう」と告げこの世を去った。
【正体】
ドリーの正体は、
御坂美琴のDNAマップを用いて試作されたクローンの少女。
すなわち
『妹達』が生み出されるより前の「0号(プロトタイプ)」である。
上層の組織から『才人工房』に預けられていた。
その目的は「クローンを長持ちさせるための実験データの採取」で、短命な肉体を維持する目的で、腹部付近から露出する形で身体に機械が埋め込まれており、彼女自身の健康を顧みず、あらゆる薬物を投与してデータを採取されている。
胸部・腹部のほか、背中にも3つ大きな傷があり、亡くなる間際には左足首付近や顔にも裂傷が確認できるが、詳細は不明。
また、クローン間での情報共有を行う
ネットワーク構築の実験体でもあり、同時期に造られ、目覚めることなく眠ったままの『妹』個体に、研究所で生活している『姉』個体の人格・記憶・経験がすべて転送されている。
つまりドリーは『姉』個体と『妹』個体の二人セットで、「0号(プロトタイプ)」として機能していた。
ただし、これらドリーに関するデータ採取の真の目的は『才人工房』には知らされていなかったようで、ドリー関連の研究は「上から押しつけられた目的すらわからない人形遊びの一環」と称されていた。
【妹達との関係】
ドリーの『姉』個体と『妹』個体で構築されていた実験的ネットワークも、後に生産された妹達のミサカネットワークとは直接の繋がりや接続がなく、かつ『姉』個体が存命だった時期とは時間軸も大きく異なっているため、妹達はドリー姉妹の存在を認知できていないものと思われる。
なお、ドリー(『姉』)は、自分に『妹』が存在することや、「たくさんのいもーとができる」ことは知っていたようだが、自身の素性や実験の内容についてどの程度知っていたのかは不明。
また、妹達では、
布束が監修した
洗脳・学習装置を使用して、生産された直後の段階で脳に様々な知識を強制的にインストールし、喜怒哀楽などの感情についても一定の制限がなされていため、例外的な
ミサカ19090号や
打ち止めなどを除いて、人間的な感情が極端に薄い。
一方、ドリーは「本を読む」「人と接する」など、実際の経験によって
知識や感情・人格を身につけているようで、幼いながらも自然な人間性があり、
髪型や瞳の作画表現なども妹達や美琴とは異なっている。
【その後】
大覇星祭の事件の後、
木原幻生の記憶を読んだ食蜂は、ドリーに関する本当の研究目的と『妹』個体の存在、そして警策看取こそがドリーの親友だった「みーちゃん」だという事実を知る。
『妹』の存在を知った彼女は、『妹』は記憶と情報を共有しているだけで厳密にはドリー本人ではないと定義しながらも、放っておく事はできず、警策に協力を求める。
そして、眠ったまま研究機関で保管されていた『妹』は、食蜂と警策の手により解放され、離れ離れになってしまった親友同士の『再会』を果たした。
亡くなる前の『姉』個体の髪型はショートヘアだったが、
再会して以後の『妹』個体は、現在の警策や食蜂と同程度のロングヘアになっている。
再会後のドリーと警策は、食蜂所有の隠れ家で
同棲生活
を送っている模様で、
ドリーと警策の二人、あるいは食蜂を含めた三人で外出することがあり、
超電磁砲T第25話では、「ウミにつれていって」という願いを叶える一歩として、
学園都市内の水族館へ出かけていたり、
獄門開錠(ジェイルブレイカー)編でも、興味を持ったドリーたっての希望で、
警策に連れられ共に
第二少年院の
脱獄トライアルに出場している。
『禁書目録』本編には登場せず、食蜂が絡むシーンでごく稀に言及される程度であるが、
遅くとも12月の中頃(新約22巻リバース)までには、
オリジナルである美琴が「食蜂が関わっているプロトタイプ」の情報を掴んでいるようだ。
ただし、そこに至る経緯は外伝を含め作中では未だ明かされていないため、
食蜂が直接美琴に対してドリーの存在を伝えたのか、それとも美琴本人が何らかの手段を用いて知り得たのかは不明。
あの子のことはあいつ(食蜂)なりに伝えるタイミングを図ってると思うから
といった見立てを伝えている。
【能力】
美琴や、後に製造された『妹達』と同様、能力は
電撃使い。
脱獄トライアルの際には、警備ロボに狙われていた警策を助けるため、
自分とさほど変わらぬ体格の彼女を「お姫様抱っこ」して宙に浮いたまま、
長い髪をレール代わりにする手法で、同時に4つの小威力の超電磁砲を撃ち出す離れ業をやってのけており、
高い戦闘能力や身体能力も身に着けているようだ。
最終更新:2025年06月07日 06:32