ASW-G-61 ガンダム・ザガン

【形式番号】 ASW-G-61
【機体名】 ガンダム・ザガン
【パイロット】 アルゾナ・イシュー(厄祭戦時)
ロンド・ブロン
【所属陣営】 ギャラルホルン?
【動力】 エイハブ・リアクター
【フレーム】 ガンダム・フレーム
【武装】 シールドプライヤーユニット
スクリューパンチ

【詳細】

約300年前の厄祭戦において活躍し、後に初代セブンスターズに名を連ねたアルゾナ・イシューが搭乗したガンダム・フレームタイプMS。

全身を漆黒の重装甲で固めたガンダム。
バックパックから伸びるサブアームに繋がったシールドプライヤーユニットが最大の特徴。
折りたたまれたパーツが変形することで、先端部にハサミ(プライヤー)を備えたアームが展開する。
プライヤーの先端部にはバエル・ソード等に用いられたものと同じ特殊金属が使われていると思われ、MSをフレームごと切断せしめる凄まじいパワーを誇る。
また外套のように前方へ展開することで攻撃をことごとく防ぐ強固なシールドともなり、攻防問わずあらゆる局面で強力な武装として機能する。

また他のガンダム作品を例とするが、バイアランを思わせるような特徴的ないかり肩というか、横への異様な広がり方をした両腕部はASW-G-71 ガンダム・ダンタリオンのようなフレームレベルでの改装を受けたのか大型化し、拳をロックした上で高速回転させ殴りつける攻撃を行う。グシオンのように両肩あたりに別パーツを噛ませている可能性もある。
この殴打は単純な打撃と侮るなかれ。
ザガンの拳はガンダム・フレームの莫大な出力を反映させたものであり、一撃でナノラミネートアーマーを粉砕、回転させずともフレームごとMSに致命傷を与える等、その威力は非常に強力。

プライヤーは防御の他、敵の装甲を引きはがしたり、組みつきながら敵の部位を"解体"するといった運用が想定される。
恐らく、防御力に任せて強引に懐に飛び込み、プライヤーでMAの抵抗を封じながらスクリューパンチで急所をぶち抜く、といった具合の戦術コンセプトだったと思われる。
ハラエルのように複数の腕を持つ相手でもプライヤーユニットを展開して寄せ付けないようにすることも出来るだろう。

ガンダム・フレームの飛び抜けた出力をストレートにパワーに反映させたまさかのステゴロ特化型ガンダム。殴り合い宇宙。力こそパワー。
ある意味ダインスレイヴの原理を機体そのものを使って実行しているようなもの、と言えるかも知れない。

長きにわたるガンダムシリーズにおいて、人間の手であるマニピュレータを何らかの武器とするMSは異なる世界観でもそれなりに存在しているが、敵機をマニピュレーターで直接殴りつけて撃破することを想定したMSというのは際立って珍しい。
他作品を見ても、シャイニングガンダムやゴッドガンダムを代表するモビルファイター程度であり、手のひらにビーム砲を持つデスティニーガンダムがマニピュレーターそのものを武器とするガンダムであるものの、流石に殴り付けて粉砕するわけではない。

厄祭戦においては初代イシュー家当主となるアルゾナ・イシューが搭乗し、終戦後はイシュー家によって長年厳重に保管されてきたガンダム・フレーム。
コクピット周りはバエルやアスモデウス同様、厄祭戦の頃と変わらず阿頼耶識システムに対応している…とされる(アニメシーンでは若干疑問符がつくのだが、それは下記余談項目にて)。
胸部装甲にはイシュー家の家紋が刻まれている。

何故か他のセブンスターズのガンダム・フレームが保管されている地球上のヴィンゴールヴの倉庫区内ではなく、かつての送電システムが残る「ラタトスク」と呼ばれるイシュー家が管理している危険区域内に保管されていた。
ラタトスクとはイシュー家の家紋に使われる北欧神話に登場するハリネズミの怪物である。

イシュー家の次代当主を巡る戦いの中、かつてのカルタ・イシューの部下だったロンド・ブロンが乗り込んで起動させ、厄祭戦当時のコクピットでありながらガンダム・端白星(第2形態)と互角以上の戦いを繰り広げた。
阿頼耶識による神経接続を前提としたインターフェースであろうザガンをプログラム入力操作だけで動かしているという、よく考えると技量とかそういうレベルではないよくわからない次元の操作を行っている。
イシュー家のお家騒動でオキナ・ウロカ側の者達が操縦するグレイズ数機を瞬く間に粉砕し、カチュアを取り戻そうとするウィスタリオと激突する。

阿頼耶識を使わずとも並のMSを上回る反応速度を有する端白星(第2形態)と厄祭戦時の操縦系統で扱いに苦戦しつつも互角に立ち回ってみせるも、最終的に端白星の猛攻により片側のプライヤーユニットを破壊される。
しかし技量で上回ったことで端白星に馬乗りとなり残ったユニットを自ら引きちぎって端白星にトドメを刺そうとしたものの、発電ユニットから漏れ出た落雷が直撃したことで機能を停止。
マイクロ波に焼かれたか、雷が直撃したロンドは死亡した模様。
ウィスタリオ達は復活したMAメハイアとの戦闘に移ったため本機はそのままフェードアウトする形で退場と相成った。
鳴物入りで登場した割に短い出番であったが、ドリルパンチやシールドプライヤーユニットの迫力は十二分にあり、印象に残る機体だったと言えるだろう。

【余談】

元ネタであり名前の由来であるザガンとは、ゴエティアにおける地獄の33の軍団を率いる序列61番の大王にして総裁とされる悪魔。

人間の姿を取る事もできるが、グリフォンの翼を持った牡牛の姿で現れるともされる。
知恵を司る力を持ち、愚者も賢者のようにしてしまうこともできる。
また錬金術のようにものの性質を操ることもできるようで、ワインを水、血をワインに、水をワインに変質させその逆もできるという。

ガンダムとしてのザガンの脚部は牡牛の蹄のような形状であり、シールドプライヤーユニットは翼のようでも有る。先端部のハサミはグリフォンのくちばしとも考えると、悪魔ザガンの外見がMSの全身像に反映されているのだろう。

ウルズハント作中内にて本機に搭乗したロンドは『コクピットが厄災戦時の物であるため十全に操りきれない』と言及したが、アニメシーンで映されたコクピットレイアウトはグレイズ系列の物と同じであり、2期で描写されたバエルのオリジナル阿頼耶識搭載型コクピットとは大幅に異なっている。
そもそもバエルが長年オリジナル阿頼耶識の施術を受けた者でなければ起動出来なかった事例を鑑みるに、恐らくザガンの物は後年マニュアル式に換装済であったのをロンドが把握していなかった可能性が高い。
更に端白星との戦闘シーンをよく観ると通常腕とシールドプライヤーユニットをいずれか片方ずつでしか動かせておらず、ザガンの兵装もムルムルのサージカルフェザーやグシオンのサブアーム同様に阿頼耶識で操る事が前提になっている模様。
その点も加味すると尚更ロンドの発言は矛盾しており、ザガンがどのような経緯と時系列でラタトスクに保管されるようになったのかが考察されている。

形式番号は序列61番目ということで暫定的に振ったもので、公式情報でこの形式番号であると明記されていない。

なお「ゼガン」と誤記するとウルトラ怪獣になる。

デザイン担当は本人のTwitterより海老川兼武氏。

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最終更新:2024年03月06日 02:27