あらすじ
舞台は農業国ケーナシー、首都レイリー。
人々で賑わっていた街が突如、魔獣たちに襲われる。
無残にも破壊された市場と逃げ惑う人々。嘲笑うかのように降り出す雨。
その中で、魔獣トニトルスに攫われた妹、フォンヌを探して兄アムニスは旅を始める。
フォンヌを助けるために手を差し伸べた仲間。
魔獣調査や討伐のために動き出した人々。装備を整え、森へと続く道をゆく。
森の傍らには物知りとして知られるティービア・アギカの家があった。
堅物で知られるティービア。だがそれは、孫を失った悲しい老婆の想い。
彼らはティービアを説得し、魔獣騒動について情報を入手することとなる。
20年前、彼女が孫を失った時にも今回と同じような騒動が起こったのだと。
更に彼らは森の奥へと歩みを進める。
けれどそこで彼らは、赤き狼エリュトロンの群れに襲われることとなる。
森の小屋へと逃げ込む者、剣を抜き戦いに身を置く者。
全てを殲滅することで、ようやく彼らは襲撃から免れることが出来た。
小屋で一息つきながら談笑する彼ら。そこへ帰ってきた小屋の主。
老人ロクスとその愛犬ゴンは冒険者たちを温かく迎え入れる。
見かけはなんら変哲もない老人と犬。
ただ、彼らが
ドワーフと魔獣であることを除いては。
一方で、街へ来ていたサーカスのテントへ忍び込む者達もいた。
ステージで枯れかけた花を甦らせるという偉業を成した少女が気になったから。
だが彼女は、サーカスの奥で捕まっていた。檻に入れられて。
衝撃の事実に、けれど成す術もなく。
逃げ出した者と、そこに留まり歌姫として加えられた者。
そして、少女と同じように檻に入れられていたヤンキー少年。
やがて、ヤンキー少年の処罰の時が近づく。
サーカス団長であり屋敷の主でもある、ルナールへの無礼に対して。
けれど彼はそこで命乞いをした。相手を欺くためにわざとらしいほどの大声で。
そして彼は不意をつき、ルナールの身柄を拘束することに成功する。
しかし、逆に相手の策略にはまって追われる身となるのであった。
サーカスに囚われていた少女と共に逃げ出す彼。
街中には、その少女の行方を探し続けている母親の姿があった。
母親の名はジュビア。そして、娘の名をノチェと言った。
彼女たちは病気の父親のため、伝説に語られる異世界から薬草を求め旅して来たのだという。
その後、サーカスを見に行った者たちは合流し。
それぞれに思いを抱きながら、薬草を探す旅に同行することとなった。
常に街では、破壊された市場を修復しようと建築学者や大工が努力を費やしていた。
そんな中、悪戯をしては追われる少年の姿。建築学者は興味を抱き彼に近づいた。
やがて街の整備を続けるにつれ、魔獣襲撃に備え、街の中に施設を造りたくなった彼女。
だが、施設を造るためには資金が必要だった。無論、莫大な費用など持ち合わせてはいない。
その傍らで徐々に心を開き始め、リートゥスと名乗った少年。
成り行きで、彼が街の富豪の息子であると判明する。
当初彼女が支援を依頼した時には、噂通り気難しさのあった富豪。
だが、彼の出した依頼が偶然にも達せられ、息子が家に戻った。
画して、建築学者の相談に応じて彼は、資金を援助してくれることとなったのである。
その頃森の中では、行方不明になった仲間を探して二手に別れ行動していた。
一方は建設中であるルナールの屋敷。そしてもう一方は、テュランヌと名乗った幻獣の館へと辿り着く。
ルナールの屋敷には、様々な年齢の男女が過酷な労働を強いられていた。
逃げるに逃げられない環境。刃向かえば処分される奴隷たち。更には、街から攫われてきた幾人かの人々。だがそこに、捜し求めていたフォンヌの姿はなかった。
逃走を拒む奴隷たちを説得し、冒険者たちは彼らを解放する。
屋敷へと入り、追っ手を倒しながら先を急いだ。
やがて目の前に立ちはだかった、地下へと続く扉の前で謎解きに挑むこととなる。
ようやく扉を開け、先へと進む彼ら。そこで目の当たりにする光景。
美しく飾られた遺体。人質にされた少女の姿。
姑息なまでのルナールの行動にも、彼らは屈することなく少女を救い出す。
彼女こそが、アムニスが探し求めていたフォンヌであった。
そこへ押し寄せたヤンキー集団。ルナールが返り討ちにあったのは言うまでもない。
時、同じくして。
テュランヌの屋敷では、迷子の少女を挟んで幻獣の男と半獣の青年が睨み合っていた。
迷子になった少女はこの屋敷で確認されたのだが、しかし。
激しい戦いを繰り返す両者の間に、やがて身を投じる少女の姿。舞う鮮血。
戦いが収束されると同時に、悲しみが周囲を包み込んだ。
生死を彷徨う彼女へ、テュランヌの古き間柄であるロクスは彼と共に蘇生術を施す。
だがそれを拒む彼女。成す術なく彼らは項垂れ、そしてある者は彼女を抱えて屋敷を後にした。
向かうは、大地の揺れと共に頭上に出現した巨大な黒き『門』のある場所。
それを創造した者ならば、もしくは彼女を助ける術を知り得るのではないかと願いを込めて。
ルナールの屋敷へ辿り着いた者たちも、フォンヌを連れて一度小屋へと戻る。
状況が急変したテュランヌの屋敷の者たちも、青年を除いては小屋に戻った。
だが、留守番させていたはずの少年たちの姿が見当たらない。
この広い森の中を隈なく探すことも出来ず、捜索は断念せざるを得なかった。
彼らはフォンヌと番犬ゴンを置いて、森の奥へと進み行く。目指すは『門』の真下だ。
やがて留守番をしていたフォンヌの元に、彼女の見知らぬ人たちが姿を現す。
彼らはノチェやジュビアと共に薬草を探しに来た人物であった。
そこには、小屋から行方知れずとなった青年、少女の姿もある。
実は彼ら、小屋から脱走したところで迷子になり、見知らぬ青年に街まで送られていたのだ。
青年は自らをフィンと告げた。森の奥で難しいことをしているのだと言った。
フォンヌの知る成り行きを聞き、先に森の奥へと向かった者たちの後を追う彼ら。
やがて辿り着いた先で目にしたのは、不敵な微笑を浮かべて邪竜を操る青年。
そして、彼らと戦う冒険者たちの姿。
不敵な微笑を浮かべる彼こそ、フィンと名乗った人物その人であった。
魔曲によって倒れる者、激しい戦いに身を投じ傷つく者、暴れ狂う黒き邪竜。
だが、冒険者たちも決して負けてはいなかった。
幾度となく傷つき倒れながらも、最後には邪竜に止めを刺す。
異世界から召喚した邪竜を倒され、フィンは力なくくずおれる。
『門』を開き、双方を戦わせるよう仕向けることで弱体化し、僅かな力で二つの世界を自らの手に収めようとしたフィン。だが彼の野望はついえ、事件は終焉の時を迎えた。
その戦いの間、ノチェを初めロクスとテュランヌは、物言わぬ少女へと力を注いでいた。
冒険者たちから譲り受けたフェネストラの実を基にして、蘇生術を行う。
結果、彼女は息を吹き返す。『記憶』という代償と引き換えにして。
その後、街へと戻った冒険者たち。フィンは捕まり、国へと引き渡された。
ロクスは森の小屋に留まったが、ノチェとジュビア、テュランヌの姿はいつしか消えていた。
街は少しずつ、活気を取り戻し始める。
建築家の建てた施設は、魔獣騒動によって親を亡くした子供たちに利用されている。
町人の憩いの場所ともなった。
ある者はこの街へ留まり、またある者は新たな場所へ向け旅立った。
いつもとは異なる、けれど変わらない日常が始まる。
そして、それから三年後。
彼らは新たな場所で、それぞれの生活を送っているのだった。
主要NPC(※3年前のもの)
○アムニス・サルム・フルクティクルス(人間/男/17/戦士)
妹を助けるべく旅立った青年。戦士をして生計を立てる。
妹を無事取り戻し、平穏に暮らしている。
○フォンヌ・コッリス・フルクティクルス(人間/女/14/学生)
両親亡き家庭で、兄を頼りに生きている少女。明るく朗らか。
ある日、道中で魔獣トニトルスに攫われる。
○ティービア・アギカ(人間/女/82/老婆)
町の外れ、森の傍にひっそりと暮らしている老婆。
物知りと気難しさで有名だが、過去が彼女を束縛していた。
○ノチェ・エストレジャーダ(
エルフ/女/16?/歌姫)
異世界から母親と訪れるが、迷子になった少女。ハルディン語は不慣れ。
ルナールに捕まり、サーカスで見世物にされていた。
○ジュビア・エストレジャーダ(エルフ/女/35?/母親)
ノチェの母親。ハルディンの民に警戒心を抱きながらも娘を捜し歩いていた。
やがて出会った神父たちの協力で、無事に薬草を手に入れることとなる。
○リートゥス・ウェルテクス(獣人(イヌ)/男/10/学生)
富豪の息子。親と上手くいかず、家出をしていた。
初めは心を閉ざして悪戯ばかりしていたが、やがてゆっくりと打ち解け始める。
○ルナール・パルフォア(獣人(キツネ)/男/28/団長)
キツネのおかま。サーカス団団長で、建築中の屋敷の主。
奴隷が死んで人手が足りなくなったため、町から人を攫って補給していた。
○ロクス・ウィリディス(ドワーフ/男/69?/老人)
森の小屋に住んでいたドワーフ。
若気の至りから、テュランヌと共にハルディンへ来たのは130年前のこと。
○テュランヌ・ス・クレプスクルム(幻獣/男/40?/屋敷の主)
ロクスの古きからの友。美しき世界に憧れを抱いて来たが、人間の醜さに憎しみを覚える。
考え方の違いにより一度ロクスとは決別していたが、今回久方ぶりの再会を果たす。
○トニトルス(魔獣)
暗躍する存在に気づかせるため、フォンヌを攫った大型の魔獣。
人語を解し、言葉を話す黒い獅子。
○ファルクス・クラーテール(人間/男/28/魔術師)
フィンと名乗った青年。ルナールさえも利用し、全ては彼が仕組んだことだった。
強大な力を手にして世界征服を企んだが、冒険者たちの手によって阻止される。
最終更新:2007年09月28日 00:00