◎月Θ日
我々とジェダイは模擬戦闘演習を行った。
昨日から来国していたジェダイの特殊部隊と、特戦部隊レッド・キャップズ(以下赤帽子)、一分隊。
双方12人の野外演習。戦闘時間は夜9時から12時までの三時間、戦闘場所は三階建てのニホン家屋。
ジェダイが防衛側、赤帽子が攻撃側となる。
勝利条件は攻撃側が司令部の旗を取るか破壊。
敗北条件は赤帽子の殲滅か時間までに旗を奪えないこと。
昨日から来国していたジェダイの特殊部隊と、特戦部隊レッド・キャップズ(以下赤帽子)、一分隊。
双方12人の野外演習。戦闘時間は夜9時から12時までの三時間、戦闘場所は三階建てのニホン家屋。
ジェダイが防衛側、赤帽子が攻撃側となる。
勝利条件は攻撃側が司令部の旗を取るか破壊。
敗北条件は赤帽子の殲滅か時間までに旗を奪えないこと。
状況はジェダイ側が奇襲を受け、防衛線を突破され後方の重要拠点を襲撃されたと想定している。
戦闘開始前にジェダイ側は10分の猶予が与えられる。
10分は戦線突破の報告後に部隊が急行したと想定されている。
双方地図は事前に配られる。但し、攻撃側は家屋内の詳細な図面は配られていない。
地雷や有刺鉄線、戦闘車両等事前持込不可。
武器の持込については、双方状況に適当であると判断した物を持ち込んでいる。
戦闘開始前にジェダイ側は10分の猶予が与えられる。
10分は戦線突破の報告後に部隊が急行したと想定されている。
双方地図は事前に配られる。但し、攻撃側は家屋内の詳細な図面は配られていない。
地雷や有刺鉄線、戦闘車両等事前持込不可。
武器の持込については、双方状況に適当であると判断した物を持ち込んでいる。
当然だが、訓練はゴム弾、BB弾、ペイント弾を使用。
魔法も“対人は気絶させる程度”である。
ただ、特例として接近戦においては模擬刀又は相当品を使い(本来は触れるだけで死亡と判断らしい)
刃を相手の胸や手を突き戦闘不能に陥ちいった場合のみ死亡と判断される。
触れるだけで死亡の条件など腑抜け。
剣は抜いて、敵の急所を捉えるまでが勝負。
特例は我々、エルブ側の提案に合わせた条件である。
魔法も“対人は気絶させる程度”である。
ただ、特例として接近戦においては模擬刀又は相当品を使い(本来は触れるだけで死亡と判断らしい)
刃を相手の胸や手を突き戦闘不能に陥ちいった場合のみ死亡と判断される。
触れるだけで死亡の条件など腑抜け。
剣は抜いて、敵の急所を捉えるまでが勝負。
特例は我々、エルブ側の提案に合わせた条件である。
まさか赤帽子を生きている間に見るとは。
黒エルフを中心に構成された商会直属の暗殺部隊。意志を代行する剣。
彼女らの帽子は、敵の溢れ出る返り血を用いて帽子を染め上げているとされている。
名前のみが知られ、実在を疑われつつも確固とした存在感がある謎の部隊。
黒エルフを中心に構成された商会直属の暗殺部隊。意志を代行する剣。
彼女らの帽子は、敵の溢れ出る返り血を用いて帽子を染め上げているとされている。
名前のみが知られ、実在を疑われつつも確固とした存在感がある謎の部隊。
噂では赤帽子の姿を見ただけで軍全体が降伏した話もある。
彼女らを見た彼らがどうなったかは知る由もない。
彼女らを見た彼らがどうなったかは知る由もない。
監視塔から演習場を見下ろすと、入り口側に赤帽子が待機しているのが見えた。
赤錆色のアンシーリーコート(呪鍛加工された雨避け状の防護服)を見に纏い。
肩に逆十字と杖と斧を組み合わせた紋章をつけている。
顔や武器はポンチョに隠れて見えない。
鉄の靴が黒いズボンから覗いていた。
赤錆色のアンシーリーコート(呪鍛加工された雨避け状の防護服)を見に纏い。
肩に逆十字と杖と斧を組み合わせた紋章をつけている。
顔や武器はポンチョに隠れて見えない。
鉄の靴が黒いズボンから覗いていた。
今回、彼女らが呼ばれたのはエルブの面子である。
エルブの兵士が“使える”のを示さねば、ニホンより“対魔術戦において優勢”である
外交的優位が揺らいでしまうからである。
ジェダイはバッサン軍との戦いや対イビルアイ掃討戦で結果を残しており、
今一度“我々が必要である”と示さなければならなかった。
エルブの兵士が“使える”のを示さねば、ニホンより“対魔術戦において優勢”である
外交的優位が揺らいでしまうからである。
ジェダイはバッサン軍との戦いや対イビルアイ掃討戦で結果を残しており、
今一度“我々が必要である”と示さなければならなかった。
ジェダイと我々の戦闘能力は隔絶している。
剣を抜く間に殺され、魔道師が呪文を唱える間に撃たれ、弓を構える間に頭を吹き飛ばされ、
魔法の撃ち合いになると、一人の兵士が魔道師の五倍十倍の魔法を放つ。
剣を抜く間に殺され、魔道師が呪文を唱える間に撃たれ、弓を構える間に頭を吹き飛ばされ、
魔法の撃ち合いになると、一人の兵士が魔道師の五倍十倍の魔法を放つ。
というのも、前の演習では酷い目にあった。
以下は訓練に参加した兵士達の証言である。
以下は訓練に参加した兵士達の証言である。
黒エルフ、エインセルの証言。
「エインセルが日本のジェダイと戦ったとき、それはもう驚きました。
遠くで光ったと思ったら、血糊を吹いて周りの人達が一斉に倒れていきました。
エインセルは怖くて地面に伏せて隠れるのが精一杯でした。
接近戦に持ち込もうにも、自衛隊員の動きは速いし、重い鎧を着たままでは追いつけません。
なんとか接近戦に持ち込んでも、剣では短すぎ魔法では遅すぎて、遭遇すれば皆殺されます。
これは彼らの武器が魔法杖でかつ槍であり、個人で持ち運べるほど軽く強力で自在に用いているためです」
「エインセルが日本のジェダイと戦ったとき、それはもう驚きました。
遠くで光ったと思ったら、血糊を吹いて周りの人達が一斉に倒れていきました。
エインセルは怖くて地面に伏せて隠れるのが精一杯でした。
接近戦に持ち込もうにも、自衛隊員の動きは速いし、重い鎧を着たままでは追いつけません。
なんとか接近戦に持ち込んでも、剣では短すぎ魔法では遅すぎて、遭遇すれば皆殺されます。
これは彼らの武器が魔法杖でかつ槍であり、個人で持ち運べるほど軽く強力で自在に用いているためです」
ドワーフ、ボギーの証言。
「日本の自衛隊は接近戦でも死角がない。 我々の兵士は自衛隊を見れば皆身がすくみ逃げ腰になる。
魔術戦に優れた自衛隊だが魔法だけではなく槍の扱いも我が剣兵と互角である。剣と槍は相性が悪い。
槍の扱いも民兵を上回る、その他あらゆる兵科と比べても不足が見つからない。
本当に日本人は殺戮者だ。その家には文字を読めぬものは無く、 子供の頃から錬金術を教えられ始め、
壮年にいたれば手に負えなくなる」
「日本の自衛隊は接近戦でも死角がない。 我々の兵士は自衛隊を見れば皆身がすくみ逃げ腰になる。
魔術戦に優れた自衛隊だが魔法だけではなく槍の扱いも我が剣兵と互角である。剣と槍は相性が悪い。
槍の扱いも民兵を上回る、その他あらゆる兵科と比べても不足が見つからない。
本当に日本人は殺戮者だ。その家には文字を読めぬものは無く、 子供の頃から錬金術を教えられ始め、
壮年にいたれば手に負えなくなる」
竜人、バッジ・ファーの証言。
「日本戦術は神秘的だ。前後の移動が見事で手出しができない。
そのためファランクス(槍による集団突撃戦法)を使っても毎回負けてしまう」
「日本戦術は神秘的だ。前後の移動が見事で手出しができない。
そのためファランクス(槍による集団突撃戦法)を使っても毎回負けてしまう」
ドワーフ、ボッケルマンの証言。
「日本人が全力で動く時風のように漂って動く。 常に寡兵で陣に入って来て、
大勢の兵士でも抵抗できない。 その魔法の使い方は、常に複数で守り合い、あえて止めを刺さない。
怪我人を増やし、助けに来た兵士を狙い、怪我人を運ぶ手間を増やす。
汚い手だが、合理主義の極みである」
「日本人が全力で動く時風のように漂って動く。 常に寡兵で陣に入って来て、
大勢の兵士でも抵抗できない。 その魔法の使い方は、常に複数で守り合い、あえて止めを刺さない。
怪我人を増やし、助けに来た兵士を狙い、怪我人を運ぶ手間を増やす。
汚い手だが、合理主義の極みである」
厄介なことにジェダイは集団戦になるとより手が付けられなくなり。
数が増えるほど強さは倍加する。
数が増えるほど強さは倍加する。
それでも勝算はあった。
剣や槍を使った戦闘である。
ジェダイは魔法を使うのを優先して動く。
剣技や無手に関して我方に勝ち目はある。
もっとも、他の技能と比べて弱いと表しただけで、
民兵や徴兵された兵士に対して技術的優位にあるのは確かである。
強いが達人に届かない腕と評価するのが適切だろうか。
剣や槍を使った戦闘である。
ジェダイは魔法を使うのを優先して動く。
剣技や無手に関して我方に勝ち目はある。
もっとも、他の技能と比べて弱いと表しただけで、
民兵や徴兵された兵士に対して技術的優位にあるのは確かである。
強いが達人に届かない腕と評価するのが適切だろうか。
短時間しか持たない魔法を最大限生かせ、接近戦を挑め、なおかつジェダイが連携しにくい環境。
条件を絞り込むと、狭い室内。少数精鋭の戦闘。深夜が最適と出た。
国の面子が掛かっている。彼女らは負けられないのだ。
条件を絞り込むと、狭い室内。少数精鋭の戦闘。深夜が最適と出た。
国の面子が掛かっている。彼女らは負けられないのだ。
某所某日
『赤沢2等陸曹回想録』より
今日は赤帽子との演習である。
私には赤帽子の隊長、メイと少なからず因縁があった。
それは後で書くとして私について書いておこう。
私には赤帽子の隊長、メイと少なからず因縁があった。
それは後で書くとして私について書いておこう。
海外派兵が始まる前、私は習志野で働いていた。
俗に言うSである。決してSMのSではない。
沖縄でグリンベレーと実戦訓練研修をしたり、イラクへ派兵されたりと。
仕事内容はむしろMに近い。
鍛えるのが趣味の変態と一部で呼ばれているようだが、大きく外れてはいないと思う。
俗に言うSである。決してSMのSではない。
沖縄でグリンベレーと実戦訓練研修をしたり、イラクへ派兵されたりと。
仕事内容はむしろMに近い。
鍛えるのが趣味の変態と一部で呼ばれているようだが、大きく外れてはいないと思う。
××年の×月、私は“エルブ”海外現地共同体の警備要員として復興支援団に組み入れられた。
今までにも派兵や他国の特殊部隊との演習があったので、国外に行くのは別に特別ではなかった。
海外全面通信途絶による混乱がある程度落ち着き、マスコミが海外に眼を向け始めたころ、
外務省からお偉方がやって来て隊の個人面談が始まった。
彼らは海外に興味があるか、本は好きか、内容はどんなか、食べ物の好き嫌いはあるか、
幽霊を見たことがあるかなどの取りとめもない話の後、復興支援団に参加する気はあるかと聞いた。
私は全ての質問にはいと答えた。
情報が全く入ってこなくなった海外事情を知りたかったし、
質問中に不自然に紛れ込んでいたオカルト話に興味が湧いた。
幽霊を見たことがあるか、肝試しは好きか、適応能力は自分にあると思うか。
普通、こんな馬鹿らしい質問をしないのが常識ある社会人だ。
しかし質問しているお偉方の顔は大真面目である。
だからあえて逆を行った。
数日後、また呼び出され書類を貰った。
復興支援団の警備部隊所属宛を証明する紙であった。
今までにも派兵や他国の特殊部隊との演習があったので、国外に行くのは別に特別ではなかった。
海外全面通信途絶による混乱がある程度落ち着き、マスコミが海外に眼を向け始めたころ、
外務省からお偉方がやって来て隊の個人面談が始まった。
彼らは海外に興味があるか、本は好きか、内容はどんなか、食べ物の好き嫌いはあるか、
幽霊を見たことがあるかなどの取りとめもない話の後、復興支援団に参加する気はあるかと聞いた。
私は全ての質問にはいと答えた。
情報が全く入ってこなくなった海外事情を知りたかったし、
質問中に不自然に紛れ込んでいたオカルト話に興味が湧いた。
幽霊を見たことがあるか、肝試しは好きか、適応能力は自分にあると思うか。
普通、こんな馬鹿らしい質問をしないのが常識ある社会人だ。
しかし質問しているお偉方の顔は大真面目である。
だからあえて逆を行った。
数日後、また呼び出され書類を貰った。
復興支援団の警備部隊所属宛を証明する紙であった。
こうして私はエルブ基地へ所属する身となった。
僅かな私物をまとめ、残りの私物管理を信頼できる友人に託し、家族に電話で連絡してバスに乗った。
護送されたバスが正面ゲートから出ると基地外は気違いで一杯だった。
紅い旗を振り回した平和団体が派兵反対九条賛成と叫び、反対側は別の団体が復興支援賛成九条改憲と叫ぶ。
両団体がぶつかり合い、押し合いへしあい乱闘騒ぎ。
新型の透明盾とジュラルミンシールドを持った機動隊は手を出さず、遠巻きに紅旗の団体を包囲していた。
背後には救急車と消防車。制服を着た代表が「暴動はやめなさーい」とスピーカーで話していた。
誰も聞いてない。
僅かな私物をまとめ、残りの私物管理を信頼できる友人に託し、家族に電話で連絡してバスに乗った。
護送されたバスが正面ゲートから出ると基地外は気違いで一杯だった。
紅い旗を振り回した平和団体が派兵反対九条賛成と叫び、反対側は別の団体が復興支援賛成九条改憲と叫ぶ。
両団体がぶつかり合い、押し合いへしあい乱闘騒ぎ。
新型の透明盾とジュラルミンシールドを持った機動隊は手を出さず、遠巻きに紅旗の団体を包囲していた。
背後には救急車と消防車。制服を着た代表が「暴動はやめなさーい」とスピーカーで話していた。
誰も聞いてない。
基地の港に入ってからは静かなものだった(デモの騒音と比べてであるが)
華々しい式典はしなかった。中国四川大地震に似た海外の“緊急”援助だからだ。
大佐級の高級仕官が一言二言話して終わり。あっけない。
既に船のコンテナは積み終わっていて、後は自分達が乗り込むだけなのだそうだ。
私が乗った船については詳しくは覚えていない。
元々船に興味がなかった。
飯が美味かったのは覚えている。
陸より海のが美味しいとは本当らしい。
まあ、まだ戦争になっていないからな。
それよりも大陸の現状はどれほど悲惨なのか考えていた。
あらゆる通信が全滅する事態、大規模なEMPでも炸裂したのだろうか。
華々しい式典はしなかった。中国四川大地震に似た海外の“緊急”援助だからだ。
大佐級の高級仕官が一言二言話して終わり。あっけない。
既に船のコンテナは積み終わっていて、後は自分達が乗り込むだけなのだそうだ。
私が乗った船については詳しくは覚えていない。
元々船に興味がなかった。
飯が美味かったのは覚えている。
陸より海のが美味しいとは本当らしい。
まあ、まだ戦争になっていないからな。
それよりも大陸の現状はどれほど悲惨なのか考えていた。
あらゆる通信が全滅する事態、大規模なEMPでも炸裂したのだろうか。
陸地が見えたそうなので甲板に上がって驚いた。
降りてもっと驚いた。
降りてもっと驚いた。
海から見えたのは江戸時代の日本と中国の唐時代を混ぜ合わせたような街並み。
外国人が考える『間違った日本のイメージそのまま』の姿。
ヨーロッパ辺りに行き先を間違ったのだろうか?だとしたらデカイ遊園地か何処か?
一ヶ月も二ヶ月も船に乗っていないのは確かだ。
海岸や五重塔に似た建物の上にずらりと並んだ人達が此方の船を見つめている。
外国人が考える『間違った日本のイメージそのまま』の姿。
ヨーロッパ辺りに行き先を間違ったのだろうか?だとしたらデカイ遊園地か何処か?
一ヶ月も二ヶ月も船に乗っていないのは確かだ。
海岸や五重塔に似た建物の上にずらりと並んだ人達が此方の船を見つめている。
海外から通信が途絶して、謎の生命体が襲ってきて、決死の覚悟で海外情勢を調べに行ったら
ディズニーランドみたいなファンタジーな住居で現地住人が旗持って歓迎ムード。
ディズニーランドみたいなファンタジーな住居で現地住人が旗持って歓迎ムード。
訳が判らない。頭がどうにかなりそうだ。
日本全体を巻き込んだ壮大なドッキリか。迷惑な。
日本全体を巻き込んだ壮大なドッキリか。迷惑な。
現地入りして数日は大変だった。
「いよぅ、おつかれ」
「おはよう。今朝は冷えるな、えぇ?」
「ああ、何を!ああっここで動かしちゃ駄目ですよ!待て!止まれ!うぁあああ・・・」
「レッド聞こえるか。頭のイカれた小男達がいる。ひとりでは手に負えん」
「よぉしすぐ行く。カッコイイとこ見せましょ♪」
「容疑者は男性、髭面、130cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」
「いよぅ、おつかれ」
「おはよう。今朝は冷えるな、えぇ?」
「ああ、何を!ああっここで動かしちゃ駄目ですよ!待て!止まれ!うぁあああ・・・」
「レッド聞こえるか。頭のイカれた小男達がいる。ひとりでは手に負えん」
「よぉしすぐ行く。カッコイイとこ見せましょ♪」
「容疑者は男性、髭面、130cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」
特に機械に興味を持ったドワーフ族相手に苦労した。
ところで奴ら一体なんなのよ!車は盗もうとする!シートは引っぺがす!
後で元通りにして返すからちょっと触らせてくれって!
ちょっと!私の時に騒ぎを起こすな!
ところで奴ら一体なんなのよ!車は盗もうとする!シートは引っぺがす!
後で元通りにして返すからちょっと触らせてくれって!
ちょっと!私の時に騒ぎを起こすな!
「一口では言えん、とにかく俺を信じろ」
「無理だそんなの、知り合ってまだ5分と経ってない」
「無理だそんなの、知り合ってまだ5分と経ってない」
非番に知り合った黒エルフ族娘に至っては、私をさらう!
「おたくみてえないい男はもっと遊ばなきゃだめだよぉ」
「私は公僕だ。かまわないでくれ」
「アタシの言う通りにしろ」
「駄目だ。7時半に射撃の練習がある。付き合えない」
「今日は休め!」
「私は公僕だ。かまわないでくれ」
「アタシの言う通りにしろ」
「駄目だ。7時半に射撃の練習がある。付き合えない」
「今日は休め!」
娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!
かと思ったら人を撃ちあい(銃器は使ってない、手から弾が出た不思議だ)
に巻き込んで大勢怪我人はだす!
かと思ったら人を撃ちあい(銃器は使ってない、手から弾が出た不思議だ)
に巻き込んで大勢怪我人はだす!
「ぶっ飛べ!」
「おいおいおいちょっと待て待て!あち!あちち!ああっ!
くそっ!息子がやけどしちまったじゃねえか!ちっくしょうもう!バッカ野郎!」
「おいおいおいちょっと待て待て!あち!あちち!ああっ!
くそっ!息子がやけどしちまったじゃねえか!ちっくしょうもう!バッカ野郎!」
挙句は電話ボックスを持ち上げる! あんたら人間なの!?
お次はターザンときたわ!警備があんたらを撃とうとしたんで助けたわ!
そしたら私まで追われる身だ!
お次はターザンときたわ!警備があんたらを撃とうとしたんで助けたわ!
そしたら私まで追われる身だ!
もちろん、警備には半日かけて謝った。死ぬほど疲れた。
来て早々営倉行き。
自分だけピンポイントで狙ったかの余りの理不尽ぶりに切れて、田中(外務省筋の役人)に抗議に行った。
来て早々営倉行き。
自分だけピンポイントで狙ったかの余りの理不尽ぶりに切れて、田中(外務省筋の役人)に抗議に行った。
「“あの日”海外で一体なにがあったのか教えて頂戴!」
「駄目だ」
「駄目ぇ?そんなぁ」
「駄目だ」
「駄目ぇ?そんなぁ」
驚きと不条理に満ちた数週間。
異文化接触、剣と鎧を持った兵士との演習、耳の長い美女達の化け物に対する講義、
化け物との初遭遇、魔法使いと西洋風の鎧を持った兵士達との訓練。
人生で此処まで密度が濃かった時間はない。
まとめれば映画のひとつも出来そうだ。
異文化接触、剣と鎧を持った兵士との演習、耳の長い美女達の化け物に対する講義、
化け物との初遭遇、魔法使いと西洋風の鎧を持った兵士達との訓練。
人生で此処まで密度が濃かった時間はない。
まとめれば映画のひとつも出来そうだ。
どれもこれも理不尽な黒エルフ、メイのせいであった。
私と彼女の腐れ縁は船から陸に上がり、部屋割りと荷物運びが終わり、
事務手続きもろもろが終わった上陸二日目にまで遡る。
私と彼女の腐れ縁は船から陸に上がり、部屋割りと荷物運びが終わり、
事務手続きもろもろが終わった上陸二日目にまで遡る。