自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

341 第253話 猛牛との再会

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
第253話 猛牛との再会

1485年(1945年)9月21日 午前9時50分 レンベルリカ連邦共和国ジヴェスコルク

バルランド本国より命令を受け、ジヴェスコルクに飛んだラウス・クレーゲル少佐は、丸1日近いフライトを終えた後、半ば固くなった体を引きずりながら、
特別機であるB-36から降りた後に、飛行場に用意されていたジープに乗り込み、第3艦隊の旗艦が停泊しているジヴェスコルク港に向かった。
飛行場から港までの距離は5マイル程であり、ジープは10分程で港に辿り着いた。
港のゲートを抜けたジープは、今年6月に建設されたばかりのコンクリート製の桟橋の上を走っていく。
桟橋の左側には、1隻の巨艦が係留されている。
ラウスは、その巨艦を見るなり、感嘆の声を漏らした。

「……久しぶりに、エンタープライズを生で見るなぁ……」

桟橋の横に係留されている巨艦エンタープライズは、色鮮やかな洋上迷彩に彩られている物の、その威容は、何度見ても変わらないなと、ラウスは心中で呟く。
ジープは、飛行甲板にまで通じる階段の前でゆっくりと停止した。

「少佐、着きましたよ。」
「ありがとう。」

ラウスは、ここまで送ってくれた運転兵に軽く礼を言ってからジープを降りた後、長いフライトでやや重くなった体を奮起させながら、長い階段を上がって行った。
階段を上がる途中、彼は、飛行甲板上で待っている複数の人物と目が合った。
その中の1人……略帽を被り、カーキ色の軍服を付けた男性将校が満足気な笑みを浮かべるのが見えた。
(はは。親父さん、相変わらず元気そうだな)
ラウスは胸の内でそう思いながらも、力強い足取りで長い階段を上りっていく。
飛行甲板上に上がった彼は、そこで待っていた4名の将校に体を向けた後、直立不動の態勢で着任の挨拶を行った。

「申告します!ラウス・クレーゲル少佐。バルランド海軍魔道技術部より、第3艦隊司令部への出向命令を受け、本日着任いたしました!」

彼はそう言いながら、見事な敬礼を見せた。
バルランド軍の敬礼はアメリカ軍のものと少し違うが、やり方は右手を頭の上にかざすと言う物で、形自体は米軍式の敬礼と似ている。
違いは、掌を見せるか見せないかだけである。

着任の挨拶を受けた4人の将校がラウスに答礼する。

「ご苦労!」

将校の内の1人……第3艦隊司令長官、ウィリアム・ハルゼー大将は、固い表情のままそう返した後、途端に表情を和ませた。

「……久しぶりだな、ラウス!」

ハルゼーは笑みを浮かべながらそう言いつつ、右手を差し出して来た。

「こちらこそ。提督も相変わらず、元気一杯っすね。」

ラウスは苦笑しながらも、ハルゼーの手を握った。

「む?お前、ちょっとだけ体力が落ちたか?」

ハルゼーは、ラウスの握力に違和感を感じるや否や、意外だなとばかりに聞いて来た。

「前はひょろひょろとしている割に、かなり力強かった印象があるんだが。」
「はぁ……実は、アメリカ本土から無着陸でここまで来たんすよ。そのせいで、体の調子がちっとばかり狂っちまって……」
「お……って事は、あのB-36はやっぱり、お前の為に用意した特別機だったのか……内地から無着陸でここまで来たという事は、ほぼ丸一日、
椅子の上に座っていた事になるのか。」
「いえ、5時間ほどはベッドの上で寝かせて貰えましたよ。狭かったですけど。でも、それ以外はずっと座りっぱなしでしたね。」
「ハハハ。じゃあ、今頃は尻のあたりが、ちいとばかりきつくなってると見た。」
「へぇ……その通りっす。自分のケツがまな板みたいになった感じですよ。」

ラウスは自分の尻をさすりながら、眠たげな口調でハルゼーにそう答えた。

「さて……俺以外の幕僚を紹介……と行きたい所だが、正直言って、その必要はないな?」
「はい。」

ラウスは頷くと、残り3人の将校に顔を向けた。

「ども、お久しぶりっす。カーニーさん。」

彼は、第3艦隊参謀長のロバート・カーニー中将と握手をかわした。

「こっちこそ。その独特な口調は相変わらずだな。」

カーニーは、ラウスの発する気だるげな雰囲気に、懐かしさを感じながら彼の肩を叩いた。

「これでも直そうと頑張ってるんすけどね。なかなか……あ、遅れましたが、ご昇進おめでとうございます。」
「うむ、ありがとう。と言っても、ポストは相変わらず、参謀長のままだがね。」
「なんだカーニー。参謀長じゃちょいとばかし物足りんか?」

ハルゼーが人の悪い笑みを浮かべながらカーニーに言う。

「いやいや、そんな事はありません。長官の下で働ける事に関しては、自分はとても満足しています。」
「カーニーさんならいずれ、ハルゼーさんみたいに大艦隊を率いる事も可能ですよ。」

ラウスの相槌に、ハルゼーは言うねぇと発しながら高笑いを浮かべた。

「ウィルソンさんもお久しぶりです。」

ラウスは次に、作戦参謀のラルフ・ウィルソン大佐に挨拶を行う。

「こちらこそお久しぶり。その様子じゃ、B-36の中では、あまり良い眠りを体験できなかったようだな。」
「良いも何も……尻が真っ平らになったような、変な感触が残ってますからねぇ。自分、飛行機が嫌いになりそうっすよ。」
「おいおい、航空屋の目の前で飛行機が嫌いになりそうだと言うのは、少しばかり聞き捨てならんな。」

航空参謀のホレスト・モルトン大佐が訝しげな口調でラウスに言って来る。

「これはモルトンさん……いや、いくらどでかい爆撃機でも、席が小さければ意味無いっすよ。これ、後々問題にならないっすかね?なんか、
じっとし過ぎたせいで重病とか発症したり。」

「そんな事あるか!そんなに飛行機に乗るのが嫌なら、一緒にヘルダイバーに乗って楽しいフライトでもするか?気持ちがスッキリするぜ。」
「う~ん……そう言われるんなら付き合いますよ。最も、自分は後ろで眠りまくるだけですけどね。」

ラウスの独特な切り返しに、モルトン大佐はやや顔を俯かせた後、クスリと笑ってから右手を差し出した。

「ハハハ。相変わらず、上手い具合に言い返して来るな。久しぶり、ラウス君……っと、今では立派な少佐殿だったか。」
「以前のままでいいっすよ。こちらこそ、お久しぶりです。」

ラウスも微笑みながら、モルトン大佐と握手をかわした。

「一通り挨拶も終わった所だし、まずは中に行こうか。ラウス、我が第3艦隊司令部は、お前の“帰還”を心待ちにしとったぞ。」
「いやぁ、帰還なんて……」

ラウスはハルゼーの言葉に、恥ずかしげに苦笑しながら頭の裏を掻くが、内心まんざらでもなかった。

「皆、お前の着任を心待ちにしている。早く中に行って、さっさと挨拶を済ませて来るぞ。」

ハルゼーは邪気の無い笑顔を浮かべながらそう言いつつ、自ら先頭に立ち、艦内に向けて歩き始めた。


その日は、艦内に居た他の幕僚達と挨拶を終え、これから第3艦隊が行う作戦行動について少しばかり話し合った後、ラウスは休養のため、午後からは
艦内に割り当てられた個室で夕方まで寝込んだ。


9月23日 午前8時40分 ジヴェスコルク沖20マイル地点

ラウスが正式に、第3艦隊魔道参謀として着任してから2日が経ったこの日、ハルゼーの司令部が置かれている空母エンタープライズは、僚艦と共に
ジヴェスコルク港を出港した後、洋上で艦載機の発着訓練を行っていた。
エンタープライズの艦橋で 持参していたメモ帳に何かを書いていたラウスは、唐突に響き始めたエンジン音が聞こえるや否や、俯いていた顔をむくりと上げた。

「どうしたラウス。うちのボーイズ達が気になるのか?」

側に居たハルゼーが、葉巻をくわえたままそう聞いて来た。

「ええ。それに、例のベアキャットと、スカイレイダーっていう飛行機が実際に発艦する姿はどんな物かなぁ、っと思ったりしもしますね。」

ラウスの答えを聞いたハルゼーは、軽く笑った後、艦橋の張り出し通路の方に向けて顎をしゃくった。

「そんじゃ、その発艦風景を見せてやろうじゃないか。付いて来い。」

ハルゼーは、どこか誇らしげな口調で言いつつ、張り出し通路に向けて歩いて行く。
ラウスは彼の後に続いた。
やがて、風の吹き抜ける張り出し通路に出たラウスは、まず始めにエンタープライズの左舷側を航行する僚艦を眺め回した。
ハルゼーの旗艦である空母エンタープライズは、第3艦隊所属の第38任務部隊第1任務群に所属している。
TG38.1は、正規空母エンタープライズとヨークタウン、ワスプ、軽空母フェイトを主力に編成されており、群旗艦は空母ヨークタウンに定められている。
エンタープライズの横には、開戦以来の精鋭空母である僚艦ヨークタウンが並んでおり、エンタープライズと共に、28ノットのスピードで、やや波の高い洋上を、
白波を蹴立てながら驀進していた。
ヨークタウンは群旗艦に定められており、指揮官は開戦以来の勇士であり、レーミア沖海戦でも戦ったエリオット・バックスマスター少将が務めている。
空母群の周囲には、護衛の巡洋艦、駆逐艦が展開しており、空母群をがっちりとガードしている。
その艦隊行動には一寸の狂いも無く、精鋭機動部隊の名に恥じぬ動きを見せている。
ラウスは視線を、周囲の護衛艦艇から飛行甲板に移す。
飛行甲板上には、編隊飛行訓練のために待機していた42機の艦載機が、エンジンをがなり立てながら待機している。
ラウスにとって、この42機の艦載機全ては、未だに見慣れぬベキャットとスカイレイダーで占められている。
彼が過去に見慣れたF6F、SB2C、TBFトリオと比べると、印象ががらりと変わったように思えた。

「なんか、進んだなーって感じますね。」
「うむ。確かに進んでるな。」

ラウスが甲板上の艦載機を見つめながら言うと、言葉の意味を理解したハルゼーも相槌を打つ。

「戦闘機もスマートになってますし……攻撃機も開戦時と比べてバランスが良くなったような感じがあります。」

ラウスはそう言った後、肩を竦めながら苦笑する。

「外見的には、アベンジャーやヘルダイバー程ではないにしろ、いくらかごついっすけどね。」

「スカイレイダーの事だな。あれはいい機体だぞ。」

ハルゼーは葉巻をくわえながらラウスに言う。

「あんなナリでいながら、爆弾搭載量はアベンジャーやヘルダイバーの2倍以上。そして、あれ一機種で急降下爆撃と雷撃もこなせる。搭載している機銃も
20ミリ機銃4丁と強力だ。爆弾無しでも、ある程度は地上支援を行う事が出来るぞ。」
「確かに……積んでいる機銃だけでもアベンジャーとは大違いだなぁ。」

ラウスはハルゼーの言葉を聞きながら、F8Fの後ろに駐機しているスカイレイダーの群れを注視する。
TBFと比べてやや小振りながらも、がっしりとした感のあるスカイレイダーだが、全体の印象としては、程良く纏まった感が強く出ている。
今は爆弾を搭載していないが、実戦では、機体に3トン分の爆弾を乗せて作戦行動に移るとも言われている。
スカイレイダーの威力は既に太平洋戦線で実証済みであり、初陣では、僅か12機で航空基地を完全破壊したという実績を上げていた。
このパワフルな新型艦載機の登場は同盟各国に少なからぬ影響を与え、バルランド軍司令部も、スカイレイダーには大きな興味を抱いていた。
甲板上の艦載機群が更にエンジン出力を上げていき、艦上の轟音がより喧しくなる。
やがて、1番機が甲板要員の指示に従い、エンジン音ががなり立てながら飛行甲板を滑走して行った。
機体がF6Fよりも軽いF8Fは、飛行甲板を滑走し切る前に甲板から主脚を浮き上がらせ、そのまま悠々と上昇して行った。

「発艦の仕方がF6Fよりも軽く見えますね。」
「そりゃそうだ。F8FはF6Fよりも小さい分、重量も1トン程軽いからな。そのお陰で、空戦時のアイツの暴れ様と言ったら、なかなか凄い物があるようだぞ。」

ハルゼーは、自らが聞いた太平洋戦線でのF8Fの活躍ぶりを思い出しながらラウスに説明する。

「とある戦闘では、ワイバーンと1対1の“格闘戦”を制したF8Fも出たそうだ。自動空戦フラップも付いていないのに、よくやるもんだと思ったぞ。」
「サシでの勝負に勝つって……ワイバーンの機動性はぶっちゃけ、異常ですよ。普通はF8Fでも敵いそうにないと思うんですが。」
「だが、これが勝ってしまっているから驚きなんだ。まぁ、ワイバーンとの格闘戦は原則禁止なのは、今も変わらんがね。」

ラウスは、初めて聞く話に半ば唖然としていた。

「そのパイロットですが……本当に人間ですか?」
「何言っている?人間に決まっているだろうが。」

ハルゼーは、別のF8Fが発艦を終えるまで口を塞ぎ、爆音やや収まってから続きを言う。

「最も、そいつは開戦以来のベテランパイロットだがね。」
「太平洋戦線にも腕利きパイロットが居るとは。やはり、例のローテーション制のお陰ですかね。自分の様に実情を知らない奴が聞いたら、アメリカ海軍は、
残っていた腕利きを根こそぎ第3艦隊につぎ込んだと思われかねない状況ですが。」
「ところがどっこい。そうでもないんだな。」

ハルゼーは自信たっぷりと言った口調で言う。

「お前も知っている通り、陸海軍のパイロットは開戦直後から定期的にローテーションを行って、パイロットに過度な疲労を与えんように工夫している。
海軍もそれは同様……いや、それ以上だな。」

ハルゼーが言葉を区切り、艦載機の発艦を見送ってから口を開く。

「母艦航空隊は42年末頃から3交代制を義務付けられた事は、お前も知っているだろう。1直目が前線で頑張っている間、2直目は後方で休養。3直目は
後方基地で技量維持の訓練を行う。これが3交代制だ。まっ、後方に下がったパイロットの中には、教官となって後輩の育成に携わる奴も居るが。」
「つまり、アメリカ海軍の空母航空隊は、3交代制を繰り返す事で戦力の維持に努めてきた訳ですね。」
「その通り。酷な言い方になるが、たとえ、母艦航空隊のパイロットが全員戦死するか、あるいは戦闘不能に陥っても、後方で休養している奴らを当てれば、
例え機動部隊が戦闘不能に陥っても、母艦さえ残っていれば戦力回復は1、2ヵ月……どんなに悪くても4カ月程度では終わる。これも、航空大国である
合衆国ならではの事だ。」
「そうっすねぇ………アメリカ以外の国で空母航空隊の大量損失が起きたら、戦力回復に要する時間はかなり長くなりそうですな。」
「場合によっては、人材の枯渇で母艦航空隊の再編が、早期に不可能になる事もあり得るだろうな。」

ハルゼーは、飛行甲板に視線を向けたまま話を続ける。
ラウスとの会話を行う中でも、彼の目は常に、艦載機と……それを操るパイロットに注がれ続けていた。
(口では、ちょっと多くのパイロットが死んだり、傷付いてりしても大丈夫と、あんたは言っていたが……)
彼は、ハルゼーが艦載機パイロット達に注ぐ熱い眼差し見ながら、心中で呟く。
(本心では真逆の事を思っているんじゃないかな。途中から飛行機に乗ったとはいえ、あんたもパイロットの端くれだ。その分、自分が鍛え上げる
パイロット達には情も熱いだろう)

「ん?どうしたラウス。俺の顔に何か付いているか?」

ふと、ラウスがじっと見つめている事に気付いたハルゼーは、眉をひそめながらラウスに問うた。

「いや……別に何も付いてませんよ。ただ、いつもながら、ハルゼーさんは熱いお方だなぁと思ったもので。」

「熱いお方だとぉ?」

ハルゼーは頓狂な声を上げた後、すぐに元の獰猛な笑みを浮かべた。

「何を言ってやがる。それが俺だろうが。」

彼はラウスに向けて言い放った後、再び顔を発艦して行く艦載機に向ける。
「……ラウスも気になっているとは思うが、次の任務に関しては、まだ詳細を開かせん。が……その時が来れば、部下達と一緒に説明してやろう。その後、
俺が鍛え上げた航空隊でシホット共を叩きのめしてやるぞ。」

ラウスは軽く頷きながら、心中では、
(また出たか……詳細を開かせない任務という言葉が)
と呟いた。

「待ってろよ、シホット。俺が熱く鍛え上げた機動部隊を使って、その強情な横っ面を吹き飛ばしてやるぜ。」

ハルゼーは勝手に意気込むと、ベアキャットに続いて発艦し始めたスカイレイダーに向けて、頑張れよとばかりに手を振った。


同日 午後10時 ジヴェスコルグ沖60マイル地点

午前8時頃から始まったTG38.1の戦闘訓練は、午後4時頃には一旦終息を迎えた物の、その3時間後には夜間飛行訓練が開始され、エンタープライズからは
戦闘機8機、スカイレイダー12機が発艦し、夜間の洋上飛行訓練を行った。
早朝から第3艦隊の一幕僚として訓練に立ち会ってきたラウスは、入れられたばかりのコーヒーを片手に、ぼんやりとした表情で漆黒の洋上を見据えていた。
エンタープライズの艦橋内は、非常灯以外は消されているため、かなり暗くなっている。それがかえって、ラウスの眠気を呼び起こしていた。
ラウスは欠伸をかみ殺しつつ、心中ではほぼ休み無しで続けられる訓練に対して、ここまでするのかと思っていた。

「どうだラウス。TF38の訓練スケジュールはなかなか濃い物だろう?」
「いやぁ……濃過ぎて半ば唖然としてますよ。やはり、ベテラン搭乗員と言えど、みっちりとしごくんですね。」

ラウスの言葉を聞いたハルゼーは、2度頷く。

「当然だ。おまけに、うちの艦隊は確かにベテランが多いが、経験未熟なパイロットも居ない訳ではないからな。1週間前に加わった、TG38.3の
エセックス級空母のパイロットの中には、飛行時間は長いが、夜間飛行は大して経験していない奴もちらほらと居る。そいつらにも、夜間飛行のコツを
掴んで貰いたいからな。」
「なるほど……」

ラウスは頷いたが、その直後、ある疑問が湧き起こった。

「……それにしても、経験未熟な搭乗員はまだしも……どうして、経験豊富なベテランパイロットにまで、このような猛訓練を課すんでしょうか?」
「そりゃ、生き残って貰いたいからさ。」

ハルゼーは単調な口ぶりでそう返した。

「気を引き締めるため……というのは建前だ。連中は確かに腕がいい。だが……今は弱体化しているとはいえ、シホット共も死に物狂いで抵抗して来るだろう。
俺が連中を厳しくしごくのは、1人でも多く生き残って貰いたいからさ。」

ハルゼーはそこまで言ってから、軽く溜息を吐いた。

「この戦争では、いい奴も、悪い奴も……平等に人が死に過ぎた。だが、シホット共がこのままでは、この戦争は泥沼の様相を呈するだろう。だが……俺達は
それを食い止める事が出来るかも知れない、重大な任務を与えられている。」
「その任務の内容は……自分達にまだ、教える事は出来ないんですか?」
「すまないが……朝も言ったが、それは出来ないな。」

ハルゼーは首を横に振った。

「お前達も、俺がキング提督から何を言われたか知りたいか?」

彼は、司令官席の周りに居る幕僚達に向けてそう問いかけた。

「……長官、勿論知りたいと思っております。」

幕僚達を代表してカーニー中将がその問いに答えた。

「ですが、我々は長官の口から言われるまでは、ただひたすら待つ事しか出来ません。その時が来るまでは、与えられた仕事を淡々とこなすまでです。それが、
軍人と言う物でしょう。」
「ふむ……月並みな言葉だな。」

ハルゼーは苦笑しながらカーニーにそう返す。

「だが……現状ではそう言う他に無いな。俺も、本当は教えたくてウズウズしている所なんだが………キングに厳命されているからな。申し訳ないが、もう少しだけ
我慢してくれ。」
「なに、言われずとも、そうするつもりです。」

ウィルソン大佐も肩を竦めながらハルゼーにそう言う。

「楽しみは後に取っておいた方が良いですからな。」
「そう言ってくれると、俺も助かるよ。」

ハルゼーはまた苦笑しながら、ウィルソン大佐に答える。

「キング親父からは、時期が来るまでに言った事をバラしたら、艦隊司令官を即刻クビにしてやるとまで言われているんでね。折角の大舞台を前に、それはご免だ。
何度も言うようでくどいかも知れんが、もう少しだけ待ってくれ。」
「と言いつつも、ハルゼーさんはコソっと言い触らしてそうですけどね。」

ラウスがさり気ない口調で突っ込む。それにハルゼーは顔を赤くした。

「ば、馬鹿野郎!俺がそんな事をするか!あまりいらん事を言いまくると、お前を海に放り込んでやるぞ!?」
「いやいや、単なるジョークですよ。」

ラウスののんびりとした口調に、艦橋内の幕僚達は笑い声を上げた。

「お……長官。訓練中の部隊が帰還して来ましたぞ。」

ウィルソン大佐は、遠くから聞こえる航空機の爆音を聞き取るや、即座にハルゼーに伝えた。

「ボーイズ達のお帰りか。どれ、ちょっくら夜間着艦の手際を見せて貰おうか。」

ハルゼーは司令官席から降りると、ゆっくりとした足取りで艦橋の張り出し通路に向かった。

VF-6第2中隊を率いるリンゲ・レイノルズ大尉は、漆黒の洋上に浮かび上がる鮮やかな光と計器盤を交互に見ながら、高度100メートルを維持しつつ、光を
発している母艦エンタープライズに向かいつつあった。

「母艦まで、目測であと5マイルと言う所か……」

リンゲは小声で呟きながら、着艦事故が起きた際の備えとして機体のキャノピーを開き、愛機を着艦態勢に移らせていく。
エンタープライズの飛行甲板からは、2種類のライトが灯されていた。
1つは青いライト。もう1つが赤色のライトである。
艦尾と飛行甲板の右左縁側には青のライトが配置され、艦首付近には赤のライトが配置されている。
見方としては、銃器の照準器を参考にすると良い。
パイロットは、着艦時に2色のライトを目印にして、艦尾付近から着艦態勢に入るが、その時、艦尾付近並びに、飛行甲板外側のライト部分は、銃の照準器の
凹型の部分として。
艦首付近のライト部分は、照準器の凸型の部分として見る事が出来る。
パイロットは、リアサイトの凹凸を合わせるような感じで、青色のライトと赤色のライトを上手く重ね合わせる形で機体の姿勢を保つよう、愛機を
動かすようにすればよい。
この着艦誘導灯を導入するきっかけは、現在、海軍大学で特別作戦顧問として働いているカメト・クロシマ大佐を始めとする、日本大使館海軍武官の発案に
よる物で、それは1942年秋頃の事であった。
当時、空母の着艦を手旗信号のみで行っていた米機動部隊は、夜間の航空戦能力が無きに等しい状態であった。
だが、着艦誘導灯が導入されてからは、母艦航空隊の夜間飛行訓練が本格的に始まり、それ以降、米機動部隊の夜間作戦能力は飛躍的に向上した。
夜間航空戦能力を取得した母艦航空隊は、太平洋戦線、大西洋戦線共に、敵地に対する夜間空襲や、防空戦闘で一定の(時には多大の)成果を収めた。
着艦誘導灯の導入は42年末頃から始まっており、エセックス級航空母艦3番艦として就役したCV-12イントレピッドからは標準装備として設置され、
今では全正規空母、並びに軽空母、護衛空母にも配備されている。
着艦誘導灯は、今では米空母の必需品となっており、1945年現在は、各空母航空隊に夜間飛行資格を取得したパイロットの数が44年夏頃と比べて、
3倍以上に増えていた。
(44年当時、夜間飛行資格を取得した母艦パイロットは240名。45年夏は782名となっている。)

リンゲは、愛機をエンタープライズの艦尾側に回してから、着艦態勢に入ろうとするが、一旦は母艦上空をフライパスした。

「風は、西側にやや強め。着艦時には左から横風を受ける形になるな。」

リンゲは、着艦時における機体の状況を確認しながら、エンタープライズの上空を右旋回し、再度、アプローチラインに進んで行く。

両翼に一旦格納した主脚と、着艦フックを出し、愛機のスピードを落としつつ、エンタープライズの甲板上に灯る2種類の誘導灯を見据える。
青色のライトの上に、3つの赤色のライトが重なっているが、赤色のライトは青色の上のやや右側に位置している。
(機が右寄りに進んでいるのか……このままじゃ、艦橋に突っ込むか、海に転落する)
リンゲは、開け放たれたキャノピーから吹き込む風に顔をはたかれるのも気に留めず、愛機を細かく操作し、正しい進入進路に進ませようとする。
だが、横風が予想よりも強いのか、ラダーを軽く押しただけではベアキャットの機体は思うように左にヨーイングしない。
(機体の軽いベアキャットだと、ヘルキャットと比べて風の影響を受け易いな)
リンゲは心中で呟きつつも、手慣れた手つきで愛機の姿勢を調整する。
機体が母艦まで100メートルまで迫った時、ライトがようやく正常な位置に重なり合った。

「よし、このまま行くぞ!」

リンゲは覚悟を決め、そのままエンタープライズの艦尾に接近した。
眼前の青いライトが機体の下に隠れたと思いきや、下から着艦時特有の突き上げる様な衝撃が伝わって来た。
その後は、着艦フックが制動策を捕えた時の、後ろから引っ張られるような感覚が伝わって来た。
その時になって、リンゲはようやく、安堵の声を漏らした。

「ふぅ……今度のフライトも、これで終了だな。」


「夜間にも関わらず、まるで、昼間にやっているような、いい着艦を見せますね。」

リンゲ機の着艦を艦橋から見つめていたラウスは、感心した口ぶりで側のハルゼーに言う。

「そりゃそうさ。VF-6のパイロットは腕利きが乗っているからな。」

ハルゼーは、開け放たれたキャノピーから見える顔を眺めながら、自慢げにそう言う。
今は夜間であるため、顔はやや見辛いが、それでも、飛行甲板の両脇に配置された着艦誘導灯のお陰で、ちらりとだが、相手の顔をハッキリと見る事が出来る。
ハルゼーは、男にしてはやや覇気が感じられず、どちらかというと女性的な顔立ちのパイロットを見てから、
(見事な着艦だ。上手く成長した物だな)
と、心の中で賛辞の言葉を送った。

「そういえば、自分はまだ、パイロット達とはあまり話をしていなかったので、ビッグEに誰が居るのか分からないんですが……あの戦闘機パイロットの名前は……
あ、すんません。聞こうと思いましたが、やっぱ止めます。」
「止めて正解だったな。」
「ええ………良く見たら、自分の知り合いですね、あいつ。」

ラウスは上手く化けたもんだなぁと思った。

「リンゲ・レイノルズ大尉は開戦以来のベテランパイロットだぞ。空戦技術では、ビッグEの中では一番。第3艦隊の中では5本の指の中に入る程の腕自慢だ。
撃墜機数は28機と、海軍のTOPエースマッキャンベルに比べると見劣りするが、あいつの率いる中隊は、俺が今までに見た事無いほどに上手く纏まっている。
いずれ予想される作戦では、あいつの中隊はいい仕事をしてくれるだろうと思っているぞ。」
「へぇ……あのリンゲちゃんがすか。」
「ははは、あれは嫌な事件だったな。」

ハルゼーは、もはや過去の出来事となったあの事件を思い出した。

「あのお騒がせ野郎が、今ではビッグE戦闘機隊の期待の星とは……世の中、どう動くか分からん物だな。」
「全くっす。」

ハルゼーの言葉に、ラウスも苦笑しながら答える。
発艦したベアキャットとスカイレイダーは、全機が無事に着艦を終えた。
TG38.1は、次の訓練を行うべく、更に沖に向けて進み始めた。

10月5日 午前7時 ジヴェスコルク沖10マイル地点

TG38.1は、23日から4日の夜半まで、1日も休む事無く訓練を続けた。
連日、発着艦訓練や対艦、対地攻撃訓練を行い、3日前にはTG38.2を相手に、機動部隊同士の模擬戦も行っている。
模擬戦は2日から4日にかけて行われ、最終的にTG38.1が空母エンタープライズ喪失、ワスプ大破、航空機180機喪失の判定を受けた物の、
TG38.2のイラストリアス、ベニントン、戦艦プリンス・オブ・ウェールズを撃沈し、軽空母ハーミズ大破、航空機262機撃墜の“戦果”を
挙げ、勝利を得る事が出来た。
この一連の訓練の集大成とも言える、機動部隊同士の模擬戦を終えたTG38.1は、休養のためジヴェスコルクに戻る事が決まり、4日の夕方から
ジヴェスコルクに向かい始めた。

ちなみに、模擬戦の相手となったTG38.2だが、まだ洋上訓練の途上であり、次に帰港するのは4日後となっている。

この日、ラウスは飛行甲板の右舷側の張り出し通路に出て、適度に暇を潰していた。

「なんか……妙に疲れたな。猛訓練の雰囲気に当てられちまったかな。」

ラウスはそう言ってから、誰が見ても豪快な大欠伸をする。

「おや?……司令部要員も睡眠時間は短かったんですかね?」

背後から声が掛かったと思いきや、振り返る前に、声をかけた主は飛行甲板から張り出し通路に飛び降り、ラウスの右隣にまで歩み寄っていた。

「やあリンゲちゃん。お久しぶりだね。」
「何ですかそのリンゲちゃんって。」

カーキ色の軍服に略帽を被っていたリンゲは、眉をひそめつつ、首を捻りながらラウスに聞いた。

「言葉のまんまさ。」

ラウスは冗談を言いながら、ラウスに体を向けた。

「最初会った時は、これじゃあ男物以外の服を着たら間違いなくアウトだなと思ってたが……今ではすっかり見違えたね。」
「もしや、あの時の事件の事言ってるんですね?」

リンゲは半目になりながらラウスに聞く。

「そりゃそうさ。俺の中では、リンゲといえばアレだからね。」
「失礼な……こう見えても、自分は栄光あるビッグEの中隊長です。一介の少尉だったあの時とは大違いですよ。」

リンゲは自信に満ちた口調でそう言い放った。

「まっ、何はともあれ……猛訓練、お疲れさん。」
「いや、いつもの事ですよ。」

リンゲは頭を振りながら言う。

「とはいえ、今度の訓練はやはりきつかったですよ。特に、先日の模擬戦は意外と苦戦しましたなぁ。」
「そういえば……模擬戦が終わった後、リンゲは部下達を部屋に集めて説教していたな。」
「うわ……もしや、自分の説教している所を聞いてたんですか!?」

リンゲは目を見開きながらラウスに聞く。

「聞いてたも何も……あんだけ怒鳴りまくれば誰だって聞いちまうよ。」
「………あの時は、俺も相当頭に来ちまいましたからね。」

リンゲは恥ずかしげに頭の裏を掻いた。

「今思い出してもビクっとなるぞ。あんな見目麗しい女子にもなった優男が、やれ、嘆かわしい!!だの、本職は非常に不愉快に思う!!!だの、
ガッチガチの職業軍人が言う様な言葉を連発するもんだから……これはしばらく、リンゲと会っても近付かん方が良いなと思ったぞ。」
「いや、商業軍人なんですけど……それはともかく。実は、これには訳がありまして……」

リンゲは控えめな口調で説明を始めた。

10月3日の訓練の際、リンゲの率いる中隊は、艦攻隊の護衛として他の母艦航空隊と共に、シホールアンル軍役であるTG38.2の攻撃に向かった。
トラブルは、TG38.2の戦闘機隊と交戦状態になった時に起きた。
この時、リンゲの中隊は制空隊としてではなく、攻撃隊の護衛役として参加してたのだが、その際、列機とガラハー小隊を除く部下が途中で護衛をほっぽり
出して、空戦に夢中になってしまった。
そのため、攻撃隊の護衛機が少なくなり、迎撃網に大きな穴が開いてしまった。
護衛の少なくなった攻撃隊に、TG38.2の戦闘機隊はここぞとばかりに次々と襲い掛かり、実に13機が攻撃地点到達前に撃墜判定を下された。
その後、TG38.2の攻撃はなんとか実行出来た物の、この時の攻撃ではベニントンに撃沈判定を下せただけに留まった。
訓練後、部下達をブリーフィングルームに呼んだリンゲは、戦訓分析を行うと同時に、護衛役を放り出した部下達を激しく叱責した。

「俺達が受けた任務は攻撃隊の護衛だ!それにもかかわらず、護衛役を放り出して、敵機を追い回す等とはもっての外だ!俺は事前に通達された任務を
忠実に遂行出来なかったばかりか、味方攻撃隊に大損害を与えてしまう原因を作ってしまった事を非常に嘆かわしく思っている!」

その時のリンゲは口調を荒くしながらも、黒板には当時の様子を、簡単な絵で記しながら説教を行っていた。
顔は赤く染まり、双眸は吊りあがっていた。
無論、リンゲの部下達は、これまで太平洋戦線で腕を鳴らしたベテラン達であったが、彼らも、普段は心優しい指揮官の怒りに、半ば驚くと同時に、自分が
自惚れていた事をつくづく痛感させられていた。

「軍人は、命令を伝えられれば、それに則って動くのが筋だ。それは、例え、百戦錬磨のベテランであっても同じ事である!無論、臨機応変に動くのもありだ。
だが……それは時と場合による。戦闘機乗りは、その時を見極めなければ行けない……その戦闘機乗りである貴様達が、あのような行動を執ってしまった事を、
本職は非常に残念に思っている!!」

リンゲはチョークを置くと、仁王立ちになりながら中隊の部下達にこう付け加えた。

「戦闘機乗りが敵機を落とすのは当然の事だ。だが、攻撃隊の護衛任務を与えられたからには、必ずや、護衛を優先しなければならない!軍人は任務を
果たすのが務めだ!そして、あの時もそれを成さなければならなかった……今回は訓練であったから、百歩譲ってまだ良いとしよう。だが……もし実戦で
あれば……俺達は味方攻撃隊に犠牲を強いたとして、激しく糾弾されていた事は、火を見るよりも明らかだ!」

リンゲは一度言葉を止め、部下達の解を見回してから再び口を開く。

「いいか!例え、敵がこちらに襲い掛かかろうとも、俺達が居るために近付けん場合はそれでいい!俺達が居るだけで、攻撃隊が敵に爆弾や魚雷を浴びせる事が
出来、母艦に戻る事が出来るのならば、それで良し。護衛任務はまっとうした事になる。味方攻撃隊の護衛任務を遂行する為には……状況次第では1機の敵も
落とさんで良い!」

リンゲの声はブリーフィングルームに響き渡り、護衛任務をほっぽり出したパイロット達は、一様に反省の色を見せていた。

「最後に……護衛任務は、制空任務と同様に重要な任務だ。そして、護衛任務を行う際は……常に、艦爆、艦攻を駆る搭乗員達の事を常に思いやれ。
彼らにとって、俺達は守護天使のような物だ。俺達無くして、彼らが活躍出来る事は無い……だからこそ、護衛任務は疎かにしては行けない。いいか……
撃つ奴の事を考えるのもいいが、守られる身の事も考えろ。俺が言いたい事はこれで以上だ。」

「と、言う事なんですけど……ぐあああああ、何であんなクサイ事を言うのかなぁ。」

リンゲは顔を赤くし、頭を抑えながら呻いた。
もともと、内気な性格であるリンゲは、人前に立って説教をするような人間では無かった。
昔の自分と今の自分との差に、リンゲはなぜこうなってしまったのかと本気で思っていた。

「いや、お前立派な事言ってるぞ。それでこそ、戦闘機隊長じゃないか。」
「は、はぁ……そう言われると助かりますけど……でも、今思い出すと無性に恥ずかしくなりますよ。」
「恥ずかしい事もこなしてナンボじゃないのか?指揮官って奴は。」

ラウスの一言に、リンゲは心を打たれてしまった。

「……はは、確かにラウスさんの言う通りです。」

リンゲはそう返してから、深い溜息を吐いた。

「こんな事で悶々しているとは、俺もまだまだ未熟ですなぁ。」
「そんなもんじゃね?人間って奴はさ。」
「……でしょうねぇ。」

ラウスの何気ない言葉に、リンゲは納得する。

「……珍しい……こんな所にアイオワ級戦艦が居るとは。」

この時、リンゲは4隻の護衛艦を伴いながら、今しもジヴェスコルク港に向かおうとしている2隻のアイオワ級戦艦を見つけた。

「本当だ。しかも2隻居るぞ。」
「何しに来たのかな?」

2人は、艦隊の右側4000メートル向こう側を航行する大小6隻の軍艦をしばし見つめ続けたが、これまで見慣れた事もあってか、すぐに興味を無くした。




太平洋戦線から回航されたばかりのアイオワ、ニュージャージーがTG38.1に編入されたのは、それから間もなくの事であった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー