自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 15時54分

 弓鳴りの音を響かせ、バルデム勢から矢が放たれた。ヘビークロスボウの矢は機力で巻かれており、板金鎧を容易く貫通する。
 鈍い音を立て、土嚢に深々と矢が食い込む。陣地を守る自衛官と警察官は慌てて頭を下げた。

 敵陣が制圧下にあることを確認しつつ、重装歩兵の群れは槍の穂先を煌めかせ、突撃に移った。
 荒々しい雄叫びと、甲冑の擦れる音、軍靴の足音が、重なりあって地響きと化す。訓練を受けていない者なら、この時点で逃げ出すだろう。


 だが、守備隊の士気は崩れなかった。第一分隊が空に向けた64式小銃から7.62㎜弱装弾を撃つ。銃声は山々に木霊し、バルデム勢の耳を打った。
 続いて、陣中から瓶の栓を抜くような音が響いた。西方諸侯領軍兵は、自軍に向かってなにかが飛来する姿を見た。
 石礫のように見えたそれは、白い煙を引きながら、突撃を続ける歩兵の列に飛び込んだ。
 白い煙が兵の目や鼻に触れる。途端に強烈な刺激が、兵たちを襲った。

「毒だ!毒の雲だッ!」
「目が、目がぁぁぁっ!」

 白煙は、目に触れれば激しい痛みと共に涙が溢れ、赤く腫れ上がる。鼻から吸い込めば途端に溢れる大量の鼻水に、呼吸を乱された。
 日本警察が誇る、暴徒鎮圧用機材、ガス銃による催涙ガス弾投射であった。
 普段は事故を避けるため曲射弾道で撃ち込まれるが、今日に限っては水平射撃が許可されていた。
 雨が上がり、風向きも風上である。真倉・田辺城址と苦汁を舐めてきた警察は、今までの鬱憤を晴らすかのように敵に向けてパウダー弾を撃ち込んだ。



 バルデム指揮下の重装歩兵はたちまち混乱した。多くの兵にとってこのような攻撃は初めてのことであった。
 息を切らした兵の足は縺れ、視界を奪われた兵は怯え、泣き叫んだ。
「し、死んじまう」
「助けてくれぇ」
 刺激物に慣れぬ兵たちには、催涙剤が劇的な効果を表した。多くの兵が咳き込み、嘔吐する。中には、吐瀉物を喉に詰まらせ、倒れ伏す者もでた。
 隊列を乱す兵を叱咤すべき歩兵組長も、同様にのたうちまわっていては、隊列の維持は覚束ない。
 騎士はいくらか矜持を見せ踏みとどまったものの、銃声に怯える乗馬を宥めるので精一杯であった。

 バルデム勢は潰乱した。

「怯むな、押せぃ!陣を崩すな!」
 勇気に不足を感じぬ漢であるバルデムは、威嚇射撃の音に怯える愛馬を無理矢理抑えると、自ら兵の中に乗り入れた。
 何故だ。何故我が手勢がこのような無様な姿を見せねばならぬ?
 無力で惰弱な筈の蛮族から思わぬ反撃を受け、醜態を晒す自軍の姿が信じられなかった。
 帝国の礎であり、歴史と名誉であり続けた西方諸侯領軍。その中でも格別に勇猛さを誇った配下たちが、悲鳴を上げて逃げ惑うなど──それは、敵の役目ではないか。
 しかし現実には、過去に蹴散らしてきた野盗や叛徒の如く、バルデムの手勢が崩れていた。
 このようなことがあってよい筈はない!蛮族どもめ。一人残らずくびり殺してくれる。
 バルデムは声の限り手勢を督戦し、陣形を建て直そうとする。彼は士気の回復には、将自らが範を示す必要があることを知っていた。
「敵は目の前ぞ!崩れるな、進めぃ!」
 彼の姿に配下の騎士たちが何とか立ち直る。それに合わせて歩兵組長も、何名かが自己の務めを果たした。兵どものうち、辛うじて正気な者を纏め、隊列を組む。
「卑劣なる敵に、負けるものか!我に続け!」
 バルデムは手勢の先頭に立ち、毒で戦場を汚す不埒な蛮族に向けて、突撃を再開した。
「バルデム男爵に続け!帝国万歳!西方諸侯領軍万歳!」
「蛮族どもに遅れをとるな!」
 涙と鼻水にまみれながらも戦意を失わなかった兵たちがそれに続く。

 催涙ガスがもうもうと立ち籠める中、鈍く光る鋼色の波が五老ヶ岳応急陣地に迫った。彼我の距離は20メートルを切っていた。

「敵、突撃を再開!」
 悲鳴のような報告が上がる。それを聞くまでもなく、すぐ目の前に迫る敵の姿が、白煙の中にあった。
 稲富は呻いた。やはり、撃たないと駄目か。
 機動隊の放った催涙ガス弾は、敵の陣形を大きく崩し、少なからぬ数の敵兵を落伍させることに成功した。
 あわよくば、撤退をさせられるか。そんな甘い期待もあった。だが、敵は怯みこそすれ逃げ散らなかった。
「なんて、奴等だ……」
 部下の一人が呆然と呟いた。あれだけのガスを撃ち込まれてのちも、速やかに立て直してきた。
 『精鋭』そう感じたのは、正しかった。どこか狂気を感じさせる光景があった。
「やべぇ、来るぞ」
 海士の震える声に、稲富は我に返った。だらだらと迷っている暇はない。彼等は所詮船乗りである。白兵戦に勝ちはない。
 いや、陸自の普通科部隊とて、あの槍ぶすまと戦鎚には分が悪いだろう。陣地に入り込まれた瞬間、切り刻まれるはめになる。

──これが、指揮官の責務か。

 稲富は、ついに自衛隊初の命令を発した。
「目標、敵集団。連射。各分隊、打ち方始め!」
「一番機関銃、打ち方始め!」

 土嚢の陰で震えていた隊員たちにとって、命令は救いであった。指揮官の意志が示されたことで、彼等は兵士となった。
 紙の標的ではない、生きた人間に向けて、誰もが初めて引き金を引いた。



 敵陣に雷が落ち、燃え上がったように見えた。壁の上に無数の閃光が光り、轟音が鳴り響いた。白煙が上がる。
 次の瞬間、バルデムの愛馬はその馬鎧を容易く砕かれ、血肉を撒き散らしつつ崩れた。即死であった。
 一瞬浮遊するような感覚の後、バルデムはそのまま地面に放り出された。落下の衝撃で息が詰まった。重い板金鎧のせいで、倒れた身体は上手く身動きが取れない。
 配下に下知を下さねば。我が従者はどこだ?
 バルデムに出来たのは、辛うじて顔を動かすことのみだった。

 彼は見た。

 馬鹿な。こんな馬鹿な……。
 自ら鍛え上げた、自慢の重装歩兵たちが、ただの肉塊に変えられつつあった。
 クロスボウの矢すら防ぐラウンドシールドも、造りの良いことで近隣に知られた特製のチェインメイルも、等しく紙同然であった。
 兵たちは次々と銃弾の前に倒れた。

「何が起きているんだッ!」
「判らぬ。だが、兵どもは血を噴いて死んでおるぞ」
 騎士たちもまた、現状を理解できなかった。敵陣からは何かが放たれているはずであるのに、矢は見えず、防ぐことも出来ない。
「敵は魔術師か?」
 その騎士は疑問を晴らす機会を得ることなく、銃弾で右腕を吹き飛ばされ、死んだ。
 騎士たちも、兵と共に討たれていった。

 馬鹿な、認めぬぞ!この蛮地に、これだけの術者がおるなど、あり得ぬ。
 バルデムはようやく体を起こすことに成功した。しかし、周囲の手勢は殆どが討たれていた。
 目の前には彼の従者が虚ろな目を空に向けて、倒れている。
 怒りがこみ上げた。バルデムは傍らに落ちていた戦鎚を拾い上げると、立ち上がり咆哮した。

「許さん、許さんぞぉぉぉぉッ!」

 だが、そこまでであった。
 『みょうこう』陸戦隊第一小銃分隊に所属する一等海士が、半ば目を瞑りながら放った7.62㎜弾が、バルデムの胸を貫いた。

 山賊や叛徒の討伐で、西方諸侯領軍に勇名を轟かせ、『鉄腕』の異名を取った、ギオマル・ディ・バルデム男爵は、胸に空いた大穴と口から、赤黒い血を噴いて、死んだ。

 敵の指揮官らしい巨漢が、むくりと立ち上がった。すでに他の敵は倒れるか逃げるかしていた。その巨漢も、凄まじい咆哮をあげた次の瞬間には、射殺されていた。
 すでに敵はいなかった。恐ろしい雄叫びと共に突撃を仕掛けてきた、百名余りの男たちは、血の海に沈んでいた。
 だが、敵のいない戦場には未だ銃弾が叩き込まれている。稲富は、陣地内に立ち籠めた、装薬の鼻につく臭いで我に返った。
 いかん、みんな我を忘れている。

「打ち方やめ!打ち方やめ!」

 稲富は叫んだ。しかし、射撃は続いた。周囲を見ると、隊員の目は等しく血走り、命令に気を向ける余裕はないようだった。
「打ち方やめだ、馬鹿者!機関銃、打ち方やめーッ!」
 沢田曹長の怒声が響く。続いて、ハンドマイクのサイレンが鳴った。

 陸戦隊は、それでようやく射撃をやめた。

 五老ヶ岳に突然静寂が訪れた。硝煙と催涙ガスも、風に吹き散らかされ視界が開けた。

 陣前10メートルには、地獄があった。7.62㎜弾を叩き込まれた戦列は、赤黒い何かに変わり果てていた。
 動く者はいなかった。稲富は自分の出した命令によって作り出された光景に、戦慄した。
 旅順やソンム、ガダルカナルがこうだったんだろうか?
 稲富たちは生き残った。周囲では若い隊員の何名かが嘔吐している。
 無理もないな。風上で良かった。稲富は思った。吐けるってことは、生きてるってことだ。敵は、もう吐くことも、泣くこともない。

 五老ヶ岳応急陣地はその火力をもって、西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団バルデム男爵の軍を殲滅した。

 記録を録っていた隊員がそれに気付いた。
「敵主力に動きがあります!」
 五老ヶ岳に再び、喚声と怒号が鳴り始めた。敵はまだ諦めていないらしい。
「来るぞ!薬室を確認しろ。弾込め!」
「敵は数百名!突っ込んできます」


 稲富は思った。何度でも来るなら、何度でもやるしかない。



京都府舞鶴市五老ヶ岳 国道27号線
2012年 6月5日 16時00分

 バルデム男爵の軍勢が敵陣に向け突撃を敢行したと同時に、敵陣から何かが放たれたのが見えた。
 エレウテリオ騎士団主力が、その正体を図りかねているうちに、バルデム勢は白煙の中に消えていった。

 異様な戦場であった。

「蛮族は何をしたのだ?」
「もはやこれまでと、陣に火を放ったのではないか?」
「いや、それでは男爵の軍勢まで白煙に隠れてしまうのは、道理が通らぬ」
 騎士たちが口々に想像を語った。
「所詮目眩ましにすぎん。バルデム卿の軍勢は瞬く間に敵を蹴散らすだろうよ」
「然り」

 だが騎士たちの予想に反し、突撃の喚声は掻き消え、悲鳴と兵を叱咤する怒号が聞こえ始めた。
 煙の合間からは、崩れた隊列ともがき苦しむ兵が見える。一部の兵は隊列を離れ、顔を押さえながら逃げ出していた。
 異変は明らかであった。

 暫くして、白煙の向こうで喚声が上がった。再度突撃をかけるのであろう。騎士たちはバルデム勢が健在であると安堵した。
 しかし──。

「何だ、この音は!?」
「おお、敵陣が光を放っておるぞッ!」
 濃い白煙を貫いて、無数の閃光と破裂音が響く。それは周囲の山々に木霊して、騎士たちを威圧した。
 馬は怯え、兵がどよめいた。

 白煙が晴れた。バルデム勢は何処にもいなかった。逃げ散った十数名を除き、全て倒れていた。

「これは夢か……」
 騎士たちは声も無かった。
 銃声が止むと、静寂が戦場を支配した。


 手を打たねば我らは負ける。エレウテリオは直感した。
 周囲を見る。配下の騎士たちは狼狽し、口々に現実を否定したがっているだけであった。
 こいつらは駄目だ。楽な戦に慣れきっている。
 エレウテリオは舌打ちした。まなじりは吊り上がり、顔に汗が吹き出た。視線を感じる。視線の主は配下の騎士パスクアルと魔導師バルトロであった。
 マシなのはこの二人だけか。手勢は一から鍛え直さねばならぬ。まあ、すべてはこの戦に勝ってからだ。

 エレウテリオは配下の騎士たちを一喝した。
「心を乱すな!それでも帝国騎士かッ!角笛を吹け。ゴブリンを敵陣に突撃させよ!」
 続いて、長弓兵指揮官に向き直る。性分だろうか。長弓兵指揮官はさほど慌てていなかった。
「長弓兵は敵陣に射掛け続けよ。頭を押さえねばゴブリンどももバルデム卿の二の舞よ」
 バルトロに目を向けつつ、下知を下す。バルトロは敵の手管に思いを馳せているようだった。
「手練れの射手を選び、魔術師の加勢を受けよ。バルトロ殿、お頼み申す」
「はッ!」
「──三十程が限度かのう。お任せくだされ」

 ようやく騎士たちも己の役割を思い出し始めたようだった。茫然自失の者は数える程で、残りはエレウテリオに注目している。
「皆、聞け!敵は小勢とはいえ、手強い。騎士団の全力をもって当たらねばならぬ」
「総掛かりに御座いますか?」
 騎士の一人が尋ねた。
「然り。長弓兵が射掛けつつゴブリンを敵陣にけしかける。敵陣が乱れたならば、騎士団主力にて蹂躙する」
 他にやりようがあるように思えたが、すぐには思い付かなかった。
 主導権を失えば、敗北する。エレウテリオの勘は、そう告げていた。
 下策だが、仕方あるまい。こうなれば力いくさよ。敵の手数を超える兵力を叩きつけて押し潰す。

 エレウテリオの下知を受け、騎士たちは己の手勢に散っていった。最後にエレウテリオはパスクアルに命じた。

「騎士パスクアルは、本営に向かえ。護衛に軽騎をつける」
「……それはまさか!」
「俺の勘だ。この敵は尋常ではない。本軍に後詰めを求めよ」
「しかし、それでは団長の武名に傷がつきまする」
 パスクアルは笑った。
「我が武名など、とるに足らぬこと。今は勝たねばならぬ。行けッ!」
「御意」
 パスクアルは弾かれるように駆けていった。エレウテリオはそれを見届け、思った。
 確かに、我が武名に傷は付こう。蛮族ごときに遅れをとればな。だがそれも、生き残ってからのことよ。


 ことによれば、それすら叶わぬかもしれん。



 路面を埋める敵の軍勢は、数百名を数えた。稲富は首を振った。数百──名、と言ってよいものか。映画やゲームでなら分かるが、現実に存在する訳がないだろう。無茶苦茶だ。
 まるで追い立てられるように、陣地に迫る敵の軍勢は、異形の集団であった。
 身長は1メートルそこそこ。手足は細く、背を丸めた歩き方は何処か歪である。粗末な革鎧を身につけ、手には雑多な武器を持っていた。
 耳は尖り目は落ち窪んでいる。近付けば濁っていることが分かるだろう。

 彼らは甲高い喚声と共に、陣地に迫っていた。

「敵軍まで距離150メートル!」
「P弾射撃準備よし。ただし残弾僅少!」

 態勢を整えた部下の報告が入った。稲富は、自陣を見た。自分を含め落ち着いているように見えた。一戦交えた結果度胸が付いたようだった。
 諸々の問題はもう少し後になって出てくるだろう。今は、戦意十分だ。

 続いて、敵に目を向けた。

 数は数百。手に手に武器を携えて、我々を殺しに駆けてくる。茶色い塊がもう100メートルまで迫っていた。

 引き付けていては、間に合わん。

 敵の数とこちらの火力を考えると、もう撃つべきだった。大量虐殺だとか過剰防衛だとかは法務幹部殿に任せようと思った。
 確か、副長は法学部だったしな。まずは、あれが人間かどうかから考えてもらおう。

「目標、敵集団!距離100。各分隊、打ち方始め!」

「ガス銃班、距離70で打て!」
 少し離れたところでは、志馬警部が命令を発した。ガス銃班が構える。
 警官隊の一部が後方の輸送車に下がった。

「敵、射撃開始した!」

 第二分隊長の有吉二曹が叫んだ。敵軍を見ると、突撃してくる集団の後方、こちらから約300メートルの位置にいる敵が一斉に矢を放つのが見えた。稲富は咄嗟に指示を出した。

「総員、遮蔽物に入れ!矢が来るぞ!」
 矢は曲射弾道で放たれた。驚くほど遠くから無数の矢が射ち上げられ、物理法則に従い放物線を描いて落下してきた。
 長弓は曲射出来るため、突撃する味方の頭越しに矢を放ち、敵軍を制圧することが出来た。
 羽が空を切る音と共に矢が降り注ぐ。約6秒おきに放たれる百本以上の矢は、まるで天を覆うかのように思えた。射たれる側からすれば、ぞっとする光景だった。

 陸戦隊員と機動隊員は即席の掩体に身を隠している。トタン板に身を隠した隊員は、どうか矢が抜けませんようにと祈った。

 矢が陣地に到達した。
 重く鈍い音は、土嚢や地面に矢が刺さる音である。
 雨に似た音は、ライナープレートやトタンに当たる音である。ライナープレートは当然の事ながら矢を全て跳ね返した。
 一部で金属同士が擦れる音がした。角度が良かったのか、トタン板には何本かの矢が刺さっていた。その下の隊員が悲鳴を上げる。
「おい、大丈夫だろうな!」
「おっかねぇ……」

 稲富の目の前にも数本の矢が突き立ったが、見たところ死傷者は出ていないようだ。
「各自、このまま撃てるかッ?」
あちこちの銃座から元気な答えが返る。
「第一分隊射撃可能!」
「第二分隊撃てます」
 機関銃班からも返事があった。
「一番、二番共に射撃可能!ただ、次はトタン板じゃなくてライナープレートにしてください!」

 数本の矢がトタン板に刺さったようだ。機関銃班が首を竦めながら怒鳴った。

 よし、戦える。稲富は陣地構築の効果に安堵した。

「各自、そのまま撃て!」

 命令を受けて、隊員は射撃を開始した。敵第一陣を打ち砕いた火力が、第二陣にも襲いかかった。
 ガス銃班も射撃を開始した。白煙が戦場に放物線を描く。

 五老ヶ岳応急陣地は、敵長弓部隊の制圧射撃を受けつつも、その火力をもって敵の迎撃を開始した。

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