927 名前:始末記[sage] 投稿日:2016/08/11(木) 01:37:43.55 ID:jPLUhV77
高麗国
珍島沖
護衛艦『あまぎり』
珍島沖
護衛艦『あまぎり』
珍島で猛威を奮ったイカ人の軍勢は、航空自衛隊第6飛行隊の爆撃により、母船と指揮官を含む大半の兵士を失っていた。
だが島の各所では、いまだに国防警備隊の守備隊と交戦を続けていた。
主力が一度は壊滅状態に陥ったことから、日本からの援軍を断つべく海中に配されていたイカ人五千の兵のうち二千が島の各所から上陸を開始して猛威を奮っていた。
『あまぎり』の周辺では乗員達が89式小銃で、散発的に現れるイカ人の兵士を掃射している。
大規模集団には62口径76mm単装速射砲やMk15 MOD2 高性能20mm機関砲 2基が海上に向けて、発砲が続けられている。
74式アスロック8連装発射機や68式3連装短魚雷発射管も時折攻撃に加わっている。
その間にも『あまぎり』の飛行甲板では現在、警備救難艦『太平洋9号』に所属していたKa-32海上輸送ヘリに搭載されたK6重機関銃用の弾薬を補給していた。
さすがに航行中では、『太平洋9号』に補給を行うわけにはいかないが、ヘリコプターならなんとかなる。
同時に『あまぎり』に搭載されたSH-60J哨戒ヘリコプターの2機は、先行して珍島に到着して戦闘に参加していた。
1機が国防警備隊が籠城する島の南に築かれた南桃(ナムド)石城の上空を通過する。
アンモニアガスの発生により、前線を放棄した国防警備隊の守備隊は、二つの防御陣地に向けて別れた。
そのうちの1隊は遅滞戦術を展開しながら、島の国道18号線を南下し、南桃石城に到着して陣を構えた。
国防警備隊2個小隊と自警団が立て籠る南桃石城に、千を越えるイカ人の兵士達が攻め寄せていた。
南桃石城には、周囲610m、高さ5.1mの丸い城壁と東、西、南門がそのまま残っている。
現在の石城内は国防警備隊の駐屯地となっている。
高麗王朝の時代、裴仲孫将軍に率いられた三別抄軍は、ここを根拠地として壮烈な対モンゴル抗争繰り広げていた。
転移前には、南桃石城観光化事業が推進されていて、周囲の城壁は復元されている。
復元のやりすぎで、石組みは立派であり、城内にあった役所の建物も復元された。
史実を誇張した復元は批判も多いのだが、今回はそれが功を奏していた。
近隣住民を避難させ、イカ人の軍勢から籠城するのに最適な環境となっていたのだ。
だが敵の数は圧倒的であり、国防警備隊や自警団の死傷者が続出し、陥落は時間の問題といえた。
そこに、『あまぎり』から発艦したSH-60J哨戒ヘリコプターが到着した。
だが島の各所では、いまだに国防警備隊の守備隊と交戦を続けていた。
主力が一度は壊滅状態に陥ったことから、日本からの援軍を断つべく海中に配されていたイカ人五千の兵のうち二千が島の各所から上陸を開始して猛威を奮っていた。
『あまぎり』の周辺では乗員達が89式小銃で、散発的に現れるイカ人の兵士を掃射している。
大規模集団には62口径76mm単装速射砲やMk15 MOD2 高性能20mm機関砲 2基が海上に向けて、発砲が続けられている。
74式アスロック8連装発射機や68式3連装短魚雷発射管も時折攻撃に加わっている。
その間にも『あまぎり』の飛行甲板では現在、警備救難艦『太平洋9号』に所属していたKa-32海上輸送ヘリに搭載されたK6重機関銃用の弾薬を補給していた。
さすがに航行中では、『太平洋9号』に補給を行うわけにはいかないが、ヘリコプターならなんとかなる。
同時に『あまぎり』に搭載されたSH-60J哨戒ヘリコプターの2機は、先行して珍島に到着して戦闘に参加していた。
1機が国防警備隊が籠城する島の南に築かれた南桃(ナムド)石城の上空を通過する。
アンモニアガスの発生により、前線を放棄した国防警備隊の守備隊は、二つの防御陣地に向けて別れた。
そのうちの1隊は遅滞戦術を展開しながら、島の国道18号線を南下し、南桃石城に到着して陣を構えた。
国防警備隊2個小隊と自警団が立て籠る南桃石城に、千を越えるイカ人の兵士達が攻め寄せていた。
南桃石城には、周囲610m、高さ5.1mの丸い城壁と東、西、南門がそのまま残っている。
現在の石城内は国防警備隊の駐屯地となっている。
高麗王朝の時代、裴仲孫将軍に率いられた三別抄軍は、ここを根拠地として壮烈な対モンゴル抗争繰り広げていた。
転移前には、南桃石城観光化事業が推進されていて、周囲の城壁は復元されている。
復元のやりすぎで、石組みは立派であり、城内にあった役所の建物も復元された。
史実を誇張した復元は批判も多いのだが、今回はそれが功を奏していた。
近隣住民を避難させ、イカ人の軍勢から籠城するのに最適な環境となっていたのだ。
だが敵の数は圧倒的であり、国防警備隊や自警団の死傷者が続出し、陥落は時間の問題といえた。
そこに、『あまぎり』から発艦したSH-60J哨戒ヘリコプターが到着した。
「城外の敵を排除しろ。」
機長の命令のもと、キャビンドアが開かれ、隊員の一人が74式機関銃をドアガンとして、空中から掃射を開始した。
空からの攻撃に忽ち数十のイカ人が死傷する。
堪り兼ねたイカ人達は攻め寄せていた城壁から離れて近隣の建物や森林などに身を隠す。
攻撃の効果を確認したSH-60Jは、国防警備隊員の誘導のもと城内に着陸した。
SH-60Jに積載された弾薬が、国防警備隊員達に補給物資として引き渡されていく。
空からの攻撃に忽ち数十のイカ人が死傷する。
堪り兼ねたイカ人達は攻め寄せていた城壁から離れて近隣の建物や森林などに身を隠す。
攻撃の効果を確認したSH-60Jは、国防警備隊員の誘導のもと城内に着陸した。
SH-60Jに積載された弾薬が、国防警備隊員達に補給物資として引き渡されていく。
「今度は感謝くらいしてくれよ。」
転移前の南スーダンの件を思い出して機長は苦笑していた。
ヘリに同乗していた『あまぎり』の立入検査隊の五名が城壁から89式小銃で、再び攻め寄せるイカ人の軍勢を射ち倒していく。
補給を済ませた警備隊員も加わっていく。
補給の弾丸を引き渡したSH-60Jは再び飛び立ち、空から敵を弾丸で凪ぎ払いに向かった。
ヘリに同乗していた『あまぎり』の立入検査隊の五名が城壁から89式小銃で、再び攻め寄せるイカ人の軍勢を射ち倒していく。
補給を済ませた警備隊員も加わっていく。
補給の弾丸を引き渡したSH-60Jは再び飛び立ち、空から敵を弾丸で凪ぎ払いに向かった。
珍島北東部の戦いも同様に推移していた。
こちらには龍蔵山の尾根伝いに城壁を巡らした龍蔵山城がある。
やはり1270年、裴仲孫将軍が率いる三別抄軍が、それまでの山城を改築し、対蒙抗争の根拠地とした城だ。
鎌倉幕府にに国書を送り、自分たちが唯一の正統な高麗政府であることを表明したのがこの城である。
龍蔵城の跡は史跡第126号に指定され、ほぼ復元されている。
周辺に420mに達する土城が築かれている。
ここに避難した近隣住民による自警団と国防警備隊三個小隊が籠城し、二千を越えるイカ人の軍勢と交戦していた。
だが強固な土城と遠距離攻撃、夏の最中で動きが鈍る上に山に登らされたイカ人達は面白い様に倒されていく。
それでも物量の壁は残酷だ。
弾丸の残量はみるみる減少していく。
イカ人達の投げ槍による死傷者が増えていく。
こちらには龍蔵山の尾根伝いに城壁を巡らした龍蔵山城がある。
やはり1270年、裴仲孫将軍が率いる三別抄軍が、それまでの山城を改築し、対蒙抗争の根拠地とした城だ。
鎌倉幕府にに国書を送り、自分たちが唯一の正統な高麗政府であることを表明したのがこの城である。
龍蔵城の跡は史跡第126号に指定され、ほぼ復元されている。
周辺に420mに達する土城が築かれている。
ここに避難した近隣住民による自警団と国防警備隊三個小隊が籠城し、二千を越えるイカ人の軍勢と交戦していた。
だが強固な土城と遠距離攻撃、夏の最中で動きが鈍る上に山に登らされたイカ人達は面白い様に倒されていく。
それでも物量の壁は残酷だ。
弾丸の残量はみるみる減少していく。
イカ人達の投げ槍による死傷者が増えていく。
「いよいよ覚悟する時か・・・白兵戦用意!!」
散兵していた隊員達や自警団団員達が、スコップやナイフ、投げ込まれた槍を手に取り集まり出す。
イカ人の軍勢があと20メートルにまで接近したときに、『あまぎり』のSH-60J哨戒ヘリコプターが飛来した。
キャビンドアを開き、ドアガンがイカ人達を掃射しながら着陸する。
イカ人の軍勢があと20メートルにまで接近したときに、『あまぎり』のSH-60J哨戒ヘリコプターが飛来した。
キャビンドアを開き、ドアガンがイカ人達を掃射しながら着陸する。
「ほら、5.56mmをたっぷり持ってきたから集まれ!!」
海自隊員の声に我に帰ったK2アサルトライフル、K3機関銃を持った隊員達がSH-60Jの周囲に集まってくる。
キャビンドアから、『あまぎり』の立入検査隊隊員達が降り立って時間を稼ぐべく射撃を開始する。
弾薬を補充した隊員は、予備のマガジンに弾を詰めるのも惜しんで、前線に戻っていく。
国防警備隊員の一人が『あまぎり』の立入検査隊隊員に声を掛けてくる。
キャビンドアから、『あまぎり』の立入検査隊隊員達が降り立って時間を稼ぐべく射撃を開始する。
弾薬を補充した隊員は、予備のマガジンに弾を詰めるのも惜しんで、前線に戻っていく。
国防警備隊員の一人が『あまぎり』の立入検査隊隊員に声を掛けてくる。
「助かったが、このままではまた追い詰められるだけだぞ!!」
「問題ない。
もうすぐ来るぞ!!」
「問題ない。
もうすぐ来るぞ!!」
爆音を響かせて現れたのは航空自衛隊第六飛行隊のF-2戦闘機だ。
築城基地から空爆を終えたあと、燃料と弾丸を補充して、第二次支援爆撃の為に舞い戻ってきたのだ。
築城基地から空爆を終えたあと、燃料と弾丸を補充して、第二次支援爆撃の為に舞い戻ってきたのだ。
『ブラボー1、投下!!』
Mk.82通常爆弾12発がイカ人の軍勢に降り注ぎ、焔の壁が天高く舞い上がる。
同時刻、南桃石城付近でもF-2戦闘機が到着する。
同時刻、南桃石城付近でもF-2戦闘機が到着する。
『ブラボー2、投下!!』
爆発による焔は確実にイカ人の軍勢を炙り倒していった。
百済市
エレンハフト城
エレンハフト城
珍島の作戦が上手くいったとの報告に、会場は拍手に包まれていた。
珍島ではこれ以後は掃討作戦に切り換えるらしいが、大勢は決していた。
新香港の林主席とヴェルフネウディンスク市チカチーロ市長のアンフォニーを巡る舌戦に会場が緊迫していた中で、関係者もこの空気を吹き飛ばす朗報に胸を撫で下ろしていた。
話を中断させられた林主席は、話を続けようとしたが、百済市長の白に遮られる。
珍島ではこれ以後は掃討作戦に切り換えるらしいが、大勢は決していた。
新香港の林主席とヴェルフネウディンスク市チカチーロ市長のアンフォニーを巡る舌戦に会場が緊迫していた中で、関係者もこの空気を吹き飛ばす朗報に胸を撫で下ろしていた。
話を中断させられた林主席は、話を続けようとしたが、百済市長の白に遮られる。
「皆様、ありがとうございます。
ようやく珍島の平和を取り戻せました。
残るは南海島と首都巨済島の二つ。
引き続きの御協力をお願いいたします。
さて、我々も北サハリンの仲介の元、アンフォニーの開発に一口乗らせてもらうことにしました。」
ようやく珍島の平和を取り戻せました。
残るは南海島と首都巨済島の二つ。
引き続きの御協力をお願いいたします。
さて、我々も北サハリンの仲介の元、アンフォニーの開発に一口乗らせてもらうことにしました。」
林主席の開いた口が塞がっていない。
秋月総督も眉を潜めている。
林主席はさらに抗議を口にしようとしたが、ブリタニカの代表のダリウス・ウィルソン市長の会見が進行されて口を紡ぐしかなかった。
ウィルソン市長は転移前は高名な経済学者として名声を馳せていた。
秋月総督も眉を潜めている。
林主席はさらに抗議を口にしようとしたが、ブリタニカの代表のダリウス・ウィルソン市長の会見が進行されて口を紡ぐしかなかった。
ウィルソン市長は転移前は高名な経済学者として名声を馳せていた。
なにより本物の子爵位を持つ英国貴族であり、王国貴族からの信任も篤い。
ブリタニカ市民は転移前は教育関係者や金融関係者だった者が多い。
転移後のこの世界では財産を失ったり、アドバンテージだった知識が無用の長物になったりと辛酸を舐めていた。
それでも白人系の容姿と一部の貴族位を持つ英国系住民が、王国貴族の相談役や地球系各都市と王国貴族の商談の仲介役として、多大な財産を築き始めていた。
平民の集まりである他の諸都市とは信頼度が違うのである。
なにより王国貴族を集めて、船舶に対する被害を受けたときにその損害を補償する代わりに、前受け金(保険料)を貰える』という契約を結ぶ、シンジケートの役割も担うようになった。
つまり異世界にロイズ保険の制度を持ち込んだのだ。
半分くらいの王国貴族は、一方的に儲かることを夢見ている。
地球系各都市の海事機関が海賊やモンスターを討伐して、被害が転移前に比べて格段に減っているのも効いている。
だがそれだけでは足りない。
ブリタニカ市民は転移前は教育関係者や金融関係者だった者が多い。
転移後のこの世界では財産を失ったり、アドバンテージだった知識が無用の長物になったりと辛酸を舐めていた。
それでも白人系の容姿と一部の貴族位を持つ英国系住民が、王国貴族の相談役や地球系各都市と王国貴族の商談の仲介役として、多大な財産を築き始めていた。
平民の集まりである他の諸都市とは信頼度が違うのである。
なにより王国貴族を集めて、船舶に対する被害を受けたときにその損害を補償する代わりに、前受け金(保険料)を貰える』という契約を結ぶ、シンジケートの役割も担うようになった。
つまり異世界にロイズ保険の制度を持ち込んだのだ。
半分くらいの王国貴族は、一方的に儲かることを夢見ている。
地球系各都市の海事機関が海賊やモンスターを討伐して、被害が転移前に比べて格段に減っているのも効いている。
だがそれだけでは足りない。
「我々としても木造船舶に対する安全強化の為に、王国船舶に対しての技術提供を提案したいと思います。
これは人道的処置としても必要なことだと考えています。」
これは人道的処置としても必要なことだと考えています。」
これは予定外の不意討ちだった。
本来のブリタニカの声明とは違うものだ。
このままではサミット終了後の共同声明にも支障が出る。
事態を憂慮したのはヒルダも同様だ。
本来のブリタニカの声明とは違うものだ。
このままではサミット終了後の共同声明にも支障が出る。
事態を憂慮したのはヒルダも同様だ。
「斉藤、やりすぎよ。
このままでは日本を意固地にさせかねないわ。」
このままでは日本を意固地にさせかねないわ。」
技術規制派の最右翼である日本がこの事態を面白く思っている筈が無い。
だが指摘された斉藤は心外そうに答える。
だが指摘された斉藤は心外そうに答える。
「ブリタニカにはまだ接触してません。
あれは彼等の独断です。」
あれは彼等の独断です。」
なんだかんだと日本が強権を奮えば、全てはひっくり返るのだ。
ここで刺激を煽るのは得策ではなかった。
こちらに便乗してくるのは構わないが、巻き添えで技術緩和の機会を棒にふるのは御免だった。
さすがに秋月総督が一言言ってやろうと立ち上がる。
ここで刺激を煽るのは得策ではなかった。
こちらに便乗してくるのは構わないが、巻き添えで技術緩和の機会を棒にふるのは御免だった。
さすがに秋月総督が一言言ってやろうと立ち上がる。
「総督!!」
だが秋山補佐官に止められる。
秋月総督が振り返ると、秋山補佐官も後ろを振り返っている。
そこには高橋陸将が慌てた様子で駆けつけていた。
秋月総督が振り返ると、秋山補佐官も後ろを振り返っている。
そこには高橋陸将が慌てた様子で駆けつけていた。
「『くらま』から連絡が・・・百済沖に!!
白市長の周囲でも国防警備隊の幹部が何かを報告して慌ただしくなっている。
北サハリンやブリタニカも何かを掴んだようだ。
新香港の林主席のまわりでも常峰輝武警少将が耳打ちしている。 秋月総督は椅子に座り直して、秋山補佐官や高橋陸将に呟く。
北サハリンやブリタニカも何かを掴んだようだ。
新香港の林主席のまわりでも常峰輝武警少将が耳打ちしている。 秋月総督は椅子に座り直して、秋山補佐官や高橋陸将に呟く。
「さすがに今回の事態には動きましたか。
だが、ここに来るなら事前に連絡が欲しかったですな。」
だが、ここに来るなら事前に連絡が欲しかったですな。」
地球人達の慌てぶりに列席していたヒルダや国王にデウラー近衛騎士団団長も驚いている。
「まだ、地球人達は何か隠していることがあるのか?」
国王の呟きに戦慄しつつ、幾人かの地球人が城のバルコニーなら、双眼鏡や望遠鏡で、港を見ていることに気がついた。
「デウラー団長、観に行ってくれ。」
「はっ、陛下。」
「はっ、陛下。」
デウラー団長が日本製の双眼鏡を持ってバルコニーに行くと、人々は港に入港しつつあった軍艦に注目しているのに気が付き、双眼鏡を構えた。
その軍艦には、白線と赤線の組み合わせの複数の横縞と、四角に区切った左上部の青地に一つの白い星が配置されていた。
その軍艦には、白線と赤線の組み合わせの複数の横縞と、四角に区切った左上部の青地に一つの白い星が配置されていた。
高麗国巨済島沖
巨済島でも支援作戦が開始されていた。
阻止線を張っていた、海中のイカ人の軍勢を主砲や短魚雷、重機関銃等で蹴散らし、護衛艦『しまかぜ』、輸送艦『くにさき』、第3ミサイル艇隊の4隻は、巨斉島沖に到着した。
派遣艦隊の旗艦となった『くにさき』で、指揮を任せられた中川誠一郎海将補が巨済島の状況が映し出されたモニターを睨んでいる。
「戦場が分散してるな。
特別警備隊は徳浦(トッポ)海水浴場より上陸せよ。」
阻止線を張っていた、海中のイカ人の軍勢を主砲や短魚雷、重機関銃等で蹴散らし、護衛艦『しまかぜ』、輸送艦『くにさき』、第3ミサイル艇隊の4隻は、巨斉島沖に到着した。
派遣艦隊の旗艦となった『くにさき』で、指揮を任せられた中川誠一郎海将補が巨済島の状況が映し出されたモニターを睨んでいる。
「戦場が分散してるな。
特別警備隊は徳浦(トッポ)海水浴場より上陸せよ。」
『くにさき』のウェルデッキのエレベーターランプが開き、水陸両用車AAVP7A1 RAM/RS(人員輸送車型)四両とAAVC7A1 RAM/RS(指揮車型)の1両が洋上へと乗り出した。
各車両には25名ずつの特別警備隊員が乗車している。
徳浦(トッポ)海水浴は、巨済島では珍しい白浜のビーチである。
450メートルにもなる弓形のビーチが有名だ。
その美しいビーチにイカ人の軍勢が陣を張っている。
その陣に向けて各AAV7から、12.7mm重機関銃や40mm自動擲弾銃Mk.19が発砲されて崩れ始める。
護衛艦『しまかぜ』からも主砲による対地攻撃が行われている。
イカ人の兵士も海中に飛び込み、AAV7に槍を突き立てるが40ミリを越える装甲には無力だ。
そのまま重機関銃の餌食となり、周囲は血の海になる。
高麗の国防警備隊は保有していない装甲車両はイカ人達にとって脅威だった。
砂浜に上陸したAAV7は、その重量で立ち塞がるイカ人の槍襖に突貫し、押し潰し、蹂躙していく。
互いの死角をカバーするように停車し、後部のハッチが開く。
各車両には25名ずつの特別警備隊員が乗車している。
徳浦(トッポ)海水浴は、巨済島では珍しい白浜のビーチである。
450メートルにもなる弓形のビーチが有名だ。
その美しいビーチにイカ人の軍勢が陣を張っている。
その陣に向けて各AAV7から、12.7mm重機関銃や40mm自動擲弾銃Mk.19が発砲されて崩れ始める。
護衛艦『しまかぜ』からも主砲による対地攻撃が行われている。
イカ人の兵士も海中に飛び込み、AAV7に槍を突き立てるが40ミリを越える装甲には無力だ。
そのまま重機関銃の餌食となり、周囲は血の海になる。
高麗の国防警備隊は保有していない装甲車両はイカ人達にとって脅威だった。
砂浜に上陸したAAV7は、その重量で立ち塞がるイカ人の槍襖に突貫し、押し潰し、蹂躙していく。
互いの死角をカバーするように停車し、後部のハッチが開く。
「降車!!」
「GO!!
GO、GO!!」
「GO!!
GO、GO!!」
AAV7のタラップから特別警備隊員達が降車して、イカ人達に向けて発砲して蹴散らしていく。
近くに最重要施設である玉浦造船所があり、そこも武装警備員達と海洋警察署の署員がイカ人の軍勢と交戦している。
隊長の長沼一佐が89式小銃を射ちながらそちらに合流することになっている。
近くに最重要施設である玉浦造船所があり、そこも武装警備員達と海洋警察署の署員がイカ人の軍勢と交戦している。
隊長の長沼一佐が89式小銃を射ちながらそちらに合流することになっている。
「さあ、もう一息だ!!
全隊、進め!!」
全隊、進め!!」