自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

第一話

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Turo428

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ハルディア暦182年7月1日(昭和16年)

ケーン平原にて秩序同盟とアルタート太陽王国・亜人連合の戦いが切って落とされた。

秩序同盟軍総司令官、ジョージ・グラディオス中将は本陣にて各同盟諸国軍への指示を伝令し終え、参謀らと今後の展開について予想していた。

「あまり数はいないだろうと思っていたが、思いのほか多いな。」

「ええ、アルタート軍が主力のようですが斥候から亜人の部隊も確認したとの報告があがっております。」

「できるだけ、時間はかけたくないな…。」

秩序同盟軍は四万千四百(歩兵三万五千、騎兵五千、竜兵千、飛竜兵二百、魔術師二百)

対し、連合は二万(歩兵一万七千八百、騎兵二千、竜兵百、飛竜兵五十、魔術師五十)

アルタート王国軍は、出せるだけの戦力を捻出し兵数を揃え様としたが、同盟に参加している諸国が多く

連合軍は、倍の数にあたる同盟軍を相手にしなければならなくなった。

先制の攻撃を仕掛けたのは、連合の魔術師部隊だった。

人間とエルフ混成の魔術師達は、火球を撃ちだし同盟軍の歩兵達を吹き飛ばしてゆく。

だが、お返しとばかりに同盟軍の魔術師達も火球を放った。

連合の倍以上の火炎玉は、オーガ達の持ったドワーフ特製の対魔法仕様の盾に防がれたが不運にも流れ弾に当たった数人の兵士を黒こげにした。

「正面からでは防がれるか。飛竜隊に伝えよ、上空よりあの忌まわしい化け物共を吹き飛ばせ。」

「はっ!」

伝令兵が、天幕から出ていくと同時に魔道連絡員から連絡が入った。

「司令官、ディシール公国軍から妙な連絡が…。」

「妙?妙とはどういう事だ?」

「なんでも、見たこともない格好をした集団を発見したとかで…。」

「どうせ、戦場見物に来た平民だろう。そんな事を報告する暇があったら、突撃の一つでもしろと伝えろ!」

「いえ、その集団は槍のような物を持っていたそうです。それに…。」

「なんだ、早く言いたまえ。」

「その連絡の後パンパンという音がして以来、いくら呼びかけても応答が無いそうです。」

「…確かに妙だが、気にする程の事でもあるまい。ディシールの軍へは引き続き呼びかけろ。飛竜隊は出撃したのか!?」

「飛竜百騎が上がったと連絡が入りました!これより、敵陣に強襲をしかけるとの事です!」


「ピーター!初出撃だが気を楽にな!」

「はい!隊長!」

隊長の乗った飛竜が近づき緊張していた僕を鼓舞してくれた。

右側から同期のマクファーソンが近づいてくる。

「どうせ俺達飛竜兵を落とせる奴なんて、連合の連中にゃいやしねえんだ!ビビんなよ!」

「ビビてなんかないさ!お前こそ、引き上げミスって地面に激突すんなよ!飛竜は貴重なんだからな!」

「コイツ!言いやがったな!」

同僚達(といってもほとんどが先輩だ)の笑い声が響きわたる。

「お前達!私語も大概にしろよ!もうすぐ、化け物連中を―――」

「隊長!前方から、何か来ます!」

「何か?何かってな―――」

何が起きたか分からなかった。

ブォォォンと音を立ててすれ違った『何か』も、何故あんなにも居た味方達が血しぶきをあげて落ちていくのかも。

「何だ!一体何があったんだ!?」

「また来るぞ!逃げろ!」

誰かの声も分からなかったけれど、咄嗟に手綱を引き低空へ退避する!

その刹那、今まで僕がいた場所に光る線が奔った。

「くそ!なんなんだコイツら!」

周りを見渡せば味方はもう片手で数えるほどしかいない。そして、その味方を追い回しているのは―――

「鉄の…鳥…?」

翼の真ん中辺りに赤い丸の付いた鳥に『それ』は見えた。

呆れた話だが、僕はその鳥達の美しさに見惚れてしまった。

だから、だろう。己の半身とも言うべき相棒を失ったのは。

「ギャオオウワ!」

「うわああ!?」

愛竜の悲鳴が轟き、浮遊感を感じた。

―――ああ、落ちたのか。

重力に引かれ、地面へと落ちる直前。僕が見たのは、あの美しい鉄の鳥だった―――


「飛竜部隊の連中はどうした!なんで来ないんだ!」

「俺が知るかよ!どうせ、自分達が死ぬことは無いって思ってる連中はどうでもいいだろ!」

「敵が後退して行くぞ!突撃せよ!!」

指揮官と思しき馬に乗った男が突撃命令を下す。

「行くぞ!手柄を立てろぉ!」

「待て、何か聞こえないか!?」

「何?お前、怖気づい―」

爆音が響き渡り、突撃をしようとしていた部隊が吹き飛ぶ。

「何だ!?敵の魔術師か!」

「おい!見ろよあれ!鉄の竜だ!」

「鉄の竜!?ばか言うな…よ…」

キュラキュラキュラ…と音を立てながら奇妙な『竜』と十数名程の『槍』を持った男達が現れた。

『竜』の『口』と男達の『槍』が兵士らに向けられそして―――


ゴォォン…、バンバン…。

今までに戦場で聞いたことの無い音が聞こえ始めたころから、グラディオス大将の元に届く報告は勝利でなく悪夢のような敗北の知らせであった。

「アルカン王国軍壊滅!生存者0!」

「モントール教会騎士団全滅!」

「何だ!一体何が起こったというのだ!」

「前線から、鉄の竜が現れたと報告が入っております!」

「鉄の竜だと!?ふざけるなもう一度確認しろ!」

「駄目です!連絡用クリスタルが繋がりません!」

「司令官、被害が大きすぎます。ここは撤退を…。」

「仕方あるまい…。前軍撤退!後方の基地へと一時退却再編の後、再度攻勢をかける!」

グラディオス中将は側近らと共に天幕を出た。だが…

ガチャガチャ…

周りには鎧も着用していない、『槍』を持った男達に取り囲まれていた。

その中から、腰に見たこともない形をした剣を腰に差した男が前に出る。

「秩序同盟アレンディア地方派遣十字軍司令、ジョージ・グラディオス中将閣下ですな?」

「…いかにも、私はジョージ・グラディオスだが君達は一体何者かね?」

「おお、失礼いたしました。我々は、新しく連合と同盟を組み貴方方秩序同盟に宣戦を布告しました名を『大日本帝国』と申します。そして我々は『帝国』の軍人です。」

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