自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

第3話あとがきと補足

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Turo428

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だれでも歓迎! 編集
353 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/03/17(火) 10:03:11 ID:ITNokvO.0
    色々感想や指摘をありがとうございます。
    まだ本編は書きかけなので、また設定の補足をしておきます。


    > 時速120kmの飛竜

    これは急降下時の最大速度で、これを大きく超す(150km/hくらい)と、「空中分解」の危険性がかなり高まります。
    速度計とか便利なものも無く、竜士の勘と経験、飛竜自身の判断で運航するので、普通に安全に飛べる速度は、時速100km未満程度です。
    それでも、馬の全速力の倍程度の速度で巡航し地形を無視して飛行できるので、この世界で飛竜戦力の需要が途絶えることはありませんでした。

    実際は、体の大きさに比べて相当軽量な「翼竜」でさえ飛行速度は時速50km程度だと推定されていますので、「恐竜が時速100kmで飛ぶ」というのも、かなり無理しています。
    飛竜の体重は翼竜のような「キログラム単位」ではなく「トン単位」なので、尚更です(個体や成長段階にもよりますが、一番脂が乗ってる時期の軍用飛竜は平均的に零戦よりも重いです)。

    ですが、あまりこの辺を詰めすぎると、「ゴジラは存在し得ない」とかいう某科学読本と同じ境遇に陥ってしまうので、「飛竜の飛行速度は100km前後」の設定を引き摺って行きたいと思います。
    元々は、「現代のサラブレッドの全力疾走の倍は欲しいよな」程度の考えから出てきた設定ですし。


    > 神賜島の『首都』

    書き方が不味かったですか。
    実際は皇国の領土(直轄領)で機能的に「県庁所在地」そのものなのですが、「皇国本土とは別の、新天地の行政府所在地」という意味を込めて、あえてカッコ付きの『首都』とさせていただきました。
    ですが誤解を招く表現でした。

    「新都」は、正確には「皇国神賜島庁所在地」です。
    神賜島開発初期の段階では寒村の村役場も同然でしたが。
    以降、「新都」は「首都」ではなく「島庁所在地」で統一します。

    また「新都」を“村”と書きましたが、これは行政単位的に「新都村」というものがあるのではなく、「新都」という誇らしげな名前の“都市”も、現状ではただの“寂れた村”程度にしか見えないという事です。
    正式名称としては“出張所(後の島庁舎)”のある場所は「神賜島新都市中央区」が正しいです。神社の建てられる予定の丘は「新都市北区」です。

    「新都」という名称は、一部ではもし東京や京都(本国の“みやこ”)に何かあった場合、陛下をお迎えすることが出来るほどの都市にする! という決意の現われだとも言われています。

354 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/03/17(火) 10:03:58 ID:ITNokvO.0
    > 皇国派遣軍の食糧確保について

    基本的に、列強国同士の戦争で遠征軍側(10万以上の大軍)の場合の食糧事情は「将兵の手持ち1週間分」「輜重の支援で1~2週間分」、合計2~3週間分くらいが自弁の限度で、節制して食い繋いだとしても1ヶ月分です。これを超すとほぼ現地調達が不可避になってきます。
    将兵や補給担当部隊が現金(金貨や銀貨)なりを持ち合わせていれば「適正価格で購入」という道もあり、実際行われていますが、それもいずれは底を付き、最終的には単なる略奪に落ちぶれる場合が非常に多いです。戦争が長期になればなる程。

    そして同盟軍といえど、武器や食糧は「自弁が基本」なので、派遣を依頼したイルフェス側が皇国に食糧を支援してやる義理は、この世界の一般常識的には、ありません。

    食糧の一部(本当にごく一部です)はイルフェス領内でイルフェス王国が現物で負担するという協定ですが、皇国は本国で貴重な食糧を「売っていただく」立場なので、「派遣軍の食糧を全部負担してください」などとはとても言えません。
    出来て、「派遣軍の消費する食糧分の代金(正金貨)を払いますので、イルフェス王国で養ってください」程度です。
    しかし、イルフェス王国も余力はあるものの、その余力は当然自分のために使いたいわけで、この場合の代金は天井知らずです。

    しかも、皇国はこの世界一般の食糧価格の相場がまだ良くわかっていないので、特に小麦の輸入に関しては完全にボられています。

    イルフェス王国から持続的に購入可能な食糧と派遣軍の維持に必要な食糧を天秤にかけて、「これくらいの派遣軍で勘弁してください。きっと力になりますから」という具合に「お願い」する形です。
    また、「くれぐれも略奪するならライランス領から略奪しろ。ライランス王国もそれなりに豊かなのだから」という、イルフェス側からの非公式的な話もあります。

    「だったら反イルフェス同盟に協力してイルフェスを潰して食糧を確保(略奪)した方が話が早いのではないか」
    という案もありましたが、同盟に協力するとなると取り分が少なくなること、イルフェス王国自体を戦場にしてしまうと肝心の西大陸最大の穀倉地帯が無傷でいられるかどうか不明なことで、渋々ながらイルフェスに協力しています。

    右も左もわからぬ世界で、「とりあえず交渉可能で食糧提供を可と打診してきた国」を、蔑ろにしたらその後が不安という理由もあります。

    まだこの頃は、皇国もこの世界の主な国家の仕組みや軍の能力などを把握しきれていない時期なので、検討するにも色々判断材料が不足しすぎており、「掴んだ藁を手放したくない」という感じで、かなり泥縄的に派遣軍を編成しています。

    「全世界と戦争して全てを奪う」という選択肢もあるかもしれませんが、それには一体何万の軍が必要で、何年の時間が必要なのか皆目検討も付かないので、政府は最も無難と思われる線を選択しました。
    神賜島があるので将来は安泰とは言え、今現在は資源地帯の開発の“か”の字も行っていませんから、開発が軌道に乗って軍や民に広く行き渡るまでの数年間は国内で生産される不十分な量の各種資源と、備蓄のみで生きて行かなくてはならず、安易な冒険はできません。

    対するイルフェス側は、「列強相手にたったこれっぽっちの兵しか投入しないとは、本気で食糧が不安なのか? しかし軍の装備は凄まじい火力なのに、国力の根幹たる食糧生産が不十分とは、皇国は強いのか弱いのかよくわからん。傭兵国家か? 突然現れた事といい、何から何まで不気味な国だ(でも一儲けは出来そうだ)」状態です。


    なんか、一々補足説明しないと誤解を招くというのは、本編での描写が薄っぺらいからなのですよね。
    本来は全部本編で説明するべきことだと思いますし……精進します。

358 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/03/17(火) 17:04:25 ID:ITNokvO.0
    皆様、感想ありがとうございます。

> 確かに、120キロと500キロじゃ比べ物にならないですね

零戦の急降下速度は時速600km超(後期型は時速700km超)ですから、それと比べれば時速500km(時速600km)の差になります。
戦闘機パイロットの中には、逆に「(今まで訓練していた標的は時速400kmとか500kmだったので)相手が遅すぎて訓練と勝手が違い、狙いが付けづらかった」という人も結構いました。
特にまだ若い経験の浅いパイロットだと、「あれっ? 照準に入れてたはずなのにいつの間に追い越しちゃった?」というような事態が結構後々まで続きます。飛竜に合わせて減速しようとスロットル絞り過ぎたら失速しますし。
それは、何の前兆も無く突然この世界に来たのだから、元世界に突然帰還する可能性が無いとは言えないわけで、つまり欧米列強の最新鋭戦闘機といつでも戦えるように訓練する必要があるので、訓練の標的は相変わらず時速500kmとか600kmだったからです。

間違って追い越してしまっても反撃される危険性はまず無いし、一度飛竜の飛び方を見抜けば、鈍重なので簡単に撃ち落せるんですけれど。

> 神賜島での食糧生産

これは皇国もやるつもりです。
気候が皇国本土とほぼ同じ(中部~南部。北部になると、北海道より寒冷で油田地帯)なので、少しの土壌改良や水田地帯の開発で皇国種の米を大量生産可能と判断されていますので。

まず何よりも米が必要なので、米以外の主要穀物や芋類、豆類、その他の野菜や果物、畜産などについては初期は研究の為に少量生産、米の生産が軌道に乗ってきたら、その都度判断することにしています。
小麦やトウモロコシ、サトウキビなどは、国内産だけで我慢するか、輸入に頼る部分が大きくなるでしょう。

神賜島は島の殆どが平野(特に沿岸部は海岸から内陸の地平線が見渡せるくらい)で、山岳地は少なく最も標高が高い場所でも海抜1000mありません。
北海道などとは比べ物にならない程の広大な農業地が確保できるのです。
ただし、中部以北は鉱物資源地帯なので、島の面積の半分程度は農地に適しません。

> 皇国の正式名称

フィクションのファンタジーものですし、扱う時代が時代なだけに「日本」という言葉はどうしても大日本帝国を連想してしまうので、極力使わないようにしています。
「帝国」という単語も、くろべえさんの「帝國召喚」とかぶる上に「大日本帝国」を連想するので、避けました。
個人的な拘りです。
「皇国」なら「大日本帝国」を連想しないか? と言えば、微妙なところなのですが、「日本らしい単語で、でも大日本帝国じゃない単語」が、これしか思いつきませんでした。
「扶桑」とか「大和」とかも、ちょっと違う気がしまして(軍艦の名前と被るし)。

ですので、「皇国(コウコク)」は正式名称も「皇国(すめらみくに)」ですし、現実の日本列島に相当する地域名は「皇列島(すめられっとう)」です。
日本海は「皇海(すめらみ、すめらうみ)」です。「皇海(コウカイ)」だと、中国の「黄海」と区別が付かないので。この世界に転移してきた今は、「黄海」は存在しませんが。
「北海道」「本州」「四国」「九州」とか、主要都市名とかはそのままです。現実を連想させる名前は使わない拘りとか言っといて、いいかげんですね。

ただし、「皇の国」という認識と同時に「日の下の国」という認識も古代から(むしろ古代史的には、こちらの認識の方が古くからある。『太陽=皇』のような世界観だった)あったので、皇国の国旗は日本国と同じ日の丸です。

ちなみに、この元世界での英語表記での「皇国」も、「日本」という単語起源の「Japan」ではありませんでした。

359 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/03/17(火) 17:06:55 ID:ITNokvO.0
    
    > 転移した皇国の領土

    基本的に、皇清戦争(日清戦争)、皇露戦争(日露戦争)より以前の領土です。
    千島列島は来ていますが、樺太は残念ながら来ていません。小笠原諸島などは来ています。
    満州、朝鮮、台湾は来ていません。当然、これら植民地に投下した資本は回収されません。
    第一次世界大戦で獲得した青島やサイパン島など南洋諸島も来ていません。

    皇国の最北端兼最東端は占守島、最北端である千島列島を除いた中で最東端は南鳥島、最西端は与那国島、最南端は沖ノ鳥島です。

    皇国が転移した瞬間に海外(植民地等含む)に居た皇国国籍の、皇国に身寄りのある人については、実家や親族の家に転移されました。
    皇国国籍でも身寄りのまったく無い人については、国内の公共施設(主に公園など)に投げ出されていました。
    アメリカなど外国に帰化した外国籍の元皇国人は、転移してきていません。
    また、転移時に皇国国内にいた外国籍の人も、転移してきていません。

    国内資産については、外国資本の工場などであっても丸ごと転移してきている反面、外国資産は皇国資本でも転移してきてません。
    ただし、その企業などで働いていた人については、上記の如くで、例えば外国資本100%、
    社員にも大勢の外国人が働いてた国内工場では、工場だけがついてきて、社員の多くは消え去りました。


    これはもう、どうにも説明のしようの無い現象なので、皇国自身も研究を投げ出しています。
    遠い未来には、原理が解明されるかも知れませんが、今生きている人たちが死ぬまでには無理そうです。
    今の皇国は、それよりも現実の問題の方が重要で、こんな研究をする暇など無いからですけれど。

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