自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

12

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
小国の苦悩12話
「大変です騎士団長!巡察です!」
「なんだと!?」
ゴンザレス王国騎士団は色めき立った。
「陛下には?」
「昼寝中でしたが、起こして報告を」
「兵に弓を持たせろ! 騎士は鎧を着けろ!」
「はっ!」
騎士達が慌てて装備をつけに走り出す。
兵士は武器庫に駆け込む。

騎士団長ピエールが小さいながらも石壁の城壁の上に出ると、王城正門前に武装した騎馬騎士20名前後が居た。
「教会聖騎士団である!」
教会の紋章の旗をこれ見よがしに掲げていれば言われなくとも分かる。
「・・・これはこれは聖騎士団の皆様方。本日は何用ですかな?」
「異端の疑いによる巡察である! 城を改める! 門を開けろ!」
異端
神の教えに反する邪教の徒。
神話時代から仲の悪い神を信望する者同士でお互いをこう罵り合い、殺しあってきた。
「・・・はっ! 難癖付けて金が欲しいだけだろうが!」
「・・・聞こえるぞ」
ピエール男爵は、部下をたしなめた。
「異端者などという恐ろしい物は我が国には居ないでしょう」
「それを調べるのだ! 門を開けよ!」
ピエール男爵は少し考える素振りを見せる。
「困りましたな。陛下の許しなくそれは出来ません」
「ならばさっさと許可を取るがいい!」
「陛下は外出中でありまして・・・いつ戻られるか・・・」
「ええい! そこを通せ!」
「陛下のご許可無く立ち入らせる訳には参らぬな」
「貴様!教会に逆らうか!!」
ゴンザレス王国騎士団長ピエール男爵は城壁の上から激昂した男を睨み付けた。
「逆らう? 貴方こそ何の権限があって王城に強引に押し入ろうとするのです?」
「な、なにぃ!?」
ピエール男爵の目が鋭くなる。

王国騎士団の騎士と兵達が弓に手を掛けた。
通常、騎士ともなれば弓などと言う下賎な武器は使わないとされる。
しかし、ゴンザレス王国の源流であるエレドゥア第二帝国では弓は高貴な武器とされ、ゴンザレス騎士が最も熟練した武器であった。
「正式な通達無くば、幾ら教会聖騎士団とは言え不法入国・・・お引取りを」
兵士達が弓をつがえ、騎士たちはクロスボウを構えた。
「きょ・・・教会に逆らう気か!」
「はて・・・教会からは何の通達も受けていませんが?」
「これは査察である! 事前通達なしは当然であろう!」
ピエール男爵は自慢の髭を弄りながら笑った。
「・・・ならば教会に問い合わせ、確認しなくてはいけませんな」
「な・・・なにぃ?!」
「ゴンザレス王国は神に認められた独立国! それを侵そうとするならば教会の正式な許可が出ているか確かめるのは当然でありましょう?」
目に見えて、教会聖騎士の顔が変わる。
「ぐぬ・・・それには及ばぬ・・・我らが拙速過ぎた様だ・・・ここは引かせて貰う」
「ご自由に」
「だが我らに逆らった事! ただで済むと思うなよ!」
「ほう・・・帝國と同盟関係にある我が国と事を構えるつもりですかな?・・・法王陛下の御許可もなしに」
ピエール男爵は余裕の表情で言葉を返す。
「く! 覚えておれ! 退くぞ!」
教会聖騎士団は馬を翻し撤退して行く。

「ふん・・・下郎が!」
「よろしいのですか? 教会聖騎士団と事を構えて」
副騎士団長の一人が不安そうに問いかけた。
「所詮、難癖付けてタカリユスリしか出来ない屑共だ。帝國と敵対などできんよ・・・教会も、もうすぐ見捨てる頃だ」
「見捨てる・・・でありますか?」
「奴らは最近では臨検という名目で山賊行為まで手を染めているそうだ・・・帝國の居る今、教会ももはや庇いきれん」
「神様より帝國様ですか」
「止めろ・・・卑下すべきは教会であって神ではない」
「は! 申し訳ありません!」
ピエール男爵はクロスボウを聖騎士団が去って行った方に向けはなった。

長きに渡る教会支配の腐敗の象徴と呼ばれ、ゆすり、略奪を欲しいままにした教会聖騎士団が、帝國属領ロドニー王国の手で検挙されたのは、それから1年後だった。
容疑は「ゆすり」と「強盗」、「盗賊行為」であった。
この事件を契機に教会の腐敗と権威失墜が一般平民にすら明らかとなり、教会はその求心力を完全に失う事になる。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー