自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

外伝的掌編『神賜島物語 ~空閑穂積の場合~』あとがきと補足

最終更新:

Turo428

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だれでも歓迎! 編集
744 :303 ◆CFYEo93rhU:2011/08/28(日) 10:44:17 ID:.jPluDd.0
    経済関係の話が盛り上がっているようなので、少し返信をします。
    お話の投下は、今日はありません。


    >>734
    >>736
    >>737

    お褒めに預かり、光栄です。
    直ちに影響はないとは、つまり今後に影響があるんですね。
    『神賜島物語 ~空閑穂積の場合~』の続編頑張るぞー。


    >>735

    日本陸軍の砲弾は、対戦車用徹甲弾であっても冶金技術の低さから強度不足で貫徹力不足。
    日本海軍の砲弾は、対戦艦用徹甲弾であっても水中弾効果を重視した形状から貫徹力不足。

    という話をよく耳にします。
    47mm砲の新型チハであっても、カタログデータの上では遠距離でも十分に貫通可能な筈の
    M3軽戦車の“側面装甲”を抜けなかったとかいう話も、どこかで見た記憶があるのですが。
    M3中戦車の事だったかな?


    >>738

    皇国円の普及(特に紙幣の普及)は、難しい問題ですね。
    百円札のような超高額紙幣を渡した所で、それを使えるのは皇国を相手にした時だけ。
    リンド王国や他の大陸国との取引に、皇国紙幣は使えません。
    “紙”としての価値でも、色々印刷されている紙幣より
    何も書かれていない和紙や洋紙の方が高いでしょう。
    美術品としての価値が発生するかどうかという感じ。

    『辺境民に皇国紙幣で賃金を払う → 辺境民は皇国紙幣でリンド王国などから
     日用品や必要な物品を購入 → リンド王国は皇国紙幣で皇国から技術を買う』

    というようなサイクルが成立すれば良いんですが、上手く行くだろうかちょっと自信がありません。
    今の所、皇国円は金貨や銀貨であれば辛うじて通用するので、兌換紙幣を受け入れて貰えるなら話しは早いですが。


    塩相場が安ければ、外部から輸入する時に有利だが、輸出する時に不利。
    辺境の人が塩を売って別の生活必需品を買うとなると、塩相場が安いと不利。
    皇国の介入で塩が大量生産されれば、塩相場は下がるでしょうから、それを交易に使うとなると不利になるでしょうね。
    まあ、皇国が安く買い叩ける下地を作るために……という考えも、私にあったんですけれど、恨みを買いますね。

    『岩塩鉱山の労働者には1日1バルン(≒5g)の食塩を与え、残りは皇国が相場で買い取る。
     労働者に対する報酬は、それとは別に銀貨を支払う。出来高払いで、多く採掘すれば多くの賃金を払う』
    とかなら良いかと思ったのですが、多く採掘すれば多くの賃金を得られると、頑張れば頑張るほど塩相場が下がる。
    つまり、働けど働けど総合的な地域の収入は増えない。という部分で恨みを買うか?
    かといって、採掘量に関係なく賃金は一定だと、みんな真面目に働かないだろう。
    ノルマに満たない奴は鞭打ちとかの“罰”で働かせても恨みを買うだろうし……八方塞。

    どんなに塩の生産が増えても皇国が固定相場で買い取ります
    だと、以前からある他地域の塩相場が混乱するでしょう。

    そうでなくても、皇国が現地の人を雇うときに現地の雇用相場を
    無視して“皇国価格”で雇えば、現地経済がおかしくなるから、
    皇国政府はその時点でのその地域の相場を重視する方針です。

    向こうが望んで皇国に教えを請いに来たとしても、こちらから押しかけていって手を加えたとしても、後が怖い。
    辺境地域を開発して港やインフラを整備しても、後世『皇国は我々から全てを収奪した!』とか騒がれたら嫌だ……。


745 :303 ◆CFYEo93rhU:2011/08/28(日) 10:45:13 ID:.jPluDd.0
    >>739

    今まで、本編中では特に描写してこなかった事なのですが、
    皇国世界での皇国銀行券は全て『兌換紙幣』という前提で書いています。

    史実のように、不兌換制度に移行していないだけとも言えますが、
    客が10円札を銀行に持って行って「換金して」と言えば、銀行は10円分の
    金貨か銀貨、あるいは金銀の地金を客の要求どおりに用意せねばならない社会。

    ただし、皇国本国で生活する皇国人は、例えば10円の買い物をするのに10円金貨を持ち歩くより、
    10円札なり1円札を10枚で済ませる事が殆どなので、モノとしての金貨や銀貨は死蔵されている。

    皇国政府は、その死蔵されている金貨や銀貨をF世界との交易に使っている。
    という感じで……今はまだ、流出している金貨や銀貨の総量が少ないから大丈夫ですが、
    もしもこのような交易が続けば、市中に流通する紙幣の量と、銀行が準備する正貨の
    量が釣り合わなくなり、いずれ兌換に応じられなくなるという想定は勿論あります。
    どの道、皇国の経済発展が進めば、将来的に神賜島の金鉱山を頼ることになるでしょうが。

    F世界に転移した初期段階では、皇国という国家の信用がゼロなわけですから、
    「本当に兌換に応じてくれるのか」とか「皇国の金貨の質はどうのなのか」という意味での信用が
    得られていない段階で、兌換紙幣だろうが不兌換紙幣だろうが関係なしに受け取り拒否されるでしょう。

    1リルス金貨とほぼ等しい価値と認められた20円金貨に兌換可能な20円紙幣があったとしても、
    “20円紙幣と20円金貨のどちらを選ぶか”とすれば、交易相手は20円金貨を選ぶでしょう。
    20円金貨を1リルス金貨と両替してくれる両替商は居ても、
    20円紙幣を1リルス金貨と両替してくれる人は居ないです。
    金貨は、皇国への信用ではなくて金という物質への信用から来るので、発行元が何処で
    あろうと、それが『本物の金』であるならば受け取りを拒否する理由は特にありません。

    皇国が食糧を輸入するにあたっても、紙幣やら手形ではなく、金貨や金塊という「現物」を
    わざわざ用意して見せて、相手に空手形ではないという信用を持ってもらわないと話が進まない。

    一応、F世界でも銀行や信用金庫での正貨の預り証を、兌換紙幣のように
    “金貨と等価値の証券”として取引に扱う例が無いとは言えないので、
    兌換紙幣であれば受け入れられる余地が無いとは言えないと思っていますが、
    皇国のように“高額貨幣は全部紙幣で済ます”程に割り切った世界ではないのです。

    当面は皇国の金貨や銀貨を相手国に認めてもらって流通させ、徐々にそれを紙幣に
    転換して行くしか、いきなり紙幣を認めさせるのは不可能と考えているのですが。


    >>740

    化学製品ではない日用品……夜鍋した手袋みたいな内職レベルの商品?
    そんなものばかりだと、船で運んでまで売っても採算取れないでしょうね。
    採算取れるレベルに値段を上げたら誰も買わないだろうし。

    観賞用に品種改良された花の種や球根でも売るか……。


    >>741

    サプリメントに何故か低反発枕がついてくる通販番組みたいなノリですね。
    何を言いたいかというとつまり、皇国製品や技術の素晴らしさを相応に理解してくれる人が
    相手でないと、皇国の技術をオマケしますと言ったところで要らない低反発枕扱いされかねない。

    ポゼイユ侯爵のリアン様のような人は少数派で、辺境の無学な民となれば尚更。
    蓄財すると大国が奪いに来るから、宵越しの金は持たないのが彼らの生き方です。


    “皇国製品の購入には、円での支払いでしか応じない”というのは、円を広めさせるための荒療治ですね。
    絹だとか銃だとか、最初の幾らかはタダであげたり現地通貨での購入も受け付けるけど、それ以降の取引は円に限る。
    それで皇国製品を確実に買えるのであれば、皇国紙幣と現地金貨の両替だって成立するでしょうけれど……。

    『F世界の商人が、現地金貨を皇国紙幣に両替 → 皇国円で皇国製品を購入(皇国は外貨として
     現地金貨を得る) → F世界商人が皇国製品を転売するとあら不思議、最初より金貨が増えてる!』

    なんて事になると、不味いです。
    でも、そういう事を既に皇国は(必要に駆られて)やっちゃってる
    という話をいつか投下しようと思っていたのですが、時機を逸したか。


746 :303 ◆CFYEo93rhU:2011/08/28(日) 10:47:21 ID:.jPluDd.0
    >>742

    『錬金術を忌避する世界観』ですので、際限の無い通貨の増加は『神意に反する』でしょうね。
    大きな変化を望まないので、ある意味で各国は協調して計画経済をしてきたとも言えます。

    通貨供給量とモノやサービスの量が比例して上昇や下降すれば物価は安定しますが、
    比例関係が極端に崩れると古代魔法王国の二の舞になるという恐怖があります。

    米や小麦のような主食となる作物であっても、豊作の年や凶作の年もあるから、
    完全な物価の安定なんてありえないですが、それでも出来る限り安定を図る。


    >>743

    皇国は、F世界現場の決済に金貨を使っている。
    という描写はちょくちょく入れていたつもりが、過去ログを見てもそんな事はなかった!
    未投稿のジャンクに書かれている内容を、勝手に「作者と読者の共有認識」としていました。
    ごめんなさい。

    皇国は昭和17年の段階で金銀複本位制で、紙幣の兌換制度は現役なため、
    旧来の貿易銀と、現役の金貨や銀貨を併用してF世界と決済しています。

    vol.22の >674に
    ―― 王女が見たのは、皇国の20円金貨である。市内では、1リルス金貨と同等のものとして通用していた。 ――

    と、ありましたが……。
    これだけでは、20円金貨が現役なのか、用済みのものを引っ張り出してきたのか解らないですね。
    本文の説明不足を後から欄外で補足せずに済むように、書いているつもりでこれですから。


    紙幣の問題は、幕末の『1ドルは、幕府の一分銀で、1枚なのか3枚なのか問題』と根を同じくするかも。
    “天保一分銀は小判(金貨)と対応した名目貨幣に過ぎず、それ自体の金属としての価値は関係無い”
    というような理屈は、当方F世界では通用する可能性が限り無く低い。

    紙は紙なんだからと『20円紙幣を紙幣として両替した場合の価値は1ルーブ』みたいになったら、
    1ルーブを20円紙幣に交換して、それを20円金貨に交換すれば2000倍儲かるヒャッホー! という話に。
    まあ、そんな馬鹿な話が到底認められるわけが無いですが……。
    もしも『20円紙幣は1ルーブという相場でなければ、紙幣での決済には応じない』と出られたら、一発かますしかないのか。

    アメリカ側は、幕府の通貨事情を知った上で『銀1ドルは銀3分』という相場を呑ませてますから、悪どいです。
    幕府は欧米諸国に一発かます力が無かったのでしませんでしたが、皇国だったら……。


    ※本編の補足説明

    ユラ神国やリンド王国、イルフェス王国の通貨はリルス金貨で、転移直後の現在は1リルス=20円の固定相場です。
    しかし、金貨に含まれる純金の含有量や、皇国の国力を加味すれば、この相場は円安に傾いています。
    純金の含有量から単純計算した適正な相場は、凡そ1リルスが15円~17円くらいが妥当でしょう。
    円安に扱われるのは信用がない事も大きいですが、1リルス=20円だと計算が楽なんです。

    ・金貨1リルス=20円
    ・銀貨1シアル=1円
    ・銅貨1ルーブ=1銭

    となるので、“とりあえずの相場”として、半年間はこれで行こうと。
    1リルス=16円という相場にしても、1シアルが80銭、1ルーブが8厘
    となるだけで、不都合が大きいとまでは行きませんが……。
    作者の私にとって計算が楽という事情も無きにしも非ず。

    蕎麦で比べると、皇国での物価が、かけ蕎麦1杯15銭~30銭くらい。
    ユラ神国やリンド王国での物価が、ガレット1食2~3ルーブくらい。


    ちなみに、リルス金貨は大内洋のリロ王国が発祥で、それが海を渡って
    東西に広まった結果、東西両大陸で広く使われる唯一の通貨となりました。
    最も広域を支配する通貨なので、F世界で流通する『主要三大通貨』の中では、規格や品位が一番厳格です。

    その利便性から、過去にユラ神国が発行していた自国通貨ゴドレンを教皇自ら駆逐してしまいました。
    リルスの記号は、皇国世界のアルファベットに当て嵌めると『G』です。ゴドレンの『G』。
    時の教皇が、リルス金貨を差して「新しいゴドレン金貨」と言ったので、辻褄を合わせた
    だけで、本来は『リロ・リルス』ではない『ユラ・リルス』を表す記号だったのが、
    ユラ教国も多い事から、リルス金貨全体を『G』で表すようになりました。
    今や“リルス金貨の発祥国はユラ神国”と思ってる人も……。

747 :303 ◆CFYEo93rhU:2011/08/28(日) 10:49:12 ID:.jPluDd.0
    雑談終了です。
    また来月以降にお世話になります。  

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