まずいことになったと古手梨花は思った。
主催者と面識がある大場大翔といち早く合流できた。これは最高だ。他の人間では替えがきかない。
雛見沢の仲間である富竹ジロウと合流できた。これもかなり良い。殺し合いの場で信頼できる人間は貴重だ。
超能力者である磯崎蘭と合流できた。これも良い。信頼はできないが特殊な力自体には使い道がある。
主催者と面識がある大場大翔といち早く合流できた。これは最高だ。他の人間では替えがきかない。
雛見沢の仲間である富竹ジロウと合流できた。これもかなり良い。殺し合いの場で信頼できる人間は貴重だ。
超能力者である磯崎蘭と合流できた。これも良い。信頼はできないが特殊な力自体には使い道がある。
(この三人までなら車にも乗れるしいいのだけれどもね。)
「あの二人も参加者だろうね。銃を持っているが……君たちはここにいてくれ。」
「あの二人も参加者だろうね。銃を持っているが……君たちはここにいてくれ。」
そう言う富竹の視線の先には、彼が乗ってきた軽トラと二人の人影がある。
遠目だがそれが高橋大地と白井玲の二人だとわかった梨花は、どう対応すべきか悩んでいた。
前のループで学校の集団の仲間だった二人の人となりは一応はわかっている。全く知らない人間よりかは信用はできるのだが、状況が状況だった。
今の梨花は、学校において殺される運命にある明智吾郎を助けるために急がなければならない身だ。富竹と蘭という早めに合流しておきたい人間と会えたから悠長に情報交換しているが、できるのなら今すぐにでも学校に出発したい。ここで二人と初対面として会い、自己紹介や情報交換する余裕は無い。
しかし、では二人を無視するのかというのも難しい話だ。よりによって二人は梨花が使いたい富竹の車の近くにいる。この異様に静かな町で車など動かせば目につくのはわかるが、だからといってうざったいことには変わりない。そして富竹も大翔も、性格的に彼らを放っておくはずがない。
遠目だがそれが高橋大地と白井玲の二人だとわかった梨花は、どう対応すべきか悩んでいた。
前のループで学校の集団の仲間だった二人の人となりは一応はわかっている。全く知らない人間よりかは信用はできるのだが、状況が状況だった。
今の梨花は、学校において殺される運命にある明智吾郎を助けるために急がなければならない身だ。富竹と蘭という早めに合流しておきたい人間と会えたから悠長に情報交換しているが、できるのなら今すぐにでも学校に出発したい。ここで二人と初対面として会い、自己紹介や情報交換する余裕は無い。
しかし、では二人を無視するのかというのも難しい話だ。よりによって二人は梨花が使いたい富竹の車の近くにいる。この異様に静かな町で車など動かせば目につくのはわかるが、だからといってうざったいことには変わりない。そして富竹も大翔も、性格的に彼らを放っておくはずがない。
(合流は避けられない。なら、せめて移動しながら話をするように持っていくしかないわね。)
『蘭、このままじゃ学校に行くのが遅れるわ。富竹に車を出させるようにさせるから協力して。』
『蘭、このままじゃ学校に行くのが遅れるわ。富竹に車を出させるようにさせるから協力して。』
梨花が蘭に目で合図しながら、頭の中で言葉にする。梨花にテレパシーの能力は無いが、蘭は高い感応能力で条件が整えばテレパシーも可能にする。少し難しい顔をしたあと、梨花の頭にも言葉が聞こえてきた。
『わかったけど、どうするの?』
『一つのところにいたら危ないやつに見つかるかもって言うわ。富竹なら場所を変えようと言い出すはずよ。車さえ出させれば学校に向かわせられる。』
(また二人で見つめ合ってる……)
『一つのところにいたら危ないやつに見つかるかもって言うわ。富竹なら場所を変えようと言い出すはずよ。車さえ出させれば学校に向かわせられる。』
(また二人で見つめ合ってる……)
なお、テレパシーは傍受される可能性もあるのだが、そういうセンスがあまり高くない大翔からすると二人で目配せしているようにしか思えなかった。
仕方がないので富竹の方を見る。大翔から見てもやけに無警戒に車の二人へと近づいていくのでヒヤヒヤするが、案の定声をかけたとたんに銃を向けられている。動じていないのは神経が図太いのか何か策があるのか。後者であってほしい。
仕方がないので富竹の方を見る。大翔から見てもやけに無警戒に車の二人へと近づいていくのでヒヤヒヤするが、案の定声をかけたとたんに銃を向けられている。動じていないのは神経が図太いのか何か策があるのか。後者であってほしい。
「あ、こっちに来る。」
「みー。怖い人じゃないですよね? ぶるぶるなのです。」
(コイツのキャラはなんなんだろう。)
「おまたせ、二人を連れてきたよ。君たちも入って、どうぞ。」
「「おじゃましまーす……」」
「みー。怖い人じゃないですよね? ぶるぶるなのです。」
(コイツのキャラはなんなんだろう。)
「おまたせ、二人を連れてきたよ。君たちも入って、どうぞ。」
「「おじゃましまーす……」」
なにはともかく、富竹は無事に二人を連れてきた。男子二人に少しホッとする。同年代が女子だけで気まずかったのだ。
(あれ?)
大翔はその顔を見た途端になにかデジャヴのようなものを感じた。たぶん、二人とも初対面のはずである。なのになぜか初めて会った気がしない。
もしかして有名人とか、なんかのバラエティ番組の一般人が出てくる的な企画で見たか?と記憶を辿るが全く思い当たるフシがない。が、まあ別に思い出さなくてもいいような感じのあれだろうと思い直した。それよりも話しておきたいことがある。
もしかして有名人とか、なんかのバラエティ番組の一般人が出てくる的な企画で見たか?と記憶を辿るが全く思い当たるフシがない。が、まあ別に思い出さなくてもいいような感じのあれだろうと思い直した。それよりも話しておきたいことがある。
「お疲れ様です。それでいきなり──」「お疲れ様なのです。それで富竹──」
「あ。悪い、先どうぞ。」
「あ。悪い、先どうぞ。」
梨花と被った。なんかコイツとは噛み合わない。
「ありがとうなのです。それで富竹、ここから離れた方が良いと思うのです。」
「あ、それ今言おうとしたやつ。」
「あ、それ今言おうとしたやつ。」
あ、噛み合った。
「ああ、実は僕も戻ってきたらその話をしようと思っていてね。今回は彼らのように話し合いに応じてくれる人だったけれども、そういう人だけとは限らないし、場所を変えようと思ってたんだ。」
「みー、そうだったのですか。」
「と言うわけで、二人が来てそうそうだけどみんな車に乗ってくれ。4人、荷台に乗ってもらうことになるけど……ジャンケンか何かで決めてね!」
「いや、荷台でいいですよ。」「こっちも。」「うん。」「あ、わたしも。」「じゃあぼくも。」
「あれ、助手席誰も乗ってくれない流れ?」
「富竹かわいそなのです。じゃあ乗ってあげるです。」
「みー、そうだったのですか。」
「と言うわけで、二人が来てそうそうだけどみんな車に乗ってくれ。4人、荷台に乗ってもらうことになるけど……ジャンケンか何かで決めてね!」
「いや、荷台でいいですよ。」「こっちも。」「うん。」「あ、わたしも。」「じゃあぼくも。」
「あれ、助手席誰も乗ってくれない流れ?」
「富竹かわいそなのです。じゃあ乗ってあげるです。」
道路交通法をぶっちぎって軽トラに乗り込む男子小学生3人と女子中学生1人。とてもお子様に見せられない状況である。
シートベルトも何もない車が走り出し、荷台のメンバーがひとしきりざわめいた後、自然と情報交換となった。
シートベルトも何もない車が走り出し、荷台のメンバーがひとしきりざわめいた後、自然と情報交換となった。
「じゃあお前らもなんかヤバイものに追いかけられる経験してるんだな。」
「小学生ってなんで追いかけられるんだろうね。」
「今度は殺し合いだもんな……」
「子供を命がけの状況に追い詰めたいやつがいるんだろう。そういえば、磯崎さんは何かに襲わたりしたことないんですか?」
「え、無いよそんなの。ちょっと学校の先生された悪いことしてたとかそのぐらいで。」
「生々しいな……」
「小学生ってなんで追いかけられるんだろうね。」
「今度は殺し合いだもんな……」
「子供を命がけの状況に追い詰めたいやつがいるんだろう。そういえば、磯崎さんは何かに襲わたりしたことないんですか?」
「え、無いよそんなの。ちょっと学校の先生された悪いことしてたとかそのぐらいで。」
「生々しいな……」
盛り上がるのは鉄板の命がけトークだ。男子は3人とも何かとんでもないものに追いかけられた経験があるので、命がけあるあるが飛び交う。それぞれ中々人に話す機会が恵まれなかったので、やれ準備運動しないでいきなりダッシュはキツイだの、イメージ通りに体を動かすには日頃かのトレーニングが大切だのと今まで温めていたネタを開陳していく。
なお、3人とも互いの言っていることは本当だと信じていた。なにぶん人に説明しにくいことだったので、無条件に信じてくれる相手をやはり無条件に信じてしまう。
そんな3人のトークについていけない蘭も、元々聞き役もできるタイプなのでなんとなく話に混じっている。が、3人よりは周囲に目を配っていたので、いち早くそれに気づいた。あの学校だ。
梨花たちに声をかけようとして、車がそちらへと向かう。どうやらあちらも気づいたようだ。とにかくこれで明智吾郎さんを助けるのに間に合った。そう思いながら校門まで来て、校門から1人の少女が走り出してきた。
なお、3人とも互いの言っていることは本当だと信じていた。なにぶん人に説明しにくいことだったので、無条件に信じてくれる相手をやはり無条件に信じてしまう。
そんな3人のトークについていけない蘭も、元々聞き役もできるタイプなのでなんとなく話に混じっている。が、3人よりは周囲に目を配っていたので、いち早くそれに気づいた。あの学校だ。
梨花たちに声をかけようとして、車がそちらへと向かう。どうやらあちらも気づいたようだ。とにかくこれで明智吾郎さんを助けるのに間に合った。そう思いながら校門まで来て、校門から1人の少女が走り出してきた。
(あれ? これって。)
「今だ!!ヴァイオレット君!!逃げて!!」
「間に合ってない!?」
「今だ!!ヴァイオレット君!!逃げて!!」
「間に合ってない!?」
そして校庭で、1人の男性の首から血が吹き上がるのを目にした。
そしてそのすぐ後。
そしてそのすぐ後。
突如として校庭にオオカミとライオンとクマが現れた。
化物が跳梁跋扈し、魑魅魍魎が会場を練り 歩くこのバトル・ロワイアル。
北部の森林地帯では一頭の動物が注意深く地面の匂いを嗅いでいた。
その名は、ロボ。狼王と名高いべらぼうにスゴいオオカミである。
開始一時間で首尾良く四道健太を倒した彼は、その場からすぐに離れ次の標的を探していた。
あの爆発はなかなかに大きいものであり、近くにいた自分にも臭いが着いてしまっている。留まっていては銃の的だ。今後のことを考えれば死体を喰うという選択肢もあったが、殺さなくてはいけない相手に人間が多いようなので、警戒されないためにやめておく。狼であるということのメリットを活かして立ち回る気だった。
しかし、どうだろうか。この臭いは。妙な人間臭さが混じっているが間違いない。グリズリーの臭いだ。
人間で言う舌打ちに類する唸り声を小さく上げて、ロボは思案する。この生き物の気配無き死んだ森にグリズリーがいるかと考えれば、ノー。今まで見た生物は先程殺した人間だけ。となると、嫌な想像をせざるを得ない。
この戦いにはグリズリーが参加させられている、と。
ロボはすぐに臭いを追い始めた。ある意味人間よりも手強い相手である以上、とにかく先手を取らなくてははじまらない。ただ、先んじて奇襲しても勝ち目が薄いのも理解している。
通常、オオカミはグリズリーを襲わない。攻撃力、防御力、運動性、戦いにおいて重要なそれらの三要素においてどれも分が悪いからだ。アイヌ犬のようにヒグマに対しても勇敢に立ち向かう仲間の種もあるが、しかしそれは決して賢明な行動ではない。オオカミが集団で襲いかかってもなお返り討ちに合うのが、グリズリーなのだ。
しかし、ロボはグリズリーを討つ算段を組み立てつつあった。
たしかにグリズリーは強敵だ。オオカミの牙はその毛皮を貫けないのに対して、グリズリーは爪の一撃でさえ容易にオオカミを絶命させる。しかし、グリズリーとて人間の銃ならば殺しきれるであろう。特に先程の爆発する銃ならば、どのような生き物であろうと無事ではいられまい。
そうして注意深く臭いを追跡して、ロボは自分の想像よりも早くグリズリーを見つけた。それは時間という意味よりも、距離という意味で。
北部の森林地帯では一頭の動物が注意深く地面の匂いを嗅いでいた。
その名は、ロボ。狼王と名高いべらぼうにスゴいオオカミである。
開始一時間で首尾良く四道健太を倒した彼は、その場からすぐに離れ次の標的を探していた。
あの爆発はなかなかに大きいものであり、近くにいた自分にも臭いが着いてしまっている。留まっていては銃の的だ。今後のことを考えれば死体を喰うという選択肢もあったが、殺さなくてはいけない相手に人間が多いようなので、警戒されないためにやめておく。狼であるということのメリットを活かして立ち回る気だった。
しかし、どうだろうか。この臭いは。妙な人間臭さが混じっているが間違いない。グリズリーの臭いだ。
人間で言う舌打ちに類する唸り声を小さく上げて、ロボは思案する。この生き物の気配無き死んだ森にグリズリーがいるかと考えれば、ノー。今まで見た生物は先程殺した人間だけ。となると、嫌な想像をせざるを得ない。
この戦いにはグリズリーが参加させられている、と。
ロボはすぐに臭いを追い始めた。ある意味人間よりも手強い相手である以上、とにかく先手を取らなくてははじまらない。ただ、先んじて奇襲しても勝ち目が薄いのも理解している。
通常、オオカミはグリズリーを襲わない。攻撃力、防御力、運動性、戦いにおいて重要なそれらの三要素においてどれも分が悪いからだ。アイヌ犬のようにヒグマに対しても勇敢に立ち向かう仲間の種もあるが、しかしそれは決して賢明な行動ではない。オオカミが集団で襲いかかってもなお返り討ちに合うのが、グリズリーなのだ。
しかし、ロボはグリズリーを討つ算段を組み立てつつあった。
たしかにグリズリーは強敵だ。オオカミの牙はその毛皮を貫けないのに対して、グリズリーは爪の一撃でさえ容易にオオカミを絶命させる。しかし、グリズリーとて人間の銃ならば殺しきれるであろう。特に先程の爆発する銃ならば、どのような生き物であろうと無事ではいられまい。
そうして注意深く臭いを追跡して、ロボは自分の想像よりも早くグリズリーを見つけた。それは時間という意味よりも、距離という意味で。
「グアアァッ!!」
ロボは反省した。この赤い霧は彼の想像よりも鼻を効かなくさせていた。正確に言えば霧というよりは風がないことが原因なのだが、それを考えてもなお、急激に臭いが強くなりグリズリーの至近距離まで近づいてしまっていた。そして、同時にロボの臭いも嗅ぎつけられてしまう。グリズリーの嗅覚はオオカミの数倍に達する以上、両者が互いに気づいたのはほぼ同時だった。
ロボは一目散に駆け出した。グリズリーと正面から闘う愚はおかさない。予定通り人間にぶつけるためにもここは背を向ける。
当然、グリズリーはロボを追う。だがそれさえもロボの計算の内だ。
ロボがグリズリーに対して有利な点は四つ。一つはスタミナ。グリズリーに比べて長距離を高速で走ることのできるオオカミは持久走ならば負けはしない。一つは機動性。泳ぎや木登りのような特殊な動きは不得手でも、単純に森をかけるのであれば一歩秀でる。そしてこれはロボ特有のものだが、知性。人間すらも手玉に取るその類まれなるインテリジェンスは、ホモ・サピエンス以外に遅れを取ることはない。
その知性で、ロボはグリズリーの執念深い習性も理解している。一度挑発すればどこまでも追ってくるだろう。
今ロボの視界に見えてきた、人里まで!
ロボは一目散に駆け出した。グリズリーと正面から闘う愚はおかさない。予定通り人間にぶつけるためにもここは背を向ける。
当然、グリズリーはロボを追う。だがそれさえもロボの計算の内だ。
ロボがグリズリーに対して有利な点は四つ。一つはスタミナ。グリズリーに比べて長距離を高速で走ることのできるオオカミは持久走ならば負けはしない。一つは機動性。泳ぎや木登りのような特殊な動きは不得手でも、単純に森をかけるのであれば一歩秀でる。そしてこれはロボ特有のものだが、知性。人間すらも手玉に取るその類まれなるインテリジェンスは、ホモ・サピエンス以外に遅れを取ることはない。
その知性で、ロボはグリズリーの執念深い習性も理解している。一度挑発すればどこまでも追ってくるだろう。
今ロボの視界に見えてきた、人里まで!
「グアアァッ! ガアオッ!」
咆哮を上げ迫るグリズリーを撒かないように気をつけながら、ロボは人里までトレインする。人間がいるとは限らないが、少なくとも森よりはいる可能性が高いだろう。それに、この臭い。近づくと急激に強くなった、銃の独特な臭い。そこに第四の強みが、体の小ささというアドバンテージがあれば、充分にグリズリーを狩れる。
ロボは理解している。自分よりも体の大きいグリズリーはより見つかりやすく、より銃に撃たれやすいと。
チラリと後ろを振り返り、しっかりと着いてきているのを確認すると、ロボは残していた足を使った。勢いを上げると、体の小ささを活かしてフェンスの下に開いた隙間から滑り込む。それは奇しくも、前のループで磯崎蘭が同様に追われてスライディングで通り抜けたところ。だがロボは壁面を駆けるのではなく、窓ガラスへと突っ込んだ。ハデな音を立ててグリズリーに気づかせる。そしてフェンスを突破するのに手間取るグリズリーを撃たせる。瞬時に考えついた策であった。
ロボは理解している。自分よりも体の大きいグリズリーはより見つかりやすく、より銃に撃たれやすいと。
チラリと後ろを振り返り、しっかりと着いてきているのを確認すると、ロボは残していた足を使った。勢いを上げると、体の小ささを活かしてフェンスの下に開いた隙間から滑り込む。それは奇しくも、前のループで磯崎蘭が同様に追われてスライディングで通り抜けたところ。だがロボは壁面を駆けるのではなく、窓ガラスへと突っ込んだ。ハデな音を立ててグリズリーに気づかせる。そしてフェンスを突破するのに手間取るグリズリーを撃たせる。瞬時に考えついた策であった。
「ガオッ!?」
「ワウッ!?」
「ワウッ!?」
しかし、瞬時に考えつくような策に穴はつきものだ。窓ガラスをぶち抜いて突入したのは、学校。そして前のループでいたのは、ライオン。
「ガアオッ!」
「グアァッ!」
「バアウッ!」
「グアァッ!」
「バアウッ!」
フェンスをあっさり突破し校舎に取り付いたグリズリー。それに驚きロボとライオンは反対側の窓ガラスをぶち抜いて校庭へと逃げる。もちろんグリズリーも校舎を経由して校庭へと追跡する。
「今だ!!ヴァイオレット君!!逃げて!!」
そして、前回同様にそこには明智吾郎により逃されたヴァイオレット・ボードレールが校門から逃げ出そうとしていて。それを追うべく芦川美鶴が体育館から校庭へと現れて。
思わず素で驚きらしくない声を上げるミツルと、校庭に現れ出たロボ、ライオン、グリズリー。互いが互いを牽制しあい、四角形になって睨み合いになる。
「なんだ……動物園から逃げてきたのか? 首輪を付けているということは、参加者なのか? なんでバトル・ロワイアルに動物を参戦させたんだ? これでは殺し合いじゃなくなるんじゃないか……?」
人間vsオオカミvsグリズリーvsライオンの異種格闘技戦のゴングが、ミツルのつぶやきとして校庭に響いた。
「この少女は……?」
「良いタイミングね、悪いタイミングとも言えるけれど! 車を出して!」
「え、英語!? だ、誰かわかる?」「俺ら小学生ですよ、蘭さん中学生なんだからなんとかしてくださいよ!」「わ、わたしリスニングはちょっと……」
「良いタイミングね、悪いタイミングとも言えるけれど! 車を出して!」
「え、英語!? だ、誰かわかる?」「俺ら小学生ですよ、蘭さん中学生なんだからなんとかしてくださいよ!」「わ、わたしリスニングはちょっと……」
一方校庭では少女が言葉の壁に直面していた。
【0100過ぎ 学校】
【古手梨花@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
今回のイレギュラーを利用して生き残る。
●中目標
自分が雛見沢からいなくなった影響を考えて手を打つ。
特殊な経験、または超常的な力を持つ参加者と合流する(でもあんまり突飛なのは勘弁)。
●小目標
学校に行って明智をミツルから助けられませんでした……けっこう時間シビアだったわね……
【目標】
●大目標
今回のイレギュラーを利用して生き残る。
●中目標
自分が雛見沢からいなくなった影響を考えて手を打つ。
特殊な経験、または超常的な力を持つ参加者と合流する(でもあんまり突飛なのは勘弁)。
●小目標
学校に行って明智をミツルから助けられませんでした……けっこう時間シビアだったわね……
【富竹ジロウ@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
民間人を保護し、事態を把握する。
●中目標
巻き込まれている知り合いを捜索する。
●小目標
外国人の少女(ヴァイオレット・ボードレール)から話を聞き、動物たちから逃げる。
【目標】
●大目標
民間人を保護し、事態を把握する。
●中目標
巻き込まれている知り合いを捜索する。
●小目標
外国人の少女(ヴァイオレット・ボードレール)から話を聞き、動物たちから逃げる。
【磯崎蘭@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、解決して家に帰る。
●中目標
今度は翠を死なせない。
●小目標
学校に行って明智さんをミツルから助けられませんでした……ど、どうしよう……
【目標】
●大目標
何が起こっているか調べて、解決して家に帰る。
●中目標
今度は翠を死なせない。
●小目標
学校に行って明智さんをミツルから助けられませんでした……ど、どうしよう……
【高橋大地@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
今回もまた前回(出典原作)みたいなことなのか……!?
●小目標
少女を助ける。
【目標】
●大目標
今回もまた前回(出典原作)みたいなことなのか……!?
●小目標
少女を助ける。
【白井玲@逃走中 オリジナルストーリー 参加者は小学生!? 渋谷の街を逃げまくれ!(逃走中シリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
今回のバトル・ロワイアルを生き残って家族の元に帰る。
●小目標
少女を助ける。
【目標】
●大目標
今回のバトル・ロワイアルを生き残って家族の元に帰る。
●小目標
少女を助ける。
【芦川美鶴@ブレイブ・ストーリー (4)運命の塔(ブレイブ・ストーリーシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す
●小目標
目の前の動物(ロボ・ヒグマ・ライオン)を殺し、逃げた少女(ヴァイオレット・ボードレール)を追う。
【目標】
●大目標
ゲームに優勝し、家族を取り戻す
●小目標
目の前の動物(ロボ・ヒグマ・ライオン)を殺し、逃げた少女(ヴァイオレット・ボードレール)を追う。
【ヴァイオレット・ボードレール@世にも不幸せなできごと 最悪のはじまり(世にも不幸なできごとシリーズ)@草子社文庫】
●大目標
このゲームから脱出する。
●中目標
1.首輪解除に必要な道具を発明する。
2.自分に配布された支給品の隠し場所へ行く。
●小目標
目の前の人たちと避難する。
●大目標
このゲームから脱出する。
●中目標
1.首輪解除に必要な道具を発明する。
2.自分に配布された支給品の隠し場所へ行く。
●小目標
目の前の人たちと避難する。