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児童文庫ロワ

バタフライ・エフェクト

最終更新:2023年01月09日 01:36

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だれでも歓迎! 編集
 村瀬司は困っていた。
 目の前には泣きじゃくる男の子。
 そして変な霧と空。
 あとさっき見た夢。
 そして。

「ここ、どこなんだよ……」

 自分は迷子ときた。
 これには途方に暮れる他ない。
 目が覚めたら見知らぬバス停のベンチに寝ていて、しばらくあたりを散策していたら同じように迷子になって泣いている子供と出会う。もちろんこんな経験は初めてだ。ここが死後の世界的なものだと考え始めたところで他人に会えたことは単純に嬉しかったが、これはいかがなものか。

(夢、なのか? こんなゲームみたいなことが起こるなんて。とにかく、あの子を放っとけないよな。)

 つかさはただの男子中学生である。顔は良い方だし運動神経だってバスケ部の副部長を務めるぐらいなので悪くはない。だが決して常識離れした身体能力も、子供とは思えない精神力も持ってはいない。
 これが他の参加者ならば多かれ少なかれ命がけの状況も、不思議な力も知ってはいるのだが、つかさはどこまでいっても一般人だ。
 人並外れたところと言えば、せいぜいが人の良さぐらいだろうか。性格が良いので人気はあるが、そのせいで損することもあるような、まあつまりただのイイ奴である。

「え〜っと、君、名前は言える?」
「うう……高橋、蓮……」
「レンか。俺は村瀬司。なあ、俺さ、今迷子なんだ。一緒に人を探すのを手伝ってくれないか?」
「……うん。」
「よし! 行こっか!」

 つかさは膝を折ると、蓮の顔を下から見上げるように言う。コクリと頷いたのを見てると、手を取り歩き出した。小学校低学年ぐらいだろうか、こんな小さな子どもを放っておくという選択肢は無い。
 小さな手は熱く、握ればギュッと握り返してくる。その感触に、ホッとしていた。一人でないことがこんなにも安心感があるなんて。

「あ、あったぞ! ほら、交番だ!」
「おまわりさんいるかな?」

 そして安心感は冷静さを連れてくる。
 霧に隠れて見えずらかったが、少し離れたところに交番を見つけた。指差して蓮へ見せると、二人で早足に進む。
 辿り着いた交番は、無人だった。テーブルの上には、電話器。それ以外はポスターぐらいで、使えそうな物は無い。そのことに心細くもあるが、何はともあれ交番というのは勇気づけられる。このままここでおまわりさんが帰ってくるのを待つのがいいだろう。

「電話しかないのか。他に何かないか?」
「ムラセ、鍵かかってる。」
「留守なんだし、そうだよなあ。」
「ムラセ、こっちも。」
「やっぱり開くわけ、あ。」

 いちおう奥への扉や机の引き出しも開けてみようとするが、しっかり鍵がかかっている。と、机の下に何かあるのが見えた。引っ張り出そうとしてその重さに驚く。何だこれはと思いながら引きずると、出てきたのはやけに太い形の銃だった。
 グレネードランチャーである。

「な、なんだこれ……ハリウッド映画に出てくるやつみたいだな……」
「かっけー!」
「……これ、銃なのか?」
「ムラセ! トビラこわそうぜトビラ!」
「いや、ダメだから!?」

 このロワの参加者には扉などお構い無くぶっ壊す者も多々いるが、もちろんつかさはそんなことはしない。よしんばするとしても交番のドアはハードルが高い。

「そ、そうだ、電話しよう。これまだ使ってなかったな。」

 話をそらすために一応電話をかけてみる。ちょっとその存在を忘れていたが、早く警察に通報したほうが良いだろう。そう思いかけるも、しかし繋がらない。家や友人にもかけるが同様だ。念の為に彼女であるほのかにもかけようとして、手が止まる。

「ムラセ、どうしたの?」
「なんでもない。どこにもつながらないんだ。」
「110番できないの?」
「ああ、どうしよう……」

 つかさの言葉を聞いて蓮の顔が曇る。なにか励ましの言葉をかけようと思うが、何も思いつかない。さすがにデスゲームに巻き込まれた小さな子供にかける言葉というのは直ぐには思いつかなかった。
 それでも何かないかと思いながら視線を色々とさまよわせる。
 するとポスターに並んで地図があるのに気づいた。が、文字が読めない。文字化けしたかのような変な字が書かれている。まるで夢の中で読んだ字のようで、むしろ違和感を覚えない。それより気になったのは、赤く印をつけられた交番らしき建物の近くにある大きな建物だった。その形には見覚えがある。学校だろう。

「学校かな。もしかしたら誰か避難してるかもしれない。」
「学校?」
「ああ、交番は留守でも、学校なら人がいるかもしれないぞ。」

 つかさは膝を折ると蓮に語りかけた。とにかく不安な気持ちをなんとかしてあげたい。それにつかさ自身、蓮同様に不安を感じている。
 蓮が手を握ったのを確認すると、つかさは学校へ向けて歩き出した。地図を見た限り大まかな方向と距離はわかる。角を一つか二つ曲がると、直ぐに校舎の影が見えてきた。霧さえなければ交番からでも学校は見えるだろう。


「よし、行った。」

 つかさと蓮の二人が行くのを、アキこと井上晶子は近くの建物の影から拡声器片手に見送った。
 アキは数名いるループ前の記憶を持つ人間の一人である。時間も空間も日本とは思えぬかがみの孤城という異世界での経験の賜物だろうか。といってもそれは夢の中の出来事のようにおぼろげで、既に本人も思い出せないが、それでも開始直後に一つだけ記憶に残っていたことがあった。
 拡声器を使うと学校の校門で撃たれる。それだけである。
 アキ本人もそれがなぜそうなるかはわからない。ただ、夢の中で自分がそれに強いショックを受けていたから、という理由である。だが正夢のように、学校近くの交番には拡声器があった。慌ててそれを持ち去ると、少しして校門で死んでいた少年が交番に来る。こんな状況なのにやけに冷静に行動する自分に驚きながらも、とにかくこれで夢と展開が変わった、彼女が安堵したその時。

 ぱらららら。

「な、なに? 銃の音?」

 イヤな音が響いた。慌てて音のした方へ向かう。そこには。

「な、なんで……」

 積み重なる四つの死体があった。



「また鬼ごっこか……しかも今回は殺し合えだなんて……まずいよ、ふだんよりかなりまずい。」

 教室に響く愚痴の声。
 櫻井悠は校舎の中で拳銃片手に頭を抱えていた。
 彼は幼なじみの大場大翔や宮原葵と一緒に、この一年何度も鬼ごっこに巻き込まれた。思い返せば最初の鬼ごっこの時も、今のように赤い霧に包まれた赤い空の下の学校が舞台だった。違いがあるとすれば、今回は一人きりでのスタートで首には物騒な首輪がつけられていることか。

「前回よりもヤバイじゃんか……まずい!」

 なおも愚痴を続けようとして、小さく悲鳴を上げる。彼が聞いたのは足音。それは息を潜める彼を探すように校舎を徘徊している。今に至るまでの三十分ほど、彼は謎の気配と鬼ごっこをしていた。なんとか校舎から脱出できないかとチャンスを待ってはいるが、敵は悠が上の階から回り込もうとすれば反対側の階段へと向かい、下の階へ降りようとすれば、下と向かう。なかなか逃げられない。
 元々悠は運動は苦手だ。この一年走りたくもないのにさんざん走らされたが、それでもどう控えめに見たところで中の中ぐらいだろう。ゲームなら得意だが、こう力押しで来られるとちょっとやりようがない。
 そして困ったことに、悠の目の前に落ちているのは、ライフル。この校舎の至るところにこんな銃が落ちている。つまり、敵は確実に銃を持っている。そしてもちろん、ただの小学生である悠にこんなものは使えない。つまり、見つかるイコール銃殺だ。校舎はその設計上、廊下で移動しようとすると撃たれやすい。今まではなんとか回りこんで射線を通さないことでやり過ごしてきた、が。

 タタタタタ……!

(走ってきた!? ダメだ、逃げ場がない!)

 悠の顔が一気に青くなる。
 やられた。
 敵は一気に距離を詰めてきた。
 今までは悠も銃を持っていると考えてかなかなか接近してこなかったが、撃てないと察せられたのか、突撃してきた。
 窓と銃を見る。3階から飛び降りれば死ぬ。銃はガンシューをあんまりやってないので撃ち負けて死ぬ。どちらを選んでも死ぬ。

(いや、まだだ!)

 だが悠の目は死んでいなかった。
 咄嗟に床に伏せる。
 ポケットから手榴弾を取り出す。
 手を気をつけするように体の横に着け、足はまっすぐ伸ばしてうつ伏せになる。
 そう、その作戦は。

「う、動かないで!」
「動かないです抵抗しないですなんにもしないですなんでもしますから殺さないでください!!!」
「え、ええ……」

 全力の命乞い。
 悠のクッソ情けない姿に、頭の上から少女の困惑した声が聞こえる。
 自分が今最高にかっこ悪いことを自覚しつつも、とりあえず撃たれなかったことに、悠は心の中でガッツポーズした。
 悠が出会った少女の名前は、工藤穂乃香。1歳上で中学生だという。その三つ編みってセットするの大変そうだなあとどうでもいいことを思いながら、悠は穂乃香と情報交換を始めた。
 実は彼女も悠に追いかけられていると思っていたらしく、必死になって校舎を逃げ回っていたという。誤解していたことがわかると一転して二人の間から緊張感が無くなり、話は自己紹介に移った。

「鬼と鬼ごっこ……」
「信じられないですよね。」
「ううん……悠くんが嘘をついてるって思わないよ。」
「本当ですか?」
「うん。そんな冗談言いそうにないし……外の、空とか霧とか変だし……」
「ああ……うん。」

 人に言っても信じてもらえなかった鬼ごっこのことも、隠さず話して、あっさり信じられたことに驚きながらもそりゃそうだよなと悠は思った。
 穂乃香が危険そうには見えないものの幼なじみの話をするのはリスクがあると思って食いついてきそうな鬼ごっこの話を主にしてみたが、予想よりも受け入れられた。どうやらけっこう素直な人なんだな、と思う。
 出会ったばかりだが悪い人ではまずない。そう思う。

(良かった〜、てっきり殺し合いだから怖い人ばっかいるのかと思ったけど、ふつうそうな人で。もしかしたら他の参加者も全員子供なのかな?)

 これなら誰かと会うことも考えたほうがいいかもしれない。殺し合いに反対する誰かが動いてくれるまでどこかで隠れていようと思っていたが、少し動いてみようか。余裕が出てくるとそんな考えまで生まれてくる。

「穂乃果さんも、そういう命がけのゲーム、みたいなことはやったことないんですか?」
「な、無いよ! そういうの全然無い、ふつうの人生です。」
「夏休みに友達のおじいちゃんの田舎に行ったら殺されかけたり、校外学習の最中と帰りの学校で殺されかけたり、友達が化物になったりは?」
「無い! 無い! ぜんぜん無い!」
「平和すぎない? それ日本の話?」
「に、日本は平和だと思うよ……」

 話してみると、どうやら穂乃果は予想以上にふつうの生活を送っているようだ。いやちょっとふつうじゃないわ。村瀬先輩とかいうイケメンのバスケ部先輩となんか仲良さそうだわ。その甘酸っぱい雰囲気に思わず気圧される。年齢的には一つしか違わないのになぜこうも違うのかと幼なじみ二人を思い浮かべる。ゲームとかだと幼なじみはくっつきがちだが、あの二人にはそんな気配は皆目無い。夏休みに4人で田舎に行ったときも、葵の水着に全く興味も関心も無かったなあと、懐かしさに浸ってしまう。

「なんだろう、ジャンプのバトル漫画とラブコメ漫画ぐらい違う。これ同じレーベルだったら風邪ひくよ。読者層全然違いすぎるじゃん。」

 待遇格差に思わず遺憾の意を表明する。なんで自分たちが鬼と命がけの鬼ごっこしてる間に青春しているのか。ひがみの一つも言いたくなるが、言っても自分が惨めなだけなのでやめておく。

「いや、わかってたよ……なんかこういうところでドラマチックに出会ったってさ、ただの吊り橋効果だって……たぶんこんな感じではしゃいじゃってる男子は他にもいるって……自分は違うんじゃないかな、ここから二人の恋のDestinyが始まるんじゃないかって思ったのはウソじゃないけど……」
「悠くん? 悠くーん?」
「あ、平気っす、何でもないっす、ちょっとジャンル勘違いしただけっす、やっぱ怖いっすねデスゲームは。」
「口調が変になってるよ!?」

 それでも少しは弱音を吐きたくなる。なんか自己紹介の時に女友達のこと話すときより声のトーン高かったし、いやなんかわかるんだけど、なんだかなあ。

「あっ、村瀬先輩!」

 そんな感じで悠がたそがれていると、突然穂乃果が声を上げた。その声にはどう聞いても喜びの色ムンムンである。
 これは……彼氏じゃな?
 どれどんな奴かと悠も窓から外を見る。なるほど、校庭の先にある校門には、子供と手を繋いでる少年がいた。よく誰かわかったなこの距離で。恋する乙女のパワーか?

 ──瞬間、悠の体に寒気が走った。
 ──イヤな、予感がする。

「穂乃果さん……待ってください、行っちゃだめだ……」
「……え?」

 悠は自分の体の震えを抑えながら言った。
 悠は昔から、虫の知らせとも言うべき勘の良さがある。そしてそれは決まって、自分や周りの親しい誰かに不幸が訪れるときだ。そしてそれが今まさにそうだ。
 悠は原因を探す。答えは明らかだ。あの村瀬たち二人が、なにかヤバい。原因はわからないが、このままでは死ぬ。

(なんでだ? あの二人が危ないのか? 穂乃果さんの彼氏なのに。それとも子供の方か? そうじゃなくて、ぼくらじゃなくて、あの二人がなにか狙われているのか?)

「悠くん、どうしたの? 顔が青いよ?」
「迷ってるうちに死ぬなら……穂乃果さん、ここにいて!」
「あっ、待って! 一緒に行くよ!」

 走り出した悠を穂乃果はあわてて追いかける。着いて来られるのはマズい。かなりマズい。どんどんイヤな予感が強まっている。そしてどんどん、これが本当の殺し合いであるという確信が強まっていく。だがおそらく、穂乃香はさっきの自分と同じぐらいにしか、この殺し合いの恐ろしさを認識していない。だが、彼女を説得している時間は無い。もっと慎重に、細心の注意を持って動かなければならないと、わかっているのに──

「君たち、逃げて!」

 1階に降りて、昇降口から駆け出す。そのまま校庭をダッシュだ。横を穂乃果が走り抜けて行く。この一年で何度も呪った足の遅さを呪わずにはいられない。二人がこちらに気がついて足を止める。ダメだ、そこで足を止めたらダメなんだ。
 声を出す。だが、遅い。

 ぱらららら。

 あっけない音が響く。
 悠への答えは、痛みと音とで示された。
 サブマシンガン。おそらく、ウージーみたいな短機関銃。そんな感じの音がしたかと思えば、体中に熱がほとばしり、力が抜けていく。
 目の前で、穂乃果と彼女の先輩が不格好なダンスを踊る。ダンスは苦手だ。体育の授業で悠が踊ると盆踊りになってしまう。

「せん、ぱい……」
「ほのちゃん、ほ……」

 つぶやく声が聞こえた。それが誰のものかももうわからない。考える力が急速に奪われていく。
 だがそれでも、自分が選択肢を誤ったことだけはわかった。



「フフフ……ド、ドッキリなんだろ? わかってるさ……」

 サブマシンガンを抱えて、藤木茂は泣き笑いしていた。
 エアガンはやけに重くて、撃つと煙まで出て、まるで本物みたいだ。
 そして銃口の先には、血溜まりの中で重なる四つの死体。
 天も、地も、人も、赤い。
 彼は確信しようとしていた。これは現実ではないと。
 藤木はそんなに勉強もできる方ではないが、それでも空はあんなふうには赤くはならないことも、霧はこんなふうには赤くはならないことも知っている。そして、銃が落ちているなんてこともない。
 特撮やアニメでしか起こらないことは現実には起こらないのだ。こどもが誘拐されているのに仮面ライダーが来ないなら、これは現実なのだ。空が赤くなって変な霧まで出てるのにウルトラマンが来ないなら、これは現実なのだ。現実なのだから、本物の銃が落ちて、首輪を着けて殺し合いなんて起こるはずがないんだ。
 だから、それを試すために、落ちていたサブマシンガンを乱射した。弾を撃ち尽くすまで、いや撃ち尽くしても引き続けた。
 そしてその結果四人死んだ。だから信じた。自分が人を殺すはずがない。ならあそこで死んだ四人は、そういうドッキリだと。

「フ、フフフ、ブッ、オエエ……!」

 藤木は、吐いた。
 わけのわからない恐怖心が体の隅々までいきわたると。

「た、弾が無くなっちゃったからだな、うん、そうだ、新しい銃がないと。」

 藤木は立ち上がった。
 順応したのだ。


「な、なんで……」

 そしてそれを見ていたアキは、順応できなかった。
 自分は奇妙な夢を見て、それが正夢だと思ったから行動して、それで夢よりひどい状況になる。
 これはなんなのか。なぜこんなことになってしまったのか。

「ご、ごめんなさい……ごめんなさい! こんなことになるなんて、思わなくて……!」

 フラフラと校門へ進んでいく。藤木のことも見えていない。彼が吐いて、校門の近くから逃げるように立ち去ったのは幸か不幸か。アキは何の障害もなく折り重なる4人のもとへと行く。何をしたいのか、彼女自身にもわからない。それでも、近くに行って、何かしなくてはならないと思った。自分がそう思って、自分が行動したからこの状況になったのにと、頭のどこかで冷静に思いながら。
 だが、その行動は無駄ではない。

「イタい……イタいよ……」
「生き、てる? いきてる……生きてる!」

 アキの耳に小さな声が届く。同い年ぐらいの中学生らしき少年に抱きかかえられるように、小さな男の子が倒れていた。小学校の低学年ぐらいだろうか。幸い怪我は無い。他の三人が盾となり奇跡的に無傷だったのだ。

「助けるから……助けるから!」

 アキは男の子を、蓮を立ち上がらせると校舎へと急いだ。救われたのは蓮ではなく、アキだった。



 前のループでは、藤木のマシンガンにより2人が死んだ校門。今回は3人になったが、その要因はたった1つだ。
 悠の参戦時期が変わった。前のループでは1度目の鬼ごっこが終わった頃だったが、今回は鬼ごっこの主催者の一人である黒鬼の撃破後からの参戦となる。対主催にパワーバランスを傾けたいとか主催の一人の気まぐれだとか色々理由はあるが、死んだ今となっては関係無い。
 言えることは、その変化により、彼は少しだけ勇敢になり、少しだけ決断力が増し、少しだけ足が早くなったということだ。1年間の経験が、本来なら穂乃果の数秒遅れで校門に辿り着くところを、ほぼ同時に辿り着く程度に成長させた。
 ではアキが交番から拡声器を持ち去ったことはというと、これは校門のイベントにはほとんど影響を与えなかった。そもそも藤木はずっと学校の体育館にいて外を伺っていた。
 他の学校がそうであるように、この学校も複数の参加者が初期配置されている。こどもが多いことから人が集まりやすいためだ。明智小五郎とヴァイオレット・ボードレールとライオンが同じ学校に配置されたように、木原仁と一路舞が同じ学校に配置されたように。
 そして藤木は、たしかに前のループでは拡声器でつかさ達の存在に気づいたが、そうでなくても校門近くに人が通りかかれば、彼は発砲していただろう。拡声器が無いだけではタイミングが後ろにズレる違いしか生まれない。
 では彼女の行動は何を変えたかと言うと、それは彼女の心だろう。前のループでは単なる歩いてたら見かけた死体が、今回は自分のせいで生まれたものだと思い込むこととなった。自分が未来を変えたからだと、全く無関係なのに。
 彼女がそれを知ることは、ない。
 バタフライ・エフェクトは、起こらなかったのに。



【0030後 繁華街の方にある学校】


【高橋蓮@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 帰りたい。

【井上晶子@かがみの孤城@ポプラキミノベル】
【目標】
●大目標
 ???
●小目標
 男の子(蓮)を助ける。

【藤木茂@こども小説 ちびまる子ちゃん1(ちびまる子ちゃんシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 ???
●小目標
 銃がほしい。



【脱落】


【村瀬司@一年間だけ。(1) さくらの季節にであうキミ(一年間だけシリーズ)@角川つばさ文庫】
【櫻井悠@絶望鬼ごっこ きざまれた鬼のしるし(絶望鬼ごっこシリーズ)@集英社みらい文庫】
【工藤穂乃香@一年間だけ。(1) さくらの季節にであうキミ(一年間だけシリーズ)@角川つばさ文庫】

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