……記憶が混濁している。
見たことない景色にデジャブを覚える。
夢の中で私は、首輪を着けて殺し合えと言われていた。
そして男の子と出会い、盗んだ車で走り出し、人を跳ねて、救助して、侍に襲われた。
自分でもわけのわからない夢だと思う。夢はそういうものだけど。
なら、今、この首にある。
この首輪は、ナニ?
見たことない景色にデジャブを覚える。
夢の中で私は、首輪を着けて殺し合えと言われていた。
そして男の子と出会い、盗んだ車で走り出し、人を跳ねて、救助して、侍に襲われた。
自分でもわけのわからない夢だと思う。夢はそういうものだけど。
なら、今、この首にある。
この首輪は、ナニ?
「KOOLに、KOOLにならないと、竜宮レナ……」
落ち着いてないのはわかってるけど、意識して声を出す。
なぜか、本当になぜか、今、私の首には首輪が着けられている。
こうして見知らぬ町に放り出されたのは、つい数十分前にもあったような感じがしていた。
町には建物に入ると、武器になりそうなものがたくさん落ちている。それも夢と同じだ。
私が入ったのは、レストランだ。お店のトイレに急いでいく。鏡には、ふだんのセーラー服姿の私がいた。
なぜか、本当になぜか、今、私の首には首輪が着けられている。
こうして見知らぬ町に放り出されたのは、つい数十分前にもあったような感じがしていた。
町には建物に入ると、武器になりそうなものがたくさん落ちている。それも夢と同じだ。
私が入ったのは、レストランだ。お店のトイレに急いでいく。鏡には、ふだんのセーラー服姿の私がいた。
「私だ……私だよね?」
夢から覚めるとき、ものすごく、熱くて痛かった気がする。まあ、夢だから怪我なんてしてるわけがないけど、わかっているのに、なにか怖い。
「変だ……どうしたんだろう……こんな……」
「あの〜、すみませ〜ん。」
(誰だ!)
「あの〜、すみませ〜ん。」
(誰だ!)
突然かけられた声に、私は周囲を見渡した。
しまった! 敵だ!
逃げないと、ダメだ、トイレじゃ逃げられない、武器も、そうだ、取ってない!
しまった! 敵だ!
逃げないと、ダメだ、トイレじゃ逃げられない、武器も、そうだ、取ってない!
「柿沼直樹っていいます。同じ中学生ですよ。中学生ですよね? 高校生だったりします?」
「……」
「ノーリアクションはキツイぜ……えっと、首輪してるってことは、おんなじように誘拐されたんですよね? 協力しませんか?」
「……」
「ノーリアクションはキツイぜ……えっと、首輪してるってことは、おんなじように誘拐されたんですよね? 協力しませんか?」
私は柿沼という男の声に答えなかった。10秒、20秒、30秒……沈黙の時間が流れる。5分ぐらい経って、「もしかして見間違えたか……」という声がして、店から出ていく音がした。
私はそれでも動けなかった。柿沼という名前には、覚えがない。ただなんとなく、何か信用できない感じがした。それにあの話し方、組むに値しない。
……違う。本当は怖かった。変になった頭と、このイカれたゲームと、すぐに声をかけてきたアイツが。
柿沼を信じる理由がない。こんなに武器が落ちていて、殺し合えと言われているのに、初対面の男を信用できるはずがない。
……本当に、初対面か? 覚えがないか? 柿沼直樹。カキヌマナオキ。その名前に何かを感じないか?
私はそれでも動けなかった。柿沼という名前には、覚えがない。ただなんとなく、何か信用できない感じがした。それにあの話し方、組むに値しない。
……違う。本当は怖かった。変になった頭と、このイカれたゲームと、すぐに声をかけてきたアイツが。
柿沼を信じる理由がない。こんなに武器が落ちていて、殺し合えと言われているのに、初対面の男を信用できるはずがない。
……本当に、初対面か? 覚えがないか? 柿沼直樹。カキヌマナオキ。その名前に何かを感じないか?
「やっぱり変だよ。私の頭……ここに来て、から……?」
おかしい。
変な感じだ。
これじゃ転校する前と同じだ。
いや、違う。あの感じとは全然別だ。これは、私の知らない私の記憶だ。
私が知っているはずのないことを、私は思い出している。
変な感じだ。
これじゃ転校する前と同じだ。
いや、違う。あの感じとは全然別だ。これは、私の知らない私の記憶だ。
私が知っているはずのないことを、私は思い出している。
私はいつまでたっても、トイレから出ていくことができなかった。
「マジで見間違えたか……?」
柿沼直樹は、レストランの冷蔵庫から取り出したケーキと、これまた厨房にあったアイスコーヒーのポットをテーブルに置くと、3時のおやつをしながらひとりごちていた。
柿沼は誘拐慣れしている。柿沼たち仲間の中で、誘拐といえば柿沼だし柿沼といえば誘拐だ。
今回もいきなりさらわれて気がついたら知らん場所、さすがにその所作はどうに入ったものとなる。
とりあえず食事だ。食えるときに食っとかないと動けなくなる。それに今は人を待つ身だ。
柿沼は誘拐慣れしている。柿沼たち仲間の中で、誘拐といえば柿沼だし柿沼といえば誘拐だ。
今回もいきなりさらわれて気がついたら知らん場所、さすがにその所作はどうに入ったものとなる。
とりあえず食事だ。食えるときに食っとかないと動けなくなる。それに今は人を待つ身だ。
「さすがに女子トイレに踏み込むのはハードル高いしなぁ。銃持ってたりトラップ仕掛けられてたらマジで死ぬし。どうしようかなぁ。」
柿沼がレナに声をかけた理由は簡単だ。彼は自分をプレイボーイと自認している。本人と対照に浮ついた噂は皆無だが、同じく誘拐された少女を見つければ当然に助けようとするのが彼だ。
とはいえレナを追いかけて入った店を見てビビらずにはいられなかった。一つ拳銃を手にした感じ、モデルガンとは違う凄みを感じた。もちろん弾丸は装填済み。となると少々困ったことになる。
はじめて誘拐されれば誰だってビビる。柿沼だってビビる。そんなビビりに拳銃を持たれたら何が起こるかわからない。
しかも相手がいそうなのは女子トイレ。女子トイレにズカズカ入ってたらズガン!なんてこともあり得る。今までもそんな感じで割り食ってたし。
とはいえレナを追いかけて入った店を見てビビらずにはいられなかった。一つ拳銃を手にした感じ、モデルガンとは違う凄みを感じた。もちろん弾丸は装填済み。となると少々困ったことになる。
はじめて誘拐されれば誰だってビビる。柿沼だってビビる。そんなビビりに拳銃を持たれたら何が起こるかわからない。
しかも相手がいそうなのは女子トイレ。女子トイレにズカズカ入ってたらズガン!なんてこともあり得る。今までもそんな感じで割り食ってたし。
「これで、『実はとっくに裏口から出てました!』とかなったら泣けるぜ。下手に動くと死ぬからなあ。」
だが怖いのは女子トイレにいない場合だ。
誘拐された時は下手に動かない。それが柿沼の経験則だ。いつでも動けるようにしながらも、チャンスを待つ。それが仲間によって救出されてきた柿沼が立てる生存戦略である。
この数十分、レナ以外誰とも会ってないことから考えると、このデスゲームはそんなに人が多くない。だから最初の位置から動かない方が、体力を使わないし、かえって人も相手より見つかる。
これが車でもあると話は変わるのだが、ないものねだりはしょうもない。
そう思ってとりあえず糖分と水分を補給していたのだが、その考えが正解だというように、街を走ってくる人影を見つけた。
白い道着のようなものを着ている青年だ。見た感じだが武器はない。たいしてこっちはリボルバー。
誘拐された時は下手に動かない。それが柿沼の経験則だ。いつでも動けるようにしながらも、チャンスを待つ。それが仲間によって救出されてきた柿沼が立てる生存戦略である。
この数十分、レナ以外誰とも会ってないことから考えると、このデスゲームはそんなに人が多くない。だから最初の位置から動かない方が、体力を使わないし、かえって人も相手より見つかる。
これが車でもあると話は変わるのだが、ないものねだりはしょうもない。
そう思ってとりあえず糖分と水分を補給していたのだが、その考えが正解だというように、街を走ってくる人影を見つけた。
白い道着のようなものを着ている青年だ。見た感じだが武器はない。たいしてこっちはリボルバー。
「そろそろ動くか。おーい! ちょっと人見つけたから店出るんで。ケーキ食べかけだから食べちゃ困るぜ。」
判断は早い。声をかけることを決断すると、女子トイレの方に叫んで店を出る。直ぐに走ってくる青年もこちらに気づき、速度を落として駆け寄ってきた。
「その様子だと、お前も巻き込まれた口か?」
「柿沼直樹です。じゃ、お兄さんも?」
「ああ。相楽左之助。話がよくかんねえが、人に言われて殺しなんてやる気はねぇ。」
「ですよねぇ。良かった〜。」
「あったりめぇだろ。つうか、あんなウサギ見てえな妖怪の言う事聞くやつがいるかよ。」
「柿沼直樹です。じゃ、お兄さんも?」
「ああ。相楽左之助。話がよくかんねえが、人に言われて殺しなんてやる気はねぇ。」
「ですよねぇ。良かった〜。」
「あったりめぇだろ。つうか、あんなウサギ見てえな妖怪の言う事聞くやつがいるかよ。」
柿沼はリボルバーを突っ込んでいたポケットから手を離した。よし、グッドコミュニケーションだ。果報は寝て待てって言うけれど、起きるタイミングが重要だよな。などと思いながらレストランに案内する。
「──で、そこのトイレにもう一人女の子がいるかもしれないんですよ。」
「なんだそりゃ? それでずっとこの食いもん屋にいたのか?」
「そうなんです。」
「見てくる。」
「ステイステイステイステイアッー!」
「なんだそりゃ? それでずっとこの食いもん屋にいたのか?」
「そうなんです。」
「見てくる。」
「ステイステイステイステイアッー!」
入って早々に左之助はトイレへと直行した。隠すわけにも行かないのでレナのことを話したのだが、思っ以上にアグレッシブな人だ。これはミスったか?と思いながら一応リボルバーを手にする。
「なんだよ誰もいねぇじゃねぇか。」
それは杞憂に終わった。左之助は戻ってきた。変わって柿沼も女子トイレに踏み込む。どこにも人がいる痕跡は無かった。
これでよかったのだろうか。
自問自答しても答えが見つからない。
もどかしさでいつからか、空回りしていた。
自分の記憶も行動も、正しさがわからない。
レナは柿沼が店から出ていった音を聞くと一気にトイレから飛び出し、机を踏み越えてフォークを手にした。
彼女の中では、3割方罠だと思っていたが、いちおう待ち伏せも警戒して突っ込む。武器は使い慣れない銃ではなく、テーブルの上にならどこにでもあるフォーク。こっちのほうが信用できる。
自問自答しても答えが見つからない。
もどかしさでいつからか、空回りしていた。
自分の記憶も行動も、正しさがわからない。
レナは柿沼が店から出ていった音を聞くと一気にトイレから飛び出し、机を踏み越えてフォークを手にした。
彼女の中では、3割方罠だと思っていたが、いちおう待ち伏せも警戒して突っ込む。武器は使い慣れない銃ではなく、テーブルの上にならどこにでもあるフォーク。こっちのほうが信用できる。
「アイツ、本当に店の外にいる……」
その結果わかったのは、柿沼は言葉通りの行動をしていたということだ。
店の外では男に声をかけていて、テーブルにはケーキとコーヒーが置かれている。
レナが悩んでいる間、ティータイムを楽しんでいたようだ。
店の外では男に声をかけていて、テーブルにはケーキとコーヒーが置かれている。
レナが悩んでいる間、ティータイムを楽しんでいたようだ。
「……信じていいの、かな?」
脱力を覚えずにはいられない。
自分が怯えていた相手は、窓際のテーブルでモンブランを食べていた少年だった。ただそれだけなのに、得体のしれない相手にしか見えなかった。
だが、とも思う。得体のしれないのは依然として変わりない。たしかにコーヒーを飲んで寛いでいても、それは人間性を保証しない。
自分が怯えていた相手は、窓際のテーブルでモンブランを食べていた少年だった。ただそれだけなのに、得体のしれない相手にしか見えなかった。
だが、とも思う。得体のしれないのは依然として変わりない。たしかにコーヒーを飲んで寛いでいても、それは人間性を保証しない。
「それにあの男。背中に悪なんて書いてある服を着ている。怪しい。」
あと左之助の格好がなんかヤバい。背中に悪はないだろう悪は。しかも旧字体だ。絶対ヤンキーである。
迷った末に、レナは喫茶店を出ていくことにした。あからさまに不良を仲間にしようとした時点で、やはり柿沼と組むという選択肢はなくなったのだ。
そうして彷徨うこと数十分。無人の街を歩くと、後悔が押し寄せてくる。
本当にこの選択は正しかったのか? 何度も何度も自問自答する。
レナはすっかり己を見失っていた。
その時だった。レナが爆音を聞いたのは。
少し前から聞こえていた謎の警報音。一向に終わらないそれを気にしながら も、遠そうだったので無視していたのだが、今の爆発はそれなりに近かったように思う。
それに警報音が爆発から同時に止まった。これは何を意味するのか。
わからないことがどんどん増えていく。
そしてそれは、更に積み重なった。
迷った末に、レナは喫茶店を出ていくことにした。あからさまに不良を仲間にしようとした時点で、やはり柿沼と組むという選択肢はなくなったのだ。
そうして彷徨うこと数十分。無人の街を歩くと、後悔が押し寄せてくる。
本当にこの選択は正しかったのか? 何度も何度も自問自答する。
レナはすっかり己を見失っていた。
その時だった。レナが爆音を聞いたのは。
少し前から聞こえていた謎の警報音。一向に終わらないそれを気にしながら も、遠そうだったので無視していたのだが、今の爆発はそれなりに近かったように思う。
それに警報音が爆発から同時に止まった。これは何を意味するのか。
わからないことがどんどん増えていく。
そしてそれは、更に積み重なった。
「っ……! カエル?」
デッカいカエルが死んでいる。道の真ん中で、カエルが首を飛ばされて死んでいた。
いや、カエルではないだろう。明らかにサイズが大きすぎる。
しかし、カエルは死んでいる。何かのマスコットキャラにしか見えない珍妙な巨大カエルは、しめやかにその死体を晒していた。
いや、カエルではないだろう。明らかにサイズが大きすぎる。
しかし、カエルは死んでいる。何かのマスコットキャラにしか見えない珍妙な巨大カエルは、しめやかにその死体を晒していた。
「……幻覚か?」
そしてレナは結論づけた。
たぶん自分は薬物を盛られていると。
誘拐はわかる。
毒の首輪もわかる。
銃が落ちてる町もわかる。
でもこんなにデカいカエルはいないだろう。
あと空が赤くて霧が赤くて町にある看板の文字が日本語じゃない。
これはたぶん覚醒剤かなにかの影響だ。
たぶん自分は薬物を盛られていると。
誘拐はわかる。
毒の首輪もわかる。
銃が落ちてる町もわかる。
でもこんなにデカいカエルはいないだろう。
あと空が赤くて霧が赤くて町にある看板の文字が日本語じゃない。
これはたぶん覚醒剤かなにかの影響だ。
(よ、良かった〜! 頭がおかしくなったのかと思ったよ〜!)
レナは、それはそれは嬉しそうにガッツポーズをした。
相手を間違えたなと鑑隼人は思った。
前のループと同様に警報音を鳴らして参加者を狩ろうとした隼人は、今回も現れた大太刀を最初の相手とした。
その異様に気圧されないわけはない。しかし、火の国で訓練を受け、人間離れした身体能力を持つ自分なら、人間が相手ならなんとかなると思った。
人間じゃないと外見でわかりそうなものだが、そのときは冷静さを失っていたと言わざるを得ない。遠目だったからちょっと顔が大きいだけだろうと思ったら、接近されると上半身に比べて下半身が貧弱すぎるその体形に唖然とした。
そしてなにより、強いのだ。
隼人も腕にはそれなりの自信があり、人間相手に遅れを取る気はないのだが、相手はそもそも人間ではないので追い込まれていた。
これには両者の武器の差もある。大太刀はその名の通りの大太刀を武器として持ち込んでいる。使い慣れた得物は十全に威力を発揮する。一方の隼人が使うのは慣れない火薬式の銃と古典的に思える手榴弾。特に銃の使い方が困り物で、その弾道に悪戦苦闘している。隼人が撃ったことのあるのはレーザ銃で、火薬式など殆ど無い。その反動は狙いを外すし、その放物線を描く軌道はレーザとは異なる狙いの付け方を要求する。初めて撃つ銃で、敵に追われながらそれを修正するのは容易ではない。
前のループと同様に警報音を鳴らして参加者を狩ろうとした隼人は、今回も現れた大太刀を最初の相手とした。
その異様に気圧されないわけはない。しかし、火の国で訓練を受け、人間離れした身体能力を持つ自分なら、人間が相手ならなんとかなると思った。
人間じゃないと外見でわかりそうなものだが、そのときは冷静さを失っていたと言わざるを得ない。遠目だったからちょっと顔が大きいだけだろうと思ったら、接近されると上半身に比べて下半身が貧弱すぎるその体形に唖然とした。
そしてなにより、強いのだ。
隼人も腕にはそれなりの自信があり、人間相手に遅れを取る気はないのだが、相手はそもそも人間ではないので追い込まれていた。
これには両者の武器の差もある。大太刀はその名の通りの大太刀を武器として持ち込んでいる。使い慣れた得物は十全に威力を発揮する。一方の隼人が使うのは慣れない火薬式の銃と古典的に思える手榴弾。特に銃の使い方が困り物で、その弾道に悪戦苦闘している。隼人が撃ったことのあるのはレーザ銃で、火薬式など殆ど無い。その反動は狙いを外すし、その放物線を描く軌道はレーザとは異なる狙いの付け方を要求する。初めて撃つ銃で、敵に追われながらそれを修正するのは容易ではない。
「二重の極み!」
「!?」
「!?」
思ったよりだいぶ早かったなと隼人は思った。
大太刀から逃走する中で、人の多そうな方へと逃げていた。こうすれば別の参加者になすりつけられて一石二鳥というわけだが、なんと幸運にも自分を助けてくれる参加者が現れた。
大太刀から逃走する中で、人の多そうな方へと逃げていた。こうすれば別の参加者になすりつけられて一石二鳥というわけだが、なんと幸運にも自分を助けてくれる参加者が現れた。
「なんだこいつ!? 人間か?」
「斬左さん頼んだ! おいお前、こっちだ!」
「ありがとう。」
「斬左さん頼んだ! おいお前、こっちだ!」
「ありがとう。」
しかも同行者までいた。たぶん殺し合いに反対して人を集めているのだろう。強くて頼りになる参加者にホッとせずにはいられない。
(ちがう、殺さなきゃ。なにホッとしてるんだ。パセリだって巻き込まれてるはずなのに。)
そんな自分に、隼人はすぐに喝を入れた。
隼人がマーダーとなるのは、幼なじみであるパセリのため。復讐のために、パセリを生け捕りにする必要がある。立場を考えれば確実に巻き込まれているだろうし、性格を考えれば、斬左と呼ばれた男のように厄介事に首を突っ込んでいくだろう。それではまずい。
隼人がマーダーとなるのは、幼なじみであるパセリのため。復讐のために、パセリを生け捕りにする必要がある。立場を考えれば確実に巻き込まれているだろうし、性格を考えれば、斬左と呼ばれた男のように厄介事に首を突っ込んでいくだろう。それではまずい。
「なんか向こうで火事とか起きてるけど、大丈夫だったか? とにかく逃げようぜ。あ、カッキーって呼んで。」
「はぁ……はぁ……ありがとう……隼人って……はぁ……」
「ムリして話すな。こっちだ。」
「はぁ……はぁ……ありがとう……隼人って……はぁ……」
「ムリして話すな。こっちだ。」
……今はこれでいい。自分も疲れている。今は好意を利用すべきだから
まだゲームは始まったばかり。あんな化物もいるのなら、身の振り方を考えなければ。
隼人は柿沼の後ろを駆けながら、ふと弟の秀人ならどうするのかなと思った。
たぶん、止めろと言うんだろうなと思って、また柿沼たちに感謝した。
いいカモフラージュができた。
まだゲームは始まったばかり。あんな化物もいるのなら、身の振り方を考えなければ。
隼人は柿沼の後ろを駆けながら、ふと弟の秀人ならどうするのかなと思った。
たぶん、止めろと言うんだろうなと思って、また柿沼たちに感謝した。
いいカモフラージュができた。
【0105 市街地】
【竜宮レナ@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
●小目標
これ幻覚かぁ!
●小目標
これ幻覚かぁ!
【柿沼直樹@ぼくらのデスゲーム(ぼくらシリーズ)@角川つばさ文庫】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●中目標
仲間を探す。
●小目標
隼人と一緒に逃げる。
●大目標
殺し合いから脱出する。
●中目標
仲間を探す。
●小目標
隼人と一緒に逃げる。
【相楽左之助@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
殺し合いをぶっ壊す。
●中目標
仲間を探す。
●小目標
大太刀をぶちのめす。
●大目標
殺し合いをぶっ壊す。
●中目標
仲間を探す。
●小目標
大太刀をぶちのめす。
【鑑隼人@パセリ伝説 水の国の少女 memory(3)(パセリ伝説シリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
復讐完遂のためにはパセリを生き残らせる。
●小目標
カッキーと一緒に逃げる。
【目標】
●大目標
復讐完遂のためにはパセリを生き残らせる。
●小目標
カッキーと一緒に逃げる。
【大太刀@映画刀剣乱舞@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
皆殺し。
●中目標
鱗滝とアキノリは、絶対に自分の手で殺す。
●小目標
道着男(左之助)を殺す。
【目標】
●大目標
皆殺し。
●中目標
鱗滝とアキノリは、絶対に自分の手で殺す。
●小目標
道着男(左之助)を殺す。