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  • バトル・ロワイアルに雛見沢症候群を放てッ!

児童文庫ロワ

バトル・ロワイアルに雛見沢症候群を放てッ!

最終更新:2021年05月23日 18:57

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だれでも歓迎! 編集
「あれって、学校……?」

 累vs再不斬の気配を感じて森の中へと方向転換した磯崎蘭。
 小一時間ほど歩いた末に見つけたのは、森の切れ目に建てられた無骨なコンクリ造りの建物だった。
 グレーの無機質な色合いは彼女が通う中学とは異なるが、おおよそ一般的な学校のイメージのそれである。そのことが蘭をなんとなくホッとさせた。ここに来るまで全くと言っていいほど非人間的な、人の気配がしない状況だったので、こんなどこともしれない学校でも人が作ったものというだけで安心感を覚える。

「ウウウウゥ……」
「……なに、この感じ……?」

 が、それはあっという間に不安感へと変わった。
 何かいる。狙われている。そんな直感がある。
 感覚を研ぎ澄ませる、なんてするまでもない。彼女の鼻にそれは漂ってきた。
 多分学校の方からだろうか、微かな血の臭い。
 そしてもう一つは、自分が歩いて来た方からだろうか、野獣の臭い。

「グルアアアッ!」
「く、熊ぁ!?」

 臭いをした方向を見て目が合い、雄叫びを上げて蘭へと駆け出したそれを見て、彼女は猛然と走り出した。
 熊だった。しかもデカい。たぶんヒグマ。
 なぜかそれが、首に彼女と同じように首輪を付けて、彼女に向かって駆けてきた。
 なぜヒグマがいるのか、あれも参加者なのか、なんで追いかけてくるのか、わからないことだらけだが明らかに殺しにかかってこられていることだけはわかる。そして相手がヒグマであるが故に、能力者である蘭でもどうしようがない。彼女一人の念動力では、野生の重装甲を貫通することはできない。超常的な力を持っていても埋め難い種族の差がそこにはあるのだ。人間はヒグマには勝てないのだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

(留衣……! やだよ……! こんな……!)

 いくら彼女が運動に自信があっても森の中から校舎まで逃げることなどできるはずもなく、それどころか敷地を隔てる金網のフェンスにまで辿り着けずにあっという間に追いつかれる。そのことがわかっていても走ることはやめられない。そしてそんな体の動きとは対称的に、心の中では諦めが満ちていく。今までの経験とはまだ趣が違う、猛獣という恐怖。悪意を持った人間や幻想的な鬼神とは異なる本能による捕食が、根源的な恐怖を蘭へともたらす。
 そして最後に想い人の名前を呼びながらその笑顔を思い出そうとした時。

「チィッ、なんでヒグマなんか参加者にしてるんだよ。」

 タァン、バン、バン。

 銃声と共に蘭とヒグマの間の土がはね、今にも飛びかからんとしていたヒグマがたたらを踏む。

「手を伸ばせ!」
「消火ホース!? う、うん!」

 続いて声と共に校舎の壁面を滑り落ちてきたそれを見て、蘭は素っ頓狂な声を上げながらも速度を落とさずに金網をスライディングでくぐり泣け、立ち上がり走り飛びついた。

「よし、引け!」
「まずい、アイツまた来るぞ!」

 先っぽに金属のシュッとしたのがあってそれ以外は布っぽいそれは、おそらく消火栓から出したのだろう。水圧に耐えられるように頑丈にできているホースは蘭の体重を支え、ゆっくりと上へと上がっていく。蘭自身も壁面に足をつけて腕で手繰って登る。
 しかし半分も行かないうちに、背後で金網がぶち破られる音がした。
 ギョッとして振り返ればそこにヒグマがいる。駆け寄り立ち上がったその顔は、蘭どころかホースが伸びている窓より高かった。

「やられた、ホースを掴みやがった。」
「くっ、びくともしない!」
「こっちだ、こっちの窓から!」
「うん!」

 ヒグマの非常識にデカい前足がホースを抑え、逃げ込もうとしていた窓ガラスは巨体に封じられた。
 その少し横の窓ガラスが開けられ、手が伸ばされる。
 蘭は全身に力を入れると一気に壁面を斜めに駆けた。後ろからもう一前足が迫る。それをサイキックを込めた足で踏み台にして飛び上がり、校舎の二階へとなだれ込んだ。

「よし、放していいぞ。」
「ケガはない?」
「立てるか?」
「走れるな。」
「逃げるぞ!」
「ありがとう、大丈夫、でも、ごめん、ちょっと休ませて……」
「休んでる暇なんてないのですよ! 早く!」

 矢継ぎ早に男子五人が、廊下に転がった蘭を無理やり立たせた。少し離れた位置でなぜか半開きになっているシャッターの近くから、女子がライフルを構えてヒグマと廊下の奥の方に銃口を行ったり来たりさせている。
 そしてそれはやってきた。
 この場の誰とも同じように首輪が巻かれている、ぽい。
 ぽいというのは蘭からはよく見えなかったからだ。
 なにせ、その首は立派なたてがみの影になっているのだから。

「なんで校舎にライオン!?」
「こっちが聞きてえ!」
「大地くん、防火シャッターは?」
「復旧した、今度はちゃんと降りる。」
「肩を貸すよ。」
「よし、殺虫剤の用意ができた。走って!」
「早くしないと閉めるのですよ!」

 息吐く間もなく走り出す。
 蘭と五人の男子はシャッターを潜ると、ライフルを持った女子がライオンに向けて発砲した。
 僅かな隙間目掛けて殺到してくるライオンの動きを止めると、真横に位置することになったヒグマがライオンに向けて前足を振るう。その光景を最後にシャッターは閉まり、聞こえてくるのは猛獣二頭の叫び声と荒い息遣いだけとなった。

「これで、ひとまず安全なのです……もう一度理科室に戻りましょう。あなたも、色々と聞きたいことがあるのです。ついてきてください。」

 玉のような汗を額浮かべてぺたりと張り付いた髪を拭い、少女は少ししてそう言った。その言葉に応えて、男子たちは立ち上がり、蘭も続いた。

「オレは大場大翔。前に地獄の鬼と鬼ごっこをしたことがある。あのツノウサギっていうのも鬼だ。」
「ボクは桜井リク。前にラストサバイバルで人体模型と鬼ごっこしたことがあるよ。」
「高橋大地。前に学校でライオンとかに追っかけられたことがある。」
「白井玲。逃走中でハンターに追いかけられたことがある。」
「沖田悠翔。学校で襲われたことがある。」
「古手梨花です。私はそういうのに巻き込まれたことないので安心してほしいのです。」
「え、うん、え? ちょっ、ちょっと待って! どういうこと?」

 たどり着いた理科室で矢継ぎ早に自己紹介と謎の情報提供がされて、蘭は困惑した。
 ヒグマに襲われるはライオンに襲われるはなぜか女の子が銃持ってるわとさしもの彼女も混乱せざるを得ないことが山積みだ。
 そんな彼女の様子を見て、男子たちは目配せすると、一冊のノートを差し出した。

「なにこれ?」
「そう言われると思って、俺たち六人でまとめたこのバトル・ロワイアルに関する考察と、それぞれが経験してきた似たような事件についてと、首輪についての考察と、主催者についての考察と、今後の対主催としての方針をまとめたノート。最後の6ページが一人一人の自己紹介ページになってる。」
「うわー、わかりやすい。」

 なんでこんな手際良いんだろうと思いながらも声にはせず、蘭はページをパラパラとめくる。
 そして彼女はその内容でまた驚いた。
 男子たち五人は似たようなことに巻き込まれたことがある上に、大翔に至っては前回もあのツノウサギが主催者出会ったというのだ。
 それらはよく聞けばさっき言われたことなのだが、文字に起こされて詳細に書かれるとまた違った認識になる。
 と同時に、蘭はこのノートに対してテレパシーを使う。ノートからは何か強い、ポジティブな意思が感じ取れた。

「首輪の考察……あ、ゴメン。」

 感嘆して思わず喋ってしまい慌てて口を閉ざす。
 そもそもこのノートを書いたのも、後から加わった人間にわかりやすく伝えること半分、首輪での盗聴を警戒して筆談するため半分、と書かれていた。まさにその盗聴という部分で驚き声にしてしまった蘭。最年長者としていかがなものなのか。

「待って、おかしいな。」
「みー、気づきましたか。」
「うん、もしかして……」

 ハッとなって蘭はこの場にいる七人を考える。
 男子は全員小六、何かしらかに追いかけられた経験あり。
 女子は自分と古手梨花の二名で、少なくとも梨花にはそういう経験がない。

「男子はみんな、何か不思議なことに合ってる。女子とは、集められた理由が違う?」
「もしくは、女子がなんか秘密にしてるか、だ。」

 すかさず大翔が告げた。うっ、と言葉に詰まる。秘密を抱えていることは間違いない。追いかけられたことはそんなに無いけれど。

「俺たちがそれを見せたのは、えっと……名前なんだっけ?」
「忘れてた。磯崎蘭です。」

 そういえば名乗ってなかった。

「……ゴホン! 磯崎さんが俺たちと同じ経験をしたかもしれなくて、それを秘密にしようとしてるか確かめたかったからだ。隠していること、話してくれないか?」
「か、隠してることなんてなにもないよ! 本当に!」
「スゲーウソ下手だなこの人。」
「うっ……!」

 冷徹にツッコまれて更に言葉に詰まる。もちろん、蘭が能力者であることは秘密にしている。幼なじみ(という名の両思い)や同じ能力者である人間にしか話すことはない。そして目の前には似たような超常的なことを経験したことがある男子たち。
 あれ? これ話しても大丈夫じゃない?

(でも、梨花ちゃんも秘密にしているってことは話さないほうがいいよね。)

 一瞬言ってしまおうかと思うも、思い直して口を閉ざす。
 蘭一人なら言ってしまってもいいが、どうやら梨花は秘密にしているようだ。もしくは本当に何もないか。だがどちらにせよ、男子は梨花を何らかの能力者や特殊な経験をしたことがあると見なすだろう。それはよくない。

(でも、こういう時はみんなで話し合ったほうがいいよね。あー! もー! どうしよ……)

 しかしながら、ここで秘密にし通すのもマズいことはわかっている。
 今回の事件は、というか今回の事件もどう考えても蘭一人ではどうにもならない。みんなで力を合わせなければいけないだろう。なにより、男子たちは自分の経験を話してくれた。それを無下にはしたくない。
 ざっと読んだだけだが、ノートには自分が巻き込まれたことを他人に話しても信じてもらえなかった、そんな経験も書かれていた。全員というわけではないが、そういう思いをしたことがあるのに、情報を出してくれた勇気は蘭の判断を迷わせる。自分も近い経験をしたことがあるだけに、そして相棒がまさにそうであっただけに、自分も言わなければ、そう思う。

「実は、私も不思議なことに合ったことがあるの。ただ、それはみんなみたいな鬼ごっこではないわ。それと、この話はできれば秘密にしてほしいの。私だけで話していいか決めていいことじゃないから。」

 迷った末に、蘭は話せる範囲のことを話すことにした。
 梨花に迷惑をかけたくはないが、男子たちにも応えたい。しかし自分の能力は緊急事態ならともかく自分だけの判断で話していいようなものでもない。
 だからこれが話せる限界であった。鬼ごっこ的なものには巻き込まれたことがなく、しかし不思議なことに巻き込まれたことがあるという、ギリギリのラインで話す。話す上で、それ以上は話せないとも伝える。
 そしてカチャリ、という音ともに、リクと名乗った少年がポケットから銃を出した。
 ギョッとして思わず梨花を庇いながら能力を使おうと集中する。そんな蘭に「あっ」と声を上げて、慌てた様子でテーブルの上に銃を滑らせた。

「ご、ごめん。もう持ってる必要が無さそうだから置こうと思って……」
「よかった~……」
「……だってさ。古手も銃置けよ。」
「……なんでみんなそんなに反応が早いんですかね。」

 咄嗟にライフルを構えた梨花に、咄嗟にテーブルの影に隠れた大地という少年が声をかける。蘭が周りを見れば、男子はリク以外全員姿が見えなくなっていた。どうやら一瞬でテーブルの影に隠れたらしい。凄まじい反応である。

「それで、古手、お前も話してくれよ。」
(やっぱり、こうなっちゃうよね。)

 テーブルの影から大翔の声が聞こえた。どうやら彼が男子たちのリーダー格らしい。ツノウサギと知り合いだからだろうか?
 そして彼の言葉にあわせて衣擦れの音だろうか、物音が増える。蘭が察知した気配は、円形に教室内に存在している。囲まれた形になった。信じられないが男子たちは合って一時間もしない初対面のはずであるのに、先からやたらに統率が取れている。ヒグマとは別ベクトルの恐ろしさを覚えた。
 梨花と視線を交わす。リクに向けていた銃口を下げた。

「……わかったのです。話します。でも、誰にも、は無理だと思うので、なるべく秘密にしておいてほしい。」
「ああ。そういうのってあんまり話してて気持ちのいいことじゃないもんな。」

 梨花の口調が変わった。雰囲気も同時に変わる。

「まず、私はそういう鬼ごっこの経験は無いわ。ただ、私の村には鬼にまつわる伝承がある。そして私は、その村にある神社の娘。」
「隠すようなことじゃないな。」
「人の話は最後まで聞きなさい。私の村では連続殺人事件が起こった。被害者には、私の親友の両親もいる。しかも事件を鬼と結びつけて考えて、生き残ったあの子を鬼呼ばわりする人までいた……だから、話したくなかったのですよー。シクシク、こんなこと言いたくなかったのに……大翔は酷いやつなのです、人非人です。」
「……その、ゴメン……」

 連続殺人事件、蘭が引っかかりを覚えたのはそこだった。
 今までの経験から梨花が話したくないと言っていたことの内容に男子よりは想定していたが、また毛色の違った話に何か感じる。
 蘭のこれまでの感覚では、不可思議な事件には超常的な存在が関わっているものだ。と同時に、そこには人間の意思も介在する。彼女が思うのは、その間。超常的な存在と現実的な悪意。二つは時に、重なり合う。そうした時には警察などの現実的な力だけではもちろん、能力者であっても一人では立ち向かえない。両方だ。両方が必要なのだ。
 ひるがえって、彼女はこのバトル・ロワイアルについて考えた。男子たちの事例と梨花の事例、差異は大きいが、共通点は異能と現実の並列にある。単に鬼ごっこをしたという共通点とは違うもう一つの共通点。二つが重なり合うのは……

「大翔、こんな話を真に受けるとか、実は天然さんです?」
「な、お前! 嘘ついたのかよ。」
「嘘は言ってないのです。さっき言ったことは本当ですよ。ただ、村では外の人間にこんなことを話そうなんて人はいないですし、外の人で信じる人はもっといません。それと、まだ話には続きがあるのです。みんな、ポケットにメモはありますか?」
「これ? 北条沙都子の注射薬ってある。」
「それです。その北条沙都子がボクの親友です。」
「なるほど、だからさっき脱出を嫌がったのか。」
「さっき?」
「あ、磯崎さんはその時いなかったよな。俺たちが校舎の中でライオンに追われて逃げてるところに、古手がわざわざ入ってきたんだ。磯崎さんも?」
「ううん、私のは大砲だよ。実は……」
「待ってほしいのです。話すと長くなりそうなので、今はボクの話を聞いてほしいのです。」

 梨花の横やりが入り、蘭と玲の会話が中断する。そういえば玲は逃走中という企画で鬼ごっこをしただけで、べつに命がけの鬼ごっことは関係ないらしい。これはさっきのリクも同様だが――

「――ありました、これです。」
(あ、いけないいけない。)
「このC120っていうのか?」
「ちょっと待って、多くない。」
「もしかしてこれ全部? 何百本あるんだよ。」
「……いつも点滴してるの?」
「みー、なんでこんなにたくさんあるのかはわからないのです。2・3年分の量ですよ……まさか……」
「まさか?」
「……この薬は、精神安定剤とビタミン剤、それに病気の予防薬が混ざったものなのです。沙都子は、野菜アレルギーで栄養が偏ったり、事件の影響でパニックになったりすることがあるので、風邪とかにかかりやすいのです。知らないけど。」
「知らねえのかよ。」
「……とにかく、何個か持っていきましょう。みんなももし、異常に興奮したりとても怖い思いをした時には打って欲しいのです。一日に二回が適量です。強い薬だから、胃薬よりはすぐ効いて心が落ち着きますよ。知らないけど。」
「なあ、副作用等とかないのか?」
「あるらしいですよ。症状が出ていないのに使うとエッチな薬を使ったときみたいに体が火照るらしいです。知らないですよ?」
「そりゃ知らないだろ……」
「エッチな薬ってどんな薬だ……?」
「ソレって薬物なんじゃ……」
「これ原材料なに?」
「ボクの脊髄液です。」
「巨人化しそうだな……」

 梨花は話しながら、併設された準備室から取ってきた鞄に薬の瓶を入れ、次いで近くの引き出しを漁ると注射器も入れる。

「なんで学校の理科室にこんなに注射器が……」
「悠翔、お前先からあんま驚いてないよな。」
「もうこのくらいじゃ驚かなくなってきたな……」
「確かに……」
(……薬や注射器もだけど、なんで梨花ちゃん達は銃を持ってるんだろう?)

 手分けして同じように入れ始めた男子たちを見て、そういえばと蘭は思い出した。
 よく考えたら、梨花もリクも銃を持っている。そのことについて今までまるで考えていなかった。他にも考えなくてはならないことが山積していたのでスルーしていたが、そろそろ聞いてもいいだろう。そして彼女が「あの」と声を発したのとほぼ同時に、理科室の棚のガラスが揺れた。と思ったら轟音が響く。強風、まるで台風のような、そう皆が思い窓ガラスから外を見るも、森の木々は大して揺れていない。明らかに風が吹いている音はするのに……

「校庭で竜巻が起こった、のかな?」

 蘭は言ってから恥ずかしくなった。さすがにそれはないだろう。

「なるほど、行こうみんな。」

 真に受けられた。
 理科室を出て廊下を通り抜け向かいの教室へ。その頃には異常に気づいた。
 校庭の隅にある体育館の窓ガラスが割れていた。
 次いで体育館の前の地面が陥没する。

「また敵か。この学校は人気があるな。」
「少なくとも今度は動物じゃなさそうだな。」

 柱の影で拳銃を構えつつ大翔と悠翔が伺う。大地とリクが廊下に戻り、消火ホースを展開する。玲は窓からヒグマを探す。男子それぞれが善後策に動く中で体育館の裏手、校門に近い当りの木々が一際大きく揺れた。

「うわあああああ!!」
「今だ!!ヴァイオレット君!!逃げて!!」
「どう見てもヤバイぞこれ。行ってくる。」
「待って。大場一人じゃ援護したって無理だ。」
「マズい! ヒグマが校庭側に回り込んだ!」
「女の子が校門の方に走って行く、私が狙う。」
「ヒグマが来たぞおおお!」

 目まぐるしく状況が変わり様々な声が上がる。蘭の目の前で、三人がそれぞれヒグマに向けて発砲した。校門を通り過ぎた女の子を追いかけていたヒグマにそのうちの一発が突き刺さったのか、咆哮を上げてヒグマが方向転換する。目標地点は当然校舎。女の子が一先ず助かったのは良かったものの、再び迫るヒグマの脅威。二階へと外から侵入することも一階から侵入することも体の大きさや防火シャッターで不可能だろうが、それを疑わせる程の恐ろしき圧がある。ものの数秒で校庭を横断すると、再び立ち上がった。そして一際大きい咆哮を上げて、ヒグマは死んだ。

「なにっ」「なんだあっ」

 驚愕の声を上げる二人の前でヒグマの首から血飛沫が上がり、杖が引き抜かれる。
 ドサリと倒れたヒグマと同じ顔の位置に、黒いローブの少年がいた。
 少年が宙に浮いていた。

「君たち、邪魔だよ。」
「みんな何かに掴まって!」

 超能力を使わずとも、直感を使わずとも、蘭は理解させられた。目の前の少年はヤバい。能力者の中でもかなり危険なタイプだと。
 少年が振るう杖に合わせて、暴風が吹き荒れる。それを蘭は手を突き出しバリアを張ることで耐える。いつの間にか蘭の後方に駆け込んでいた梨花たち三人に降りかかる窓ガラスの破片をなんとか凌ぐ。

「その力は――!」
「君も旅人かっ!」
「みんな離れてて。」

 力の緩みを見逃さす、蘭は少年へとタックルをかける。柔道の技術を活かしてローブの襟を掴み、空中へと身を投げる。

「考えたね……!」

 吐き捨てるように言いながら少年はローブごと蘭を風で引き剥がすと、風で衝撃を殺して校庭に転がる。
 一方の蘭はヒグマの上に受け身を取って落下し、ヒグマを挟んで少年と向かい合う。
 蘭がサイキックで巻き上げた校庭の砂を少年は杖の一振りで弾き飛ばし、何か呟くと共に少年の影から伸びた何かが斬撃を放つ。それを蘭はステップを踏んで躱す。ズタズタになったヒグマの死体から飛び散る血がかからぬ程に大きく距離を取り、追撃を避けた。

「なるほど……幻界よりも一筋縄じゃない。」
「……話し合わない?」
「無理だね。」

 短く言葉を交わし終えるとと、二人の間で力が交叉した。



【0100過ぎ 学校】


【磯崎蘭@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
 何が起こっているか調べて、解決して家に帰る
●小目標
 目の前の能力者の男(ミツル)に対処する

【大場大翔@絶望鬼ごっこ とざされた地獄小学校(絶望鬼ごっこシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 前回(出典原作)と同じ鬼のしわざなのか……!?
●小目標
 蘭を援護して少年を撃退する

【桜井リク@生き残りゲーム ラストサバイバル つかまってはいけないサバイバル鬼ごっこ(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 今回のバトル・ロワイアルを生き残って家族の元に帰る
●小目標
 蘭を助ける

【高橋大地@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 今回もまた前回(出典原作)みたいなことなのか……!?
●小目標
 蘭を助ける

【白井玲@逃走中 オリジナルストーリー 参加者は小学生!? 渋谷の街を逃げまくれ!(逃走中シリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 今回のバトル・ロワイアルを生き残って家族の元に帰る
●小目標
 蘭を助ける

【沖田悠翔@無限×悪夢 午後3時33分のタイムループ地獄@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 今回のバトル・ロワイアルを生き残って家族の元に帰る
●小目標
 蘭を助ける

【古手梨花@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
 今回のイレギュラーを利用して生き残る
●中目標
 自分が雛見沢からいなくなった影響を考えて手を打つ
 特殊な経験、または超常的な力を持つ参加者と合流する(でもあんまり突飛なのは勘弁)
●小目標
 少年(ミツル)を警戒

【ライオン@猛獣学園!アニマルパニック 百獣の王ライオンから逃げきれ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 襲ってくるヤツを狩る
●小目標
 ???

【ヴァイオレット・ボードレール@最悪のはじまり@草子社文庫】
●大目標
 このゲームから脱出する
●小目標
 首輪解除に必要な道具を発明する
 自分に配布された支給品の隠し場所(校舎)へ行きたいが……

【芦川美鶴@ブレイブ・ストーリー (4)運命の塔(ブレイブ・ストーリーシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
 ゲームに優勝し、家族を取り戻す
●小目標
 目の前の旅人の少女(蘭)を殺し、校舎内の少年たちを襲う
 逃げた少女(ヴァイオレット・ボードレール)を追う


【脱落】
【ヒグマ@猛獣学園!アニマルパニック 最強の巨獣ヒグマから学校を守れ!(アニマルパニックシリーズ)@集英社みらい文庫】



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