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児童文庫ロワ

決戦の狼煙は突然に

最終更新:2023年07月01日 03:17

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だれでも歓迎! 編集
 石川五エ門が宮美ニ鳥の話を聞いて思ったのは、なんと言葉をかければいいか、だった。
 ナルトの影分身に偵察を任せ、2人を喫茶店へと案内する。アイスティーしかなかったがコーヒーよりはマシなのでとグラスに注ぎ、ニ鳥が落ち着いて話せるようになるまで数分。そして話し始めて数十分。事件の概要はあらかたわかったが、それゆえに五エ門は気づいてしまった。
 おそらく、ニ鳥が恨んでいる少年が殺した可能性は低く、むしろ彼女やその仲間が誤射した可能性が高いことに。
 五エ門は侍だ。怪盗仲間が愛銃を肌見放さず持つ一方で、彼自身は銃など手に取ったことすらほとんどない。それでも人並み以上の知識があるのですぐに気づいたし、仮に知識がなくとも違和感を持つだろう。
 ショットガンと拳銃で撃ち合って、間にいた人間に1発だけ流れ弾が当たる。どちらが撃った弾かは自明だ。
 もちろん、ニ鳥の話が正確でないというのは充分に考えられるが、そこを疑うとそもそもこうして話を聞いていることに意味が無くなる。仮に嘘ならニ鳥を警戒しなくてはならないし、妄想なら手の施しようがない。殺し合いの場で全く関わるメリットがなくなる。それよりかは、興奮で冷静さを失っている少女の方がまだ五エ門には扱いやすかった。
 そして、彼が気になったのはもう一つ。それは。

「あのさ、ニ鳥、ところでさ、そのチョコと円ってどうしたんだ?」
「……………………あ。」

 五エ門の聞きたかったことをナルトが聞くと、ニ鳥は嗚咽と共に言葉を止めた。
 泣いている女の子と話すことなど五エ門と同じく苦手なので、これまでナルトにしては珍しく黙って聞いてきたが、その2人が心配なのもあって、話が落ち着いたところで聞いてみる。
 聞かれたニ鳥はというと、全く失念していたというようなリアクションだった。

「そ、そうやっ。完全に抜けとったっ。どうしよ、どうしたらええっ。」

 やおら立ち上がったニ鳥を五エ門が諌めるが、聞く耳は持たれない。今すぐにでも店から飛び出しそうな勢いだ。

「待て、ニ鳥。この店で使えそうなものの一つでも手に入れてから行け。」
「そんなことしてる場合かっ。てか泥棒やん!」
「既に落ちていた銃を持ち歩いているではないか。それに気に病む必要もない、元々あのツノウサギなるものが用意したものだろう。」
「でも急いどんねん!」

 なんとかナルトから偵察の結果を聞き出す時間を取ろうとするが、口下手な五エ門では見ず知らずの少女を納得させるようなセリフは吐けない。
 自分の至らなさに閉口する間にニ鳥は店から出て行ってしまった。こうなっては仕方がないので情報共有を手早く終えることにする。もちろんニ鳥に追いつくためだ。

「ナルト、分身を呼び戻せるか。」
「え、できないってばよ。」
「戻ってくるのを待つしかないか。」
「あ、でも、分身がやられて消えると分身が見てたもんとかもわかるんだ。だから今んとこあそこら辺は、あ。」
「どうした?」
「いま……分身がやられたってばよ……」

 出会って間もないが、この少年には似合わないと思う渋い表情を見て、嫌な予感がする。

「それはつまり、殺されたということか。」
「そうっちゃそうなんだけど、あ、待って、ヤバいってばよ。」

 更に渋い顔になるのを見て、五エ門は店から出た。まだニ鳥の背中は見える。

「今……警察署の外を調べてた分身がやられて、ちょっと前に中を調べてた分身もやられたってばよ。」



 前原圭一には余裕ができていた。
 野原しんのすけという名も知らぬ子供を撃ち殺したかもしれないもという不安・後悔。それらから解放されたことは強い安堵をもたらし、リラックスさせられる。
 緊張が強ければ強いほどそれが解かれたときの弛緩も強くなるのはまた道理。そっと部屋を出ていった園崎魅音にも気づかずにしばし呆けていた。
 だから山田奈緒子の呻き声を聞いてようやく我に返った時にはしばらくの時間が経っていた。

「あ、あの山田さん大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけないじゃないですか撃たれてるんですよ!」
「すみません!」

 とりあえず声をかけたがブチ切れられる。一目見れば腕に巻かれた包帯は赤く染まって、寝かせられたベッドにまで血が付いていた。その光景にしんのすけの死体を思い出してドン引きする。

「無いと思いますけど、救急車とかお医者さん探してもらえませんかね……このままじゃ冗談じゃなく死にそうなんですけど。」
「あ、そうだ、魅音が探してくるとか言ってましたよ、手伝ってきます。」

 都合のいいでまかせを言ってそそくさとその場を離れる。気まずさから解放され再び安堵の息を吐くと、そういえば魅音はどこだ?

「いつの間にかいなくなってたよな。警察署のどっかにはいるんだろうけど。お。」

 饒舌に回るようになった口で喋りながらエレベーターの前に差し掛かると、階数が来た時と変わっていることに気がつく。直ぐに合点がいくと、同じ階まで上がれば、窓辺からこちらに振り返っていた魅音が開いたドアから見えた。

「ここにいたのか。さがしたぜ。」
「ああ、うん。なんか使えそうなものないかなって。」
(……ん?)

 前原圭一には余裕ができていた。
 だからすぐに気がついた。
 魅音の雰囲気が普段よりも、そしてさっきよりも暗いものとなっていることに。

(どうしたんだ、なんか元気ないな。)
(少し前は気合入ってたのに、どうしたんだろう。)

 魅音の心の変化になど気づく余裕はあの時は無く。しかし変化した態度にはようやく気づいて。
 それが自分と彼女との間に引かれた線などとは思わない。

「あのさ、山田さんのことなんだけど、具合が良くないみたいなんだ。」
「あの傷だしね……でも、病院もここみたいに誰もいないんじゃないかな。はっきり言って、できることが思いつかないよ。」
「それは……そうだな。」

 なまじ気掛りなことがあるのですぐに思考はそちらへと引っ張られる。
 重傷を負っているのにどうしようもない人間を保護していることが、圭一が魅音の様子の変わりように気づくことを遠ざけていた。
 2人の間に気まずさから沈黙が横たわる。
 どちらも、山田が手の施しようがないことはわかっていて、しかしつい先ほど人の死についてやり取りした手前それを言い出せない。このまま死んでいくのを看取るしかない。そのことを考えたくなくて、「ほら」と圭一は魅音の分もジュースを自販機で買った。電子マネーの機械が気になったが、そのことで気を紛らわせるほど薄情でもなく、2人で並んで外を見る。
 そのままどれだけ無言の時間が流れた時だろうか。互いの息と時折ジュースを飲む音だけが流れる空間に、足音が聞こえてきたのは。
 2人で目配せする。足音から忍び足だとわかる。慎重さを伺わせるものだ。身を固くする。必然的に思い出すのは、警察署前の遭遇戦。圭一がゆっくりと肩からかけているライフルに手を伸ばそうとして、魅音がかすかに首を振って止めた。そして手で銃把を握ってみせた。

「──ゲッ! アイツの言ってた──」

 そして廊下の角から現れたのは、オレンジのジャージに金髪というハデな格好の少年だった。年は圭一より1つか2つ下だろうか。驚きを現れにした言動よりも、2人の目に止まったのは、彼が持っている黒光りする武器だ。形状的にナイフだろう。それを手にしたまま、少年は回れ右して駆け出し。
 魅音のライフルがその背中を撃ち抜くと同時に煙へと変わった。

「な、なんで。」

 圭一のその言葉は何に向けてのものなのか、本人にもわからなかった。



「おいおいウソだろまた銃声かよ。」

 傷む腕を抱えて歯を食いしばりながら山田は呟いた。
 圭一が帰ってこない。魅音も帰ってこない。そんな状況で近くに銃撃犯。中学生を頼りにするのは自分でも情けないと思うが、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
 このままじゃマジで殺される。殺されなくてものたれ死ぬ。

「冗談じゃない! 逃げないと、痛っ、あこれ、ムリだ。」

 しかし残念ながら体が言うことを聞いてくれない。腕に走る痛みでとてもじゃないが動けないし、立ち上がろうとしたらふらつくのは失血からだろう。
 ヤバいヤバいと呟きながらベッドに座り込む。万策尽きた。こうなったら圭一達が戻ってきてくれることを祈るしかない。
 お前のせいで撃たれたようなもんなんだから戻ってこいよと願うが、こんな時でも、もといこんな時だから回る頭が考えてしまう。もしや、圭一達が銃を撃ったのでは?

「そもそも、さっきの子たちだってここの近くにまだいるかも知れないような……」
「それで前原さんが撃たれた。もしくはこっちから撃った。さっきの様子だとどっちもありえるぞこれ……あたた……」

 考えればより絶望が深くなる。死ぬかもしれないとなると頭が回りに回るのが山田だ。上がった回転で自分の腕への心配も増していく。この大怪我、仮に命は助かったとしてもマジシャンとしてやっていけない後遺症になるんじゃないかと、今現在もマジシャンとしてやっていけていないことを棚に上げて考え込む。ここに腐れ縁の上田がいれば余計なことを言って怒りを買っていただろうが、幸い今はいない。考えうる中で残念ながら最も頼りになる男がいないので、不幸を超えた不幸中のささいな幸いだが。

「あの無駄筋肉が恋しくなる日が来るとは……! ああ痛いっすマジ無理っすこれ死ぬぅ!」
「大丈夫ですか?」
「だから大丈夫じゃないって! え、誰?」

 突然聞こえた声にキレ気味にツッコんでから、その声が初めて聞くものだも気づいた。

「天地神明です。あなたと同じ、巻き込まれた参加者っていえばいいんでしょうか。」
「あ、ども……」

 その姿を見てハッとなる。現れたのは、少女漫画から出てきたかのようなイケメンだった。纏っている雰囲気が王子様っぽくて高校生ほどかと一瞬思い、顔の幼さから圭一と同じぐらいだろうと思い直す。自分を心配そうに見るその表情に、見ず知らずの殺し合いの相手ということから感じるはずの恐怖よりも救いの騎士様を想像する。

「そうだ、すみません。あなたと同い年ぐらいの男の子と女の子見ませんでしたか。さっきまで一緒にいたですよ。あ、私は山田奈緒子です。」
「いえ。この街で意識を取り戻してからはあなたとしか会っていません。銃声みたいな音が聞こえて、警察署に逃げ込んできたんですが……その怪我は?」
「……話せば長くなります。警察署前で撃たれまして。この手当も2人にしてもらったんです。」
「そうですか……ですが、その出血、かなり傷が深いようですね。手当しましょうか? 良かったら。お話も聞きたいですしね。」
「いいんですか?」
「ええ、もちろん。父が医師なので、怪我をしている人は見過ごせないんです。こういう時のために応急処置の心得もあります。」

 まさかの今求めていた治療できる存在と巡り合って山田は言葉も無い。

(こんなイケメンで実家は医者とか、できすぎてんだろ……!)

 外からは銃声がまた鳴り始めた。降ってわいた幸運に内心で何か騙されているのではと思いつつも嬉しさしかなかった。



(よし、とりあえず話が通じそうな人がいたな。さっきのアレじゃ無理そうだしね。)

 一方で天地神明は冷徹に山田の利用価値を考えていた。思い出すのは先程の光景、彼が文字を解読してようやく警察署に辿りついた時のこと──


「うーん、全然人いねえなぁ、危ないやつがいないのはいいけどさあ。」

 彼が最初に見つけた参加者はナルトが2体作った影分身のうちの一人だった。
 その容姿と話し方から頭が悪そうだと踏み、さてどうやって丸め込むかと考えていたその時だ。

「うおっ、なんだ! 人が落ちてきた!?」
(羽根の生えた男? なんだ、ARか?)

 2人が見つけたのはアスモデウス・アリスの降下だった。さすがに羽根の生えた人間がビルの隙間を縫って降りてくる光景には唖然とする。
 警察署からは少し離れた位置だったので、当然ナルトはそちらの方に向かい、一方で天地は動かずにいた。
 彼はトモダチデスゲームと呼ばれる別のデスゲームの経験がある。その時は社会的生命をかけた戦いであり、クラスメイトの前で善人の仮面を被り最終決戦まで勝ち残ったが、ギリギリで久遠永遠に破れ人望も信頼も全て失った。
 そんな自分が、今度は本当の命がけの戦いに巻き込まれている。慎重に慎重を重ねなければ、生き残ることは難しいだろうと、前回の敗北から反省し、ナルトを見送った。彼の身体能力は運動神経抜群の自分より上の超人的なものだと駆け去る姿を見てわかったし、この殺し合いに馬鹿みたいにある銃はああいった手合いを殺すためにあるのだろうと推察していると。

「うわああっ!!」
(さっきの子の悲鳴か。)

 1分としないうちにナルトの悲鳴が聞こえてきた。そのまま警察署の中で息を潜めれば、現れたのは白髪に片手に大型のライフル、片手に刀を持った男だった。その体格はどう見ても格闘技か何かをやっている感じである。そして刀にはベッタリと血。服にももちろん血。どう見ても人を殺してきたと言わんばかりの姿だ。
 ここに来て天地は完全に殺し合いに直接乗ることを諦めた。さっきダッシュするのを見かけたナルトですら、少年漫画のキャラみたいな動きをしていたのだ。そんな人間を即殺したらしい男を見ると、自分はモブキャラ程度なのだとわからされる。
 それもそうだろう、ナルトは実際に少年漫画のキャラだし、それを分身とはいえ即座に殺した雪代縁にもまた少年漫画のキャラ。彼の抱いた印象はまさに正解である。

(考えたくないけど、あのツノウサギや最初の出来事を考えると、本当に少年漫画のキャラクターみたいなのばっかり参加者になっている可能性がある。魔法や超能力なんかもあるかもしれない。考え過ぎならいいけど……)

 考え過ぎではない、正解である。
 自分でも突飛な発想だと思うが、天地が経験したトモダチデスゲームは主催者が内閣総理大臣だったので、いまさら魔法ぐらい出てきても驚きが薄い。そして総理大臣でもこれだけの銃や設備を用意できないのではと思うと、空や霧の異常さもあって検討の余地はあった。
 さて困ったことに件の殺人鬼はよりにもよって警察署を目的地としていたようだ。自首するという雰囲気ではないので、自分のような参加者を殺しに回ってきたのだう。入ってきたタイミングで適当な窓からでも外に出てやり過ごすか、と考えて外を見回す。考えたくはないが複数犯の可能性もあるし、あの空から降ってきた男もゲームに乗り気な可能性がある。

(……あれ、生きてた。うまく逃げて仲間を連れてきたのかな。)

 その警戒心は功を奏した。こちらへとかけてくるナルトたちを見て、数瞬考えを巡らす。

(戦力的には五分かな。超人同士で潰し合ってもらえるかもしれない。なら今は、自分の信頼を高めておくか。)

 警察署内には血痕があった。おおかた怪我人がいるのだろう。まさか死体を安置しに来たというわけではあるまい。あの白髪の殺人鬼に襲われるリスクはかなりあるが、このあたりで誰かと接触しておかないと後で詰む。仮に出くわしたとしても、自分の話術ならば数分は時間を稼いでみせる。その間にナルト達がくれば分が良い三つ巴ぐらいには持ち込んでみせよう。そのためにも怪我人を保護しているというカードがほしい。

(この部屋か。さて、手負いの化物とか出てこないでくれよ。)

 天地は王子様の仮面を被ると、山田のいる扉を開けた。



「姉さん……!」
「お、参加者発見! なあ兄ちゃん、この辺りで──」
「! 邪魔だっ!」
「──女の子たち見なかっ、うわああっ!!」

 四宮かぐやに姉を思い出し思わず駆け出していた雪代縁。
 そこに声をかけてきた少年に、反射的に倭刀を振るっていた。
 気がついた時には、斬ったという感覚もそこそこに少年は煙と化していた。

「……なんだったんだ、幻影か?」

 空から人は飛んでくるは姉に似た少女を見つけるは斬ったら煙になる少年は出てくるは、おもわずひとりごちてしまう。
 苛立ち紛れに近くの道路標識をたたっ斬って、電信柱に蹴りを入れる。ちゃんと斬れて蹴れるものに自分の正気をみると一度深呼吸をして警察署へと歩き始めた。気になることや驚くことが多すぎる。1つしか起きていないのなら足を止めて考えてから動くが、こういくつも起きると考えていたらきりがないので、当初の予定通りの行動をすることに。
 縁の認識ではとりあえず大きいビルが警察署だ。石造り(実際は鉄筋コンクリートだが、彼から見ると違いはわからない)の多層階建築物=政府の建物というのは、明治の日本にいるものならば当たり前のもの。なにせビルというものがほとんど無いし、木造でないものもほとんど無いのだ。ビルがいくつも並ぶ様には驚いたが、いまさらそんなことで驚いてもいられないのでスルーして、赤いランプが回っていた建物を見つけて入る。ひとりでに開いた自動ドアに驚き叩き割ったが、しばらく辺りを警戒して敵襲が無いことを確認する。発達した聴覚が捉えたのは、駆けてくる足音。

「あ! おっちゃんアイツだ!」
「さっきの……」

 警察署から飛び出ると同時に足音目掛けてライフルを撃つ。そこにいたのは、先程煙になった少年だった。何かの技で逃れたのか、と疑問に思うより早く対戦車ライフルが火を吹く。
 その瞬間、縁は信じられないものを見た。少年、ナルトの後ろから追い越して飛び込んできた侍が居合を放つ。まさか、と思った縁の耳にキーンという音が聞こえてきた。ライフル弾を、刀で斬ったのだ。

「うおっ! な、なんだ、あれって銃か!?」
「ひいっ!」
「ニ鳥を連れて下がれ。足手まといだ。」

 突貫してくる侍、五エ門に向かって、未だ驚き冷めやらぬままライフルを放つ。
 縁は知らないとはいえ対戦車の名前を関するそれは凄まじい反動だが、それを五エ門がいとも容易くに切り捨てていくことに戦慄する。とても人間業とは思えない。
 腰を落とし刀を振るい納刀すると同時に弾丸は五エ門の足元に転がる。それを見て即座に縁は警察署内へと戻った。対戦車ライフルを捨てると、落ちていたマークスマンライフルとアサルトライフルを両手に持つ。遅れて突入してきた五エ門に、2丁ライフルが火を吹いた。

「バカなっ!?」

 再び信じられないものを縁は見た。ガトリングの如き連射が、凄まじい速度の抜刀により斬り伏せられていく。数秒で弾丸の残骸が五エ門の足元に重なっていく。

「オ前……何者ダ! 武士カ! 妖怪カ!」
「石川五エ門。武士ではない、侍だ。怪盗だがな。」
「石川五エ門……実在シタノカ……」

 縁もその名前は知っている。江戸時代にいたとされる伝説的な義賊だ。半ば架空の歴史上の人物だと思っていたのだが、堂々とその名を名乗り神業を見せる男を前にしては、偽名だ何だと野暮なことを言う気も失せる。
 五エ門が一歩前に出ると、縁は一歩後退る。目の前の侍の強さを理解していた。人間離れしたその強さは、怨敵たる緋村抜刀斎よりも上ではと、そこまで考えが行き、後退る足を止めて前に出した。

「本物ノ五エ門デモ偽物でもどうでもいい……オレの人誅ノ踏み台になれ……」
「……場の空気に当てられたというわけでは無いようだな。手加減はせん。ここで斬る。」
「お前も人斬りか。人斬りが子供のお守りとはな。」
「笑いたければ笑え。行くぞ。」
「来いっ!」

 五エ門が踏み込むと同時に、縁はライフルを投げつけた。当然のように両断されるが、突撃の勢いを殺したことで、床に転がるライフルへと手を伸ばす時間が生まれる。セミオートで弾丸を放ちながら、素早く室内に転がる武器を把握する。弾が切れるより早く次の武器へと手を伸ばし、弾丸の雨を途切れずに浴びせかける。

(強い。守りながらでは厳しかったな。)

 五エ門は2人を引き離せたことに心の中で安堵する。銃の腕はないようだが、それは裏を返せば流れ弾が多いということ。弾がバラけられるとそれだけ足を止めて斬らねばならない。さっきの屋外や突入してすぐがまさにそれで、後方へと気を使いながらでは前進ができなかった。
 しかし今なら気兼ねなく前進できる。五エ門はそう思い縁の隙を伺う。それは存外早く来た。縁が何かに驚いたように遮蔽物の陰へと身を滑らせたのだ。同時に感じる背中からの殺気。縁へ間合いを詰めようとした足を止めて後ろへと向くと、弾丸が近くを通り過ぎていくのが見えた。

「挟まれたか。」
「み、魅音。お前が撃たなくても。」
「あの侍っぽい方、圭ちゃんを撃った子と一緒にいたんでしょ。さっき撃ったら煙になった男子とも一緒にいたし、怪しすぎるでしょ。そこのお侍さん! そういうことだから、武器を捨てて! 疑わしきは罰するから!」
「……違う、姉さんじゃない。」
「早く! 今度は当てるよ!」

 五エ門は半身になって縁と後方から銃撃してきた少女、魅音を両睨みする。
 状況が複雑になった。少女と共にいる少年は、ニ鳥の話していた少年だろうと当たりをつける。その殺気は本物だ。本気で殺す気でいる。
 説得は、困難だ。縁と戦いながらでは厳しいというレベルではない。せめてあっちにも武器を捨てろと言ってほしい。なぜこっちだけなのか。

(あの男の姿が見えていれば、話は簡単だったのだが。)

 たぶん自分だけが殺し合いに乗ってると思い込まれてる。縁の隠れる位置は五エ門からは見えるが魅音達からは見えない位置だった。殺し合いに乗ってる人間の仲間と、それと戦っている相手では信用に差がある。あの返り血の着いた服を見ればそれもひっくり返せるのだが、と思わずにはいられない。

「早く刀を捨てろ! 本当に撃つぞゴラァ!」
「断る。話なら後で聞く。」
「じゃあ死ね!」

 魅音から殺気が膨れ上がる。向き直って放たれた弾丸を切り払いつつ、背中へと意識を向けると、こちらかも殺気が来た。フェイントを入れて魅音の銃口を逸し、縁へと接近する。予想通りに魅音の銃撃とタイミングを合わせて縁は撃ってきていた。大きく後ろに飛び退いているが、それも予想内。魅音の狙いが定まるより早く縁を斬り伏せる。
 最低限の弾丸を切り払い、体を弾丸が掠める衝撃を覚えながら一太刀入れた。予想を超えたバックステップで距離を取られ、ライフルの銃身を切るに留まる。更に踏み込んで斬ろうとして、縁に刃が届く寸前、空中で姿勢制御が崩れた。
 銃弾、ではない。撃たれた感覚とは違う。これは、爆風だ。

(手榴弾──)

 視界の端に飛んでいく破片を見て、自分が何を食らったか察した。
 縁が仕掛けたのは、遮蔽物に使っていた観葉植物のプランターに投げ込んだ手榴弾だ。いくつかの鉢植えを並べられるそれは、手榴弾の破片を防ぎつつそれ自体の破片を飛ばす。こうすることで威力を落とし、かつ自分と爆心地の間に五エ門を挟むことで極力被害が及ばないようにした。無論これは縁にとっても一か八かの賭けである。五エ門が必ず自分を殺しに来ることを信じて、少しでも動いた瞬間に仕掛けなければ間に合わない。そして間に合ったとしても、五エ門の縮地からの一太刀は自力で防がなければならない。

「破ァッ!」

 縁はこの殺し合い始まって以来の裂帛の気合で倭刀を抜き放った。大型の猫を思わせる靭やかな筋肉が倭刀を振るう。対するは、姿勢を崩され、刃筋を立てられなかったとはいえ斬鉄剣。衝撃の走る筋肉を無理矢理に動かして縁の首を取りに行く。結果は。

「見事、だ。」

 五エ門は縁を置いて走ると、窓ガラスを切り捨てて警察署から飛び出した。
 太刀打ちは、火花と共に双方の刀が刃こぼれするだけに終わった。
 縁の抜刀は、寸でのところで五エ門の居合を食い止めたのだ。
 五エ門は着地すると同時にふらつく。その身に負ったダメージは無視できない。遮蔽物の残骸で和らいだとはいえ、少なくとも数十分はろくに筋肉が動かない衝撃を与えられてしまった。

 戦場からはこうして1人が退場して次なる局面を迎える。



【0209 『南部』 繁華街・警察署】

【石川五エ門@ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE(名探偵コナンシリーズ)@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
 殺し合いからの脱出。
●中目標
 二鳥やナルトなどの巻き込まれた子供は守る。
●小目標
 警察署から逃走する。

【うずまきナルト@NARUTO-ナルト-白の童子、血風の鬼人(NARUTOシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 殺し合いとかよくわかんねーけどとにかくあのウサギぶっ飛ばせばいいんだろ?
●小目標
 ニ鳥を守る。

【宮美二鳥@四つ子ぐらし(1) ひみつの姉妹生活、スタート!(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●中目標
 あの男子(圭一)を殺す。
●小目標
 なんやあの血まみれの服のお兄ちゃん(縁)……

【前原圭一@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第一話 鬼隠し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●中目標
 山田さんを助けたい。
●小目標
 さっきの女の子(ニ鳥)と煙になった金髪ジャージ(ナルト)の仲間っぽい侍(五エ門)を警戒。

【園崎魅音@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第二話 綿流し編 上(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●中目標
 家族や部活メンバーが巻き込まれていたら合流する。
●小目標
 圭ちゃんが言ってたっぽい女の子(ニ鳥)と煙になった金髪ジャージ(ナルト)の仲間っぽい侍(五エ門)を警戒。

【山田奈緒子@劇場版トリック 霊能力者バトルロイヤル 角川つばさ文庫版@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●小目標
 手当してもらえそうなのはいいけどなんか銃声凄くない?

【天地神明@トモダチデスゲーム(トモダチデスゲームシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●中目標
 信頼されるように努めて、超人的な参加者から身を守れる立ち回りをする。
●小目標
 始まったみたいだな……まずは山田さんが逃げたいと言い出すまで治療して、それからは状況を見ながらやるしかないかな?

【雪代縁@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
 人誅をなし緋村剣心を絶望させ生地獄を味合わせる。
●中目標
 緋村剣心と首輪を解除できる人間を探す。
●小目標
 石川五エ門を追撃する。

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