虹村形兆のこれまでの殺し合いは概ね順調と言えた。
これまで殺した参加者は5名、開始2時間で5名である。かなりのハイペースであることは間違いない。
それを可能とするのが彼の慎重な性格と、それを反映させたかのような統率のスタンド、《バッド・カンパニー》。ミニチュアの軍隊は彼の指揮のもと、他殺の痕跡も残さぬように、情け容赦なく抹殺を行う。
適宜スタンドを発現し、単独だろうと徒党を組んでいようと殺す方策を立て、つつがなく実行する。それが彼と《バッド・カンパニー》の強みだ。
更には己の潔白の証人まで手に入った。久遠永遠、形兆よりも後の時代の女子中学生は、これまでの間、彼と行動を共にしている。《バッド・カンパニー》が攻撃している間も形兆は何ら不審な動きを見せずに彼女の目の前にいたのだ。万が一疑われることがあったとしても、永遠から見た形兆は完全に白。鉄壁のアリバイと言うやつである。
そんな彼にケチが付いたのは、ある工場へと差し掛かった時のことだった。
これまで殺した参加者は5名、開始2時間で5名である。かなりのハイペースであることは間違いない。
それを可能とするのが彼の慎重な性格と、それを反映させたかのような統率のスタンド、《バッド・カンパニー》。ミニチュアの軍隊は彼の指揮のもと、他殺の痕跡も残さぬように、情け容赦なく抹殺を行う。
適宜スタンドを発現し、単独だろうと徒党を組んでいようと殺す方策を立て、つつがなく実行する。それが彼と《バッド・カンパニー》の強みだ。
更には己の潔白の証人まで手に入った。久遠永遠、形兆よりも後の時代の女子中学生は、これまでの間、彼と行動を共にしている。《バッド・カンパニー》が攻撃している間も形兆は何ら不審な動きを見せずに彼女の目の前にいたのだ。万が一疑われることがあったとしても、永遠から見た形兆は完全に白。鉄壁のアリバイと言うやつである。
そんな彼にケチが付いたのは、ある工場へと差し掛かった時のことだった。
(工場か……これまでの傾向から考えれば強力な武器が期待できるか。)
几帳面な彼は、集めた武器をいつどこで拾ったかを記録している。そこから武器の配置の法則に気づくのに時間はかからなかった。
大規模な建物ほどより重火器が手に入る。公衆トイレには銃すらろくになかったがコンビニには多種多様の武器があった。目にした工場のような大きな建物であれば、バズーカの一つでも落ちているかもしれない。
形兆としては、そういった兵器はなるべく破壊しておきたかった。スタンド使いである彼からすれば、武器など必要ない。殺害を偽装するには好都合と言えど、それが自分に向けられるのでは割に合わない。リスクは顕在化する前に潰しておく。几帳面な彼らしい判断は。
大規模な建物ほどより重火器が手に入る。公衆トイレには銃すらろくになかったがコンビニには多種多様の武器があった。目にした工場のような大きな建物であれば、バズーカの一つでも落ちているかもしれない。
形兆としては、そういった兵器はなるべく破壊しておきたかった。スタンド使いである彼からすれば、武器など必要ない。殺害を偽装するには好都合と言えど、それが自分に向けられるのでは割に合わない。リスクは顕在化する前に潰しておく。几帳面な彼らしい判断は。
形兆(──なんだ、この感覚は……なにか、空気が変わった)
永遠「音うるさ……なんかヤバい気がする」
仇と、なる
形兆と永遠が踏み込んだエリアは、解体予定の廃工場
建物内にも重機が運び込まれたそこで、不気味に響く機械音
機械室と書かれたドアをくぐった先には、音の出どころである発電機が回っている
建物内にも重機が運び込まれたそこで、不気味に響く機械音
機械室と書かれたドアをくぐった先には、音の出どころである発電機が回っている
形兆「発電機が動いているのか? この様子は明らかに取り壊している──」
永遠「形兆!」
永遠の叫びと同時に、発電機が止まる
その瞬間、灯りは消え、それまでかき消されていたうめき声が二人の耳へと届いた
永遠にスマホのライトを指され、形兆が手すりのない通路から慎重に数メートル下の階下を覗き込むと
その瞬間、灯りは消え、それまでかき消されていたうめき声が二人の耳へと届いた
永遠にスマホのライトを指され、形兆が手すりのない通路から慎重に数メートル下の階下を覗き込むと
木瀬文太「助けて、くれぇ……」
形兆「な、なにぃ!?」
鉄骨に背中から腹へと貫かれ、身動きの取れない男
そして響いてくるのは、足音
そして響いてくるのは、足音
木瀬「頼む……息子と……妻が……」
10
形兆「百舌鳥のはやにえのような……足を滑らせたのか……」
9
永遠「待って、この音……」
8
木瀬「あぁっ! やつだ、やつが来る……」
7
形兆「やつ? 誰のことだ」
6
木瀬「ハンターが、ハンターが、来る!」
5
永遠「足音がする! 近いよ!」
4
形兆「なんだ、この違和感は……《バッド・カンパニー》!」
3
木瀬「発電機にガソリンを……」
2
永遠「下? 止まれ! ぼくらは殺し合う気はない!」
1
木瀬「永富さ……」
0
バァン!
音を立てて鉄の扉が倒れる
永遠のライトに照らされ、扉を踏み越えて現れたのは、黒いサングラスに、黒いスーツ、黒いシューズの男
その男を見た瞬間、形兆と永遠は理解した
こいつがハンターだ、と
音を立てて鉄の扉が倒れる
永遠のライトに照らされ、扉を踏み越えて現れたのは、黒いサングラスに、黒いスーツ、黒いシューズの男
その男を見た瞬間、形兆と永遠は理解した
こいつがハンターだ、と
木瀬「くそっ! 来るなっ! せっかく生き残ったのに! リハビリだってしたのに! チクショウ、チクショウ!!」
木瀬の叫び声をまるで意に介した様子は無く、ハンターは淀み無く歩み寄る
そしてハンターが木瀬の体に触れたとたん、木瀬の首輪は爆発したように輝いた
そしてハンターが木瀬の体に触れたとたん、木瀬の首輪は爆発したように輝いた
形兆「あれは最初の!」
ハンター「……!」
猛然と駆け出した
永遠「ヤバいやつだこれ!」
形兆(なんなのだこれは、ノリが違いすぎる!)
形兆(ともかく攻撃を……いや、待て、横にコイツがいるのに撃てば明らかに不自然ッ ここは拳銃で)
形兆(ともかく攻撃を……いや、待て、横にコイツがいるのに撃てば明らかに不自然ッ ここは拳銃で)
逡巡する形兆を置いて、永遠は駆け出す
トモダチデスゲームの優勝者は、すぐさま新しいデスゲームに対応した
一方、形兆はスタンド使いとして驚異に対応しようとし、3手遅れる
スタンドでの攻撃をためらい一手
トモダチデスゲームの優勝者は、すぐさま新しいデスゲームに対応した
一方、形兆はスタンド使いとして驚異に対応しようとし、3手遅れる
スタンドでの攻撃をためらい一手
形兆(──いやッ! それでは死体があからさまに他殺だとわかってしまう! 処理したとしても、永遠に俺が人殺しをいとわない人間だと思われるッ!)
銃での攻撃をためらい二手
形兆(永遠は俺を置いて逃げたが好都合、これなら《バッド・カンパニー》で殺れる)
形兆「攻撃開始ィ!」パララララ
形兆「攻撃開始ィ!」パララララ
あらためてスタンドでの攻撃を行い三手
その間にハンターは、階段を登ってきてしまう、そして
その間にハンターは、階段を登ってきてしまう、そして
ハンター「……」カカカカカッ
形兆「なにィ──!!」
ハンターはアンドロイド
軍隊の攻撃力を持つと言っても、《バッド・カンパニー》はミニチュアサイズ
ダメージはあるが、動きを止めるには、足りない
軍隊の攻撃力を持つと言っても、《バッド・カンパニー》はミニチュアサイズ
ダメージはあるが、動きを止めるには、足りない
形兆(歩兵とはいえ無傷だとぉ!? 首輪を作動させる能力とスタンドを無効にする能力か……に、逃げなければ!)
形兆は踵を返して駆け出した
エリアに踏み入ってしまった、形兆と永遠
これより、恐怖のゲームはあらたな局面を迎える
これより、恐怖のゲームはあらたな局面を迎える
run for alive 逃走中
永遠(うわ、ハンター来た来た)
形兆「一人で逃げるなああ! 逃げるな卑怯者おお!」
永遠(逃げるでしょ、なんでぼさっとしてたのさ)
永遠の目の前を、形兆とハンターが通り過ぎていく
ときおり聞こえる銃声が遠くなるまで1分ほど待ってから、永遠はロッカーから這い出た
ハンターは視界に捉えた参加者を追跡する
上手く撒いたようだ
ときおり聞こえる銃声が遠くなるまで1分ほど待ってから、永遠はロッカーから這い出た
ハンターは視界に捉えた参加者を追跡する
上手く撒いたようだ
永遠(暗いなあ、緑のアレしか点いてないよ)
永遠(スマホのライトがないとまともに歩けないな……バレないように慎重に使わないと)
永遠(さて……まあ、助けに行ってやるか、初対面だけど命令されたとおりに殺し合うのも見殺しにするのも腹が立つしね)
永遠(スマホのライトがないとまともに歩けないな……バレないように慎重に使わないと)
永遠(さて……まあ、助けに行ってやるか、初対面だけど命令されたとおりに殺し合うのも見殺しにするのも腹が立つしね)
永遠は形兆の救出に向かうようだ
ゆっくりと歩き出した彼女が耳にしたのは爆音
上の階で何か爆発したようだ
ゆっくりと歩き出した彼女が耳にしたのは爆音
上の階で何か爆発したようだ
永遠(アイツ手榴弾持ってたっけ、まだ生きてはいるみたいだね)
乱雑に物が散らかる廊下を慎重に歩く
階段を登ったところで、足が止まる
階段を登ったところで、足が止まる
永遠(足音かな、どっちだ)
ハンターを警戒する永遠
その予想通り、足を踏み入れた階にいたのは、ハンター
その予想通り、足を踏み入れた階にいたのは、ハンター
ハンター「……」
ハンターは視界に捉えた参加者を追跡する
虹村形兆、上手く撒いたようだ
虹村形兆、上手く撒いたようだ
永遠(遠ざかったな)
形兆との合流を目指すが、動くほどハンターに見つかるリスクが高まる
迂闊には、動けない
迂闊には、動けない
永遠(一応逃げれたっぽいかな)
永遠(でもこれじゃ助けに行けないぞ……とにかく音がしてる方に近づいて、先に見つけよう)
永遠(ハンターなら逃げる、銃は……まあ、いざとなったら)
永遠(でもこれじゃ助けに行けないぞ……とにかく音がしてる方に近づいて、先に見つけよう)
永遠(ハンターなら逃げる、銃は……まあ、いざとなったら)
物音を立てないように、動く永遠
亀のようなスピードだ
10分ほどかけて、ようやく階の半分ほどまで進む
亀のようなスピードだ
10分ほどかけて、ようやく階の半分ほどまで進む
永遠(なんだこの部屋、ここだけ荷物で塞がってる)
松野一松「……おい」
永遠「うわっ、誰?」
一松「ハンターは? 撒いたか?」
永遠「あのサングラスの黒服のこと?」
一松「そうだあのマトリックス野郎だ、いないよな」
永遠「いないけど、ていうか誰?」
一松「誰でもいいだろ……オッサンと会わなかったか、メガネかけて足の悪い」
永遠「……ハンターが触ったら、首輪が光って」
一松「言わなくていい……だから無理すんなって言ったんだ……小学生ぐらいの女の子は?」
永遠「見てない、ねえ、あの人の知り合い?」
一松「ここで会っただけだ、発電機を回すように頼んだんだけどな」
永遠の前にバリケード越しに現れたのは、紫色のパーカーを目深に被った若い男
彼が言い渡すのは、このエリアからの脱出法だ
彼が言い渡すのは、このエリアからの脱出法だ
MISSION 自家発電機を作動させろ
廃工場は停電すると自動的にシャッターが降りる
外部への非常ドアは取り壊しのために不法侵入されないよう施錠されているため、エリアから脱出するためには自家発電機を作動させて電力を復旧しなければならない
外部への非常ドアは取り壊しのために不法侵入されないよう施錠されているため、エリアから脱出するためには自家発電機を作動させて電力を復旧しなければならない
一松「オッサンには発電機の修理を頼んで、女の子には燃料のガソリンを探すように頼んでる……ハンターに止められたみたいだけど、再機動させればいい、合流して手伝え」
永遠「はあ? なんで自分でやらないの」
一松「……おれは監視カメラでサポートする」
永遠「おいアンタふざけたこと言ってんじゃ」
一松「大声を出すな! 発電機が動けば監視カメラもスピーカーも使える、お前らが無事に逃げられるように案内してやる」
永遠の話を遮る一松
ミッションに動く気はないようだ
そして口論する2人に迫るのは
ミッションに動く気はないようだ
そして口論する2人に迫るのは
ハンター「……」
ハンターだ
永遠「小学生に危ないことさせて自分は引きこもる気かよ!」
一松「静かにしろ……ハンターが来る……」
永遠「……」ガラガラ
一松「おま、やめろ、動かすな!」
永遠「一人だけ安全なところに隠れようなんてそんな──ハンター!」
LOCK ON
ハンターが視界に捉えたのは、永遠
ハンターが視界に捉えたのは、永遠
一松「持ってけ、ドライバーだ!」
永遠「引っ張んな、なにこれ、クソっ……!」パァン
ハンター「……」スッ
永遠「見切られた……!」ダッ
押し付けられたドライバーを片手に拳銃を撃つも、足を狙った弾丸をハンターは飛び越えて躱す
ハンターはアンドロイド
戦闘用も開発されている彼らは、弾道を予測し最適な効率で躱し
参加者を、追い詰める
ハンターはアンドロイド
戦闘用も開発されている彼らは、弾道を予測し最適な効率で躱し
参加者を、追い詰める
永遠「しかも速い!」ガラガラ
ハンター「……」ガラガラ
廊下に立て掛けられた廃材を崩す永遠
ハンターの足を止める作戦だ
果たして逃げ切れるのか!
ハンターの足を止める作戦だ
果たして逃げ切れるのか!
永遠「形兆ぉ!」
形兆「こっちに来るな!」
永遠が逃げた先にいたのは、形兆
形兆「おれを見捨てておいて虫がいいんだよ!」
永遠「だから助けに来たんだろ!」
形兆「そもそも見捨てるな!」
永遠「ぼさっとしてんな!」
ハンター「……」
口論する間にもハンターは迫る
階段を駆け下りていく2人との距離はまたたく間に縮まっていく
階段を駆け下りていく2人との距離はまたたく間に縮まっていく
永遠「あっやばっ」
形兆「なんだっうおお!?」
急停止する永遠と走り続けた形兆
明暗が別れる
廃工場は解体工事によりところどころ取り壊されている
形兆の足場が消えた
明暗が別れる
廃工場は解体工事によりところどころ取り壊されている
形兆の足場が消えた
形兆「ぐああっ!」
数メートル下に落下する形兆
積み重ねられた段ボールにより一命を取り留める
木瀬のように串刺しにならなかったのは不幸中の幸い
積み重ねられた段ボールにより一命を取り留める
木瀬のように串刺しにならなかったのは不幸中の幸い
形兆(腰がっ! まずい、立てん! 《バッド・カンパニー》!)
永遠「逃げ場ないじゃん、飛び降りるよ!」
形兆「危ねえ!」
スタンドを発現させながら慌てて横へと転がる形兆
そこへ受け身を取って飛び降りてきた永遠と見下ろすハンターの目が合う
そこへ受け身を取って飛び降りてきた永遠と見下ろすハンターの目が合う
ハンター「……」スッ
永遠(あれ、飛び降りてこない)
形兆(ヘリに気づいたのか?)
ハンターはバラエティ番組のコンプライアンスを守って行動する
1メートルは一命取る
全国の子供達が真似したらケガをするようなことは、許されない!
1メートルは一命取る
全国の子供達が真似したらケガをするようなことは、許されない!
永遠「動ける?」
形兆「くっ……ナメるんじゃねぇ」
永遠「無理そうだね……集めた荷物も置いてきちゃたしどうするかな……」
形兆「ボケッとしてんじゃあねーぞッ! この工場から逃げ出す必要がある、外への出口はシャッターが降りてたが、爆薬があればあんなもの吹き飛ばせるッ! お前は置いてきた荷物を取ってこい!」
永遠「アンタも置いてきてんじゃん、ていうかどうするの? アイツたぶん来るよ?」
形兆「一度手榴弾で撃退した、今度もなんとかする、早く行け!」
永遠「……死ぬなよ」
形兆(お前がいるとスタンドが使えんのだ!)
形兆を置いて駆け出す永遠
しかし
しかし
ハンター「……」ダッ
永遠「て! ぼくを追いかけるのかよ!」
鉢合わせたのは、ハンター
永遠(速いだけじゃない、スタミナもある!)
ハンターは陸上選手のフィジカルで参加者を追い詰める
長距離で逃げ切れたのはエリック・ワイナイナなどのメダリスト
一般人が逃げ切るためには障害物を利用しなければならない
長距離で逃げ切れたのはエリック・ワイナイナなどのメダリスト
一般人が逃げ切るためには障害物を利用しなければならない
永遠「ゲッ! はぁ……はぁ……」
永遠(ウソでしょ行き止まり!? なにか手は……これだ!)ガラガラ!
永遠(ウソでしょ行き止まり!? なにか手は……これだ!)ガラガラ!
ハンター「……」ガッ! ギリギリ…
永遠が逃げ込んだのは出口が一つしかない小部屋
袋小路だ
棚を倒して作ったバリケードをハンターはこじ開けにかかる
袋の、ネズミ
袋小路だ
棚を倒して作ったバリケードをハンターはこじ開けにかかる
袋の、ネズミ
永遠(マジでやばいな、撃つ? ダメだたぶん避けられる、なんなんだよコイツなんで見切れるんだよ、ターミネーターかよ)
永遠(出口は……窓もドアもないし! なんか通風口とか、あった!)
永遠「ドライバー……役に立つとはね」
永遠(出口は……窓もドアもないし! なんか通風口とか、あった!)
永遠「ドライバー……役に立つとはね」
永遠が見つけたのは、足元の管理用ダクトだ
ドライバーで四隅のネジを回す
その間にも着実に開いていくドア
間に合うのか!
ドライバーで四隅のネジを回す
その間にも着実に開いていくドア
間に合うのか!
永遠「よし外れた!」カラン
ハンター「……」バァン!
永遠「ウゲッ来た!」ヌルッ
ハンター「……」スカッ
ギリギリでダクトに飛び込んだ永遠
ハンターはコンプライアンス的に事故を誘発するような場所には追いかけることができない
九死に、一生
ハンターはコンプライアンス的に事故を誘発するような場所には追いかけることができない
九死に、一生
形兆「ようやく歩けるようにはなったが……くっ……筋を痛めたな……逃げたらアイシングとテーピングをしなければ……」
よろめきながらも立ち上がる形兆
永遠がハンターに追われている間に回復したようだ
永遠がハンターに追われている間に回復したようだ
形兆(我が《バッド・カンパニー》の警戒網があれば、ハンターをかわすことは造作も無い……さっきのように永遠が連れてこなければな)
形兆(あの調子ではハンターはやつを追いかけたようだな、なら好都合だ、おれが爆薬を見つけて脱出口を開けてやる)
形兆「むっ、ここは……さっきの場所か」
形兆(この建物にはところどころに大型の武器もあるが、今のおれでは扱えない……)
形兆(手榴弾ももう無い……あったとしてもシャッター程度開けられるだろうが、こうも暗くて雑然としていると見つけるのも難しい……)
形兆(かといってスタンドは使いたくない、これ以上派手に使えばパワーが落ちかねねぇ)
形兆「結局荷物を回収するのが早いか」
形兆(あの調子ではハンターはやつを追いかけたようだな、なら好都合だ、おれが爆薬を見つけて脱出口を開けてやる)
形兆「むっ、ここは……さっきの場所か」
形兆(この建物にはところどころに大型の武器もあるが、今のおれでは扱えない……)
形兆(手榴弾ももう無い……あったとしてもシャッター程度開けられるだろうが、こうも暗くて雑然としていると見つけるのも難しい……)
形兆(かといってスタンドは使いたくない、これ以上派手に使えばパワーが落ちかねねぇ)
形兆「結局荷物を回収するのが早いか」
形兆は最初にハンターと遭遇した機械室へ向かうようだ
形兆「あったぞ、後はプラスチック爆薬を」
永富潮「あの……」
形兆「何者だッ」
機械室に響く少女の声
形兆が遭遇したのは、永富潮
彼女もまた、一松からミッションを受けた参加者だ
形兆が遭遇したのは、永富潮
彼女もまた、一松からミッションを受けた参加者だ
潮「発電機はこの先です! 木瀬さんっていうオジサンが発電機を直したはずなんです、さっきはガソリンが足りなかったみたいだけど、これなら」
形兆(発電機を直した、なんのために?)
形兆(いやそれよりも……そのポリタンクにガソリンが入っているのか? なんて握力だ)
形兆(とにかく話を合わせるか、口論をしている時間はもうない)
形兆「案内しろ」
形兆(いやそれよりも……そのポリタンクにガソリンが入っているのか? なんて握力だ)
形兆(とにかく話を合わせるか、口論をしている時間はもうない)
形兆「案内しろ」
潮「はい!」
潮に案内される形兆
木瀬の死体を尻目に奥へと進む
木瀬の死体を尻目に奥へと進む
潮「ここです! うう……木瀬さん……」
潮の頭に流れるのは、この2時間の木瀬との思い出
事故から九死に一生を得た彼と、別のデスゲームで命を落としたはずの彼女が、心通わせた記憶
事故から九死に一生を得た彼と、別のデスゲームで命を落としたはずの彼女が、心通わせた記憶
形兆(回想に入ろうとするな!)
しかし形兆からすれば、知らない子供と死体の思い出
微塵も興味は、無い
微塵も興味は、無い
形兆「泣いてるヒマはねえ、手を動かせ!」
潮「…………はっ! 木瀬さん……はい!」
考え込む潮の脳裏に語りかけてきたのは、死んだはずの木瀬
そのパートは、丸々カット……
そのパートは、丸々カット……
潮「麻耶ちゃん……潮がんばるよ!」
潮「どこかにガソリンを入れて動かせば、入口のシャッターが開くって!」
潮「どこかにガソリンを入れて動かせば、入口のシャッターが開くって!」
形兆(知らない名前や知らない情報ばかりだが、察しはついた)
形兆「こういう非常用の設備なら説明書きがあるはずだ……ほうら!」
形兆「こういう非常用の設備なら説明書きがあるはずだ……ほうら!」
見つけた説明を読み込んでいく形兆
せわしなく視線が動くこと数分
神経質に全ての注意に目を通した彼は、1つのフタを開けた
せわしなく視線が動くこと数分
神経質に全ての注意に目を通した彼は、1つのフタを開けた
形兆「ここだ、貸せ!」
潮「はい!」
形兆(重い! 満杯じゃねえか! コイツこんなもんを片手で持ってやがったのか?)
形兆「一つじゃ足りるのか、もう一つもだ!」
形兆「一つじゃ足りるのか、もう一つもだ!」
潮「はい!」
形兆(やっぱり重え! くっ、腰が……こんなもん、怪我がなくても片手でじゃ……)
ポリタンクからガソリンが注がれていく
そして形兆の手がフタを閉めボタンへと伸びると
ウオオオオオオオオオオォォ……
発電機、起動!
そして形兆の手がフタを閉めボタンへと伸びると
ウオオオオオオオオオオォォ……
発電機、起動!
形兆(なんて音の大きさだ、これではハンターに気づかれて当然)
形兆「よし、逃げるぞ!」
形兆「よし、逃げるぞ!」
潮「はい!」
明るくなり足場が見えるようになった形兆はすぐさま駆け出す
荷物も永久も置いていく
荷物も永久も置いていく
形兆「《バッド・カンパニー》、攻撃開始!」
そして、潮も
潮「きゃあっ!!」
潮の上に廃材が崩れる
やったのは、形兆のスタンド
まさしく、極悪
やったのは、形兆のスタンド
まさしく、極悪
形兆(これで更に一人、物音に気づいたハンターに殺されろ)
潮「待ってぇ! 置いていかないでぇ! えっと、お兄さん!」
形兆「名前も知らないやつを助けるかよ」
虹村形兆、脱出
永久「この音、発電機が動いた?」
響く機械音、点いた電灯、そして開いていくシャッターの音
その騒音は永久の耳にも届いた
同時に響くのは足音
その騒音は永久の耳にも届いた
同時に響くのは足音
永久「追ってきた音が離れた……発電機止めに行ったの!?」
ハンターはエリアの出入りに必要な装置を理解し参加者を追い詰める
参加者はハンターをかわしエリアから脱出しなければならない
参加者はハンターをかわしエリアから脱出しなければならない
永久「さっき飛び降りたショートカットで……イテ!」
潮「だ、誰?」
永久「なんだこのガラクタ……って人?」
潮「た、助けて……」
永久「なんでこんなことなってんの? あ~重たいなこれ!」ガラッ
潮「学ランのお兄さんと発電機を直したんだけど、逃げる時に下じきになっちゃって……よいしょ!」ガラッ
永久「アイツ一人で逃げやがったな……いっせーのせで上げるよ、いっせーの!」
潮「せ!」ドガァン!!!!
永久(うわ力強っ、これぼくいた?)
潮「ありがとう……ありがとう! うええん……」
永久「泣かないで、逃げるよ!」
なんとか廃材から抜け出した潮
しかし突如周囲が暗闇に包まれる
そして発電機の音が消え残るのは
シャッターの閉まる音
しかし突如周囲が暗闇に包まれる
そして発電機の音が消え残るのは
シャッターの閉まる音
永久「やられた、走って!」
潮「うん!」
出口へと駆け出す2人
その後ろからハンター
その後ろからハンター
永久「出れた! あそこのヤブに飛び込むよ!」
潮「ハッ……うん!」
下草の多い木立に倒れ込むように飛び込む2人
ふと永久が後ろを振り向けば
ふと永久が後ろを振り向けば
永久「アイツも出てきちゃったよ……」
シャッターをくぐり抜けて、顔を左右に回すハンター
上手く撒いたようだ
久遠永遠、脱出
永富潮、脱出
ハンター1体、放出
上手く撒いたようだ
久遠永遠、脱出
永富潮、脱出
ハンター1体、放出
一松「ハンターは外に行ったみたいだな」
そして廃工場エリアに残ったのは一人
松野一松、一歩も部屋から出ることもなくハンターから生存
この男、ゲーム開始よりこの部屋に立てこもっている
再び漆黒の闇に包まれた廃工場で息を潜めるようだ
松野一松、一歩も部屋から出ることもなくハンターから生存
この男、ゲーム開始よりこの部屋に立てこもっている
再び漆黒の闇に包まれた廃工場で息を潜めるようだ
【0254 『東部』廃工場】
【虹村形兆@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
優勝を目指す。
●中目標
自分の存在を露呈しないように発見した参加者を殺していく。
●小目標
ここから離れる。
【目標】
●大目標
優勝を目指す。
●中目標
自分の存在を露呈しないように発見した参加者を殺していく。
●小目標
ここから離れる。
【久遠永遠@トモダチデスゲーム@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
ゲームを潰す。
●中目標
女の子(潮)と共に行動する。
●小目標
ここから離れる。
【目標】
●大目標
ゲームを潰す。
●中目標
女の子(潮)と共に行動する。
●小目標
ここから離れる。
【ハンター@逃走中シリーズ(集英社みらい文庫)】
【目標】
●大目標
視界に入った参加者を捕らえる。
※捕らえた参加者の首輪が爆破するよう改造されている(触れただけやすぐに逃げられた場合はノーカウント)
【目標】
●大目標
視界に入った参加者を捕らえる。
※捕らえた参加者の首輪が爆破するよう改造されている(触れただけやすぐに逃げられた場合はノーカウント)
【永富潮@ギルティゲーム(ギルティゲームシリーズ)@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
今度こそギルティゲームから脱出する。
●小目標
女の子(永遠)についていく。
【目標】
●大目標
今度こそギルティゲームから脱出する。
●小目標
女の子(永遠)についていく。
【脱落】
【木瀬文太@若おかみは小学生! 映画ノベライズ(若おかみシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【木瀬文太@若おかみは小学生! 映画ノベライズ(若おかみシリーズ)@講談社青い鳥文庫】