―――エトワール。
アストラエアの丘に佇むミアトル、スピカ、ル・リムの3校の生徒から選ばれる知性、愛情、気品を取り備えたカップルに与えられる称号。
その称号を手にすることによって二人の愛情を確かめあうがため…
ただ単にその称号を手に得たいがため…
はたまた、エトワールを是非とも自分の学校から出したいという生徒会の裏事情まで…
色んな思いが意識が蠢いている中、その称号を手にするためのエトワール選はこく一刻と迫っていた。
色んな思いが意識が蠢いている中、その称号を手にするためのエトワール選はこく一刻と迫っていた。
そんなアニメかラノベでしかありえない世界で出会ったのは、今私の腕の中にいる泉こなただ。
背も顔もまだ幼い少女のようでいて、少しタレ目がちな瞳はキラキラと若さ特有の輝きに満ちている。
その瞳の下にある泣きボクロとぴょんと跳ねたあほ毛がどこか現実のこなたを思わせるようで、ついつい「エトワール選に出るわよ」なんて言ってしまった。
いや、『言ってしまった』という言い方には多大な語弊がある。
私は『言いたかった』のだ。
背も顔もまだ幼い少女のようでいて、少しタレ目がちな瞳はキラキラと若さ特有の輝きに満ちている。
その瞳の下にある泣きボクロとぴょんと跳ねたあほ毛がどこか現実のこなたを思わせるようで、ついつい「エトワール選に出るわよ」なんて言ってしまった。
いや、『言ってしまった』という言い方には多大な語弊がある。
私は『言いたかった』のだ。
私の言葉の意味が分かっていないのか、放心状態のままのこなたの手をとり、こなたを探していたみゆきやつかさの所まで連れて行くと、つかさが心底嬉しそうに「良かったです!」と言ってこなたを教室へと連れて行った。
二人の姿を見送った後、先程決めた自分の意志をみゆきに伝えると、
「……本気、なんですか?」
と、苦虫を潰したような顔をしながら私を見た。
へー、こっちのみゆきはそういう顔もするのね。なんて感心してしまう。
というか、私はいつも本気に無敵に元気に勇気だ。
どうせ夢ならこなたと実質ハッピーエンド的なEDが見たいもの。
先程の初々しいこなたの姿を思い出し、ついつい口角があがってしまうのを手で隠して、決して機嫌がいいとは言えない表情を浮かべているみゆきを見据える。
へー、こっちのみゆきはそういう顔もするのね。なんて感心してしまう。
というか、私はいつも本気に無敵に元気に勇気だ。
どうせ夢ならこなたと実質ハッピーエンド的なEDが見たいもの。
先程の初々しいこなたの姿を思い出し、ついつい口角があがってしまうのを手で隠して、決して機嫌がいいとは言えない表情を浮かべているみゆきを見据える。
「みゆきは、今年もミアトルからエトワールを出したいんじゃないの?」
ラノベのおかげで本来、花園静馬である私が見ることの出来ない生徒会の裏事情は分かっている。
どこの学校の生徒会も自分の学校からエトワールが出ることは誇らしいことだ。
特に一番歴史の深いミアトルならなおのこと、エトワールを何とか自分の学校から出しておきたいという気持ちは強いのだろう。
どこの学校の生徒会も自分の学校からエトワールが出ることは誇らしいことだ。
特に一番歴史の深いミアトルならなおのこと、エトワールを何とか自分の学校から出しておきたいという気持ちは強いのだろう。
「それは……」
「じゃあ、いいわよね。手続きはみゆきに任せるわよ」
と、いうかいつもの私らしくないくらいのノリのよさである。
仕様?まぁ雰囲気に呑まれてるのかもね、私。
仕様?まぁ雰囲気に呑まれてるのかもね、私。
みゆきから抗議の言葉が出る前に、みゆきに背を向け、何故か高まる胸の鼓動を書き消すように長い廊下を歩いた。
アストラエアは下界から遮断するように丘の頂上にある。いわゆるお嬢様学校、よね。
アストラエア一の歴史をもつミアトル。
アストラエア一の歴史をもつミアトル。
部活や自分の能力を誇りとするスピカ。
上の2校より比較的穏和で自由な校風をもつル・リム。
どの学校も他の学校にはない独自の存在感を持っている。
そんな広い校舎の中、フと足が向いたのは宿舎である《いちご舎》ではなく、馬場であった。
なんでこんな早朝から馬場に向かったのかは、自分自身分からない。
もしかしたら、あの子はそこにいるかもしれない、と感覚的、いや、もう断定的と言っていい程に確定していたからなのかもしれない。
エトワール選でのライバルであり、スピカの王子様と呼ばれる彼女を。
そんな広い校舎の中、フと足が向いたのは宿舎である《いちご舎》ではなく、馬場であった。
なんでこんな早朝から馬場に向かったのかは、自分自身分からない。
もしかしたら、あの子はそこにいるかもしれない、と感覚的、いや、もう断定的と言っていい程に確定していたからなのかもしれない。
エトワール選でのライバルであり、スピカの王子様と呼ばれる彼女を。
「はっ!!!」
ヒヒーンという馬の声と共に力強い透き通った掛け声が聞こえた。
ストロベリー・パニック、長いわね…略してストパニでは、渚砂・静馬以外にも主人公的なカップルがいる。
それがスピカの王子様こと鳳天音とそのお姫様と呼ばれるに相応しいほど可愛らしい此花光莉のカップルである。
私の現実の世界でこのカップルに相当するのは…
もう説明するまでもないでしょうね。
ストロベリー・パニック、長いわね…略してストパニでは、渚砂・静馬以外にも主人公的なカップルがいる。
それがスピカの王子様こと鳳天音とそのお姫様と呼ばれるに相応しいほど可愛らしい此花光莉のカップルである。
私の現実の世界でこのカップルに相当するのは…
もう説明するまでもないでしょうね。
「お早う、みなみちゃん」
朝の日を背負って、王子様と呼ばれるに相応しい姿をした岩崎みなみがそこにいた。
「エトワール、様…?」
こんな朝早くから私がここに来るのは予想外だったらしく、汗が滴る前髪を手で拭いながらみなみちゃんが驚いたように呟いた。
にしても、デフォ過ぎて笑っちゃうわね。
にしても、デフォ過ぎて笑っちゃうわね。
結構な確信を持っていたとはいえ…よくこうもキャラに相応するものよね。
「あの…」
自嘲気味に笑っていると、白い馬から降りたみなみちゃんが私の方へ声を掛けた。
「こんな朝早くから、どうしたんですか?」
「…確かめたくてね」
「え?」
みなみちゃんが鳳天音であることと…
「エトワール選、出場するって聞いたけど?」
エトワール選という単語に、みなみちゃんの左眉がピクッと動いた。
答えを聞くまでもない質問ね。
答えを聞くまでもない質問ね。
「お相手は………小早川ゆたかちゃん、かな?」
口角を上げて意地悪な顔をみなみちゃんに向けると、ふいっと視線を外された。
「………」
耳まで真っ赤よ、みなみちゃん。
こういうのなんて言うんだっけ?クーデレ?
って、こなたじゃないんだから…
こういうのなんて言うんだっけ?クーデレ?
って、こなたじゃないんだから…
「私もエトワール選に出ることにしたのよ」
「え?」
「今日はそれを報告にね。なんたって相手はスピカの期待の星、岩崎みなみちゃんだしね」
みなみちゃんは俯くように顔を下げてから小さな声で私に呟く。
「私は、別に…」
「あらあら、そんな弱気じゃお姫様が可哀相よ。ね、ゆたかちゃん?」
木の後ろに隠れたつもりだろうけど、私の左目の端の方ではさっきからチラチラ動く小さなツインテールを捕らえていた。
見た人の90%の人が可愛いと思うであろう、気品溢れる白いスピカの制服をきたゆたかちゃんが少し気まずそうに顔を覗かせた。
見た人の90%の人が可愛いと思うであろう、気品溢れる白いスピカの制服をきたゆたかちゃんが少し気まずそうに顔を覗かせた。
「ゆた、か…?」
今、ゆたかちゃんの存在を知ったみなみちゃんが驚いたように声を掛けると、一見小学生にも見える体を木の後ろからぴょこと現す。
今、ゆたかちゃんの存在を知ったみなみちゃんが驚いたように声を掛けると、一見小学生にも見える体を木の後ろからぴょこと現す。
「あっ、ご、ごめんなさいっ!!お邪魔するつもりはなかったんですけど…その…」
「いいのよ、私はゆたかちゃんにも用事があったから。さっきの話も聞いてたんでしょ?」
「あ、えっと、盗み聞きするつもりは…」
両手でフルフルと完全否定してるゆたかちゃん。
そんな焦らなくても、とって食いはしないわよ。
そんな焦らなくても、とって食いはしないわよ。
「ゆたか…」
「あ、天音…せんぱい…」
「あの、大会が近いって…聞いて…」
後ろの手をモジモジさせながら、しどろもどろに話すゆたかちゃん。
後ろの手をモジモジさせながら、しどろもどろに話すゆたかちゃん。
「えっと…その…」
あーもう、アンタ達は中学カップルかっ!!!
「………それじゃ、二人とも、エトワール選頑張りましょ」
完全に二人の世界に入る前に邪魔者は去るわよ。
私は周りに百合を纏った二人から逃げるように、さっき来た道ではなく、ル・リムの校舎へと向かう。
私は周りに百合を纏った二人から逃げるように、さっき来た道ではなく、ル・リムの校舎へと向かう。
天音・光莉カップルがあの2人なら、次にキャラが成立つ人と言ったら…
まぁ間違なくないあの人しかいないわよね。
まぁ間違なくないあの人しかいないわよね。
ふぅ、と息をはいてこのアストラエアの影の番長の名をもつ彼女の元へと足を急がせた。