お姉ちゃんとこなちゃんが付き合っている事を知ったのはつい最近。
二人の感じからして何かあったなっていうのはそれよりも前から分かっていたけど。
思えばその時から私は心の鍵を手に取っていたのかもしれない。
二人の感じからして何かあったなっていうのはそれよりも前から分かっていたけど。
思えばその時から私は心の鍵を手に取っていたのかもしれない。
しかし二人は姉妹だった
一人寂しく家路につく土曜日。
休日だから学校からではない。こなちゃんのお家からだ。
ゆきちゃん達もそれぞれの帰るべき場所へ歩みを進めている事だろう。
お姉ちゃんとこなちゃんがどちらがお嫁さんなのかを競う闘い、最後の種目は私が観戦する事は許されなかった。
ひよりちゃんに後押しされながら部屋を出て行く際、お姉ちゃんにエールを目で送って同じように目で返された光景が今でも鮮明に私の脳を彩る。
でも私の行為にお姉ちゃんを応援する気などこれっぽっちも含まれてはいなかった。
作った優しい目線に込めたのは、伝わるはずもない想い。
休日だから学校からではない。こなちゃんのお家からだ。
ゆきちゃん達もそれぞれの帰るべき場所へ歩みを進めている事だろう。
お姉ちゃんとこなちゃんがどちらがお嫁さんなのかを競う闘い、最後の種目は私が観戦する事は許されなかった。
ひよりちゃんに後押しされながら部屋を出て行く際、お姉ちゃんにエールを目で送って同じように目で返された光景が今でも鮮明に私の脳を彩る。
でも私の行為にお姉ちゃんを応援する気などこれっぽっちも含まれてはいなかった。
作った優しい目線に込めたのは、伝わるはずもない想い。
いつも一緒に過ごしてきたお姉ちゃん。
二人で遊んだり笑ったり、時には喧嘩してすぐに仲直りしたり。
私にはないものを持っていて、しっかりしてて頼れるお姉ちゃんが私は誰よりも好きだった。
そしてその感情は―――気がつくと禁忌のものへと変わっていた。
二人で遊んだり笑ったり、時には喧嘩してすぐに仲直りしたり。
私にはないものを持っていて、しっかりしてて頼れるお姉ちゃんが私は誰よりも好きだった。
そしてその感情は―――気がつくと禁忌のものへと変わっていた。
お姉ちゃんの口から分かりかけていた事実が告げられた時、私の中で何かが、確実に変化した。
正直言うとこなちゃんが羨ましい。
お姉ちゃんの本当の笑顔を引き出せるのは、こなちゃんだけだから。
時には極上の癒しとなり、時には強靭な支えとなってくれたお姉ちゃんの笑顔。私を何度も救ってくれた存在。
それが今では、どうしても遠く感じてしまう。
確かにお姉ちゃんは私と話していても笑ってくれる。
けどそれは、こなちゃんに見せるものとは何かが違って映る。
決定的な、何かが。
弱い私はこなちゃんを妬む事も出来ず、二人を心から祝福する事も出来ず、やり場のない想いを胸に出口のない迷宮を彷徨っていた。
正直言うとこなちゃんが羨ましい。
お姉ちゃんの本当の笑顔を引き出せるのは、こなちゃんだけだから。
時には極上の癒しとなり、時には強靭な支えとなってくれたお姉ちゃんの笑顔。私を何度も救ってくれた存在。
それが今では、どうしても遠く感じてしまう。
確かにお姉ちゃんは私と話していても笑ってくれる。
けどそれは、こなちゃんに見せるものとは何かが違って映る。
決定的な、何かが。
弱い私はこなちゃんを妬む事も出来ず、二人を心から祝福する事も出来ず、やり場のない想いを胸に出口のない迷宮を彷徨っていた。
私達は女同士なんだ―――
私達は姉妹なんだ―――
そう自分に必死に言い聞かせ、気持ちを偽ってきた。
ただ逃げているだけなのに気付かない振りをして。
後悔した時はもう遅い。
心に巻きつけられた鎖は何重にもなって私を、私の気持ちを縛っていた。
自分で自分の愚かさを呪っても何も起こらない。
分かっていたけれどそうせずにはいられなかった。
私達は姉妹なんだ―――
そう自分に必死に言い聞かせ、気持ちを偽ってきた。
ただ逃げているだけなのに気付かない振りをして。
後悔した時はもう遅い。
心に巻きつけられた鎖は何重にもなって私を、私の気持ちを縛っていた。
自分で自分の愚かさを呪っても何も起こらない。
分かっていたけれどそうせずにはいられなかった。
―――不思議だな。
二人の前では笑っていられたのに、応援するよって言えたのに。
赤くなる鼻、潤む瞳。
私はそれを冷たい風の所為にしてひたすら歩き続けた。
重たく心に鬱積する、後悔の元となる言い訳がまた一つ増えた。
二人の前では笑っていられたのに、応援するよって言えたのに。
赤くなる鼻、潤む瞳。
私はそれを冷たい風の所為にしてひたすら歩き続けた。
重たく心に鬱積する、後悔の元となる言い訳がまた一つ増えた。
「ただいまー」
私が同じ台詞を玄関に響かせてから数時間後、お姉ちゃんの声が聞こえた。
「お帰りー」
私が出迎えるとお姉ちゃんはとてもにこやかな表情をして、鼻歌交じりに靴を脱いでいた。聞かずとも勝負を制した事が伝わる。
おめでとう、とか凄いね、とか、掛けるべき言葉は沢山あるはずなのに。
どれもが私の喉から空気中に発せられるのを拒絶した。
「今日こなたの家に泊まる事になったから」
気がつくとお姉ちゃんが目の前に立っていた。
「あ、そ、そうなんだ」
急いで返事をしたから不自然になってしまったかもしれない。
けどお姉ちゃんはそんな私の様子を気に掛ける素振りも見せずに、自室がある二階へと軽快なステップで階段を上っていった。
その後姿を眺めていた私だけが、静けさを纏う玄関に残された。
私が同じ台詞を玄関に響かせてから数時間後、お姉ちゃんの声が聞こえた。
「お帰りー」
私が出迎えるとお姉ちゃんはとてもにこやかな表情をして、鼻歌交じりに靴を脱いでいた。聞かずとも勝負を制した事が伝わる。
おめでとう、とか凄いね、とか、掛けるべき言葉は沢山あるはずなのに。
どれもが私の喉から空気中に発せられるのを拒絶した。
「今日こなたの家に泊まる事になったから」
気がつくとお姉ちゃんが目の前に立っていた。
「あ、そ、そうなんだ」
急いで返事をしたから不自然になってしまったかもしれない。
けどお姉ちゃんはそんな私の様子を気に掛ける素振りも見せずに、自室がある二階へと軽快なステップで階段を上っていった。
その後姿を眺めていた私だけが、静けさを纏う玄関に残された。
素早く宿泊の準備を済ませたお姉ちゃんが降りてくる。音でそれを判断した私は見送る為に腰を上げた。
「泊まるって事は、明日はこなちゃんの家から直接学校行くんだよね?」
荷物を近くに置いて再び靴に足を通すお姉ちゃんの背中に聞いた。
「うん、そうそう、朝ちゃんと起きるのよ」
言いながら私の方を振り向くお姉ちゃん。
「うん……」
「……つかさ」
声が少し沈んでしまったからだろうか、お姉ちゃんは急に眉を寄せて心配そうな顔になった。私を呼ぶ声も少しトーンが落ちている。
「私もこなたと付き合い始めたから、つかさといられる時間は減ると思うけど……」
お姉ちゃんは静かに立ち上がり、私の頭にポンと手を乗せた。
ふわりと、身体に温かさが湧き上がる。
「つかさはかけがえのない……大好きな家族だからね」
心地良い、お姉ちゃんだけの温もり。
「そんな顔してたら心配されるわよ?」
「……うん、そうだね」
私は精一杯の笑顔を、作った。
「いってらっしゃい、お姉ちゃん。明日学校でね」
「うん」
笑って頷き、お姉ちゃんは振り返った。
「行ってくるわね」
最後にもう一度、私の方を向いた。
「お姉ちゃん」
外へ出ようとするお姉ちゃんを呼び止める。
「私、寂しくないよ」
口から紡がれた言葉は、私だけにしか分からない嘘。
しかし中途半端な私は完全に虚言を言う事が出来ずに―――
「私は大丈夫」
今までの私なら言えたかもしれない、楽しんできてねの八文字が言葉に出来ずに―――
「お姉ちゃんの幸せは、私の幸せでもあるから」
半分本当、半分嘘の台詞を紡ぎだした。
お姉ちゃんに伝えるというか、自分に説き聞かせるように。
「……ありがと」
お姉ちゃんはそう言って、今度こそ家の外から扉を閉めた。
再び、重い沈静を招く玄関に、私は力なく座り込んだ。
そう、お姉ちゃんの幸せは、私、の、しあわ、せ―――
必死に頑張ってくれていた涙腺が、ついに限界を告げた。
「泊まるって事は、明日はこなちゃんの家から直接学校行くんだよね?」
荷物を近くに置いて再び靴に足を通すお姉ちゃんの背中に聞いた。
「うん、そうそう、朝ちゃんと起きるのよ」
言いながら私の方を振り向くお姉ちゃん。
「うん……」
「……つかさ」
声が少し沈んでしまったからだろうか、お姉ちゃんは急に眉を寄せて心配そうな顔になった。私を呼ぶ声も少しトーンが落ちている。
「私もこなたと付き合い始めたから、つかさといられる時間は減ると思うけど……」
お姉ちゃんは静かに立ち上がり、私の頭にポンと手を乗せた。
ふわりと、身体に温かさが湧き上がる。
「つかさはかけがえのない……大好きな家族だからね」
心地良い、お姉ちゃんだけの温もり。
「そんな顔してたら心配されるわよ?」
「……うん、そうだね」
私は精一杯の笑顔を、作った。
「いってらっしゃい、お姉ちゃん。明日学校でね」
「うん」
笑って頷き、お姉ちゃんは振り返った。
「行ってくるわね」
最後にもう一度、私の方を向いた。
「お姉ちゃん」
外へ出ようとするお姉ちゃんを呼び止める。
「私、寂しくないよ」
口から紡がれた言葉は、私だけにしか分からない嘘。
しかし中途半端な私は完全に虚言を言う事が出来ずに―――
「私は大丈夫」
今までの私なら言えたかもしれない、楽しんできてねの八文字が言葉に出来ずに―――
「お姉ちゃんの幸せは、私の幸せでもあるから」
半分本当、半分嘘の台詞を紡ぎだした。
お姉ちゃんに伝えるというか、自分に説き聞かせるように。
「……ありがと」
お姉ちゃんはそう言って、今度こそ家の外から扉を閉めた。
再び、重い沈静を招く玄関に、私は力なく座り込んだ。
そう、お姉ちゃんの幸せは、私、の、しあわ、せ―――
必死に頑張ってくれていた涙腺が、ついに限界を告げた。
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- つかさ切ないです… もの凄く
良い娘なのに… -- チャムチロ (2012-10-20 10:45:18) - つかさルートも作ってくれぇぇぇぇ...!! -- 名無しさん (2010-12-15 20:09:22)
- 切なすぎる.... -- 名無しさん (2010-10-28 14:43:15)
- やっぱこっちもか、つかさ。でもすごいタフな心だ、尊敬する。
個人的にはゆーちゃんもこれくらい強そうなんだけど、それは買いかぶりか?
そういやOVAみたいに姉を越えようとするつかさってここじゃあんまり見ないな・・・ -- 名有りさん (2009-06-10 21:06:24) - ゆーちゃんだけじゃなかったんですね つかさ…いい娘すぎる(;_;) -- オビ下チェックは基本 (2009-06-10 18:22:28)
- つかさに幸せあれぇぇぇぇ!!(絶叫)
GJな作品ごちそうさまでした -- にゃあ (2008-09-26 16:38:35) - つかさがいい子すぎてGJ! -- 名無しさん (2008-01-22 22:13:59)