異様な光景だった。
「ど、どう?」
エプロンに頭巾というお料理スタイルで、配膳のためのお盆を手にしたつかさが、恐る恐る尋ねる。何故恐る恐るなのかというと、彼女の料理を食べた三人が揃って泣いていたためである。
「おいしいよー」
こなたがとろけるような声で答える。その喜びを表すかのように、アホ毛がウマウマを踊っていた。
「さすが私の嫁……もとい妹」
かがみがとろけていた。その漲りを表すかのように、ツインテールの片翼が深谷ネギを掴んで離さない。
「はふんはふんはふん……」
みゆきはとろとろである。その熱き滾りを表すかのように、豊かな胸をトランポリンのして跳ねていた。
三人はつかさの作った料理を食していた。そしておかしくなっていた。
「はあ~、つかさの匂いがするわ」
かがみはスープの入っていた皿を舐めながら言う。
「お料理の匂いがわたしにしみつたんじゃないかな」
お盆を盾のように体の前に出しながら、つかさが一つの仮説を提示した。。
「つかさの味がする……」
ステーキの肉片をしゃぶりながら、こなたが言った。
「わたしは入ってないよ」
つかさは念のため、手の指を切り落としてないことを示す。お盆で顔を隠し、こなたと目が合わないようにしながら。
「いや、ほら……毛」
「毛?」
「つかさの腕に生えていた……」
「ああ、お守りにしようと思ったら、こなちゃんに抜かれちゃったあの毛?」
「そう、あの毛」
「……」
「……」
「……」
「ね?」
「え?」
「だから、私がつかさの味を知っててもおかしくないでしょ?」
「??」
「おいしかったよ、つかさのお守り」
「え……ええ~!?」
「次は是非とも下の―」
かがみのツッコミより早く、みゆきが割って入った。
「乳製品!!」
「ゆきちゃん、平気……?」
跳ねるのをやめてテーブルに突っ伏して苦しげにしているみゆきを、つかさは心配そうに見遣る。
「つかささん……乳製品」
半分溶けたアイスクリームのような目が、つかさを見つめた。
「にゅー製品??」
「お願いです、つかささん。私を乳製品にしてください」
「ふえ??」
言っている意味が分からない。
「もしくは、つかささんの乳製品を私に……いえ、加工は私が受け持ちます。ですから、すぐに原料の供給を」
そういうと立ち上がり、つかさの上衣をめくろうとした。エプロンはしたままでいいらしい。
―だが、脱水症状なのか何なのか、力尽きてまた跳ね始める。よく見ると、胸の辺りにすごい汗をかいている。甘い匂いのする汗だ……?
「あかわりあるよ。食材、ゆきちゃんがたくさん持ってきてくれたから」
つかさが引き攣った笑顔で、おかわりを勧める。
何故このような事になってしまったかというと、つかさの声を聞かないと一日が始まらない、いやそれどころかこの世の終わりだというみゆきが朝食後に電話掛けてきて、その電話口でつかさは、昨晩のアニメで見たテリーヌ・ド・フォアグラ、スープ・アロー・ニョングラチネ、ステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールをいつか作ってみたいなあと言ってしまったのである。
電話を切ると同時に、それを作るための食材を二十人分持ったみゆきが柊家に着いていた。つかさの足元に最敬礼していた。
それを嗅ぎつけたこなたが、自宅から一っ「跳び」で柊家にやってきた。助走なしの跳躍だったのだが、柊家の庭に小クレーターを穿ちつつも見事に着地を決めた。池にいたぎょぴちゃんと、庭に出ていたただおは死ぬほどびっくりしたらしい。そりゃそーだ。
一つ屋根の下にいたかがみはというと、つかさとみゆきの脇を通り過ぎて外に飛び出し、深谷までネギを収穫に行き、ジョン・ケージに倣い4分33秒で戻ってきた。すでにテリーヌ・ド・フォアグラとスープ・アロー・ニョングラチネとステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールを作り始めていたつかさは、テリーヌ・ド・フォアグラにもスープ・アロー・ニョングラチネにもステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールにもネギは使わないという指摘をしたのだが、かがみはうろたえもせずにこう言った。
「これはつかさを楽しませる為にとってきたの」
そして今、ツインテールの片翼でそれを掴みつつ、使用する時を今や遅しと待っているというわけだ。
「もらうよ、つかさ分多めで」
こなたの要望を受け、つかさはキッチンに向かう。
「ちゃっかりしてるわねー。私なんて一つ屋根の下にいるだけで、つかさ分を吸収できるのに」
「はふんはふん」
「いやー、家から一っ跳びするのに、つかさ分を使い果たしちゃってねー」
「私は深谷との往復に相当使ったけど、もう充填完了よ」
「はふん……はふん……」
みゆきが弱ってきてるようだ。跳び上がる高度が段々低くなってきている。
「みゆきさんは辛そうだね」
ならば飛び上がるのをやめればいいのに、と思いつつかがみが応じる。
「つかさ分が切れかけているのね」
「そりゃ一大事。このままじゃ死んじゃう」
欲しくもないであろうみゆきの生殺与奪権を握らされてしまったつかさが、手ぶらで戻ってきて申し訳なさそうに言う。
「ごめーん。お料理なくなっちゃった」
「「「ええ~!!」」」
三人が絶望の叫びを上げる。
「泥棒でも入ったの?
そろそろツインテールの片翼がネギ臭くなってきたかがみが尋ねる。いまさらだが、ツインテールでネギを掴むとは、一体どういう原理なのだろうか?
「ううん、盗まれたっていうか……」
つかさが背後をチラ見すると……。
「どもッスー」
ひよりが現れた。そしてつかさの右腕に絡みついた。
「Hi♪」
パティが飛び出た。そしてつかさの首に絡みついた。
「おじゃましてます……」
みなみが浮き出た。そしてつかさの肩に手を置いた。
「こ、こんにちは……」
ゆたかが転がり出た。そしてつかさの腰を抱き寄せた。
「あんたたちが食べちゃったのね」
呆れたかがみが首を振りながら言う。ネギも揺れる。
「いやー、いい匂いがしたんで匍匐前進でやってきたら、先輩の家だったッス。他のみんなともばったり」
「それで、忍び込んで食べたと……」
かがみは聞こえるように舌打ちした。これだから対人地雷の全廃には反対だったのだ。まあ、こいつらには効かないだろうけど。
「おいしくいただいちゃったッス。今のところ、非性的な意味で」
「コロラドやテキサスのビーフより美味でしたネ」
「老い・C……」
「スープも全部吸っちゃいました」
飲んだのではないらしい。
「見りゃ分かるわよ」
かがみの言うとおり、一年生たちは不自然にツヤツヤ、テカテカしていた。つかさ分を吸収した証拠である。外見的な変化が特に顕著なのはゆたかで、虚弱体質が劇的に改善され急成長を始めた身長はすでにひよりより大きく、見ている間にも伸び続け、今まさにつかさを越えようとしていた。
「気持ちは分かるけど、どーすんのよ。つかさ分が足りなくて、みゆきが死にかけてるじゃない」
「……はふん……はふん」
もはやみゆきは跳ねる事も出来ず、甘くて白い汗を柊家の居間の畳に染みこませていた。
「Oh……ミユキのライ……つかさ分はもう0ネ」
「どうしよう、私たちのせいで高良先輩が死んじゃう」
悲しげな顔になったゆたかは、視線の高さが同じになったみなみを見る。
「ゆきちゃん、しっかりして~」
つかさが駆け寄って抱き起こす。
「はふん……乳製品……」
「こうなったら最後の手段よ。直接つかさ分を摂取するしかないわ。みんなで」
見かねたかがみが決断する。
「つかさのベッドでやるのが一番効果的ね。誰かみゆきを運んであげて」
みゆきと同じ身長になっていたゆたかが運ぶ事になったのだが、つかさのベッドにみゆきを横たえた時にはパティと同じになっていた。
「ゆきちゃん……」
ぐったりしてはふんはふん出来なくなってしまったみゆきを、覆い被さるようにつかさは覗き込む。するとみゆきの両腕は、食虫直物のようにつかさを捕獲した。他の面々はというと、無防備になったつかさの背後から、物理的にかなり困難な「エプロンをしたまま全裸にする」してしまった。一瞬で。
「え……え……?」
ようやく異変と身の危険を悟ったつかさだが、もう襲い……遅い。他の面々は、すでに脱いでいた。怯えるつかさの表情から更なるつかさ分を摂取し、3-Bの担任並みに大きくなっていたゆたかも脱いでいた。「エプロンをしたまま全裸にする」以上に困難な事ながら、みゆきもなぜか脱いでいた。
「つかさの料理、もうなくなったったから……」
首魁たるかがみが、真理を発見した哲学者のように断言する。
「かくなる上は、つかさを直接食べるわよ!」
「ど、どう?」
エプロンに頭巾というお料理スタイルで、配膳のためのお盆を手にしたつかさが、恐る恐る尋ねる。何故恐る恐るなのかというと、彼女の料理を食べた三人が揃って泣いていたためである。
「おいしいよー」
こなたがとろけるような声で答える。その喜びを表すかのように、アホ毛がウマウマを踊っていた。
「さすが私の嫁……もとい妹」
かがみがとろけていた。その漲りを表すかのように、ツインテールの片翼が深谷ネギを掴んで離さない。
「はふんはふんはふん……」
みゆきはとろとろである。その熱き滾りを表すかのように、豊かな胸をトランポリンのして跳ねていた。
三人はつかさの作った料理を食していた。そしておかしくなっていた。
「はあ~、つかさの匂いがするわ」
かがみはスープの入っていた皿を舐めながら言う。
「お料理の匂いがわたしにしみつたんじゃないかな」
お盆を盾のように体の前に出しながら、つかさが一つの仮説を提示した。。
「つかさの味がする……」
ステーキの肉片をしゃぶりながら、こなたが言った。
「わたしは入ってないよ」
つかさは念のため、手の指を切り落としてないことを示す。お盆で顔を隠し、こなたと目が合わないようにしながら。
「いや、ほら……毛」
「毛?」
「つかさの腕に生えていた……」
「ああ、お守りにしようと思ったら、こなちゃんに抜かれちゃったあの毛?」
「そう、あの毛」
「……」
「……」
「……」
「ね?」
「え?」
「だから、私がつかさの味を知っててもおかしくないでしょ?」
「??」
「おいしかったよ、つかさのお守り」
「え……ええ~!?」
「次は是非とも下の―」
かがみのツッコミより早く、みゆきが割って入った。
「乳製品!!」
「ゆきちゃん、平気……?」
跳ねるのをやめてテーブルに突っ伏して苦しげにしているみゆきを、つかさは心配そうに見遣る。
「つかささん……乳製品」
半分溶けたアイスクリームのような目が、つかさを見つめた。
「にゅー製品??」
「お願いです、つかささん。私を乳製品にしてください」
「ふえ??」
言っている意味が分からない。
「もしくは、つかささんの乳製品を私に……いえ、加工は私が受け持ちます。ですから、すぐに原料の供給を」
そういうと立ち上がり、つかさの上衣をめくろうとした。エプロンはしたままでいいらしい。
―だが、脱水症状なのか何なのか、力尽きてまた跳ね始める。よく見ると、胸の辺りにすごい汗をかいている。甘い匂いのする汗だ……?
「あかわりあるよ。食材、ゆきちゃんがたくさん持ってきてくれたから」
つかさが引き攣った笑顔で、おかわりを勧める。
何故このような事になってしまったかというと、つかさの声を聞かないと一日が始まらない、いやそれどころかこの世の終わりだというみゆきが朝食後に電話掛けてきて、その電話口でつかさは、昨晩のアニメで見たテリーヌ・ド・フォアグラ、スープ・アロー・ニョングラチネ、ステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールをいつか作ってみたいなあと言ってしまったのである。
電話を切ると同時に、それを作るための食材を二十人分持ったみゆきが柊家に着いていた。つかさの足元に最敬礼していた。
それを嗅ぎつけたこなたが、自宅から一っ「跳び」で柊家にやってきた。助走なしの跳躍だったのだが、柊家の庭に小クレーターを穿ちつつも見事に着地を決めた。池にいたぎょぴちゃんと、庭に出ていたただおは死ぬほどびっくりしたらしい。そりゃそーだ。
一つ屋根の下にいたかがみはというと、つかさとみゆきの脇を通り過ぎて外に飛び出し、深谷までネギを収穫に行き、ジョン・ケージに倣い4分33秒で戻ってきた。すでにテリーヌ・ド・フォアグラとスープ・アロー・ニョングラチネとステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールを作り始めていたつかさは、テリーヌ・ド・フォアグラにもスープ・アロー・ニョングラチネにもステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールにもネギは使わないという指摘をしたのだが、かがみはうろたえもせずにこう言った。
「これはつかさを楽しませる為にとってきたの」
そして今、ツインテールの片翼でそれを掴みつつ、使用する時を今や遅しと待っているというわけだ。
「もらうよ、つかさ分多めで」
こなたの要望を受け、つかさはキッチンに向かう。
「ちゃっかりしてるわねー。私なんて一つ屋根の下にいるだけで、つかさ分を吸収できるのに」
「はふんはふん」
「いやー、家から一っ跳びするのに、つかさ分を使い果たしちゃってねー」
「私は深谷との往復に相当使ったけど、もう充填完了よ」
「はふん……はふん……」
みゆきが弱ってきてるようだ。跳び上がる高度が段々低くなってきている。
「みゆきさんは辛そうだね」
ならば飛び上がるのをやめればいいのに、と思いつつかがみが応じる。
「つかさ分が切れかけているのね」
「そりゃ一大事。このままじゃ死んじゃう」
欲しくもないであろうみゆきの生殺与奪権を握らされてしまったつかさが、手ぶらで戻ってきて申し訳なさそうに言う。
「ごめーん。お料理なくなっちゃった」
「「「ええ~!!」」」
三人が絶望の叫びを上げる。
「泥棒でも入ったの?
そろそろツインテールの片翼がネギ臭くなってきたかがみが尋ねる。いまさらだが、ツインテールでネギを掴むとは、一体どういう原理なのだろうか?
「ううん、盗まれたっていうか……」
つかさが背後をチラ見すると……。
「どもッスー」
ひよりが現れた。そしてつかさの右腕に絡みついた。
「Hi♪」
パティが飛び出た。そしてつかさの首に絡みついた。
「おじゃましてます……」
みなみが浮き出た。そしてつかさの肩に手を置いた。
「こ、こんにちは……」
ゆたかが転がり出た。そしてつかさの腰を抱き寄せた。
「あんたたちが食べちゃったのね」
呆れたかがみが首を振りながら言う。ネギも揺れる。
「いやー、いい匂いがしたんで匍匐前進でやってきたら、先輩の家だったッス。他のみんなともばったり」
「それで、忍び込んで食べたと……」
かがみは聞こえるように舌打ちした。これだから対人地雷の全廃には反対だったのだ。まあ、こいつらには効かないだろうけど。
「おいしくいただいちゃったッス。今のところ、非性的な意味で」
「コロラドやテキサスのビーフより美味でしたネ」
「老い・C……」
「スープも全部吸っちゃいました」
飲んだのではないらしい。
「見りゃ分かるわよ」
かがみの言うとおり、一年生たちは不自然にツヤツヤ、テカテカしていた。つかさ分を吸収した証拠である。外見的な変化が特に顕著なのはゆたかで、虚弱体質が劇的に改善され急成長を始めた身長はすでにひよりより大きく、見ている間にも伸び続け、今まさにつかさを越えようとしていた。
「気持ちは分かるけど、どーすんのよ。つかさ分が足りなくて、みゆきが死にかけてるじゃない」
「……はふん……はふん」
もはやみゆきは跳ねる事も出来ず、甘くて白い汗を柊家の居間の畳に染みこませていた。
「Oh……ミユキのライ……つかさ分はもう0ネ」
「どうしよう、私たちのせいで高良先輩が死んじゃう」
悲しげな顔になったゆたかは、視線の高さが同じになったみなみを見る。
「ゆきちゃん、しっかりして~」
つかさが駆け寄って抱き起こす。
「はふん……乳製品……」
「こうなったら最後の手段よ。直接つかさ分を摂取するしかないわ。みんなで」
見かねたかがみが決断する。
「つかさのベッドでやるのが一番効果的ね。誰かみゆきを運んであげて」
みゆきと同じ身長になっていたゆたかが運ぶ事になったのだが、つかさのベッドにみゆきを横たえた時にはパティと同じになっていた。
「ゆきちゃん……」
ぐったりしてはふんはふん出来なくなってしまったみゆきを、覆い被さるようにつかさは覗き込む。するとみゆきの両腕は、食虫直物のようにつかさを捕獲した。他の面々はというと、無防備になったつかさの背後から、物理的にかなり困難な「エプロンをしたまま全裸にする」してしまった。一瞬で。
「え……え……?」
ようやく異変と身の危険を悟ったつかさだが、もう襲い……遅い。他の面々は、すでに脱いでいた。怯えるつかさの表情から更なるつかさ分を摂取し、3-Bの担任並みに大きくなっていたゆたかも脱いでいた。「エプロンをしたまま全裸にする」以上に困難な事ながら、みゆきもなぜか脱いでいた。
「つかさの料理、もうなくなったったから……」
首魁たるかがみが、真理を発見した哲学者のように断言する。
「かくなる上は、つかさを直接食べるわよ!」
おおっ
裸たちが気勢を上げる。
そして、
「「「「「「いっただきまーす」」」」」」
六人が……、
そして、
「「「「「「いっただきまーす」」」」」」
六人が……、
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
殺到した……!
「「ただいま」」
帰宅を告げる声二人分。
「おかえり」
リビングで新聞を読んでいたそうじろうは顔を上げ、廊下を見遣る。
そこにいたのは愛娘のこなたと……壁? いや、つかさ分の摂取により、そうじろうを見下ろすまでに大きくなったゆたかだ。
「ゆーちゃん、つかさちゃんのところに行ってたのかい?」
「はい、おいしかったです」
「そうか……。まあ、頭とかぶつけないように気をつけてな」
「はーい」
ま、心配ないけど。
ずしんずしん……。
ゆたかの立てる地響きを聞きながら、そうじろうはそう思った。
つかさ分を消費すれば、その内また元に戻るだろう。
それもまあ、アレだ……。
「いつものことだし……」
そうじろうはゆたかの将来と日常に悩むふりをしながら、肩をすくめるよりないのだった。
帰宅を告げる声二人分。
「おかえり」
リビングで新聞を読んでいたそうじろうは顔を上げ、廊下を見遣る。
そこにいたのは愛娘のこなたと……壁? いや、つかさ分の摂取により、そうじろうを見下ろすまでに大きくなったゆたかだ。
「ゆーちゃん、つかさちゃんのところに行ってたのかい?」
「はい、おいしかったです」
「そうか……。まあ、頭とかぶつけないように気をつけてな」
「はーい」
ま、心配ないけど。
ずしんずしん……。
ゆたかの立てる地響きを聞きながら、そうじろうはそう思った。
つかさ分を消費すれば、その内また元に戻るだろう。
それもまあ、アレだ……。
「いつものことだし……」
そうじろうはゆたかの将来と日常に悩むふりをしながら、肩をすくめるよりないのだった。
おわり
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- いろいろカオスなのは仕様だとしても、ゆたかが180越えとかどんだけーww -- 名無しさん (2008-07-27 14:24:39)