非現実的な事っていうのは、ある日突然やってくる。
例えば、そう例えば、目の前のこいつなんかがいい例だ。
例えば、そう例えば、目の前のこいつなんかがいい例だ。
「あの~……」
気のせいよ。気のせい。ここ最近、ダイエットでご飯あんまり食べてなかったし、
それに今日こなたに付き合って、ちょっと遠出しちゃったから、疲れてるのよきっと。
それにしても酷い雨よね。念のため折り畳み傘持って行ってて正解だったわ。
こなたも、途中でビニール傘買ってたみたいだし、大丈夫よね。
「あの~~~………」
幻聴よ。幻聴。さっき見たのも、幻覚なのよ。
だって現実に、そんなものいるハズ無いもの。
「あの~~~~~!!!!」
「あ~~~!!なんなのよ一体!!!」
気のせいよ。気のせい。ここ最近、ダイエットでご飯あんまり食べてなかったし、
それに今日こなたに付き合って、ちょっと遠出しちゃったから、疲れてるのよきっと。
それにしても酷い雨よね。念のため折り畳み傘持って行ってて正解だったわ。
こなたも、途中でビニール傘買ってたみたいだし、大丈夫よね。
「あの~~~………」
幻聴よ。幻聴。さっき見たのも、幻覚なのよ。
だって現実に、そんなものいるハズ無いもの。
「あの~~~~~!!!!」
「あ~~~!!なんなのよ一体!!!」
堪らず返事をしてしまう。
私が、無視しつづけた事せいで、私の目の前に周りこんだソレは、随分と変わった格好をしている。
頭からスッポリと被った黒いローブ(?)
顔はよく見えないけど、その隙間からチラチラと青い髪が見えてる。
身長(?)は、40センチ位かな?
それで、左手に持たれたのは、その彼女(?)の身長より高い大きな(あくまで、彼女と比較した場合だが)鎌。
うん。ここまではいい。いや。よくないけど、それより大きな問題がある。
彼女は、宙にぷかぷかと浮いているのだ。
「よかった!ようやく気付いて貰えました!!」
いや、随分前から気付いてたんだけど、無視してただけよ。
生憎私は、現実主義者なのよ。
出来れば貴方みたいな、非現実的な存在な人(?)と関わり合いたくないのよ。
「それで?私に何か用?」
胸の中にある、色々な葛藤とか、焦りや恐れを無視して、要件だけを尋ねる。
まあ、何と無く想像はつくんだけどね?
だって、彼女の格好はどう見ても………
出来る事なら、白い髪の娘に会ってみたかった気もするけど。
「えっと、申し遅れました。私こういうものです」
彼女が懐から取り出した、マッチ箱程の大きさの小さな名刺には、更に小さな字でこう書いてあった。
『NO.215141 死神』
端っこの方には電話番号まで書いてある。
これって、かけたら本当に繋がるのかしら?
私が、無視しつづけた事せいで、私の目の前に周りこんだソレは、随分と変わった格好をしている。
頭からスッポリと被った黒いローブ(?)
顔はよく見えないけど、その隙間からチラチラと青い髪が見えてる。
身長(?)は、40センチ位かな?
それで、左手に持たれたのは、その彼女(?)の身長より高い大きな(あくまで、彼女と比較した場合だが)鎌。
うん。ここまではいい。いや。よくないけど、それより大きな問題がある。
彼女は、宙にぷかぷかと浮いているのだ。
「よかった!ようやく気付いて貰えました!!」
いや、随分前から気付いてたんだけど、無視してただけよ。
生憎私は、現実主義者なのよ。
出来れば貴方みたいな、非現実的な存在な人(?)と関わり合いたくないのよ。
「それで?私に何か用?」
胸の中にある、色々な葛藤とか、焦りや恐れを無視して、要件だけを尋ねる。
まあ、何と無く想像はつくんだけどね?
だって、彼女の格好はどう見ても………
出来る事なら、白い髪の娘に会ってみたかった気もするけど。
「えっと、申し遅れました。私こういうものです」
彼女が懐から取り出した、マッチ箱程の大きさの小さな名刺には、更に小さな字でこう書いてあった。
『NO.215141 死神』
端っこの方には電話番号まで書いてある。
これって、かけたら本当に繋がるのかしら?
「それで?もしかして私を迎えに来たとか?」
どこか現実を受け入れれずにいる私。というか、受け入れれる状況じゃないしね。
「えぇ。まぁ。でも、今すぐって訳じゃなくて、今から1ヶ月後なんですが。
今回は、それをお伝えしに参りました」
なんで、わざわざそんな事伝えにくるのかしら?
知らずにいれば、楽しめたかもしれない残りの人生も、楽しめなくなるかも知れないじゃない。
でも、今は他に知りたい事がある。
別に、彼女の存在を認めたわけじゃないし、信じたわけでも無い。
未だに幻覚の可能性も疑ってるし。
でも、彼女が死神だと言うなら、これだけは聞いておきたい。
「なるほど。ところで、私なんで死んじゃうの?思い当たる事が全然無いんだけど」
事故とかなら、注意する事で防げるかもしれない。
彼女は懐から、黒い手帳の様な物を取り出しパラパラとめくる。
「えっと。貴方も覚悟はされてると思いますが……貴方のお母様と同じ病気で亡くなるみたいです。
言いにくいですけど、2週間後くらいからは、寝たきりの状態になると思います」
覚悟なんかしてないし、そこまで聞いてないんだけど。
それに、お母さんと同じ病気で死ぬって言われても………
「あのさ?」
「はい?」
「私のお母さん、今も物凄く元気に生きてるけど?」
そりゃもう、殺しても死にそうに無いくらいの勢いで。
「え!!?あれ??そんなハズは!??」
あたふたとしながら、手帳をパラパラとめくる彼女。
「えっと、今日友人と買い物にでかけてますよね?」
「うん」
確かに、今日はこなたに付き合って、秋葉原まででかけてる。
「じゃあ間違いないですよ!その2人の内のオタクの方が、今回の対象者なんですから!!」
………
…………………………
「あのさ?一つ聞いていい?」
「はい?」
頭痛を感じて、頭を押さえながら口を開く。
「その情報でなんで私の方に来たの?」
「え?ラノベ買ってたのを見ましたので」
うん。買ったわよ。確かに。フ○メタの新刊出てたからね。でもさ?
「ラノベ買ってたら、オタクですか?」
「えーと………違うんですか?」
「違うわよ!!大体買ってた量を比べたら解るでしょ!!!それって、明らかに………」
そう。母親が死んでて、今日私とでかけて、オタクな娘。
それは、つまり………
自身に言われた時以上のショックを受けながら、彼女の両肩を掴む。
「痛っ!?」
彼女の口から、そんな言葉が漏れたけど、それを気にかける余裕は私には無かった。
「………じゃうの?」
「え?」
私を見上げる、青い瞳がわずかに見えた気がした。
「死んじゃうの?こなたが?」
止む気配すらない雨の音がよりいっそう強くなった気がした。
どこか現実を受け入れれずにいる私。というか、受け入れれる状況じゃないしね。
「えぇ。まぁ。でも、今すぐって訳じゃなくて、今から1ヶ月後なんですが。
今回は、それをお伝えしに参りました」
なんで、わざわざそんな事伝えにくるのかしら?
知らずにいれば、楽しめたかもしれない残りの人生も、楽しめなくなるかも知れないじゃない。
でも、今は他に知りたい事がある。
別に、彼女の存在を認めたわけじゃないし、信じたわけでも無い。
未だに幻覚の可能性も疑ってるし。
でも、彼女が死神だと言うなら、これだけは聞いておきたい。
「なるほど。ところで、私なんで死んじゃうの?思い当たる事が全然無いんだけど」
事故とかなら、注意する事で防げるかもしれない。
彼女は懐から、黒い手帳の様な物を取り出しパラパラとめくる。
「えっと。貴方も覚悟はされてると思いますが……貴方のお母様と同じ病気で亡くなるみたいです。
言いにくいですけど、2週間後くらいからは、寝たきりの状態になると思います」
覚悟なんかしてないし、そこまで聞いてないんだけど。
それに、お母さんと同じ病気で死ぬって言われても………
「あのさ?」
「はい?」
「私のお母さん、今も物凄く元気に生きてるけど?」
そりゃもう、殺しても死にそうに無いくらいの勢いで。
「え!!?あれ??そんなハズは!??」
あたふたとしながら、手帳をパラパラとめくる彼女。
「えっと、今日友人と買い物にでかけてますよね?」
「うん」
確かに、今日はこなたに付き合って、秋葉原まででかけてる。
「じゃあ間違いないですよ!その2人の内のオタクの方が、今回の対象者なんですから!!」
………
…………………………
「あのさ?一つ聞いていい?」
「はい?」
頭痛を感じて、頭を押さえながら口を開く。
「その情報でなんで私の方に来たの?」
「え?ラノベ買ってたのを見ましたので」
うん。買ったわよ。確かに。フ○メタの新刊出てたからね。でもさ?
「ラノベ買ってたら、オタクですか?」
「えーと………違うんですか?」
「違うわよ!!大体買ってた量を比べたら解るでしょ!!!それって、明らかに………」
そう。母親が死んでて、今日私とでかけて、オタクな娘。
それは、つまり………
自身に言われた時以上のショックを受けながら、彼女の両肩を掴む。
「痛っ!?」
彼女の口から、そんな言葉が漏れたけど、それを気にかける余裕は私には無かった。
「………じゃうの?」
「え?」
私を見上げる、青い瞳がわずかに見えた気がした。
「死んじゃうの?こなたが?」
止む気配すらない雨の音がよりいっそう強くなった気がした。
「ごちそうさま」
「え?お姉ちゃんもういいの?」
「うん。帰り道で、こなたと一緒に色々食べちゃったから」
心配そうな顔だったつかさは、それで安心した様で、『そっかぁ』と呟いて食事を続け始めた。
嘘だ。今日、こなたと食事なんかしてない。
でも、食欲なんて無かった。
一人部屋へと戻った私は、ベットへと倒れ込む。
シンっと静まりかえった部屋に、秒針が時を刻む音だけが響いていた。
頭の中で何度も繰り返されるのは、帰り道での、自称『死神』とのやりとり。
「え?お姉ちゃんもういいの?」
「うん。帰り道で、こなたと一緒に色々食べちゃったから」
心配そうな顔だったつかさは、それで安心した様で、『そっかぁ』と呟いて食事を続け始めた。
嘘だ。今日、こなたと食事なんかしてない。
でも、食欲なんて無かった。
一人部屋へと戻った私は、ベットへと倒れ込む。
シンっと静まりかえった部屋に、秒針が時を刻む音だけが響いていた。
頭の中で何度も繰り返されるのは、帰り道での、自称『死神』とのやりとり。
「死んじゃうの?こなたが?」
私の言葉に、彼女は俯く。一瞬見えた気がした瞳は完全にフードに隠されてしまった。
そして、急に後ろをむくと、何処かへと飛び立とうとしてしまう。
「ちょ!待ちなさいよ!!」
地面を蹴って、おもいっきり手を伸ばす。
何とか彼女の服の裾を掴んだ。
「きゃあ!!」
可愛いらしい悲鳴と共に地面へと引きずり戻された彼女は、私の方へと向き直った。
「何するんですか!?」
「そりゃこっちのセリフよ!
いきなりやってきて、訳のわからない事言われて、そのまま去られたら、気になってしょうが無いでしょ!!
帰るなら、ちゃんと全部話してからにしなさい!!」
食いかかる私に、一瞬呆気にとられた彼女。でも、すぐに私に負けない勢いで切り返してきた。
「ダメです!人の寿命に関するお話は、御本人にしか出来ないようになってるんです。
ですから、貴女にお話するわけにはいきません!!」
さっきまで、ペラペラ喋っといてよく言うわよ。
第一、こなたが……『親友』が死ぬなんて言われて、黙っていられるもんか。
大体、この娘が、勝手に私とこなたを間違えて………ん??
「ねえ?死神は人の寿命を他人に話しちゃいけないのよね?」
「そうです。無闇に他人に寿命を教えたりすると、人間界で混乱が起きかねませんから。
時に、1人の生き死には、何万人の生死に関わる事がありますし。
そうでなくても、今の世の中だと『ほけんきん』とか言うのに関わっちゃう事があるので絶対に言っちゃいけないんです。
まぁ、それ以前に、生前に死神が姿を見せる事を許される人間自体が、限られてますけど。
いくつもの厳しい審査をパスした人間に、その限られた時間を有効に使ってもらうために、前以て死期を告げるんです。
だから、それ以外の人間には話をすることは勿論、姿を見せる事さえ禁止されてます
もし破ったりしたら、それはそれは恐ろしい罰が」
ふーん。わりかし大変なのね。死神の仕事ってのも。でもそれなら、これはチャンスがあるかも。
得意気にかたる彼女にゆっくりと近づき、その身体に両手を廻し、しっかりと抱きしめる。
「な!何をするんですか!?」
「許可の無い人間に、姿を見せる事も話をする事も許されていない。
でも貴女、私に姿を見せちゃったし、話しもしちゃったわよね?
この話、さっき貰った名刺に書いてあった番号に電話してバラしたらどうなるのかな?」
耳元で囁く私に、彼女の身体がハッキリと硬直するのが解った。
効果あり。賭けには勝ったみたいね。
「あう!あう!!それは!!」
「大丈夫よ。そんな真似しないから。ただ、さっきの話、もう少し詳しく教えてくれない?」
「う~~~………」
暫くの沈黙の後彼女は、
「絶対の絶対に秘密ですよ!!」
と何度も念押しをしてから、ポツリポツリと、話してくれた。
私のよく知る、『泉 こなた』の未来と、私の知らない『泉 こなた』の姿を。
私の言葉に、彼女は俯く。一瞬見えた気がした瞳は完全にフードに隠されてしまった。
そして、急に後ろをむくと、何処かへと飛び立とうとしてしまう。
「ちょ!待ちなさいよ!!」
地面を蹴って、おもいっきり手を伸ばす。
何とか彼女の服の裾を掴んだ。
「きゃあ!!」
可愛いらしい悲鳴と共に地面へと引きずり戻された彼女は、私の方へと向き直った。
「何するんですか!?」
「そりゃこっちのセリフよ!
いきなりやってきて、訳のわからない事言われて、そのまま去られたら、気になってしょうが無いでしょ!!
帰るなら、ちゃんと全部話してからにしなさい!!」
食いかかる私に、一瞬呆気にとられた彼女。でも、すぐに私に負けない勢いで切り返してきた。
「ダメです!人の寿命に関するお話は、御本人にしか出来ないようになってるんです。
ですから、貴女にお話するわけにはいきません!!」
さっきまで、ペラペラ喋っといてよく言うわよ。
第一、こなたが……『親友』が死ぬなんて言われて、黙っていられるもんか。
大体、この娘が、勝手に私とこなたを間違えて………ん??
「ねえ?死神は人の寿命を他人に話しちゃいけないのよね?」
「そうです。無闇に他人に寿命を教えたりすると、人間界で混乱が起きかねませんから。
時に、1人の生き死には、何万人の生死に関わる事がありますし。
そうでなくても、今の世の中だと『ほけんきん』とか言うのに関わっちゃう事があるので絶対に言っちゃいけないんです。
まぁ、それ以前に、生前に死神が姿を見せる事を許される人間自体が、限られてますけど。
いくつもの厳しい審査をパスした人間に、その限られた時間を有効に使ってもらうために、前以て死期を告げるんです。
だから、それ以外の人間には話をすることは勿論、姿を見せる事さえ禁止されてます
もし破ったりしたら、それはそれは恐ろしい罰が」
ふーん。わりかし大変なのね。死神の仕事ってのも。でもそれなら、これはチャンスがあるかも。
得意気にかたる彼女にゆっくりと近づき、その身体に両手を廻し、しっかりと抱きしめる。
「な!何をするんですか!?」
「許可の無い人間に、姿を見せる事も話をする事も許されていない。
でも貴女、私に姿を見せちゃったし、話しもしちゃったわよね?
この話、さっき貰った名刺に書いてあった番号に電話してバラしたらどうなるのかな?」
耳元で囁く私に、彼女の身体がハッキリと硬直するのが解った。
効果あり。賭けには勝ったみたいね。
「あう!あう!!それは!!」
「大丈夫よ。そんな真似しないから。ただ、さっきの話、もう少し詳しく教えてくれない?」
「う~~~………」
暫くの沈黙の後彼女は、
「絶対の絶対に秘密ですよ!!」
と何度も念押しをしてから、ポツリポツリと、話してくれた。
私のよく知る、『泉 こなた』の未来と、私の知らない『泉 こなた』の姿を。
「先程も言いましたけど、泉こなたさんのお命は、後1ヶ月程です。
正確な日時は、まだ、これからの生活で微妙に変化しますけど、2ヶ月目を迎える事はありません」
「そんな………なんで!なんで、そんな急に!!」
何時だって眠たそうで、私をからかって笑って。
今日だって!今日だって、一緒に出掛けて遊んだ!!
全然具合が悪そうなそぶりなんか無かった。
そんなこなたが何で急に………後たった1ヶ月で。
「急では無いです。泉こなたさんは、自身の病気の事をご存知です。
生まれた時からの事ですし、現在もかなりの数の薬を服用、数カ月に一度は通院もなされてます。
まだ私が告げてませんから、後1ヶ月とは思ってないと思いますけど、20歳まで生きれ無い事は、覚悟されてるハズです」
「そんな………」
私は、そんな事知らない。聞いた事も無い。
でも確かに、こなたは遅刻や欠席の日が多かった。
本人の言葉を鵜呑みにして、ゲームのやり過ぎや、
深夜アニメを見てるせいだと思ってたけど本当にそれだけだったのだろうか?
「こなたの病気って?」
「普通の人と比べて老化が早いんです」
「老化?」
こなたが?他の人に比べて若く見られる事はあっても、老けて見られる事は無いと思うけど。
「見た目では無く中身。つまりは、内臓関係が老化してるんです。
そして、それは今も進行してます。こなたさんの直接の死因は、『老衰』になります」
老衰。本来なら、天寿を迎える老人に使われるべき言葉。
それが、あの幼い容姿のこなたに使われるのは酷く滑稽な気がした。
「嘘よ。そんなの。そんな事あるはず無いじゃない」
呟いた私。彼女は背を向け少しづつ、その高度を上げていく。
「信じる信じないは、貴方次第です。
それを証明するのは、泉こなたさんが『その日』を迎えるまで出来ませんし。
ただ、確実にその日はやってきます」
遠ざかる彼女の姿が見えなくなるまで、私はただ立ちつくしていた。
正確な日時は、まだ、これからの生活で微妙に変化しますけど、2ヶ月目を迎える事はありません」
「そんな………なんで!なんで、そんな急に!!」
何時だって眠たそうで、私をからかって笑って。
今日だって!今日だって、一緒に出掛けて遊んだ!!
全然具合が悪そうなそぶりなんか無かった。
そんなこなたが何で急に………後たった1ヶ月で。
「急では無いです。泉こなたさんは、自身の病気の事をご存知です。
生まれた時からの事ですし、現在もかなりの数の薬を服用、数カ月に一度は通院もなされてます。
まだ私が告げてませんから、後1ヶ月とは思ってないと思いますけど、20歳まで生きれ無い事は、覚悟されてるハズです」
「そんな………」
私は、そんな事知らない。聞いた事も無い。
でも確かに、こなたは遅刻や欠席の日が多かった。
本人の言葉を鵜呑みにして、ゲームのやり過ぎや、
深夜アニメを見てるせいだと思ってたけど本当にそれだけだったのだろうか?
「こなたの病気って?」
「普通の人と比べて老化が早いんです」
「老化?」
こなたが?他の人に比べて若く見られる事はあっても、老けて見られる事は無いと思うけど。
「見た目では無く中身。つまりは、内臓関係が老化してるんです。
そして、それは今も進行してます。こなたさんの直接の死因は、『老衰』になります」
老衰。本来なら、天寿を迎える老人に使われるべき言葉。
それが、あの幼い容姿のこなたに使われるのは酷く滑稽な気がした。
「嘘よ。そんなの。そんな事あるはず無いじゃない」
呟いた私。彼女は背を向け少しづつ、その高度を上げていく。
「信じる信じないは、貴方次第です。
それを証明するのは、泉こなたさんが『その日』を迎えるまで出来ませんし。
ただ、確実にその日はやってきます」
遠ざかる彼女の姿が見えなくなるまで、私はただ立ちつくしていた。
枕に顔を埋めて、頭を振る。
そんな事あるはず無い。こなたが死ぬなんて事。
でも、もし本当なら?こなたに聞く?どうやって??
死神会ったて言うの?それこそ、おかしな人だ。
じゃあどうしたら?
まるで出口の無い迷路をさ迷うように、私の思考は、ぐるぐるとさ迷って。
時計の針だけが、ただ時を刻み続けていた。
そんな事あるはず無い。こなたが死ぬなんて事。
でも、もし本当なら?こなたに聞く?どうやって??
死神会ったて言うの?それこそ、おかしな人だ。
じゃあどうしたら?
まるで出口の無い迷路をさ迷うように、私の思考は、ぐるぐるとさ迷って。
時計の針だけが、ただ時を刻み続けていた。
翌日。
「やっほー。遊びに来たよー!!」
わが家にやって来たこなたの後ろには、黒い服を着て、大きな鎌をもった小さな彼女の姿があった。
「やっほー。遊びに来たよー!!」
わが家にやって来たこなたの後ろには、黒い服を着て、大きな鎌をもった小さな彼女の姿があった。
「いらっしゃっい。こなちゃん」
絶句してしまった私に代わって、にこやかにこなたを出迎えたのはつかさだ。
「やっふー。つかさ。元気にしてたー?」
「うん。元気だよ。でも、ごめんね。こなちゃん。私、今からちょっと出掛けなくちゃいけないの」
「いいよ。いいよ。急に来た私が悪いんだし。それに、今日用事があるのは、かがみにだしね」
呆気にとられる私をほって、つかさとこなたの会話は進む。
「そなんだ。それじゃ、ゆっくりしてってね」
そう言い残して、つかさは玄関から出ていってしまった。
残されたのは気まずい空気が流れる3人。もしくは、2人と1匹かしら?
「あのさ………あがらして貰ってもいいかな?」
「何を今更。いっつも勝手にあがってるじゃない」
気まずそうなこなたに、なんとか平静を装う私。
取り敢えず、こなたを部屋へと案内してお茶を出す。
そして、無言のまま時間だけが過ぎる。
せっかく用意したお茶にも誰も手をつけなかった。
湯気をたててたお茶が、すっかり温くなった頃に、ようやく口を開いた。
「聞いちゃったんだってね?」
「うん」
こなたの言葉に、小さく頷く事しかできない私。
だってしょうがないじゃない。こんな時どんな対応したらいいかなんて、解らないもの。
「あはは。かがみさ、そんなに深刻にならないでよ。たいした事じゃないんだし」
困った様に笑うこなたに、頭に血が登る。
「たいした事あるわよ!あんた自分が死んじゃう事なんとも思って無いの!!
私は!私は!!あんたが居なくなるなんて考えた事も無くて!だから!!!」
声が震える。瞳から熱いものが零れるのが解った。
「私だって嫌だよ。もっと生きていたいよ。次クールから、見たいアニメだってあるし、皆ともっと一緒にいたいよ。
でも、仕方無いんだよ。もう、決まってる事なんだもん。
ずっとずっと前から。
でもね?私は満足してるんだよ?桜藤に入って、皆に会えた。
みゆきさんに、つかさに。そして、かがみに。
皆とずっと一緒にいれないのは残念だけど、でも私は充分幸せだよ」
こなたの顔に浮かぶのは、笑顔。
諦めや、嘆きは無く、ただあるがままの運命を受け入れた者だけに許される、悟りの表情と言ってもいいのかもしれない。
「こなた………」
「今日、かがみに会いに来たのはお願いがあるからなんだ」
この状況の、ううん。そうじゃなかったとしても、私がこなたのお願いを聞かない筈が無い。
「なによ?」
こなたは、ちょっとだけ言い淀んで、やがて意を決したように話し出した。
「私の病気の事、皆には黙ってて。その時が来たら、私から話すから。
それまでは、もう少しだけ今の生活を続けたいんだ」
「こなた………」
こなたは今、どんな気持ちで私にこの言葉を言っているのだろう?私には解らない。解るはずが無い。
きっとそれは、こなたと同じ立場になった人にしか解らない事。
でも、敢えてそれを想像するなら、こなたは、この何気ない日常を誰よりも大切にしていて、
その中に、ギリギリまで居る事を望んでいるだろう。
そんな想いを、願いを、どうして断る事が出来るだろう?
「うん。解った」
頷く事しか出来なかった。それがどんなに辛いことかも知らずに。
絶句してしまった私に代わって、にこやかにこなたを出迎えたのはつかさだ。
「やっふー。つかさ。元気にしてたー?」
「うん。元気だよ。でも、ごめんね。こなちゃん。私、今からちょっと出掛けなくちゃいけないの」
「いいよ。いいよ。急に来た私が悪いんだし。それに、今日用事があるのは、かがみにだしね」
呆気にとられる私をほって、つかさとこなたの会話は進む。
「そなんだ。それじゃ、ゆっくりしてってね」
そう言い残して、つかさは玄関から出ていってしまった。
残されたのは気まずい空気が流れる3人。もしくは、2人と1匹かしら?
「あのさ………あがらして貰ってもいいかな?」
「何を今更。いっつも勝手にあがってるじゃない」
気まずそうなこなたに、なんとか平静を装う私。
取り敢えず、こなたを部屋へと案内してお茶を出す。
そして、無言のまま時間だけが過ぎる。
せっかく用意したお茶にも誰も手をつけなかった。
湯気をたててたお茶が、すっかり温くなった頃に、ようやく口を開いた。
「聞いちゃったんだってね?」
「うん」
こなたの言葉に、小さく頷く事しかできない私。
だってしょうがないじゃない。こんな時どんな対応したらいいかなんて、解らないもの。
「あはは。かがみさ、そんなに深刻にならないでよ。たいした事じゃないんだし」
困った様に笑うこなたに、頭に血が登る。
「たいした事あるわよ!あんた自分が死んじゃう事なんとも思って無いの!!
私は!私は!!あんたが居なくなるなんて考えた事も無くて!だから!!!」
声が震える。瞳から熱いものが零れるのが解った。
「私だって嫌だよ。もっと生きていたいよ。次クールから、見たいアニメだってあるし、皆ともっと一緒にいたいよ。
でも、仕方無いんだよ。もう、決まってる事なんだもん。
ずっとずっと前から。
でもね?私は満足してるんだよ?桜藤に入って、皆に会えた。
みゆきさんに、つかさに。そして、かがみに。
皆とずっと一緒にいれないのは残念だけど、でも私は充分幸せだよ」
こなたの顔に浮かぶのは、笑顔。
諦めや、嘆きは無く、ただあるがままの運命を受け入れた者だけに許される、悟りの表情と言ってもいいのかもしれない。
「こなた………」
「今日、かがみに会いに来たのはお願いがあるからなんだ」
この状況の、ううん。そうじゃなかったとしても、私がこなたのお願いを聞かない筈が無い。
「なによ?」
こなたは、ちょっとだけ言い淀んで、やがて意を決したように話し出した。
「私の病気の事、皆には黙ってて。その時が来たら、私から話すから。
それまでは、もう少しだけ今の生活を続けたいんだ」
「こなた………」
こなたは今、どんな気持ちで私にこの言葉を言っているのだろう?私には解らない。解るはずが無い。
きっとそれは、こなたと同じ立場になった人にしか解らない事。
でも、敢えてそれを想像するなら、こなたは、この何気ない日常を誰よりも大切にしていて、
その中に、ギリギリまで居る事を望んでいるだろう。
そんな想いを、願いを、どうして断る事が出来るだろう?
「うん。解った」
頷く事しか出来なかった。それがどんなに辛いことかも知らずに。
コメントフォーム
- ちょwww死神Noがかなたさんwww -- 名無しさん (2009-04-01 13:27:17)
- 桜藤→陵桜だとおも
津好き期待してまつ -- 名無しさん (2008-08-12 17:30:35) - こなたは芯が強そうだから死についても受け入れが早かったのかもしれませんね。
人間違う立場だとどんなに努めたって相手の心を理解することができない、という作者さんの考えに同意できます。
泣きました。感動をありがとう! -- 名無しさん (2008-04-12 17:06:50)