「ね、かがみ。ぎゅってしてー」
そう言いながら、私はかがみの胸に顔をうずめる。
かがみに包まれる気がして落ち着くから。
それに、素肌で感じる温かさが心地いい。
「もう、本当にこなたは甘えん坊よね」
やれやれ、といった感じで言いながらも、かがみは抱きしめてくれる。
「そうだよー。私は甘えん坊さんなんだよ」
顔をちょっとかがみに向けた後、私は赤ちゃんのようにおっぱいに吸い付いた。
私はお母さんに甘えたことが無い。
だから、全てを包んでくれる、優しいかがみに甘えるんだと思う。
「ちょっ、やめっ。今日はもう駄目だって」
「むぅ。じゃあさ、一緒にお風呂に入ろう。汗いっぱいかいちゃったし」
「そうね。でも、もうちょっとこのままでいたいかな」
かがみは、私を抱きしめる力をちょっとだけ強くした。
私も、かがみをしっかりと抱きしめる。
「あのさ、かがみ……」
「なに」
「かがみも私に甘えて良いんだよ?」
かがみは、しっかりとしたお姉ちゃんでいようと頑張っていた、って言ってたよね。
だから、誰かに甘えることが無かったんじゃないか。
私と同じで、誰かに甘えたいんじゃないかな。
「なっ、なによ。いきなり…… あれ、どうしてだろ……」
顔を上げると、かがみが泣いていた。
「か、かがみ。私なんか悪いこと言った? ごめんね」
「あんたは悪く無いわよ。自分でも、なんで泣いてるのかわかんない」
私は体を動かし、かがみの頭を胸に抱きしめた。
そして、かがみの頭を優しく撫でる。
「泣きたいときは、私が胸貸したげるよ。あんまり無いけどね」
「ば、ばかっ」
かがみは、しばらく私の胸で泣き続けたあと、眠りについた。
そう言いながら、私はかがみの胸に顔をうずめる。
かがみに包まれる気がして落ち着くから。
それに、素肌で感じる温かさが心地いい。
「もう、本当にこなたは甘えん坊よね」
やれやれ、といった感じで言いながらも、かがみは抱きしめてくれる。
「そうだよー。私は甘えん坊さんなんだよ」
顔をちょっとかがみに向けた後、私は赤ちゃんのようにおっぱいに吸い付いた。
私はお母さんに甘えたことが無い。
だから、全てを包んでくれる、優しいかがみに甘えるんだと思う。
「ちょっ、やめっ。今日はもう駄目だって」
「むぅ。じゃあさ、一緒にお風呂に入ろう。汗いっぱいかいちゃったし」
「そうね。でも、もうちょっとこのままでいたいかな」
かがみは、私を抱きしめる力をちょっとだけ強くした。
私も、かがみをしっかりと抱きしめる。
「あのさ、かがみ……」
「なに」
「かがみも私に甘えて良いんだよ?」
かがみは、しっかりとしたお姉ちゃんでいようと頑張っていた、って言ってたよね。
だから、誰かに甘えることが無かったんじゃないか。
私と同じで、誰かに甘えたいんじゃないかな。
「なっ、なによ。いきなり…… あれ、どうしてだろ……」
顔を上げると、かがみが泣いていた。
「か、かがみ。私なんか悪いこと言った? ごめんね」
「あんたは悪く無いわよ。自分でも、なんで泣いてるのかわかんない」
私は体を動かし、かがみの頭を胸に抱きしめた。
そして、かがみの頭を優しく撫でる。
「泣きたいときは、私が胸貸したげるよ。あんまり無いけどね」
「ば、ばかっ」
かがみは、しばらく私の胸で泣き続けたあと、眠りについた。
「ねぇねぇってば~」
体を揺すられ目を覚ますと、窓から差し込む朝日が目にしみる。
ところで、かがみってこんな喋りかたしたっけ?
「おはよー、かがみ。相変わらず早起きだねー」
上半身を起こし、腕を突き上げ背中を伸ばす。
声のした方に目を向けると、かがみが裸のまま立っていた。
そっか。昨日、あのまま眠っちゃったんだっけ。
とりあえず、シャワー浴びてから――
「お姉ちゃん誰?ここどこ?」
えと、空耳かな。
まだ寝ぼけてるみたいだね、私。
「かがみ、シャワー浴びよっか」
そうすれば、目もちゃんと覚めるよね。
「なんで私の名前知ってるの?」
あー、さっきのは空耳じゃなかったんだ。
それにしても、かがみったら冗談にも程があるよ。
「ちょっと、かがみー。いいかげ――」
「う……」
う?
「うぁーーん。おうちかえるーっ」
えっ?えっ?どうなってんの?
目の前のかがみは、間違いなく昨日一夜をともにしたかがみだよ。
で、そのかがみが裸で…… と、これはどうでも良いか。
いや、だから、本当の子供みたいに泣き出しちゃったよ。
お、落ち着け、私。
まずは、泣いているかがみを何とかなだめよう。
でないと近所の人に、お父さんが白い目で見られるようになるっ。
「えと、かがみちゃん? お姉ちゃんは、こなただよ。泉こなた」
こんなとき、どんな表情したら良いんだろう。
笑えば良いと思うよ……
うん、ベタだけどそうだよね。
笑顔笑顔っ。
「ぅぇ、ひっく。こなた、お姉ちゃん?」
とりあえず、返事してくれたよ。
さて、どうしたもんかねー。
「そうだよ。そして、ここは私の家」
「どうして、私ここにいるの?」
小首をかしげるかがみの仕草は、本当に小さな女の子みたいだよ。
正直、可愛すぎる。
「うんとね。かがみちゃんは昨日から家にお泊りに来てたんだよ」
「ん~、そうだっけ。ね、つかさは~」
「そっ、それよりさ。お風呂入ろう、お風呂。いつまでも裸でいると風邪引いちゃうぞー」
ごまかせるのか、こんなことで……
今の―― 高校生のかがみなら「な~にごまかしてんのよっ」とか言われそうだけど……
「うん、はいるーっ」
はぁぁ、よかった。
少しは時間が稼げるな。
お風呂に入る前にみゆきさんに電話して、家に来てもらおう。
どう見ても、かがみがふざけてるようにも見えないし。
みゆきさんなら、きっと何か分かるよね。
体を揺すられ目を覚ますと、窓から差し込む朝日が目にしみる。
ところで、かがみってこんな喋りかたしたっけ?
「おはよー、かがみ。相変わらず早起きだねー」
上半身を起こし、腕を突き上げ背中を伸ばす。
声のした方に目を向けると、かがみが裸のまま立っていた。
そっか。昨日、あのまま眠っちゃったんだっけ。
とりあえず、シャワー浴びてから――
「お姉ちゃん誰?ここどこ?」
えと、空耳かな。
まだ寝ぼけてるみたいだね、私。
「かがみ、シャワー浴びよっか」
そうすれば、目もちゃんと覚めるよね。
「なんで私の名前知ってるの?」
あー、さっきのは空耳じゃなかったんだ。
それにしても、かがみったら冗談にも程があるよ。
「ちょっと、かがみー。いいかげ――」
「う……」
う?
「うぁーーん。おうちかえるーっ」
えっ?えっ?どうなってんの?
目の前のかがみは、間違いなく昨日一夜をともにしたかがみだよ。
で、そのかがみが裸で…… と、これはどうでも良いか。
いや、だから、本当の子供みたいに泣き出しちゃったよ。
お、落ち着け、私。
まずは、泣いているかがみを何とかなだめよう。
でないと近所の人に、お父さんが白い目で見られるようになるっ。
「えと、かがみちゃん? お姉ちゃんは、こなただよ。泉こなた」
こんなとき、どんな表情したら良いんだろう。
笑えば良いと思うよ……
うん、ベタだけどそうだよね。
笑顔笑顔っ。
「ぅぇ、ひっく。こなた、お姉ちゃん?」
とりあえず、返事してくれたよ。
さて、どうしたもんかねー。
「そうだよ。そして、ここは私の家」
「どうして、私ここにいるの?」
小首をかしげるかがみの仕草は、本当に小さな女の子みたいだよ。
正直、可愛すぎる。
「うんとね。かがみちゃんは昨日から家にお泊りに来てたんだよ」
「ん~、そうだっけ。ね、つかさは~」
「そっ、それよりさ。お風呂入ろう、お風呂。いつまでも裸でいると風邪引いちゃうぞー」
ごまかせるのか、こんなことで……
今の―― 高校生のかがみなら「な~にごまかしてんのよっ」とか言われそうだけど……
「うん、はいるーっ」
はぁぁ、よかった。
少しは時間が稼げるな。
お風呂に入る前にみゆきさんに電話して、家に来てもらおう。
どう見ても、かがみがふざけてるようにも見えないし。
みゆきさんなら、きっと何か分かるよね。
「それじゃ、頭洗うよー」
「う…… うん」
あれ。かがみ、どうしたのかな。
なんだか緊張してるみたいだけど。
「どうしたのかな。かがみちゃん」
「あのね、シャンプーハットつけて欲しいの」
最後は、消え入りそうなくらい小さな声だ。
顔も赤くなってるし、恥ずかしいと思ってるのかなぁ。
「おけおけ」
お父さんが使うから、普通においてあるんだよね。
なんか、そのことの方が恥ずかしい気がする。
頭を洗い始めると、かがみがなんか歌いだした。
どっかで聞いたことあるような気がする。
えーと、いつだっけ…… そうだ、みんなで始めてカラオケ行ったときだよ。
確か「I'm proud」とかいう歌だよね。
「かがみちゃん。その歌好きなの?」
「うんっ、大好きっ。泣きたくなったりしても、この歌、歌うと元気が出るの」
「今、泣きたいの?」
「ううん、楽しいよ。でも、何でか歌いたくなったの」
そう言うと、かがみはまた歌いだした。
だけど、どうしてこんなことになったんだろう。
心が子供に戻っちゃってるんだよね?
なんて言うんだっけ、こういうの。
かがみの体を洗い終えて、自分の体を洗ってるときまで考えてたけど、結局分からなかった。
「う…… うん」
あれ。かがみ、どうしたのかな。
なんだか緊張してるみたいだけど。
「どうしたのかな。かがみちゃん」
「あのね、シャンプーハットつけて欲しいの」
最後は、消え入りそうなくらい小さな声だ。
顔も赤くなってるし、恥ずかしいと思ってるのかなぁ。
「おけおけ」
お父さんが使うから、普通においてあるんだよね。
なんか、そのことの方が恥ずかしい気がする。
頭を洗い始めると、かがみがなんか歌いだした。
どっかで聞いたことあるような気がする。
えーと、いつだっけ…… そうだ、みんなで始めてカラオケ行ったときだよ。
確か「I'm proud」とかいう歌だよね。
「かがみちゃん。その歌好きなの?」
「うんっ、大好きっ。泣きたくなったりしても、この歌、歌うと元気が出るの」
「今、泣きたいの?」
「ううん、楽しいよ。でも、何でか歌いたくなったの」
そう言うと、かがみはまた歌いだした。
だけど、どうしてこんなことになったんだろう。
心が子供に戻っちゃってるんだよね?
なんて言うんだっけ、こういうの。
かがみの体を洗い終えて、自分の体を洗ってるときまで考えてたけど、結局分からなかった。
「あーっ!」
「こなたお姉ちゃん、どうしたの」
突然声を上げた私に驚いて、かがみは心配したような表情で声を掛けてきた。
「な、なんでもないよ。もうちょっとで洗い終わるからね」
しまったー…… かがみの体洗わせてもらったこと無かったんだよ。
貴重な体験だったのに、考え事してたから全然覚えてない。
泉こなた、一生の不覚だ。
「こなたお姉ちゃん、どうしたの」
突然声を上げた私に驚いて、かがみは心配したような表情で声を掛けてきた。
「な、なんでもないよ。もうちょっとで洗い終わるからね」
しまったー…… かがみの体洗わせてもらったこと無かったんだよ。
貴重な体験だったのに、考え事してたから全然覚えてない。
泉こなた、一生の不覚だ。
体を洗い終わると、湯船に浸かっていたかがみが足をまげて、背中側を大きく開けた。
これは、かがみの後ろに私が入れってことかな。
私のほうが小っちゃいから、本当はかがみが後ろの方が楽なんだけどね。
「お邪魔しまーす」
私が後ろに入ると、かがみは私の太もも辺りに座ってきた。
かがみの体重を感じていると、自然と笑みがこぼれる。
手を回して、おなかの辺りを抱いてあげる。
身長差があって、上からは抱けなかったんだよ。
「えへへー」
そうすると、かがみは嬉しそうに笑った。
「かがみちゃん、どうしたの」
その笑顔が、すごく嬉しそうなのが気になって、私はかがみに聞いてみた。
「うん。いっつもね、私が後ろだから、前に座ってみたかったんだー」
そっか。つかさと一緒に入ると、がかがみが後ろだったんだね。
やっぱり、かがみも誰かに甘えたかったのかな。
これは、かがみの後ろに私が入れってことかな。
私のほうが小っちゃいから、本当はかがみが後ろの方が楽なんだけどね。
「お邪魔しまーす」
私が後ろに入ると、かがみは私の太もも辺りに座ってきた。
かがみの体重を感じていると、自然と笑みがこぼれる。
手を回して、おなかの辺りを抱いてあげる。
身長差があって、上からは抱けなかったんだよ。
「えへへー」
そうすると、かがみは嬉しそうに笑った。
「かがみちゃん、どうしたの」
その笑顔が、すごく嬉しそうなのが気になって、私はかがみに聞いてみた。
「うん。いっつもね、私が後ろだから、前に座ってみたかったんだー」
そっか。つかさと一緒に入ると、がかがみが後ろだったんだね。
やっぱり、かがみも誰かに甘えたかったのかな。
お風呂から上がって、かがみの髪を乾かしてあげると、自分で器用にツインテールを作ってた。
今は、着替えも終わって私を待っている。
私が髪を乾かし終えると、かがみがとてとてと近付いてきた。
「こなたお姉ちゃん、ちょっといいかな」
そう言って、私の髪にリボンを結ぶ。
かがみは手馴れた手つきで、私の髪をツインテールにしてしまった。
「お揃いだよっ」
かがみの笑顔がすごく嬉しそうだから、今日はこのままの髪型でいよう。
それに、今のかがみにはそれが必要な気もするしね。
「ありがとう、かがみちゃん」
私もとびっきりの笑顔を返してあげた。
「くぅ~~っ」
その時、かがみのお腹から可愛い音がした。
かがみは顔を真っ赤にして、お腹を押さえる。
「お腹すいたね。何が食べたい?」
「うんと、スパゲッティミートソース」
えーっと、ミートソースは缶詰があったはずだから。
うん、大丈夫。
「よーっし。それじゃあ、スパゲッティにしよう」
「やったーっ」
今は、着替えも終わって私を待っている。
私が髪を乾かし終えると、かがみがとてとてと近付いてきた。
「こなたお姉ちゃん、ちょっといいかな」
そう言って、私の髪にリボンを結ぶ。
かがみは手馴れた手つきで、私の髪をツインテールにしてしまった。
「お揃いだよっ」
かがみの笑顔がすごく嬉しそうだから、今日はこのままの髪型でいよう。
それに、今のかがみにはそれが必要な気もするしね。
「ありがとう、かがみちゃん」
私もとびっきりの笑顔を返してあげた。
「くぅ~~っ」
その時、かがみのお腹から可愛い音がした。
かがみは顔を真っ赤にして、お腹を押さえる。
「お腹すいたね。何が食べたい?」
「うんと、スパゲッティミートソース」
えーっと、ミートソースは缶詰があったはずだから。
うん、大丈夫。
「よーっし。それじゃあ、スパゲッティにしよう」
「やったーっ」
ちょっと遅めの朝ごはんを食べた後、部屋でゲームをしていると呼び鈴が鳴らされた。
「はーい。今出ますよー」
かがみを残して玄関に向かう。
扉を開けると、待ち焦がれていたみゆきさんの姿があった。
「こんにちは。泉さん」
「やふー、待ってたよー。大体は電話で話した通りなんだけどさ」
「ええ。おそらくは幼児後退ではないかと」
「で、どうやったら元に戻るの?」
「あの、泉さん……」
みゆきさんの視線は、私の後方へと向けられている。
その視線を追っていくと、かがみが部屋から顔だけを覗かせていた。
「ま、ここで立ち話もなんだから、部屋に行こっか」
「はーい。今出ますよー」
かがみを残して玄関に向かう。
扉を開けると、待ち焦がれていたみゆきさんの姿があった。
「こんにちは。泉さん」
「やふー、待ってたよー。大体は電話で話した通りなんだけどさ」
「ええ。おそらくは幼児後退ではないかと」
「で、どうやったら元に戻るの?」
「あの、泉さん……」
みゆきさんの視線は、私の後方へと向けられている。
その視線を追っていくと、かがみが部屋から顔だけを覗かせていた。
「ま、ここで立ち話もなんだから、部屋に行こっか」
部屋に入ると、お互いの自己紹介。
朝、私のことを分からなかったみたいだから、みゆきさんのことも分からないだろうしね。
「かがみちゃん。私の友達のみゆきさん」
「こんにちは、かがみさん」
「こ、こんにちは」
かがみは恥ずかしそうに、みゆきさんに挨拶を返した。
「かがみさんは、今何歳なのですか?」
「8歳。小学2年生」
あ、そっか。年齢聞けばよかったんだよね。
さっすが、みゆきさんだね。
今、かがみは躊躇なく返事したよね。
ってことは、やっぱり心が若返ってるのか。
「ね、かがみちゃん。ちょっとみゆきさんと話してきていいかな」
「うん……」
寂しそうな表情を一瞬見せたけど、かがみはすぐに笑顔になった。
この頃から、我慢することを覚えてたんだ。
なんか気が引けるけど、かがみの前で話すことじゃないもんね。
「すぐ戻るからねー」
朝、私のことを分からなかったみたいだから、みゆきさんのことも分からないだろうしね。
「かがみちゃん。私の友達のみゆきさん」
「こんにちは、かがみさん」
「こ、こんにちは」
かがみは恥ずかしそうに、みゆきさんに挨拶を返した。
「かがみさんは、今何歳なのですか?」
「8歳。小学2年生」
あ、そっか。年齢聞けばよかったんだよね。
さっすが、みゆきさんだね。
今、かがみは躊躇なく返事したよね。
ってことは、やっぱり心が若返ってるのか。
「ね、かがみちゃん。ちょっとみゆきさんと話してきていいかな」
「うん……」
寂しそうな表情を一瞬見せたけど、かがみはすぐに笑顔になった。
この頃から、我慢することを覚えてたんだ。
なんか気が引けるけど、かがみの前で話すことじゃないもんね。
「すぐ戻るからねー」
リビングに移動して、みゆきさんに事の成り行きを説明した。
電話では、かがみの様子だけしか伝えてなかったからね。
「そうですね。やっぱり幼児後退だと思います」
「さっきも言ってたけど、なんなのそれ」
「見ての通り、精神が幼児期に戻ることですよ」
「で、どうやったら元に戻るのかな。みゆきさん」
今のかがみも可愛くて良いんだけど、さすがにこのままって訳にはいかないよ。
「泉さんの話を聞く限り、小さい頃に人に甘えていないことが原因ではないかと思います――」
電話では、かがみの様子だけしか伝えてなかったからね。
「そうですね。やっぱり幼児後退だと思います」
「さっきも言ってたけど、なんなのそれ」
「見ての通り、精神が幼児期に戻ることですよ」
「で、どうやったら元に戻るのかな。みゆきさん」
今のかがみも可愛くて良いんだけど、さすがにこのままって訳にはいかないよ。
「泉さんの話を聞く限り、小さい頃に人に甘えていないことが原因ではないかと思います――」
みゆきさんの話では、幼児後退は過度のストレスなんかで起こる。
他には、小さい頃にできなかったことを体験しようとして、起こることもあるらしい。
かがみの場合は後者ではないか。
きっかけは、私が「甘えてもいい」と言ったことじゃないか、とのことだ。
他には、小さい頃にできなかったことを体験しようとして、起こることもあるらしい。
かがみの場合は後者ではないか。
きっかけは、私が「甘えてもいい」と言ったことじゃないか、とのことだ。
「ってことは、思いっきり甘えさせてやれば、元に戻るってことでいいのかな」
「確証はありませんが、おそらくは。病院に行って診て貰う方が良いと思うんですが」
「うん。夕方まで私がやってみるよ。で、駄目だったらかがみの家に連絡する……」
本当はすぐにでも連絡した方が良いんだろうけど、私の言葉が原因なら、私が治してあげたい。
それに、かがみも他の人に、こんな状態を見られたく無いだろうし。
「そうですか。それでは、私は失礼しますね」
「うん。ありがとう、みゆきさん。それと、このことは内緒にしといてね」
「ええ、心得てますよ」
「確証はありませんが、おそらくは。病院に行って診て貰う方が良いと思うんですが」
「うん。夕方まで私がやってみるよ。で、駄目だったらかがみの家に連絡する……」
本当はすぐにでも連絡した方が良いんだろうけど、私の言葉が原因なら、私が治してあげたい。
それに、かがみも他の人に、こんな状態を見られたく無いだろうし。
「そうですか。それでは、私は失礼しますね」
「うん。ありがとう、みゆきさん。それと、このことは内緒にしといてね」
「ええ、心得てますよ」
みゆきさんを見送ってから部屋に戻ると、かがみはゲームをやっていた。
だけど、楽しんでる感じじゃないね。
「おまたせ。ごめんね、かがみちゃん」
声を掛けると、かがみはゲームを放り出し、私に抱きついてきた。
瞳がわずかに潤んでいる。
「ごめんね、寂しい思いさせちゃって」
かがみを抱きしめ、頭を優しく撫でてやる。
かがみは、ずっと我慢してたのかな。
誰かに甘える姿を見られないように。
しっかりしたお姉ちゃんである為に。
私の前では、そんな事しなくていいんだよ。
私がかがみに甘えるように、かがみも私に甘えてほしいよ。
「ね、かがみちゃん。今から何しよっか? 今日は一日やりたい事やろうね」
「お姉ちゃんと一緒に、お昼寝したい」
間髪いれずにそう言ったかがみは、顔を真っ赤にして恥ずかしそう俯いていた。
「じゃあ、今からお昼寝だね」
「うん、一緒に寝てくれるの?」
「もちろんだよ。でもその前に、着替えようね。服にしわが付いちゃうから」
「うんっ」
パジャマに着替えて、ベッドに二人で横になる。
昨日と同じように、私の胸にかがみの頭を抱きしめながら。
昨日と違ったのは、かがみが嬉しそうにしていること。
かがみは私の胸で、安らかな寝息を立てている。
それを見ながら私も眠りについた。
起きたときには、かがみが元に戻ってることを祈りながら。
だけど、楽しんでる感じじゃないね。
「おまたせ。ごめんね、かがみちゃん」
声を掛けると、かがみはゲームを放り出し、私に抱きついてきた。
瞳がわずかに潤んでいる。
「ごめんね、寂しい思いさせちゃって」
かがみを抱きしめ、頭を優しく撫でてやる。
かがみは、ずっと我慢してたのかな。
誰かに甘える姿を見られないように。
しっかりしたお姉ちゃんである為に。
私の前では、そんな事しなくていいんだよ。
私がかがみに甘えるように、かがみも私に甘えてほしいよ。
「ね、かがみちゃん。今から何しよっか? 今日は一日やりたい事やろうね」
「お姉ちゃんと一緒に、お昼寝したい」
間髪いれずにそう言ったかがみは、顔を真っ赤にして恥ずかしそう俯いていた。
「じゃあ、今からお昼寝だね」
「うん、一緒に寝てくれるの?」
「もちろんだよ。でもその前に、着替えようね。服にしわが付いちゃうから」
「うんっ」
パジャマに着替えて、ベッドに二人で横になる。
昨日と同じように、私の胸にかがみの頭を抱きしめながら。
昨日と違ったのは、かがみが嬉しそうにしていること。
かがみは私の胸で、安らかな寝息を立てている。
それを見ながら私も眠りについた。
起きたときには、かがみが元に戻ってることを祈りながら。
どれくらい眠っていたんだろう。
私は胸に違和感を覚えて目を覚ました。
まだはっきりとしない意識で視線を胸元にやる。
パジャマの前が開けられ、かがみが私の胸を吸っていた。
「ちょっ、かがみちゃんっ」
私の声に反応して、かがみが視線を上げる。
「どうしたの?こなたお姉ちゃん」
なぜ驚いているのか分からない、と言った表情を見せると、再び私の胸に吸い付くかがみ。
私の祈りは届かなかったらしい。
かがみはまだ、元に戻ってないみたいだね。
「ん、なんでもないよ。かがみちゃん」
目の前の菫色の髪を撫でながら、これからのすべきことを考える。
まずは、かがみの家に連絡。
それからのことは、なるようにしかならないよね。
多分、かがみは病院に行って、検査を受けることになるだろう。
そうなったら、私はできるだけかがみの傍に居よう。
「ね、こなたお姉ちゃん。ぎゅ、って抱きしめて」
かがみに目を向けると、照れくさそうに私から視線を外す。
私は、抱きしめている力をちょっとだけ強める。
「しかたないなぁ。かがみちゃんは甘えん坊さんだね」
「そうよ。ずっと、こうして誰かに甘えたかったのよ」
「そっかー…… って、かがみ?」
かがみの肩に手をやり、顔が見えるように少しだけ体を離す。
「やっ…… こなた、抱きしめてて」
私は言われた通りに、かがみを抱きしめなおす。
抱きしめている力を、ちょっとだけ強める。
「ありがとう、こなた」
そう言ったかがみの声は涙声だった。
私は胸に違和感を覚えて目を覚ました。
まだはっきりとしない意識で視線を胸元にやる。
パジャマの前が開けられ、かがみが私の胸を吸っていた。
「ちょっ、かがみちゃんっ」
私の声に反応して、かがみが視線を上げる。
「どうしたの?こなたお姉ちゃん」
なぜ驚いているのか分からない、と言った表情を見せると、再び私の胸に吸い付くかがみ。
私の祈りは届かなかったらしい。
かがみはまだ、元に戻ってないみたいだね。
「ん、なんでもないよ。かがみちゃん」
目の前の菫色の髪を撫でながら、これからのすべきことを考える。
まずは、かがみの家に連絡。
それからのことは、なるようにしかならないよね。
多分、かがみは病院に行って、検査を受けることになるだろう。
そうなったら、私はできるだけかがみの傍に居よう。
「ね、こなたお姉ちゃん。ぎゅ、って抱きしめて」
かがみに目を向けると、照れくさそうに私から視線を外す。
私は、抱きしめている力をちょっとだけ強める。
「しかたないなぁ。かがみちゃんは甘えん坊さんだね」
「そうよ。ずっと、こうして誰かに甘えたかったのよ」
「そっかー…… って、かがみ?」
かがみの肩に手をやり、顔が見えるように少しだけ体を離す。
「やっ…… こなた、抱きしめてて」
私は言われた通りに、かがみを抱きしめなおす。
抱きしめている力を、ちょっとだけ強める。
「ありがとう、こなた」
そう言ったかがみの声は涙声だった。
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- 戻ったのか!? それとも演技なのか!?
かがみがかわいすぎる 溶けそうだ〜(^o^) -- オビ下チェックは基本 (2009-06-15 20:21:07) - これはかがみが黒いのかそうでないのかで
感想が180度変わるなww
敢えて、白いかがみならばと仮定すると・・・
かわいすぎ!!!! -- taihoo (2009-03-10 01:34:43) - GJ
-- 名無しさん (2009-03-07 19:09:12) - 全俺が泣いた。 -- 名無しさん (2009-03-07 09:15:19)
- 全米が泣いた。 -- 名無しさん (2009-03-07 08:10:22)
- イイハナシダナァ -- 名無しさん (2009-01-04 16:27:20)
- ぐはああああっっっ!!!かがみ可愛えええええっっ!!お姉さんこなたってのもいいなあ… -- 名無しさん (2008-10-07 21:06:43)
- 良いお話すぐる! -- 名無しさん (2008-07-23 23:16:16)
- おっぱい!! -- 名無しさん (2008-07-23 22:55:16)
- これは良いお話ですねぇというよりかがみもやるのぉ -- 泉こなた(九重龍太) (2008-07-23 13:04:40)
- いいねっ!GJ! -- 名無しさん (2008-07-23 08:51:51)
- 良い話だな!
↑これしか、言えない!! -- 名無しさん (2008-07-22 23:47:48) - きゅんときた!
エロから始まってピュアにおとすのっていーな~ -- 名無しさん (2008-04-28 10:32:46) - 良い話っすね。ふと思ったのですが..かがみは本当に
一時的に幼児後退してて後半でこなたに強く抱きしめられた
時に元に戻ったのか..それとも最初から演技だったのか..
後者だとしたら..かがみ..怖ろしい子っw -- 名無しさん (2008-04-28 03:00:43) - なぜか涙が溢れていたー -- 名無しさん (2008-04-28 01:53:07)
- 癒された。 -- 名無しさん (2008-04-26 19:09:44)