「ねぇ、今日一緒に居た女の人、誰なの?どんな関係?」
学校から帰ってきてすぐに日下部家に来たのだろう、あやのは制服姿のままだった。
余程急いで来たのか、呼吸が少し荒く、頬も上気している。
「え…?」
みさ兄は訝しげな声を発すると、今日一日の行動を回想した。
女子とは、一言も口を聞かなかったはずだ。
「あ、どんな関係か、なんて聞く必要無かったね。だって私達約束したよね、
私以外に日下部君が話していい女の人は、互いの家族だけだって」
強制された覚えはあっても、約束した覚えはない。
だがみさ兄はあやのの言葉を訂正しなかった。牙などとうに抜かれているのだから。
「ちょっと待てよ。女子とは口利いてないよ」
「誰も女子とは言ってないけど?さっき横断歩道で、女の人と手を繋いでたじゃない。
酷いよ…私以外の女の人の手を握るなんて」
「あっ…」
思い当たる節がみさ兄にはあった。だが、
それがあやのに強制されたルールに抵触しているとは、どうしても思えなかった。
「いやお前…。ちゃんと見てたか?あれ、お婆さんだぞ?
お婆さんが困ってたから、荷物持って手を引いて横断歩道一緒に渡ってやったんだ。
いけない事か?」
「女の人である事に代わりはないよ。恋人以外の女に優しさ振り向けるなんて、
例え相手が赤子であれ老人であれ許されない事だよ?」
改めてあやのの嫉妬の深さを知り、みさ兄は押し黙った。
「と、言うわけでお仕置きだね」
カチューシャを外しながら、あやのは愉しそうな声で告げた。
下ろされた前髪が額と右目を隠し、妖しい雰囲気を彼女に添える。
大多数の人間ならば、その雅な表情に心蕩かされた事だろう。
「…分かったよ」
みさ兄は堪忍したように呟いた。下手に抵抗すれば、
自分だけではなく周囲の人間をすら狂的な愛憎劇の渦中に巻き込んでしまう。
それを、良く分かっていた。
学校から帰ってきてすぐに日下部家に来たのだろう、あやのは制服姿のままだった。
余程急いで来たのか、呼吸が少し荒く、頬も上気している。
「え…?」
みさ兄は訝しげな声を発すると、今日一日の行動を回想した。
女子とは、一言も口を聞かなかったはずだ。
「あ、どんな関係か、なんて聞く必要無かったね。だって私達約束したよね、
私以外に日下部君が話していい女の人は、互いの家族だけだって」
強制された覚えはあっても、約束した覚えはない。
だがみさ兄はあやのの言葉を訂正しなかった。牙などとうに抜かれているのだから。
「ちょっと待てよ。女子とは口利いてないよ」
「誰も女子とは言ってないけど?さっき横断歩道で、女の人と手を繋いでたじゃない。
酷いよ…私以外の女の人の手を握るなんて」
「あっ…」
思い当たる節がみさ兄にはあった。だが、
それがあやのに強制されたルールに抵触しているとは、どうしても思えなかった。
「いやお前…。ちゃんと見てたか?あれ、お婆さんだぞ?
お婆さんが困ってたから、荷物持って手を引いて横断歩道一緒に渡ってやったんだ。
いけない事か?」
「女の人である事に代わりはないよ。恋人以外の女に優しさ振り向けるなんて、
例え相手が赤子であれ老人であれ許されない事だよ?」
改めてあやのの嫉妬の深さを知り、みさ兄は押し黙った。
「と、言うわけでお仕置きだね」
カチューシャを外しながら、あやのは愉しそうな声で告げた。
下ろされた前髪が額と右目を隠し、妖しい雰囲気を彼女に添える。
大多数の人間ならば、その雅な表情に心蕩かされた事だろう。
「…分かったよ」
みさ兄は堪忍したように呟いた。下手に抵抗すれば、
自分だけではなく周囲の人間をすら狂的な愛憎劇の渦中に巻き込んでしまう。
それを、良く分かっていた。
「うん、お利口さんだね。じゃ、まずは靴舐めて貰おうかな」
その時初めてみさ兄は気がついた。あやのが革靴を履いたまま、
みさ兄の部屋まで上がってきていた事に。
(後で床、雑巾掛けしとかないとな)
光沢を放つ黒い革靴に舌を這わせながら、みさ兄はぼんやりとそんな事を考える。
雑巾掛けに意識を集中する事で、今行っている行為を忘れようとするかのように。
だが彼の現実逃避とも言えるその思考も、あやのの声によって中断された。
「ね、日下部君」
みさ兄は舌を休める事無く、声のする方へと視線だけ向ける。
その視界に、見たくも無いものが飛び込んできた。
傍目にも湿っていると分かる、純白の絹が。
(コイツ…人にこんな事させて興奮すんのかよ)
見ていられなかった。みさ兄は苦悶の表情を浮かべながら、目を逸らした。
「わ、日下部君大胆だよね。私の…下着見たよ。
恥ずかしいけど、日下部君だから許してあげるね」
(嬉しくねーよ)
心中毒づきながら、みさ兄は革靴を舐める作業を続けた。
唾液に濡れた革靴は、心なしか光沢が増したように見える。
「も、いいや。次は、靴下の上から舐めて貰おうかな?
右足の靴、脱がしてくれないかな?」
言われたとおりに、みさ兄はあやのの革靴を脱がせた。
その途端、饐えた匂いが鼻を衝き、みさ兄は軽い眩暈に襲われる。
「長いニーソだからねー。匂い篭ってると思うよ。
それにね、日下部君にお仕置きする為に、わざわざ湿度が高い環境下に身を置いたからね。
仕切りの中でお湯沸騰させてね、革靴履いたまま両足をそこに置いておいたの。
熱かったし、蒸れちゃって気持ち悪い感触が足に残ってるけど、
日下部君の為に頑張ったんだ。日下部君、こういう匂い好きでしょ?」
(好きなワケ無いだろ…)
口を衝いて出そうになるその言葉と共に、胃から逆流しそうな昼食を慌てて呑み込んだ。
その時初めてみさ兄は気がついた。あやのが革靴を履いたまま、
みさ兄の部屋まで上がってきていた事に。
(後で床、雑巾掛けしとかないとな)
光沢を放つ黒い革靴に舌を這わせながら、みさ兄はぼんやりとそんな事を考える。
雑巾掛けに意識を集中する事で、今行っている行為を忘れようとするかのように。
だが彼の現実逃避とも言えるその思考も、あやのの声によって中断された。
「ね、日下部君」
みさ兄は舌を休める事無く、声のする方へと視線だけ向ける。
その視界に、見たくも無いものが飛び込んできた。
傍目にも湿っていると分かる、純白の絹が。
(コイツ…人にこんな事させて興奮すんのかよ)
見ていられなかった。みさ兄は苦悶の表情を浮かべながら、目を逸らした。
「わ、日下部君大胆だよね。私の…下着見たよ。
恥ずかしいけど、日下部君だから許してあげるね」
(嬉しくねーよ)
心中毒づきながら、みさ兄は革靴を舐める作業を続けた。
唾液に濡れた革靴は、心なしか光沢が増したように見える。
「も、いいや。次は、靴下の上から舐めて貰おうかな?
右足の靴、脱がしてくれないかな?」
言われたとおりに、みさ兄はあやのの革靴を脱がせた。
その途端、饐えた匂いが鼻を衝き、みさ兄は軽い眩暈に襲われる。
「長いニーソだからねー。匂い篭ってると思うよ。
それにね、日下部君にお仕置きする為に、わざわざ湿度が高い環境下に身を置いたからね。
仕切りの中でお湯沸騰させてね、革靴履いたまま両足をそこに置いておいたの。
熱かったし、蒸れちゃって気持ち悪い感触が足に残ってるけど、
日下部君の為に頑張ったんだ。日下部君、こういう匂い好きでしょ?」
(好きなワケ無いだろ…)
口を衝いて出そうになるその言葉と共に、胃から逆流しそうな昼食を慌てて呑み込んだ。
「舐める前に、ゆっくりと芳しい香りを堪能してから、ね?ほら、口閉じて?
そうそう。で、そのまま鼻で深呼吸」
爪先をみさ兄の鼻先に押し付けながら、愉悦を込めた声であやのは次の指示を出してきた。
その残酷な指示に一瞬躊躇ったが、結局あやのへの恐怖には打ち克てず、
みさ兄は言われたとおりに大きく息を吸った。
鮮烈な臭気が鼻腔を擽り、酸っぱさが口中に広がる。
刺激されている感覚器官はあくまで嗅覚で、味覚が刺激されているわけではない。
故に、酸いという感覚は生じないはずである。
だが、確かにみさ兄は酸味を知覚していた。
(酸っぱい…。どれだけ蒸らしたんだよ…)
「ほら、遠慮せずもっと深呼吸してよ。日下部君が窒息死なんてしたら、
私生きていけないよ」
(なら、改めてくれよ。こんな悪趣味な性癖をさ)
みさ兄の反駁は、決して空気を振るわせることなく、ただ彼の心の中にのみ響き渡った。
「ふふ、可愛いな。で、どう?私の香り?女の子の生々しい匂いでしょ?」
「そうだな…。柑橘類…檸檬のような香り、だな」
咽返りそうな臭気の中、途切れ途切れにみさ兄は言葉を紡いだ。
『酸っぱい匂いだよ』という皮肉を、檸檬というオブラートに包んで。
「わ、褒めてくれるんだ。やっぱりこういうの好きなんだねー」
(好きなわけ、ねーだろ)
実際、みさ兄の瞳には涙すら浮かんでいる。
「じゃ、本番だね。あんまり焦らすのも可哀想だから。さ、舐めていいよ」
膝まで覆い隠された白いニーソックスを見つめながら、みさ兄は躊躇っていた。
舐めない、という選択など許されてはいない。それを自覚しながらも、
みさ兄はそれ以上唇を近づける事ができなかった。
「まずはね、爪先からゆっくりと舌を這わせてね。
ああ、ゆっくりっていうのはあくまで這わせる速度であって、
私の肢体を眺めてる時間じゃないよ?」
急かすように指示するあやのの声に、漸くみさ兄は腹を括った。
見目にも湿っていると分かるつま先へと、みさ兄は舌を這わせた。
ねっとりとした生暖かい感触が舌に絡みつく。
「ひゃんっ。く、くすぐったいね。そのまま、他の指も嘗め回して。
そう、そうそう。次は、爪先全体咥えこんで…。
そのまま、吸ってよ」
鼻を啜るような不快な音を立てながら、吸い上げた。
纏わりつくような温い液体が口の中に広がり、強烈な酸味が舌を刺激する。
それでも構わずにみさ兄は吸い続けた。
「ぁぁ…んっ。も、いいよ。次はね、舌を足の甲へ這わせて…。
うん、そんな感じ。で、そのまま足の裏に。ひゃっ。くすぐったい…。
そ、そこ。そのまま舐め続けて」
荒い呼吸に喘ぎ声を混ぜながら、あやのは感じ入ったように目を細めた。
普段は雪のように白い彼女の頬も、興奮を表すように朱色に染まっている。
「うん。それでね、ゆっくりと舌をふくらはぎに這わせていって、
膝の裏を丹念に舐めて…。ぅぅっ、むず痒い」
込み上げてくる吐き気と闘いながら、みさ兄はあやのの指示に従い続けた。
もし制裁を拒否すれば、今日助けた老婆にも害及ぶ事になる。
(コイツに愛されちまったのは俺だけなんだ…。
だから、俺だけが狂気に付き合っていれば、それで皆守れるんだ…)
健気に耐え続けるみさ兄の脳裏を過ぎるのは、名すら忘れたとある少女だった。
その少女は、みさ兄に対して慣れなれなれしく振舞った、
ただそれだけの一事を以ってあやのの逆鱗に触れてしまった。
その時、あやのはみさ兄に対してこう言っていた。
『ねぇ、もうこれ以降他の女の人と仲良くしないって誓ってよ』と。
だが束縛を嫌うみさ兄は、その要求を突っ撥ねた。
それから一週間も経たないうちに、件の少女は落石事故に立て続けに巻き込まれた。
何れも無傷で済んでいたが、短期間に落石事故に巻き込まれ続ける事に対して
みさ兄も少女も不審の念を抱いていた。
その不審の念からみさ兄を解放したのが、他ならぬあやのだった。
彼女は無邪気な笑顔で「次は、当てちゃおっかな」とみさ兄に耳打ちしたのだ。
その時のあやのの表情を、みさ兄は忘れる事ができない。
顔全体の表情を眺めれば、間違いなく無邪気な笑顔が浮かべられていた。
だが目だけは、長い前髪の奥で光る目だけは笑っていなかった。
凍てつかせるような冷たさと、滾るような嫉妬の熱という相反する二つの要素が込められた瞳。
その瞳が告げていた。私は本気だよ、と。
みさ兄はただ、「もうお前以外の女とは、仲良くしないよ」と言う以外に無かった。
それ以来、件の少女は落石事故から解放された。
またみさ兄も、不審の念からは解放された。
代わりに彼を捉えたのは、恐怖の念だった。
そして、峰岸あやのという名の、逃れようの無い鎖だった。
そうそう。で、そのまま鼻で深呼吸」
爪先をみさ兄の鼻先に押し付けながら、愉悦を込めた声であやのは次の指示を出してきた。
その残酷な指示に一瞬躊躇ったが、結局あやのへの恐怖には打ち克てず、
みさ兄は言われたとおりに大きく息を吸った。
鮮烈な臭気が鼻腔を擽り、酸っぱさが口中に広がる。
刺激されている感覚器官はあくまで嗅覚で、味覚が刺激されているわけではない。
故に、酸いという感覚は生じないはずである。
だが、確かにみさ兄は酸味を知覚していた。
(酸っぱい…。どれだけ蒸らしたんだよ…)
「ほら、遠慮せずもっと深呼吸してよ。日下部君が窒息死なんてしたら、
私生きていけないよ」
(なら、改めてくれよ。こんな悪趣味な性癖をさ)
みさ兄の反駁は、決して空気を振るわせることなく、ただ彼の心の中にのみ響き渡った。
「ふふ、可愛いな。で、どう?私の香り?女の子の生々しい匂いでしょ?」
「そうだな…。柑橘類…檸檬のような香り、だな」
咽返りそうな臭気の中、途切れ途切れにみさ兄は言葉を紡いだ。
『酸っぱい匂いだよ』という皮肉を、檸檬というオブラートに包んで。
「わ、褒めてくれるんだ。やっぱりこういうの好きなんだねー」
(好きなわけ、ねーだろ)
実際、みさ兄の瞳には涙すら浮かんでいる。
「じゃ、本番だね。あんまり焦らすのも可哀想だから。さ、舐めていいよ」
膝まで覆い隠された白いニーソックスを見つめながら、みさ兄は躊躇っていた。
舐めない、という選択など許されてはいない。それを自覚しながらも、
みさ兄はそれ以上唇を近づける事ができなかった。
「まずはね、爪先からゆっくりと舌を這わせてね。
ああ、ゆっくりっていうのはあくまで這わせる速度であって、
私の肢体を眺めてる時間じゃないよ?」
急かすように指示するあやのの声に、漸くみさ兄は腹を括った。
見目にも湿っていると分かるつま先へと、みさ兄は舌を這わせた。
ねっとりとした生暖かい感触が舌に絡みつく。
「ひゃんっ。く、くすぐったいね。そのまま、他の指も嘗め回して。
そう、そうそう。次は、爪先全体咥えこんで…。
そのまま、吸ってよ」
鼻を啜るような不快な音を立てながら、吸い上げた。
纏わりつくような温い液体が口の中に広がり、強烈な酸味が舌を刺激する。
それでも構わずにみさ兄は吸い続けた。
「ぁぁ…んっ。も、いいよ。次はね、舌を足の甲へ這わせて…。
うん、そんな感じ。で、そのまま足の裏に。ひゃっ。くすぐったい…。
そ、そこ。そのまま舐め続けて」
荒い呼吸に喘ぎ声を混ぜながら、あやのは感じ入ったように目を細めた。
普段は雪のように白い彼女の頬も、興奮を表すように朱色に染まっている。
「うん。それでね、ゆっくりと舌をふくらはぎに這わせていって、
膝の裏を丹念に舐めて…。ぅぅっ、むず痒い」
込み上げてくる吐き気と闘いながら、みさ兄はあやのの指示に従い続けた。
もし制裁を拒否すれば、今日助けた老婆にも害及ぶ事になる。
(コイツに愛されちまったのは俺だけなんだ…。
だから、俺だけが狂気に付き合っていれば、それで皆守れるんだ…)
健気に耐え続けるみさ兄の脳裏を過ぎるのは、名すら忘れたとある少女だった。
その少女は、みさ兄に対して慣れなれなれしく振舞った、
ただそれだけの一事を以ってあやのの逆鱗に触れてしまった。
その時、あやのはみさ兄に対してこう言っていた。
『ねぇ、もうこれ以降他の女の人と仲良くしないって誓ってよ』と。
だが束縛を嫌うみさ兄は、その要求を突っ撥ねた。
それから一週間も経たないうちに、件の少女は落石事故に立て続けに巻き込まれた。
何れも無傷で済んでいたが、短期間に落石事故に巻き込まれ続ける事に対して
みさ兄も少女も不審の念を抱いていた。
その不審の念からみさ兄を解放したのが、他ならぬあやのだった。
彼女は無邪気な笑顔で「次は、当てちゃおっかな」とみさ兄に耳打ちしたのだ。
その時のあやのの表情を、みさ兄は忘れる事ができない。
顔全体の表情を眺めれば、間違いなく無邪気な笑顔が浮かべられていた。
だが目だけは、長い前髪の奥で光る目だけは笑っていなかった。
凍てつかせるような冷たさと、滾るような嫉妬の熱という相反する二つの要素が込められた瞳。
その瞳が告げていた。私は本気だよ、と。
みさ兄はただ、「もうお前以外の女とは、仲良くしないよ」と言う以外に無かった。
それ以来、件の少女は落石事故から解放された。
またみさ兄も、不審の念からは解放された。
代わりに彼を捉えたのは、恐怖の念だった。
そして、峰岸あやのという名の、逃れようの無い鎖だった。
「も、いいよ。次、左足行こっか」
あやのの声を合図に、みさ兄は舌の動きを止めた。
同時に、回想の世界から意識を現実の世界へと引き戻す。
「そ、そうやって靴を脱がして…。あ、次は生足いこうか?
味わってみたいでしょ?」
感情は、首を横に振れ、と命令している。
だが感情に逆らうように、首は縦に振られていた。
感情を抑えつけたのが理性なのか、はたまた恐怖なのか、当のみさ兄にも分からなかった。
「あ、やっぱりこういうの好きなんだね。じゃ、まずは靴下脱がせてよ」
愚直なまでに、言われたとおりに振舞う。
触ってみると、靴下がどれほどの汗を吸い取っていたのか、それが分かった。
濡れている、と形容してしまっていいほどの湿り気が指に纏わりつく。
汗で肌にへばり付いた靴下は、思っていた以上に脱がせる事が容易ではなかった。
だが、根気強く少しづつ肌から引き剥がしてゆく。
最後に爪先から靴下が離れる際、粘着質な糸が引かれた。
(この足を…舐めるのか…)
げんなりしたが、どうせ従うしかないのだ。みさ兄は強烈な眩暈と吐き気の中、
覚悟を決めた。
(もし、幸福な点があるとすれば…。あやのが可愛い事、くらいか。
もし綺麗じゃない女の足だったら、俺は吐かない自信がない)
実際に、頬を上気させ潤んだ瞳でみさ兄を見下ろしているあやのは、綺麗だった。
髪を下ろすと、彼女は印象が恐ろしいほどに変わる。
あやのの声を合図に、みさ兄は舌の動きを止めた。
同時に、回想の世界から意識を現実の世界へと引き戻す。
「そ、そうやって靴を脱がして…。あ、次は生足いこうか?
味わってみたいでしょ?」
感情は、首を横に振れ、と命令している。
だが感情に逆らうように、首は縦に振られていた。
感情を抑えつけたのが理性なのか、はたまた恐怖なのか、当のみさ兄にも分からなかった。
「あ、やっぱりこういうの好きなんだね。じゃ、まずは靴下脱がせてよ」
愚直なまでに、言われたとおりに振舞う。
触ってみると、靴下がどれほどの汗を吸い取っていたのか、それが分かった。
濡れている、と形容してしまっていいほどの湿り気が指に纏わりつく。
汗で肌にへばり付いた靴下は、思っていた以上に脱がせる事が容易ではなかった。
だが、根気強く少しづつ肌から引き剥がしてゆく。
最後に爪先から靴下が離れる際、粘着質な糸が引かれた。
(この足を…舐めるのか…)
げんなりしたが、どうせ従うしかないのだ。みさ兄は強烈な眩暈と吐き気の中、
覚悟を決めた。
(もし、幸福な点があるとすれば…。あやのが可愛い事、くらいか。
もし綺麗じゃない女の足だったら、俺は吐かない自信がない)
実際に、頬を上気させ潤んだ瞳でみさ兄を見下ろしているあやのは、綺麗だった。
髪を下ろすと、彼女は印象が恐ろしいほどに変わる。
「あ、靴下は私が持ってるね。うわ、この靴下の匂い凄いよ。
コレ舐めてたなんて、愛情の為せる業だよね」
恐怖の為せる業だ、そうみさ兄は心中呟いた。
「じゃ、まずは生足の匂い嗅ごうか。足の指の股を開いて、
そこの匂い嗅いでみて?どう、かな?」
意識すら飛んでしまいかねないほどの、強烈な匂い。
それでもみさ兄は、
「やっぱり、柑橘類みたいな芳しい匂いだな。お前にぴったりの匂いだよ」
感想を遠まわしな皮肉で留め、どうにか直接的な表現を抑え込む。
「そっか。じゃ、舐めていいよ」
先ほど靴下との間で引かれた粘着性を持った糸が脳裏を過ぎった。
それでもみさ兄は、舌をあやのの足の指に絡める。
靴下の上から右足を舐めた時以上の酸味を持った粘着質な液体が、舌を強烈に刺激した。
「ひゃっ。やっぱりこっちの方が、くすぐったくて痒いけど、気持ちいいね。
次、指の股舐めてよ」
嘔吐の欲求を強靭な理性で抑えながら、みさ兄は足の指の股を舌で嘗め回していく。
と、その時、みさ兄の額に熱を帯びた粘着質な液体が纏わりついた。
この異様なまでの粘度は、蒸れた汗の比ではない。
不審に思ったみさ兄は、視線を上に投げかけた。
「っ」
その目に飛び込んだ光景に、みさ兄は絶句した。
と、同時に理解した。自らの額を打った、液体の正体を。
「あ、そんなに下着見ないでよ。恥ずかしいじゃない。
日下部君が足を擽るから、感じちゃって大変な事になってるのに」
(変態…)
視界に映るソレを見てしまっては、彼女の事をそう形容せざるを得なかった。
先ほど見たとき湿っていた真っ白な下着は、今や濡れていた。
豪雨の中、外に晒し続けたタオルすら連想させる、濡れ具合だった。
たぷんたぷん、という音すら聞こえてきそうなほどに、
欲情の液をたっぷりと含み膨張した純白の下着。
もはや溢れてくる欲情の液を吸いきれなくなったのか、
下着の下部が心なし垂れ、その先端に雫を形作っている。
その雫が重みに耐えかねたのか、糸を引きながらゆっくりとみさ兄の額をもう一度打った。
それとほぼ同時に、下着の下部には再び次の雫が出来上がっていた。
「もうっ、恥ずかしいじゃない。それとね、舌、お留守だよ?
でも、もーいいかな。ここまで頑張って足を綺麗にしてくれたんだし、
これで許してあげるね。それと、ご褒美あげる」
あやのは言うや否や、下着を下ろしにかかった。
粘つく糸を何本も引きながら、下着が両足を伝って下ろされてゆく。
その下着の内側から、グロテスクに蠢く紅色がその姿を覗かせた。
もう一度、みさ兄の胃を吐き気が見舞ったが、これが最後の試練と何とか耐えた。
「私の一番大切な部分、見せてあげるだけじゃないよ?
今日は特別頑張ってたから、コレとコレ、味あわせてあげるね」
だが、みさ兄の試練はまだ終わってなどいなかった。
あやのは左足に装着していた靴下と、今脱ぎ終わった下着を日下部の口の中に押し込んだ。
「ふぐっ」
熱く粘つく下着と、蒸れて饐えた靴下の味は、
今まで味わったどんな料理よりも強烈に味覚を甚振った。
(あの足についてた靴下と…。あのグロテスクなモノを覆っていた下着が…俺の口の中に…。
ああ、この下着、下手すりゃ排泄物すら付いているかもしれないぞ…)
その想像が、みさ兄の吐き気をいや増す。
コレ舐めてたなんて、愛情の為せる業だよね」
恐怖の為せる業だ、そうみさ兄は心中呟いた。
「じゃ、まずは生足の匂い嗅ごうか。足の指の股を開いて、
そこの匂い嗅いでみて?どう、かな?」
意識すら飛んでしまいかねないほどの、強烈な匂い。
それでもみさ兄は、
「やっぱり、柑橘類みたいな芳しい匂いだな。お前にぴったりの匂いだよ」
感想を遠まわしな皮肉で留め、どうにか直接的な表現を抑え込む。
「そっか。じゃ、舐めていいよ」
先ほど靴下との間で引かれた粘着性を持った糸が脳裏を過ぎった。
それでもみさ兄は、舌をあやのの足の指に絡める。
靴下の上から右足を舐めた時以上の酸味を持った粘着質な液体が、舌を強烈に刺激した。
「ひゃっ。やっぱりこっちの方が、くすぐったくて痒いけど、気持ちいいね。
次、指の股舐めてよ」
嘔吐の欲求を強靭な理性で抑えながら、みさ兄は足の指の股を舌で嘗め回していく。
と、その時、みさ兄の額に熱を帯びた粘着質な液体が纏わりついた。
この異様なまでの粘度は、蒸れた汗の比ではない。
不審に思ったみさ兄は、視線を上に投げかけた。
「っ」
その目に飛び込んだ光景に、みさ兄は絶句した。
と、同時に理解した。自らの額を打った、液体の正体を。
「あ、そんなに下着見ないでよ。恥ずかしいじゃない。
日下部君が足を擽るから、感じちゃって大変な事になってるのに」
(変態…)
視界に映るソレを見てしまっては、彼女の事をそう形容せざるを得なかった。
先ほど見たとき湿っていた真っ白な下着は、今や濡れていた。
豪雨の中、外に晒し続けたタオルすら連想させる、濡れ具合だった。
たぷんたぷん、という音すら聞こえてきそうなほどに、
欲情の液をたっぷりと含み膨張した純白の下着。
もはや溢れてくる欲情の液を吸いきれなくなったのか、
下着の下部が心なし垂れ、その先端に雫を形作っている。
その雫が重みに耐えかねたのか、糸を引きながらゆっくりとみさ兄の額をもう一度打った。
それとほぼ同時に、下着の下部には再び次の雫が出来上がっていた。
「もうっ、恥ずかしいじゃない。それとね、舌、お留守だよ?
でも、もーいいかな。ここまで頑張って足を綺麗にしてくれたんだし、
これで許してあげるね。それと、ご褒美あげる」
あやのは言うや否や、下着を下ろしにかかった。
粘つく糸を何本も引きながら、下着が両足を伝って下ろされてゆく。
その下着の内側から、グロテスクに蠢く紅色がその姿を覗かせた。
もう一度、みさ兄の胃を吐き気が見舞ったが、これが最後の試練と何とか耐えた。
「私の一番大切な部分、見せてあげるだけじゃないよ?
今日は特別頑張ってたから、コレとコレ、味あわせてあげるね」
だが、みさ兄の試練はまだ終わってなどいなかった。
あやのは左足に装着していた靴下と、今脱ぎ終わった下着を日下部の口の中に押し込んだ。
「ふぐっ」
熱く粘つく下着と、蒸れて饐えた靴下の味は、
今まで味わったどんな料理よりも強烈に味覚を甚振った。
(あの足についてた靴下と…。あのグロテスクなモノを覆っていた下着が…俺の口の中に…。
ああ、この下着、下手すりゃ排泄物すら付いているかもしれないぞ…)
その想像が、みさ兄の吐き気をいや増す。
「ね、噛んでみて?何度も何度も噛み締めて、吸ってみて?
そっちの方が、女の子の生々しいエキス、味わえるでしょ?」
嘔吐に対する欲求に抗いながらも、あやのの指示には抗わない。
みさ兄は言われたとおり、噛み締め噛み締め、吸った。
噛む度に生温い液体が口中を粘つかせる。吸う度に不快な粘性の液体が喉に纏わり付く。
それでも、みさ兄はその動作をやめなかった。
「うふ、しっかりと味わってるみたいね。それね、ここに付いてたんだよ?」
足を上げ紅色を見せながら、あやのは言った。
グロテスクに蠢き、今もなお欲情に塗れた液体が溢れ出ている紅色は、
みさ兄の嘔吐を誘った。それでも、その誘惑にみさ兄は屈する事無く耐えた。
「さて、どうなってるのかな?」
あやのは足を下げると、そのままみさ兄の太腿の付け根に足を当てた。
その近辺を足で弄っている内に、惚気たものから険しいものへとあやのの表情が変わった。
「ねぇ、どういう事なの?柔らかいんだけど。失礼だよね?」
(こっちは変態じゃねーんだ。興奮するわけ、ねーだろ)
そう言ってやりたかったが、口の中に押し込められた下着と靴下が邪魔をして声が出ない。
いや、口の中に何も入っていなくとも、恐怖が邪魔をして声などどうせ出なかっただろう。
「私って、魅力ないのかな?一番大事な所見せても、柔らかいままなんて…。
下着まで味合わせてあげてるのに…」
プライドを酷く傷つけられたのか、あやのの声は怒りに震えていた。
「ねぇ、口あけて?」
やはり言われたとおりに、みさ兄は口を開けた。
面従腹背、心では貶しても身体では従う。それが、みさ兄なりのあやのとの付き合い方だった。
(ま、下は従ってねーみたいだけどな。こればっかりは、どうしようもねー。
でもな、嘔吐だけは避けてみせるさ。早くあやのの気、収まんねーかなー)
だが、そのみさ兄の決心もほど無く崩される事になる。
「んぐっ?」
みさ兄の開かれた口の中に、あやのの右足が押し込まれていた。
「あのね、私の彼氏だっていう自覚あるのかな?
彼氏なら、恋人の痴態見て興奮するものじゃないの?
ねぇ、もしかして…私の事、そういう対象として見てないの?」
あやのの声など、みさ兄には最早届いていなかった。
喉の奥に向かって押し込められていく靴下と下着──
人は感情には抗えても、生理的な反射には抗えない。
(限…界だ…)
「うおげえええええええっ」
喉の奥深くを刺激されたみさ兄は、堪らず吐瀉物を撒けてしまった。
今日食べて消化されたモノが、胃液や下着、靴下と一緒に口から吐き出され、
あやのの細く白い足と床を汚していく。
「…」
無様に胃の内容物を吐き続けるみさ兄を、あやのは慈しむような瞳で見下ろしていた。
「いつもなら、人が吐くのを見るのって嫌なんだけどね。
でも、日下部君は別格だよね。嘔吐する時さえ、可愛げあるよ。
愛ゆえに、かな」
蕩けたようにそこまで言うと、声を冷たくして続けた。
「でもやっぱり失礼だよ。女の子の大切なところ見て、吐くなんて。
後、下着を口に含んで吐くのも失礼だよね。
それでも、日下部君の事大好きだから許しちゃうんだけど」
そっちの方が、女の子の生々しいエキス、味わえるでしょ?」
嘔吐に対する欲求に抗いながらも、あやのの指示には抗わない。
みさ兄は言われたとおり、噛み締め噛み締め、吸った。
噛む度に生温い液体が口中を粘つかせる。吸う度に不快な粘性の液体が喉に纏わり付く。
それでも、みさ兄はその動作をやめなかった。
「うふ、しっかりと味わってるみたいね。それね、ここに付いてたんだよ?」
足を上げ紅色を見せながら、あやのは言った。
グロテスクに蠢き、今もなお欲情に塗れた液体が溢れ出ている紅色は、
みさ兄の嘔吐を誘った。それでも、その誘惑にみさ兄は屈する事無く耐えた。
「さて、どうなってるのかな?」
あやのは足を下げると、そのままみさ兄の太腿の付け根に足を当てた。
その近辺を足で弄っている内に、惚気たものから険しいものへとあやのの表情が変わった。
「ねぇ、どういう事なの?柔らかいんだけど。失礼だよね?」
(こっちは変態じゃねーんだ。興奮するわけ、ねーだろ)
そう言ってやりたかったが、口の中に押し込められた下着と靴下が邪魔をして声が出ない。
いや、口の中に何も入っていなくとも、恐怖が邪魔をして声などどうせ出なかっただろう。
「私って、魅力ないのかな?一番大事な所見せても、柔らかいままなんて…。
下着まで味合わせてあげてるのに…」
プライドを酷く傷つけられたのか、あやのの声は怒りに震えていた。
「ねぇ、口あけて?」
やはり言われたとおりに、みさ兄は口を開けた。
面従腹背、心では貶しても身体では従う。それが、みさ兄なりのあやのとの付き合い方だった。
(ま、下は従ってねーみたいだけどな。こればっかりは、どうしようもねー。
でもな、嘔吐だけは避けてみせるさ。早くあやのの気、収まんねーかなー)
だが、そのみさ兄の決心もほど無く崩される事になる。
「んぐっ?」
みさ兄の開かれた口の中に、あやのの右足が押し込まれていた。
「あのね、私の彼氏だっていう自覚あるのかな?
彼氏なら、恋人の痴態見て興奮するものじゃないの?
ねぇ、もしかして…私の事、そういう対象として見てないの?」
あやのの声など、みさ兄には最早届いていなかった。
喉の奥に向かって押し込められていく靴下と下着──
人は感情には抗えても、生理的な反射には抗えない。
(限…界だ…)
「うおげえええええええっ」
喉の奥深くを刺激されたみさ兄は、堪らず吐瀉物を撒けてしまった。
今日食べて消化されたモノが、胃液や下着、靴下と一緒に口から吐き出され、
あやのの細く白い足と床を汚していく。
「…」
無様に胃の内容物を吐き続けるみさ兄を、あやのは慈しむような瞳で見下ろしていた。
「いつもなら、人が吐くのを見るのって嫌なんだけどね。
でも、日下部君は別格だよね。嘔吐する時さえ、可愛げあるよ。
愛ゆえに、かな」
蕩けたようにそこまで言うと、声を冷たくして続けた。
「でもやっぱり失礼だよ。女の子の大切なところ見て、吐くなんて。
後、下着を口に含んで吐くのも失礼だよね。
それでも、日下部君の事大好きだから許しちゃうんだけど」
「はっはっ」
呼吸を荒げながら、みさ兄は恐怖の篭った瞳であやのを見上げた。
「それにね、極上のグルメ、用意してくれたものね」
あやのはそう言うと、自らの右足を持ち上げ、前かがみになった。
そのまま、右足にべっとりと付着している吐瀉物を口に含んだ。
「っ」
みさ兄の口から絶句が漏れた。
(何やってんだ、コイツ…)
あやのは恍惚とした表情を浮かべながら、咀嚼している。
やがて、可愛らしい音を立てながら、口に含んだ物を嚥下した。
「美味しいよ…。日下部君のエキスが、たっぷりと含まれてるんだもん。
幸せ…だよ」
(狂ってる…)
頬を紅葉のように染め上げ
(狂ってる…)
蕩けた瞳を空に漂わせるあやのは
(狂ってる…)
誰が目にも美しい
(狂ってる…)
だが
(狂ってるっ)
「うーん、もっと食べてみようっと。また食べたくなったら、やろうね、コレ」
(もう…嫌だ…。逃げたいよ…)
綺麗な薔薇には棘があり、綺麗な花には毒がある。
棘に串刺しにされ毒に犯されたみさ兄は、もう逃げる事も叶わない。
絶望に囚われながら、彼は思った。もう笑う事はないだろう、と。
これから先ずっと暗い顔をして生きていく事になるだろう、と。
全ての幸福は、狂的なまでの愛によって奪われてしまったのだから。
「あ、日下部君、何でそんな暗い顔してるの?
笑ってよ。私、日下部君が悲しい顔してるトコなんて、見たくないもん。
だって、大好きな人が悲しい顔してるのって、辛いよ」
(俺から笑顔を奪ったのは、誰だ)
「笑って、って私は言ってるんだけどね。日下部く…いや、****君。
わ・らっ・て?」
頬が弛緩していくのが、分かった。間違いなくみさ兄の頬には、笑顔が湛えられていた。
けれどもそれは、心からの笑顔ではない。
(何てこった…)
「あっ。笑ってくれた。そっちの方がかっこいいよ。
やっぱり、私と一緒に居るべきだよね、****君。そうすればさ」
(もう笑えないと思っていたのに、コイツの命令なら笑えちまうのか。
そこまで俺は、コイツが怖いのか。そこまで俺は、服従しちまってんのか。
確かにお前と居ると笑えるよ。そう、)
「きっと、幸せになれるよ。笑顔が絶えない幸福、味わえるよ」
(お前が命令する限り、ね)
呼吸を荒げながら、みさ兄は恐怖の篭った瞳であやのを見上げた。
「それにね、極上のグルメ、用意してくれたものね」
あやのはそう言うと、自らの右足を持ち上げ、前かがみになった。
そのまま、右足にべっとりと付着している吐瀉物を口に含んだ。
「っ」
みさ兄の口から絶句が漏れた。
(何やってんだ、コイツ…)
あやのは恍惚とした表情を浮かべながら、咀嚼している。
やがて、可愛らしい音を立てながら、口に含んだ物を嚥下した。
「美味しいよ…。日下部君のエキスが、たっぷりと含まれてるんだもん。
幸せ…だよ」
(狂ってる…)
頬を紅葉のように染め上げ
(狂ってる…)
蕩けた瞳を空に漂わせるあやのは
(狂ってる…)
誰が目にも美しい
(狂ってる…)
だが
(狂ってるっ)
「うーん、もっと食べてみようっと。また食べたくなったら、やろうね、コレ」
(もう…嫌だ…。逃げたいよ…)
綺麗な薔薇には棘があり、綺麗な花には毒がある。
棘に串刺しにされ毒に犯されたみさ兄は、もう逃げる事も叶わない。
絶望に囚われながら、彼は思った。もう笑う事はないだろう、と。
これから先ずっと暗い顔をして生きていく事になるだろう、と。
全ての幸福は、狂的なまでの愛によって奪われてしまったのだから。
「あ、日下部君、何でそんな暗い顔してるの?
笑ってよ。私、日下部君が悲しい顔してるトコなんて、見たくないもん。
だって、大好きな人が悲しい顔してるのって、辛いよ」
(俺から笑顔を奪ったのは、誰だ)
「笑って、って私は言ってるんだけどね。日下部く…いや、****君。
わ・らっ・て?」
頬が弛緩していくのが、分かった。間違いなくみさ兄の頬には、笑顔が湛えられていた。
けれどもそれは、心からの笑顔ではない。
(何てこった…)
「あっ。笑ってくれた。そっちの方がかっこいいよ。
やっぱり、私と一緒に居るべきだよね、****君。そうすればさ」
(もう笑えないと思っていたのに、コイツの命令なら笑えちまうのか。
そこまで俺は、コイツが怖いのか。そこまで俺は、服従しちまってんのか。
確かにお前と居ると笑えるよ。そう、)
「きっと、幸せになれるよ。笑顔が絶えない幸福、味わえるよ」
(お前が命令する限り、ね)
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- 個人的には好きだwwww
だが願わくば、だれか救済ssを -- 名無しさん (2009-12-27 17:50:46) - みさおの兄貴原作に出てもよくね?どうよ皆さん。
-- 名無しさん (2009-11-14 02:04:37) - ヤンデレあやの、キターーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! -- 伝説の腐女子R (2009-11-13 14:22:32) - あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン
あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン
あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン
あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン
あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン
あやののキャラソンあやののキャラソンあやののキャラソン -- 名無しさん (2009-05-19 09:30:08) - ちくしょう!狙い通り…ウッ -- 名無しさん (2009-05-19 02:16:00)