kairakunoza @ ウィキ

現状維持

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「……目に何か入ったかも」

「大丈夫?ちょっと見せてみ?」

「大丈夫だよ、ホントたいした事ないから」

「ほら、言ったそばから目擦って、いいから見せてみなって」

小さなゴミでも入ったのだろうか
ぱちぱちと瞬きしながら目を擦るこなたの手を掴んで制止すると、かがみはこなたの顔をじーっと覗き込む

「かがみってばそんなに見つめたら……」

「もう、ふざけないのっ、ばい菌入ってものもらいにでもなったら大変じゃない」

熱心にこなたの眼に入ったかも知れない異物を探すかがみだが、一向に見つかる気配がない
一方、こなたの方はと言うと、間近に迫ったかがみの顔を様子を窺うように眺めていた

「えいっ」

かがみの不意を突くタイミングで自らの唇をかがみの唇に重ねるこなた
“そういうこと”に対する心構えが出来ていなかったかがみには、何が起きたのか判断するのに多少の時間が必要だったが
ようやく「キスされた」と認識すると頬を真っ赤に染めた

「ちょっ、今はそういうことするために近付いたんじゃないんだから……」

「私がそういうことするためにかがみに近くに来てもらったんだよ」

真っ赤な顔であたふたするかがみにいたずらっぽく笑うこなた

「名付けて“目にゴミが入っちゃった作戦”どうだった?」

「ど、どうって……ちょっとびっくりしたわよ」

「嫌だった?」

「嫌なわけないじゃない……でも、ずるいわよ……こんなの……」

自分はキスしたくなってもこなたのように自然にはできない
あんな風に演技したくても、きっと緊張で噛んでしまうだろうし、キスすると意識した時点でそんな発想をする余裕はなくなってしまうだろう

そんな時でもいつも通り動けるこなたはずるい
例え、こなたにとってはいつもと違っても、それを表に出さずに動けるこなたはずるい

そうは思ってもかがみの答えはいつも同じ所に行き着いた

ずるいけど、好きだ
こなたにも自分と同じぐらいドキドキして欲しい

そして、決心したように“愛する人”の名を呼ぶ

「こなたっ」

「ん?」

真剣なかがみの声に少し面食らったように振り向くこなたに見舞うのは、噛みつくような、真っ直ぐで不器用なキス

私は…………

「私はこなたみたいに器用じゃないから……
こんな風にしか出来ないけど……
私だって……いつも照れてばっかりじゃないんだからね?」

「私だって一緒だよ?かがみが大好きで、ちょっとふざけるぐらいじゃないと間が保たないって言うか……」

やっとの事で言い終えたかがみに、キスの余韻で緩んだ笑顔で応えるこなた

不器用だがこれ以上ないほどストレートなかがみの愛情を受け、頬を真っ赤に染めたこなたには、もはやいつもの余裕はなかった

「なんだ、あんたも大概ツンデレってやつなんじゃない?」

「ち、違うってば、かがみんや、これはギャップ萌えと言うんだよ」

「はいはい、そういうのは真っ赤な顔して言ったって効果ないわよ?」

「うぅ……かがみだって真っ赤じゃん」

「誰かさんがドキドキさせるからよ」

そう言って人差し指でこなたの額を軽く押さえるかがみ

「もーだめ、こんな顔見せらんないよ」

嬉しくて緩みきった顔を隠すように、そっとかがみに寄りかかり、そのままかがみの胸に顔をうずめるこなた

「だーめ、たまにはこなたの照れる所も見せなさいよ」

と言ってこなたの頬を掴まえ、自分の方に向き直らせるかがみ

こなたは抵抗するでもなく、潤んだ瞳でかがみを見つめる

「だめだよかがみ……私、多分今すごくだらしない顔してる」

「お互いさまよ」

今もう一度唇を重ねれば、勢いでその先まで行ってしまうかも知れない

それならそれで構わないが、もう少し今のまま、その先を知らない関係を楽しみたい
そんな気持ちの二人が選んだのは、手を繋ぎ寄り添うという選択肢だった

「かがみの意気地なし」

「それもお互いさまでしょ?」

口ではそう言ってみたものの、それはきっとその先を知った後でも色を失わない、満たされた時間だった


















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  • こなかがに、勝るもの無し(個人的に) -- チャムチロ (2013-04-05 00:33:04)
  • 2828が止まらん
    -- kk (2010-01-12 16:38:55)
  • 甘ーい -- 名無しさん (2010-01-11 19:12:13)

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