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猫耳こなた(2)

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おおこなた、しんでしまうとはなさけない!

王様の声が聞こえる。真っ暗だ。私は棺桶の中にいるのだろうか。

いまいちどよみがえり、じゃあくなるまおうをうちたおすのじゃ!ゆうしゃこなた!

――そうだ、私はまだ死ねない。しんでしまうのはなさけないらしいし、何よりまだおきらくBOXが届いていない。
予約だけして終わりなんて死んでも死にきれない。

さあ、ゆけ!こなたよ!

さぁ、いざ欲望を叶えるために!勇者こなたは不滅だ!




「…!…た、なた!」
誰かが呼んでいる。変な夢を見たせいかな?
「…なた、こなた、こなた!」
眠い…。誰…?
「あぁ、こなた。悪かった…早く起きてくれ、お前が起きてくれないと…」

おk。状況把握。狸寝入り続行。

「起きてくれないと、猫耳の誘惑でもう限界なんだ!」
「おはようお父さん」
「お…」

光の速さで起床。こら、残念そうな顔をするんじゃない。お母さんに言いつけますよ。

「まぁ、冗談はさておいて、だ。こなた、どういった風の吹き回しかな?」

心の底から湧き上がってくる喜びを抑えきれないといった表情でカメラを構えながら聞いてくるお父さん。
本物だということは気づいてないらしい。好都合だ。

「ちょっとね。ほら、わたしちっちゃいし、似合うかなーって」

…感涙してる。流石に少し恐ろしく思えてきた。
男泣きしながらわたしにいかに猫耳が似合ってるかなんて説明しなくていいから。
さっきので反省はしたらしく、いつものお父さんの感じだけど。

時計を見ると、既に起きてから1時間経過している。
失神の時間は思ったより長かったみたいだ。頭も少しくらくらするし。

部屋で寝ようと思ったら、新聞を見ていたお父さんが唐突に聞いてきた。


「あ、ところでこなた。今日どこかにいく用事はあるか?」

「んーん。どこも」

「そうか、なら良かった。さっきあの双子のお姉ちゃんの方から電話があってな、二人で来るそうだから」


…がびーん。この人は。
早々に対策を立てなければ。



猫になると布団が今まで以上に心地良い。
別に猫になったわけじゃないけど、気分はもう完全に猫だ。
こうなってしまった以上、積みかけの漫画を読みたい願望をノックアウトし、いわゆる一つの萌え要素をなんとかしなければならない。
方法は4つある。

一。かがみたちを来させない。
一番楽だけど、部屋に来る途中伝言の追伸があった。
曰く、つかさクッキーが同伴らしい。
…これはボツだ。

二。帽子とか装飾品で隠す。
室内で帽子っていうのもおかしな話だけど、気に入ってるって言えばなんとかなる。
問題はしっぽだ。
スカートだとまる見えだし、ズボンだと形が浮き上がる。
いくら巧妙に隠しても立った拍子にバレてしまっては元も子もないし。
…もっこりを隠そうとする気持ちってこんなんかな。
…なんか嫌になってきた。パス。

三。あくまで猫耳だと言い張る。
とても偽者とは思えない質感の超リアル猫耳!レイヤーたちの間で今大ブレーク!
とか言えば騙されてくれそう。
ちょっと貸してとか言われたら万事休す。

四。白状する。
ある意味賭けだ。常識外れな天然のつかさとわたしにメロメロなかがみなら篭絡は容易いかもしれないけど、万が一引かれたら困る。


「にゃー…三かな。無難に行くと」

いっそ、EX:猫になってしまったフリをして、思いっきり甘えてみる:というのもアリだけど、もう実はチャイムが鳴っている。
今からこれを実行するには覚悟の時間が足りない。

玄関までお出迎えに。
ま、にゃんとかなるかー。


二回目のチャイムが鳴る。

「はーい、今行きますにゃーっと」

ドアノブを掴み、開ける。

予想外。
そこにいたのは驚いてるつかさとかかがみとかじゃなくて、

「あ、あのー…泉さんですよね?…ここにサインもらえますか」

人の良さそうな配達員の青年だった。
…しぶしぶサインをする。気合を入れたのが馬鹿らしくなった。

さぁ、配達員の青年は去った。何も見てないフリをしながら去って行ってくれた。
良かった。あまり気にされるといくらオタクといえども精神的ダメージはある。
再びチャイムが鳴る。今度は女の子の話し声もするし、まず間違いない…と思う。
よし。今のわたしはただ一匹の猫。なんびとたりとも否定できはしないのだ!

「おーっす、こな、た」
「こんにちはー、こなちゃ…」

凝固→凝視。
まさか開けて入ってきちゃうなんて。つくづく計画が思い通りに進まない。

「…上がるわね」
「…お邪魔しまーす」


ぁぅち。いたたまれない反応。

「先に上がってて?なんか持ってくから」

「いいわよ、そんなの。早く…部屋行きましょ」
「そうそう、お菓子も持ってきたし、早く」

…?
様子がおかしい。目が危ない感じ。



部屋に入ってもその違和感は続いた。
わたしにしきりにベッドに座るように勧めたり、何故か二人揃ってドア側に陣取ったり。

この妙な空気を見逃すわたしじゃない。
先ほどからどうも会話がぎこちないし、猫耳にも尻尾にも突っ込まない。
でも、ちらちらと気になって盗み見てるし、猫耳に気が引けてるってわけでもなさそうだ。

考えろ。クールになるんだ、こなた。
この状況から導き出される結論は一つ…!

「わ、わたしちょっとコンビニ行ってアイスでも買ってくるからてきとーにゲームしてていいよ」

この場からの離脱を最優先!
あの二人の雰囲気から危険な香りがぷんぷん漂ってきます!

「お姉ちゃん」

確認するような声。その声を合図に、示し合わせたように二人はわたしを拘束した。

「あんたが悪いのよ…あんたが」

我慢しきれなくなったのか、猫耳に手を伸ばす二人。
あちゃー、嫌な予感は的中してしまった…。

「やーん、ふわふわー!」

「こなちゃんかわいいかわいいかわいいー!」

わしゃわしゃと好き勝手にいじくりまわされる猫耳。テンションが異常に高い。
あ、ちょっ…だめだって、こらっ。

「あにゃ、にゃふっ、んん」

やばい。ちょっときもちいい。
ちょっと、こんなに敏感だなんて聞いてな…あ、尻尾を発見された。

「えいっ!もー、しっぽもかわいー!」

「つかさ…ちょ、ま…んにゃぁぁっ!」

だめだめ。しっぽはだめだ。きもちよすぎるからだめ。

「こなた…かわいい」

あぁ、かがみもスイッチ入っちゃった…
もうどうぞお好きなよーに…




「ただでさえ可愛いのに…もう可愛すぎー!」
「こなちゃんのしっぽ…こなちゃんのしっぽ…」

「明日学校行けるかな…」



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  • ↓↓それはさいやじん… -- 名無しさん (2011-04-12 19:59:43)
  • もう、まっしぐらww -- 名無しさん (2009-04-20 11:38:39)
  • 尻尾は腰に巻きつけてベルトっぽく……まあ、無意味でしたがw -- 名無しさん (2009-04-19 00:57:51)
  • がんばれこなた -- 名無しさん (2009-04-18 19:42:49)



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