kairakunoza @ ウィキ

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――昼休み。
私は、いつものお弁当箱に加えて、もう一つ袋を携えてこなたのクラスへ向かった。
そう、今日はこなたの誕生日。この袋には、私が私なりにあれこれ迷いながら、
ようやく決めた誕生日プレゼントが中に入っているのだ。
「こなちゃん、誕生おめでとう!」
「誕生日おめでとうございます、こなたさん」
「誕生日おめでとう、こなた」
「いやーみんなありがとう~」
「こなちゃんも18歳になったんだねー」
「そうだよ。やっと堂々とゲームが買えるようになったよ~」
「えっ、ゲームを買うのに年齢が関係があるんですか?」
「ふふ…みゆきさんは純粋だねぇ~」
…あれ?何だかつかさもみゆきも、プレゼントを用意しているようには見えないんだけど…。
うそ!?最近の女子高生の誕生日祝いなんて、こんなにあっさりしてるものなの?
(どうしよう…私だけプレゼント渡すっていうのも何か恥ずかしいし…)
「ところでお姉ちゃん」
「はい!?」
「手にもってるその袋はなあに?」
「へ?…あ、ああこれはほら、その、えーっと…ちょ、ちょっと次の授業の使うのよ、はは…」
「ふーん」
…ああ、何でごまかしちゃったんだろう。これじゃ渡しようがないじゃない…。


――放課後。
結局昼休みにプレゼントをあげることは出来ず、もう下校の時間。
何とかして今日中に、こなたにこれを渡さないといけないんだけど…。
「ね、ねぇこなた」
「何だい~かがみ」
「あんた今日、アニメイトとか行く用事ないの?」
「ん~今は特に欲しいものないから行かないかなー。でも何で?」
「い、いや別に…。あ!じゃあさ、今日私ちょっと買いたいものがあるんだけど…一緒に行かない?」
「おーいいよ~。でも珍しいよね、かがみの方から誘うだなんて」
「そ、そう?」
よしっ。約束はとりつけた。


――春日部駅。
「お姉ちゃんたち大宮行くんならここでお別れだね。ばいばいこなちゃん」
「さようなら、こなたさん」
「じゃあね~」
こうして残るは私とこなただけになった。チャンスは、今しかない。
「さて、我々は野田線ホームに向かうとしますか」
「…」
「かがみ?」
「…」
「…かがみ?どうしたの…?」
私は無言のまま、カバンの中から例の紙袋を取り出した。
「…これ」
「ん?これ授業で使うって言ってたやつじゃない?…なんで私に?」
「こんなカラフルな袋、そんなことに使うわけないじゃない…」

「…誕生日プレゼントよ、あんたへの…」
「えっ…」

「あ、ありがとう…。でも、それなら昼休みに渡してくれればよかったのに…何で今になって?」
「…」
「…?」
「…みんなの前で渡すのは…恥ずかしかったから…」
「かがみ…」
「…」
「…ぷっ、くくくく」
「ちょっ、なっ、なに笑ってんのよ!あーそうですよ、どうせ私は…
「ちがう!ちがうよ、かがみん。」
「ごめんね、そんなんじゃない。なんだろう、わたし、嬉しくなっちゃったんだ…かがみみたいな友達がいることに」
「…なによ、大げさね…」

「私達…友達でしょ?…友達なら、このくらい、どうってことないわ」
「うん…ありがとう、かがみ」
「…」
「…」


「…ま、まあともかく…わざわざ引き止めて悪かったわね。じゃあ私、帰るね」
「待って、かがみん」
「なに?」
「…ちょっと耳貸して」
「?」
私は言われるがままに、少しかがんで耳を近づけた。こなたのあたたかくてやわらかい息が、
ほっぺにあたってくすぐったい。何よ、こんなことしなくても、小声で言えばじゅうぶん
ちゅっ
「!?」
「♪」
「ちょ、ちょっとあんた、こんなところで、なにやって…」
「じゃあ、ばいばい、かがみん!今日は本当にありがとね!」

こなたは笑顔で手を振りながら発車間際の下り電車に飛び乗って、私の視界から姿を消してしまった。
「…なに考えてるの、あいつ…」
よりにもよって帰宅ラッシュのホームでキスなんて。当然私達のことを見ていた人もいたらしく、
ヒソヒソ話しながら、今も好奇の目をこちらに向けている。
でも私は、こなたのことを怒るつもりはなかった。怒りなんて感情は一つもわいてこなかった。
ただ心にかかっていたもやが一気に晴れ渡って、その後から、嬉しさと、そして戸惑いが同時に込上げてきた。
戸惑い…わかってる。私だって、世間並みの常識は持っているから。でも、それでも今なら、はっきり言える。

私、やっぱりこなたのことが好き。















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  • やっぱり、かがみ最高!!
    続き見たいですね。 -- チャムチロ (2012-07-29 16:15:13)
  • 百合ん百合んだ~☆ -- 名無しさん (2011-04-16 07:09:35)

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