かがみに、彼氏ができた。
それを聞いたのはもう少しで日にちも変わろうかという頃、突然かかってきたかがみからの電話でだった。
どうやらその日の放課後、クラスの男子の子に呼び出されて告白されたらしい。
クラスではそれほど目立つような子じゃなかったけど、
誠実そうで、なによりすごく優しそうな印象を受けたからOKしたって言ってた。
かがみはちょっと怖いところもあるけど本当はさびしんぼさんで、かわいらしい一面も結構持っている。
こうやってわざわざ私に電話で報告してくるところなんてまさにそう。
外見だって女の私から見てもかわいいと思うし、前々から男っ気がないのが不思議だったくらいだ。
私はそんなかがみの幸せが素直に嬉しかった。
そして同時に、少しモヤっとしている自分がいた。
きっと私はかがみのことを羨ましく思っているんだろう。
「ケド、かがみにもついに彼氏かぁ~。
私的にはつかさのほうが先だと思ったけど……世の中分からないもんだネ」
「ホントそうね。私自身今でも信じられないもの。
アンタの方も、ネットばっかじゃなくてちゃんとリアルでの出会いも作りなさいよ~」
「むむ~、さすが余裕のある人は言うことが違いますなぁ……」
「そ、そんなんじゃないわよ。アンタ見てると、何か心配なのよね」
「まぁまぁ私のことは心配ご無用っ。それよりかがみっ」
「何よ?」
「お・し・あ・わ・せ・に・ね」
「ち、茶化すなっ!!」
「アハ☆ じゃあまた明日学校でね~」
「まったく調子いいんだから……。じゃあねこなた」
そんないつも通りの会話をして、私たちは電話を切った。
どうやらその日の放課後、クラスの男子の子に呼び出されて告白されたらしい。
クラスではそれほど目立つような子じゃなかったけど、
誠実そうで、なによりすごく優しそうな印象を受けたからOKしたって言ってた。
かがみはちょっと怖いところもあるけど本当はさびしんぼさんで、かわいらしい一面も結構持っている。
こうやってわざわざ私に電話で報告してくるところなんてまさにそう。
外見だって女の私から見てもかわいいと思うし、前々から男っ気がないのが不思議だったくらいだ。
私はそんなかがみの幸せが素直に嬉しかった。
そして同時に、少しモヤっとしている自分がいた。
きっと私はかがみのことを羨ましく思っているんだろう。
「ケド、かがみにもついに彼氏かぁ~。
私的にはつかさのほうが先だと思ったけど……世の中分からないもんだネ」
「ホントそうね。私自身今でも信じられないもの。
アンタの方も、ネットばっかじゃなくてちゃんとリアルでの出会いも作りなさいよ~」
「むむ~、さすが余裕のある人は言うことが違いますなぁ……」
「そ、そんなんじゃないわよ。アンタ見てると、何か心配なのよね」
「まぁまぁ私のことは心配ご無用っ。それよりかがみっ」
「何よ?」
「お・し・あ・わ・せ・に・ね」
「ち、茶化すなっ!!」
「アハ☆ じゃあまた明日学校でね~」
「まったく調子いいんだから……。じゃあねこなた」
そんないつも通りの会話をして、私たちは電話を切った。
「あぁ、そういえば今日からあのコと一緒に帰るから。
みんなと一緒に帰れなくなっちゃうけど、ごめんね」
次の日、登校途中にかがみが言った。
あのコとは言うまでもなく彼氏のことだ。
照れ隠しなのか彼氏とは言わないところがなんともかがみらしい。
「なんでかがみが謝るのさ。いやいやお熱くてよござんすねぇ。青春いいじゃないかっ」
「またこなたはそうやってすぐ茶化すんだから」
そういいつつもかがみはまんざらでもなさそうだった。
「でもお姉ちゃんもずるいなぁ。気付いたら抜け駆けしてるんだもん」
「かがみにも春が来たんだネ」
「んもうっ……やりにくいわねぇ……」
かがみはすっかり真っ赤になった顔でそう言った。かわいいやつめっ。
みんなと一緒に帰れなくなっちゃうけど、ごめんね」
次の日、登校途中にかがみが言った。
あのコとは言うまでもなく彼氏のことだ。
照れ隠しなのか彼氏とは言わないところがなんともかがみらしい。
「なんでかがみが謝るのさ。いやいやお熱くてよござんすねぇ。青春いいじゃないかっ」
「またこなたはそうやってすぐ茶化すんだから」
そういいつつもかがみはまんざらでもなさそうだった。
「でもお姉ちゃんもずるいなぁ。気付いたら抜け駆けしてるんだもん」
「かがみにも春が来たんだネ」
「んもうっ……やりにくいわねぇ……」
かがみはすっかり真っ赤になった顔でそう言った。かわいいやつめっ。
「うー、やっと昼休みだ~」
昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴り、
私はチョココロネを持ってつかさとみゆきさんのところへ移動する。
「こなちゃん眠そうにしてたね~」
「むむぅ……あの先生はスリプルをかけてるとしか思えないよ……」
「まったく、アンタはもうちょっとシャキッとしなさいよね」
つかさとそんな話をしていると、かがみが教室に入ってきた。
「おやおやかがみ、今日はてっきり例の人と一緒にあま~いランチを食べるのかと」
「う、うーん……なんかこう……恥ずかしくてさ……。
今日だって何度か目は合ったんだけど……一言も話してないのよね……」
少し顔を赤らめながらかがみが言う。
その絵に描いたような初々しさに私はおもわず顔がにやけてしまう。
「そういえば、かがみさんはクラスの方とお付き合いを始められたんですよね。おめでとうございます。
陰ながら応援させていただきますね」
「ありがとうみゆき。みゆきは本当に人が出来てるわよね~。
どっかの誰かみたいに茶化すこともしないし」
かがみはそう言って意地悪そうに横目で私を見る。
やっぱりみゆきさんのキャラはどことなくずるい。
私は少しふてくされながらチョココロネをかじった。
昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴り、
私はチョココロネを持ってつかさとみゆきさんのところへ移動する。
「こなちゃん眠そうにしてたね~」
「むむぅ……あの先生はスリプルをかけてるとしか思えないよ……」
「まったく、アンタはもうちょっとシャキッとしなさいよね」
つかさとそんな話をしていると、かがみが教室に入ってきた。
「おやおやかがみ、今日はてっきり例の人と一緒にあま~いランチを食べるのかと」
「う、うーん……なんかこう……恥ずかしくてさ……。
今日だって何度か目は合ったんだけど……一言も話してないのよね……」
少し顔を赤らめながらかがみが言う。
その絵に描いたような初々しさに私はおもわず顔がにやけてしまう。
「そういえば、かがみさんはクラスの方とお付き合いを始められたんですよね。おめでとうございます。
陰ながら応援させていただきますね」
「ありがとうみゆき。みゆきは本当に人が出来てるわよね~。
どっかの誰かみたいに茶化すこともしないし」
かがみはそう言って意地悪そうに横目で私を見る。
やっぱりみゆきさんのキャラはどことなくずるい。
私は少しふてくされながらチョココロネをかじった。
放課後、荷物を用意しているときにふと朝のかがみのセリフを思い出す。
そういえば今日からかがみは一緒には下校しないんだっけ。
「こなちゃん帰ろ~」
つかさとみゆきさんが荷物を持ってやってきた。
このまま帰ってもよかったんだけど……そうは問屋がおろさないのが私の心。
「……つかさ、かがみが付き合ってる人ってどんな人か知ってる?」
「ほえ? うーんと、優しそうな人っていうのは聞いてるけど……。
隣のクラスだしあんまり知らないかなぁ……」
「ふっふっふ……どんな人か興味無い?」
とっておきの悪人面で語りかける私。私も悪よのう。
「こ、こなちゃん顔が怖いよ……それってつまり……」
「さすがつかさ、私の言わんとしていることが分かったようだねぇ」
目の前にはどこか不安気なつかさ。
みゆきさんはどういうことか分からずにおろおろしている。
「この後彼氏と帰るかがみを尾行しない?」
「やっぱり……こなちゃんなら言うと思ったよ~。
でもなんかそういうのってあんまり良くないんじゃ……」
「まぁまぁそう固いこと言わずに~。みゆきさんだって興味あるよねぇ?」
「ええ、大変興味深いです」
いつも通りの笑顔で言うみゆきさん。
正直言ってみゆきさんが賛成してくれるのはちょっと意外だった。その笑顔が逆に怖い。
みゆきさんは気になったらとことん調べるタイプだからかな。
今回のことはみゆきさんのレーダーに引っかかったみたい。
「ほらほら~、みゆきさんもそう言ってることだし」
「わ、わかったよ~。でも慎重にねっ?
お姉ちゃんにバレたら怖そうだから……」
ちょっぴりおびえるつかさとノリ気のみゆきさんを引き連れて、私はかがみの尾行をすることにした。
そういえば今日からかがみは一緒には下校しないんだっけ。
「こなちゃん帰ろ~」
つかさとみゆきさんが荷物を持ってやってきた。
このまま帰ってもよかったんだけど……そうは問屋がおろさないのが私の心。
「……つかさ、かがみが付き合ってる人ってどんな人か知ってる?」
「ほえ? うーんと、優しそうな人っていうのは聞いてるけど……。
隣のクラスだしあんまり知らないかなぁ……」
「ふっふっふ……どんな人か興味無い?」
とっておきの悪人面で語りかける私。私も悪よのう。
「こ、こなちゃん顔が怖いよ……それってつまり……」
「さすがつかさ、私の言わんとしていることが分かったようだねぇ」
目の前にはどこか不安気なつかさ。
みゆきさんはどういうことか分からずにおろおろしている。
「この後彼氏と帰るかがみを尾行しない?」
「やっぱり……こなちゃんなら言うと思ったよ~。
でもなんかそういうのってあんまり良くないんじゃ……」
「まぁまぁそう固いこと言わずに~。みゆきさんだって興味あるよねぇ?」
「ええ、大変興味深いです」
いつも通りの笑顔で言うみゆきさん。
正直言ってみゆきさんが賛成してくれるのはちょっと意外だった。その笑顔が逆に怖い。
みゆきさんは気になったらとことん調べるタイプだからかな。
今回のことはみゆきさんのレーダーに引っかかったみたい。
「ほらほら~、みゆきさんもそう言ってることだし」
「わ、わかったよ~。でも慎重にねっ?
お姉ちゃんにバレたら怖そうだから……」
ちょっぴりおびえるつかさとノリ気のみゆきさんを引き連れて、私はかがみの尾行をすることにした。
「おっ、出てきた」
教室のドアから見張ること数分、かがみが例の彼氏と思われる子と教室から出てきた。
相手の子はかがみよりもちょっと背が高くて、前髪をおろした中くらいの髪の長さの子だった。
見えたのは一瞬だったからそれくらいしかわからなかったけど。
その後かがみ達は私たちのほうを向くことなく、階段のほうへ向かっていった。
「さーて、いっちょやってみますか」
「し、慎重にね、こなちゃん」
「わかってるって~」
かがみにばれないように十分に距離をとりながら後を追う私達。
見たところ……手はつないでないみたい。
ちょっと余所余所しい感じはするけど、会話は続いてるみたいだし、カップルとしては合格点って感じかな。
採点の基準? もちろんギャルゲーだよ。
「あ、バスが来た」
私達の学校は駅までスクールバスが出ている。
かがみ達もそれに乗るみたいで、最悪尾行はここまでかなと思ってたんだけど、
上手い具合にかがみ達が前のほうに座ってくれたおかげで
後ろからかがみ達の様子を見ることができるようになった。
「かがみさん、楽しそうですね」
「ホント、お姉ちゃん楽しそう」
二人の言うとおり、かがみは隣に座っている子と楽しそうに喋っていた。
私はそれを見て少し安心した。
かがみが楽しそうにしているなら、私は何も心配はいらないと思った。
その後彼とは帰る方向が違うらしく、改札を通った後に手を振り合って別れていた。
そして彼の姿が見えなくなった後、かがみは自分の帰る方向のホームに向か……わずに……
わ、私たちの居る方向に向かってきましたヨ!!?
「なーにをしているのかなーさ・ん・に・ん・と・も」
柱の影に隠れていた私達をつかまえたのは……鬼のような形相をしたかがみだった。
あの時のかがみの顔は一生忘れられないかも……。
教室のドアから見張ること数分、かがみが例の彼氏と思われる子と教室から出てきた。
相手の子はかがみよりもちょっと背が高くて、前髪をおろした中くらいの髪の長さの子だった。
見えたのは一瞬だったからそれくらいしかわからなかったけど。
その後かがみ達は私たちのほうを向くことなく、階段のほうへ向かっていった。
「さーて、いっちょやってみますか」
「し、慎重にね、こなちゃん」
「わかってるって~」
かがみにばれないように十分に距離をとりながら後を追う私達。
見たところ……手はつないでないみたい。
ちょっと余所余所しい感じはするけど、会話は続いてるみたいだし、カップルとしては合格点って感じかな。
採点の基準? もちろんギャルゲーだよ。
「あ、バスが来た」
私達の学校は駅までスクールバスが出ている。
かがみ達もそれに乗るみたいで、最悪尾行はここまでかなと思ってたんだけど、
上手い具合にかがみ達が前のほうに座ってくれたおかげで
後ろからかがみ達の様子を見ることができるようになった。
「かがみさん、楽しそうですね」
「ホント、お姉ちゃん楽しそう」
二人の言うとおり、かがみは隣に座っている子と楽しそうに喋っていた。
私はそれを見て少し安心した。
かがみが楽しそうにしているなら、私は何も心配はいらないと思った。
その後彼とは帰る方向が違うらしく、改札を通った後に手を振り合って別れていた。
そして彼の姿が見えなくなった後、かがみは自分の帰る方向のホームに向か……わずに……
わ、私たちの居る方向に向かってきましたヨ!!?
「なーにをしているのかなーさ・ん・に・ん・と・も」
柱の影に隠れていた私達をつかまえたのは……鬼のような形相をしたかがみだった。
あの時のかがみの顔は一生忘れられないかも……。
その後、私はかがみにこっぴどく叱られた。な、なんで私だけ……。
「まったく……こなたはともかく、つかさやみゆきまで……」
「私は一応止めたんだけど……」
「す、すみません……」
「つかさは家についたらじ~っくりとお説教してあげるからねー」
さっきとはうってかわってとびきりの笑顔でかがみが言う。
「こなちゃーん……恨むよぅ……」
「ご、ごめん……」
つかさには何かお詫びをしないとなぁ……。ちょっと涙目になってるし……。
「みゆきも、今度こなたが変なことをしようとしたらちゃんと止めてね。
頼れるのはアンタだけなんだから」
「はい……その、本当に申し訳ありませんっ」
「お姉ちゃんそれはちょっとひどい……」
あ、つかさがさらに涙目に……。
まぁでも確かにつかさに頼られキャラは似合わないよね。
「尾行するにしてももっとバレないようにしなさいよね。全くこっちが恥ずかしいくらいバレバレだったわよ」
「でもかがみ、楽しそうにしてたね~。あれならお姉さん、心配無用だっ」
「誰がお姉さんだ。反省が足りてないみたいね~?」
かがみが握り拳をつくっている。
「ぼ、暴力はんたーい!」
その日、私の頭にたんこぶが一つできた。
「まったく……こなたはともかく、つかさやみゆきまで……」
「私は一応止めたんだけど……」
「す、すみません……」
「つかさは家についたらじ~っくりとお説教してあげるからねー」
さっきとはうってかわってとびきりの笑顔でかがみが言う。
「こなちゃーん……恨むよぅ……」
「ご、ごめん……」
つかさには何かお詫びをしないとなぁ……。ちょっと涙目になってるし……。
「みゆきも、今度こなたが変なことをしようとしたらちゃんと止めてね。
頼れるのはアンタだけなんだから」
「はい……その、本当に申し訳ありませんっ」
「お姉ちゃんそれはちょっとひどい……」
あ、つかさがさらに涙目に……。
まぁでも確かにつかさに頼られキャラは似合わないよね。
「尾行するにしてももっとバレないようにしなさいよね。全くこっちが恥ずかしいくらいバレバレだったわよ」
「でもかがみ、楽しそうにしてたね~。あれならお姉さん、心配無用だっ」
「誰がお姉さんだ。反省が足りてないみたいね~?」
かがみが握り拳をつくっている。
「ぼ、暴力はんたーい!」
その日、私の頭にたんこぶが一つできた。
そんなことがあった日の夜、私はかがみに謝罪の意も込めて電話をした。
「……反省した?」
第一声がそれですかかがみ様……。
「はい、じゅーぶんに反省しております……」
「もうあんなことしたりしない?」
「はい、もうあんなことはしません」
口ではあんなことを言ってるけど、この声はもう怒ってないときのかがみの声だ。
なんだかんだ言ってやっぱりかがみは優しい。
「ま、反省してるみたいだし許してあげるわ。
今度からはこそこそしたりしないでもっと堂々としなさいよね」
「い、いやー……それもどうかと……」
「あはは、冗談よ。まぁ確かに気になるのも分かるけどね
私もこなたに彼氏が出来たら同じようなことすると思うし」
「なんだよー、かがみも人のこと言えないじゃんかー」
「ま、人間好奇心には勝てないってことよ」
かがみはそう言って電話越しに笑った。
「……ねぇ、かがみ?」
「ん? 急にどうしたのよ、改まって」
「かがみは今の状況、楽しい? 幸せ?」
「な、なによ急に……。楽しいし……幸せよ。って変なこと言わせるな!」
「そっか……それならいいんだ。
私はかがみが幸せなら、それでいいんだよ」
「?? 変なこなたね」
「それじゃかがみ、また明日ね」
「ん、また明日ね、こなた」
「……反省した?」
第一声がそれですかかがみ様……。
「はい、じゅーぶんに反省しております……」
「もうあんなことしたりしない?」
「はい、もうあんなことはしません」
口ではあんなことを言ってるけど、この声はもう怒ってないときのかがみの声だ。
なんだかんだ言ってやっぱりかがみは優しい。
「ま、反省してるみたいだし許してあげるわ。
今度からはこそこそしたりしないでもっと堂々としなさいよね」
「い、いやー……それもどうかと……」
「あはは、冗談よ。まぁ確かに気になるのも分かるけどね
私もこなたに彼氏が出来たら同じようなことすると思うし」
「なんだよー、かがみも人のこと言えないじゃんかー」
「ま、人間好奇心には勝てないってことよ」
かがみはそう言って電話越しに笑った。
「……ねぇ、かがみ?」
「ん? 急にどうしたのよ、改まって」
「かがみは今の状況、楽しい? 幸せ?」
「な、なによ急に……。楽しいし……幸せよ。って変なこと言わせるな!」
「そっか……それならいいんだ。
私はかがみが幸せなら、それでいいんだよ」
「?? 変なこなたね」
「それじゃかがみ、また明日ね」
「ん、また明日ね、こなた」
何でもない日の、何でもないない会話。
それはこの日の電話を境に、少し減ることになる。
それはこの日の電話を境に、少し減ることになる。
次の日から、かがみは昼食のときに私達の教室に来なくなった。
つかさから聞いた話、学食コーナーの机で一緒にお弁当を食べることになったらしい。
私は付き合っているならそれも当然のことだなと思った。
私のオタク発言に突っ込んでくれるかがみが居なくなって少し騒がしくはなくなったけどね。
もちろん帰りもかがみは一緒じゃない。
なんとなく二人に悪い気がしてバスもなるべく別のに乗るようにした。
そのせいで帰りの電車も一緒のに乗ることは少なくなった。
たまにホームで追いつくことがあっても
なんとなく、なんとなく悪い気がして話しかけないようにした。
ちゃんとかがみと面を合わせて喋るのは朝の登校のときくらいで、
そのとき以外の会話は以前にくらべて格段に少なくなっていた。
私は彼氏ができたならそれが当然だと思った。
つかさから聞いた話、学食コーナーの机で一緒にお弁当を食べることになったらしい。
私は付き合っているならそれも当然のことだなと思った。
私のオタク発言に突っ込んでくれるかがみが居なくなって少し騒がしくはなくなったけどね。
もちろん帰りもかがみは一緒じゃない。
なんとなく二人に悪い気がしてバスもなるべく別のに乗るようにした。
そのせいで帰りの電車も一緒のに乗ることは少なくなった。
たまにホームで追いつくことがあっても
なんとなく、なんとなく悪い気がして話しかけないようにした。
ちゃんとかがみと面を合わせて喋るのは朝の登校のときくらいで、
そのとき以外の会話は以前にくらべて格段に少なくなっていた。
私は彼氏ができたならそれが当然だと思った。
ううん、それが当然だと思おうとしてた。
そんな日が何日か続いたある下校の時、私はつかさに心配そうに言われた。
「こなちゃん、最近元気ないね。
やっぱり……お姉ちゃんがいないと寂しい?」
「そかな? 元気ないのは昨日徹夜でネトゲーしたからだと……ふぁ~あ」
「そう? それならいいんだけど……」
私はそのときはそう言ったけど……つかさに言われて初めて気付いたんだ。
「こなちゃん、最近元気ないね。
やっぱり……お姉ちゃんがいないと寂しい?」
「そかな? 元気ないのは昨日徹夜でネトゲーしたからだと……ふぁ~あ」
「そう? それならいいんだけど……」
私はそのときはそう言ったけど……つかさに言われて初めて気付いたんだ。
私は、かがみがいなくて寂しかったんだって。
最初にかがみから電話されたときに感じたモヤモヤの正体。
それは羨ましい気持ちなんかじゃなかった。
私はかがみが誰かにとられてしまう気がして寂しかったんだ。
そして私達がかがみを尾行したあの日、かがみの楽しそうな表情を見て、
私はかがみはもうあの子のものなんだと確信した。
かがみはもう、私がひとりじめしていい子じゃない。
そう思ったから、帰りに会っても話しかけづらかった。
けど私はその寂しい気持ちを自分の中で否定しつづけていた。
かがみがいなくなったことを認めたくなかったから。
だからそのことを彼氏がいるから当然のことだと、そう自分の中で正当化していた。
でも、かがみがいないことは……私の中でもう普通のことじゃなくなっていた。
その日、家に帰っていつも一番初めにするパソコンの起動もせずに、私はベッドに横になった。
ベッドに横になり、そしてかがみのことを考えた。
笑うかがみ、怒るかがみ、一緒に買い物に着いてきてくれるかがみ、
体重がちょっと増えて落ち込むかがみ、「また明日ね」と、そう言って私に手を振るかがみ……
いろんなかがみが私の頭に浮かんでは消えていった。
「かがみ……」
私は無意識のうちにかがみの名前を呼んでいた。
そして……自分の手で自分を辱めていた。
「かがみぃ……」
どうして、どうしてこんなことをしているんだろう。
私はかがみで最低のことをしている。
でも、止められなかった。止めたくなかった。
止めてしまったら、かがみがもっと遠くに行ってしまうような気がして。
かがみのことを考えるたびに、胸が切なくなる。
かがみのことを思うたびに、胸が締め付けられる。
私はこんなにもかがみが大好きで、こんなにもかがみが大切だったんだ。
「んっ……かがみぃっ……!!」
行為が終わった後、不意に私の目から大量の涙が溢れてきた。
それは大切な友人を汚してしまったからなのか、はたまた別の理由なのかはわからない。
喉の奥から嗚咽が漏れる。とにかく私は泣いた。泣いて泣いて、泣きまくった。
けれど涙は、止まることはなかった。
「かがみ……私、寂しいよ……。
すっごくつらくて……苦しいよ……」
それは羨ましい気持ちなんかじゃなかった。
私はかがみが誰かにとられてしまう気がして寂しかったんだ。
そして私達がかがみを尾行したあの日、かがみの楽しそうな表情を見て、
私はかがみはもうあの子のものなんだと確信した。
かがみはもう、私がひとりじめしていい子じゃない。
そう思ったから、帰りに会っても話しかけづらかった。
けど私はその寂しい気持ちを自分の中で否定しつづけていた。
かがみがいなくなったことを認めたくなかったから。
だからそのことを彼氏がいるから当然のことだと、そう自分の中で正当化していた。
でも、かがみがいないことは……私の中でもう普通のことじゃなくなっていた。
その日、家に帰っていつも一番初めにするパソコンの起動もせずに、私はベッドに横になった。
ベッドに横になり、そしてかがみのことを考えた。
笑うかがみ、怒るかがみ、一緒に買い物に着いてきてくれるかがみ、
体重がちょっと増えて落ち込むかがみ、「また明日ね」と、そう言って私に手を振るかがみ……
いろんなかがみが私の頭に浮かんでは消えていった。
「かがみ……」
私は無意識のうちにかがみの名前を呼んでいた。
そして……自分の手で自分を辱めていた。
「かがみぃ……」
どうして、どうしてこんなことをしているんだろう。
私はかがみで最低のことをしている。
でも、止められなかった。止めたくなかった。
止めてしまったら、かがみがもっと遠くに行ってしまうような気がして。
かがみのことを考えるたびに、胸が切なくなる。
かがみのことを思うたびに、胸が締め付けられる。
私はこんなにもかがみが大好きで、こんなにもかがみが大切だったんだ。
「んっ……かがみぃっ……!!」
行為が終わった後、不意に私の目から大量の涙が溢れてきた。
それは大切な友人を汚してしまったからなのか、はたまた別の理由なのかはわからない。
喉の奥から嗚咽が漏れる。とにかく私は泣いた。泣いて泣いて、泣きまくった。
けれど涙は、止まることはなかった。
「かがみ……私、寂しいよ……。
すっごくつらくて……苦しいよ……」
かがみは……私のことどう思ってるのかな。
かがみは……私がいなくなっても平気なのかな。
ねぇ、教えてよ、かがみ。
もう一度……戻ってきてよ、かがみ……。
かがみは……私がいなくなっても平気なのかな。
ねぇ、教えてよ、かがみ。
もう一度……戻ってきてよ、かがみ……。
私に、彼氏ができた。
相手はクラスの子だった。それまでには何回か話したことくらいしかなかったけど、
その告白がすごく誠実で、そして優しそうな印象を受けたから付き合うことにした。
最初のころはなんだか気恥ずかしくて、クラスでもまともに話すことはできなかったけど、
一度一緒に帰ったらそれもなくなった。
彼はとても話しやすい人で、なんとラノベの話題で意気投合してしまった。
実は私がラノベの話をしているのを聞いて、そこから私を意識するようになったそうなのだ。
こんな風に話せる人は男子では初めてで、私は束の間の幸せを味わった。
(そういえばそのときこなた達が後ろからついてきてたみたいだったけど……)
それから、彼とは昼食も一緒にとるようになった。
自分達のこと、趣味のこと、学校のこと……。話題は尽きなかった。
メールアドレスも交換し、学校が終わってからもメールしたりしていた。
私はそんな生活を素直に楽しいと思えた。
その告白がすごく誠実で、そして優しそうな印象を受けたから付き合うことにした。
最初のころはなんだか気恥ずかしくて、クラスでもまともに話すことはできなかったけど、
一度一緒に帰ったらそれもなくなった。
彼はとても話しやすい人で、なんとラノベの話題で意気投合してしまった。
実は私がラノベの話をしているのを聞いて、そこから私を意識するようになったそうなのだ。
こんな風に話せる人は男子では初めてで、私は束の間の幸せを味わった。
(そういえばそのときこなた達が後ろからついてきてたみたいだったけど……)
それから、彼とは昼食も一緒にとるようになった。
自分達のこと、趣味のこと、学校のこと……。話題は尽きなかった。
メールアドレスも交換し、学校が終わってからもメールしたりしていた。
私はそんな生活を素直に楽しいと思えた。
しかし、そんな生活をどこか寂しい、物足りないと感じていたことも事実だった。
もちろん、最初はそんなことは思わなかった。
けれど、それは日を追うごとに段々と顕著になっていったのだ。
その物足りなさの原因は私にはすぐにわかった。
その原因とはもちろんつかさやみゆき……そして特にこなただった。
私は彼と話しているときでもこんなときこなただったら……と、そう考えることが増えていた。
けれどこんなことを考えるのは彼に失礼だからなるべく考えないようにした。
彼はとても優しい人だ。私は彼を裏切るようなことはしたくなかった。
もちろん、最初はそんなことは思わなかった。
けれど、それは日を追うごとに段々と顕著になっていったのだ。
その物足りなさの原因は私にはすぐにわかった。
その原因とはもちろんつかさやみゆき……そして特にこなただった。
私は彼と話しているときでもこんなときこなただったら……と、そう考えることが増えていた。
けれどこんなことを考えるのは彼に失礼だからなるべく考えないようにした。
彼はとても優しい人だ。私は彼を裏切るようなことはしたくなかった。
でも、駄目だった。私は気付いたらこなたのことを考えるようになっていた。
ある時、駅でこなたが私のことに気付いているようなのに、私に話しかけてこなかったことがあった。
私はそれがすごくショックだった。こなたが私を避けているように感じてしまったからだ。
一度意識してしまうとそうとしか思えなくなってしまうもので、
私はこなたが自分のもとから段々と離れていってしまっているように感じた。
それが私は、すごく寂しかった。
ある時、駅でこなたが私のことに気付いているようなのに、私に話しかけてこなかったことがあった。
私はそれがすごくショックだった。こなたが私を避けているように感じてしまったからだ。
一度意識してしまうとそうとしか思えなくなってしまうもので、
私はこなたが自分のもとから段々と離れていってしまっているように感じた。
それが私は、すごく寂しかった。
そして私は、彼に別れを告げた。電話を前にしての長い葛藤だった。
別れの理由も隠すことなく、正直に言った。最低な女だと罵られるのを覚悟で言った。
しかし、私の言葉は意外にもすんなり彼に聞き入れられた。
彼曰く、そろそろ来るんじゃないかと思っていたそうだ。
それほど最近の私は上の空だったらしい。私はそのことを謝った。
また、私の話からどれだけ私がこなた達のことを好きかが伝わってきたそうだ。
彼はこれには敵わないと思ったらしい。
私はそれが少し恥ずかしくなって、また彼に謝ってしまった。
それからいくつかの言葉を交わし、私達はまたただのクラスメイト同士に戻った。
短い間だったけどありがとう。そして、ごめんなさい。
彼との電話が切れた後、私はある人のところへ電話をかけた。
別れの理由も隠すことなく、正直に言った。最低な女だと罵られるのを覚悟で言った。
しかし、私の言葉は意外にもすんなり彼に聞き入れられた。
彼曰く、そろそろ来るんじゃないかと思っていたそうだ。
それほど最近の私は上の空だったらしい。私はそのことを謝った。
また、私の話からどれだけ私がこなた達のことを好きかが伝わってきたそうだ。
彼はこれには敵わないと思ったらしい。
私はそれが少し恥ずかしくなって、また彼に謝ってしまった。
それからいくつかの言葉を交わし、私達はまたただのクラスメイト同士に戻った。
短い間だったけどありがとう。そして、ごめんなさい。
彼との電話が切れた後、私はある人のところへ電話をかけた。
突然私の携帯に着信を知らせるメロディーが流れる。
電話の主は……かがみ!?
散々泣きはらして潰れちゃった喉で出るわけにはいかないし……
でも、せっかくのかがみからの電話には出たいし……
と、迷っているうちに通話ボタンを押してしまったらしく、
スピーカーからは私を呼ぶ声がかすかに聞こえてきた。
「も、もしもしかがみっ?」
「うわ、こなた? アンタなんて声してるのよ」
「えへへ……ちょっとね」
かがみだ。かがみの声だ。
それだけで私はまたちょっと泣きそうになってしまった。
「……私、彼と別れちゃった」
「え、ええっ!? 何で!!?」
ただでさえ変な声が、裏返ってとんでもない声になる。
でも、一体どうして……
「え、えーと……うーん、まぁ、いろいろあるんだけどさ……
簡単に言えば性格の不一致ってやつよ」
「え? でもかがみ、すごく楽しげに話してたような……」
「うーん、そうなんだけどね……」
「まさか何かひどいことされたとか!?」
「い、いや! そういうことじゃないの!
あのコはすごく優しい子だったから、そういうことは全然なかったんだけど……」
「?? まぁ、男女問題はいろいろ深刻だよね。
きっとかがみにもいろんなことがあったんだね」
「そうね……今回のことでわかったけど、私はこなた達がいないと駄目みたいだわ」
しんみりとした声で、かがみが言う。
その声はなぜか私の心をすごく安心させてくれた。
「愛情より友情、なんて言う気はないけどさ、
私はなんだかんだで今はこなた達のことが一番好きなのよね」
「かがみ……」
あ、だめ、駄目。せっかく我慢してたのに、
そんな嬉しいこと言われたら……また涙がでてきちゃうよ……。
「かがみぃっ……」
「わっ、アンタ何泣いてんのよっ!」
「だって……寂しかったっ……!!
かがみがいなくなっちゃう気がして……ひっく……すっごく寂しかったっ……!!」
「こなた……。心配しなくても、私はいなくなったりしないわよ」
「うん……」
「この先どんなことがあっても、こなたは私の一番大切な人よ」
「うんっ……」
電話の主は……かがみ!?
散々泣きはらして潰れちゃった喉で出るわけにはいかないし……
でも、せっかくのかがみからの電話には出たいし……
と、迷っているうちに通話ボタンを押してしまったらしく、
スピーカーからは私を呼ぶ声がかすかに聞こえてきた。
「も、もしもしかがみっ?」
「うわ、こなた? アンタなんて声してるのよ」
「えへへ……ちょっとね」
かがみだ。かがみの声だ。
それだけで私はまたちょっと泣きそうになってしまった。
「……私、彼と別れちゃった」
「え、ええっ!? 何で!!?」
ただでさえ変な声が、裏返ってとんでもない声になる。
でも、一体どうして……
「え、えーと……うーん、まぁ、いろいろあるんだけどさ……
簡単に言えば性格の不一致ってやつよ」
「え? でもかがみ、すごく楽しげに話してたような……」
「うーん、そうなんだけどね……」
「まさか何かひどいことされたとか!?」
「い、いや! そういうことじゃないの!
あのコはすごく優しい子だったから、そういうことは全然なかったんだけど……」
「?? まぁ、男女問題はいろいろ深刻だよね。
きっとかがみにもいろんなことがあったんだね」
「そうね……今回のことでわかったけど、私はこなた達がいないと駄目みたいだわ」
しんみりとした声で、かがみが言う。
その声はなぜか私の心をすごく安心させてくれた。
「愛情より友情、なんて言う気はないけどさ、
私はなんだかんだで今はこなた達のことが一番好きなのよね」
「かがみ……」
あ、だめ、駄目。せっかく我慢してたのに、
そんな嬉しいこと言われたら……また涙がでてきちゃうよ……。
「かがみぃっ……」
「わっ、アンタ何泣いてんのよっ!」
「だって……寂しかったっ……!!
かがみがいなくなっちゃう気がして……ひっく……すっごく寂しかったっ……!!」
「こなた……。心配しなくても、私はいなくなったりしないわよ」
「うん……」
「この先どんなことがあっても、こなたは私の一番大切な人よ」
「うんっ……」
ねぇかがみ?
――なに?
大好き。
――ふふっ……私もこなたのこと、大好きよ……。
――なに?
大好き。
――ふふっ……私もこなたのこと、大好きよ……。
次の日からかがみはまた私達の教室で昼食をとるようになった。
もちろん、下校も一緒だ。
別れたあの子とはその後特にこじれた話もなく、付き合う前の関係に戻ったらしい。
今は昼休みの最中。いつもの四人でお弁当を食べている。
もちろん、下校も一緒だ。
別れたあの子とはその後特にこじれた話もなく、付き合う前の関係に戻ったらしい。
今は昼休みの最中。いつもの四人でお弁当を食べている。
「んで、かがみさー」
「ん?」
「キスとかしたの?」
「んぐっ!? げふんげふん……」
私の質問に食べていたお弁当を喉に詰まらせるかがみ。
あらら、顔が真っ赤になってるよ……。
「お、お姉ちゃん大丈夫?」
「アンタねー……いきなり変なこと聞くんじゃないの!」
「で、どうなのさ~。しちゃったの?」
私の質問につかさやみゆきさんも興味津々のようで、三人の視線がかがみに集まっていた。
少しばつの悪そうな顔をしながら、かがみが答える。
「う……してないわよ」
「なーんだぁ~つまんないのー。
まぁかがみならしてないと思ったけどね」
と、言いつつも内心でどこかホッとしている自分。
「いいじゃない別に。そういうことだけが恋愛じゃないでしょ」
「じゃあかがみのファーストキスはまだまだ先か~。
なんだったら私が今ここでかがみのファーストキスの相手になってもいいんだよ?」
「んごっ!? げほっげほっ!
こ、こんなところでできるかー!」
「お姉ちゃん、それ突っ込むところ違うよ……」
「!!」
つかさに言われた言葉で顔を赤くするかがみ。
私にはつかさの言ってる意味がよくわかんなかったけど……どゆこと?
「それよりかがみ、いつまで立ってるの? クラス中の視線ひとりじめだよ」
「あ……」
いきなり大声を出して立ち上がったかがみにもちろんクラス中の視線は釘付け。
気のせいかなんだかほほえましいものを見るような目の人もいる。なんでだろ?
かがみは静かに椅子に座ったあと、さっきよりも真っ赤になってうつむいてしまった。
「あ、アンタねぇっ……」
かがみがほんの少し目に涙を浮かべながら上目使いで私を睨んでくる。
やばいっ……この仕草、The ツンデレ! チョー萌えっ!!
私はかがみの仕草に悩殺されそうになりながらも、
朝から言おうとしていた言葉をかがみに伝えた。
「ん?」
「キスとかしたの?」
「んぐっ!? げふんげふん……」
私の質問に食べていたお弁当を喉に詰まらせるかがみ。
あらら、顔が真っ赤になってるよ……。
「お、お姉ちゃん大丈夫?」
「アンタねー……いきなり変なこと聞くんじゃないの!」
「で、どうなのさ~。しちゃったの?」
私の質問につかさやみゆきさんも興味津々のようで、三人の視線がかがみに集まっていた。
少しばつの悪そうな顔をしながら、かがみが答える。
「う……してないわよ」
「なーんだぁ~つまんないのー。
まぁかがみならしてないと思ったけどね」
と、言いつつも内心でどこかホッとしている自分。
「いいじゃない別に。そういうことだけが恋愛じゃないでしょ」
「じゃあかがみのファーストキスはまだまだ先か~。
なんだったら私が今ここでかがみのファーストキスの相手になってもいいんだよ?」
「んごっ!? げほっげほっ!
こ、こんなところでできるかー!」
「お姉ちゃん、それ突っ込むところ違うよ……」
「!!」
つかさに言われた言葉で顔を赤くするかがみ。
私にはつかさの言ってる意味がよくわかんなかったけど……どゆこと?
「それよりかがみ、いつまで立ってるの? クラス中の視線ひとりじめだよ」
「あ……」
いきなり大声を出して立ち上がったかがみにもちろんクラス中の視線は釘付け。
気のせいかなんだかほほえましいものを見るような目の人もいる。なんでだろ?
かがみは静かに椅子に座ったあと、さっきよりも真っ赤になってうつむいてしまった。
「あ、アンタねぇっ……」
かがみがほんの少し目に涙を浮かべながら上目使いで私を睨んでくる。
やばいっ……この仕草、The ツンデレ! チョー萌えっ!!
私はかがみの仕草に悩殺されそうになりながらも、
朝から言おうとしていた言葉をかがみに伝えた。
「かーがみっ♪」
「……なによ」
「おかえり」
「た……ただいま」
「……なによ」
「おかえり」
「た……ただいま」
コメントフォーム
- どう考えても、かがみとこなた
は、離れられない運命ですね!
最高のパートナーですね。 -- チャムチロ (2012-07-29 16:44:51) - こういうの大好き
-- 名無しさん (2012-01-20 02:32:51) - GJ! -- 名無しさん (2012-01-16 17:13:20)
- こなた「かがみは私達4人の中で一番へテロの気があると思ってたんだがね~」
かがみ「ややこしい言い回しすんな!」
こなた「やっぱり”いいひと”よりワル(悪)の私にメロメロなんだね~☆」
かがみ「あんたの言うワルって…子供の頃からエロゲしてるとかでしょ…」 -- 名無しさん (2011-04-16 10:13:07) - これは・・・神だ、神がまいおりたぞ! -- 名無しさん (2010-03-09 04:28:46)
- 何これ。ただの神かよ。 -- 名無しさん (2010-01-04 23:30:39)
- 素晴らしい、最高のSSだと思うんよ -- 名無しさん (2009-12-24 23:11:34)
- これ大好きだwwwwwwGJwwwwwwww -- 名無しさん (2009-12-24 13:14:11)
- 彼氏のような男になりたい -- 名無しさん (2009-08-18 22:39:05)
- 途中鬱エンドになるかと思ってたんたがハッピーエンドになって良かった。 -- 蒼い舟 (2009-03-08 18:16:51)
- こういうの好きです・・・ -- 名無しさん (2009-03-07 13:29:47)
- ↓同感。ハッピーエンドでよかった -- 名無しさん (2009-02-15 23:57:55)
- 彼氏、いい人だな。 -- 名無しさん (2008-02-23 21:59:08)
- GJ!! -- 名無しさん (2008-02-22 09:50:24)