放課後、かがみはみさおに呼び出され、屋上に来ていた。
今は晴れているが、先ほどまで小雨が降っていたせいか、少し冷える。
かがみは小走りでみさおの元へ向かった。
「おまたせ、日下部。今日は突然どうしたの?」
みさおはフェンス越しに校庭を見ていた。かがみに気づいた様子は、無い。
そっと近寄り、みさおの隣に立つ。三学期ももう後半で、校庭には生徒は余りいない。
二人を照らす夕日が感傷的にさせるのだろうか、かがみも無言で校庭を見ていた。
「……よっ、柊。来てくれたのか」
力無くみさおがあいさつをする。いつもの元気さは欠片も見られなかった。
「日下部……」
かがみは驚きの余り、二の句が継げなかった。
この時期になると、授業も短縮になり、互いに会う機会が少ない。それでもみさおは普段と変わらずにいたと、
かがみはそう思っていた。
「いや、そんな驚かれると相談しにくいじゃん」
「そりゃ驚くわよ。あんた悩まなさそうだしさ」
「あー、ひどいなあ」
「冗談よ。悪かったわね」
かがみはふくれるみさおの頭をくしゃっと撫でた。
みさおは髪型が崩れるのを嫌がる様子もなく、されるがままにしている。
「へへっ」
「……うれしそうだな」
「まあね。柊に会いたかったんだ」
「いや、毎日会ってるじゃん」
「うー。今会いたかったんだよ」
反射的に突っ込んでしまうかがみに、みさおは口を尖らせる。そして躊躇いがちにつぶやいた。
「ちょっと相談したい事があってさ」
二人の間をやさしく風が撫でる。ツインテールが緩やかに揺れていた。
かがみは続きを急かすような事はせず、みさおが話すのを待っていた。
「……あ、あのさ。今日なんだけど、私、告白ってのをされたんだけどさ」
みさおが顔を真っ赤にして言う。モジモジと恥じらうみさおはなかなか新鮮である。
「どうしたらいいかな?」
みさおは首を傾げてかがみを見ていた。
「……あのな」
そんなみさおとは対照的にかがみは眉間を押さえている。
「あんた人選を激しく間違えていないか?」
かがみはバレンタインの前に、こなたに対して『彼氏の一人ぐらいいる』と嘘をついてしまった。
つかさともその件で喧嘩になってしまい、大変だったのだ。
それぐらい男っ気がないのだ。相談されても、あてにならないだろう。
「この間あんたにも迷惑かけたけど、忘れたのか? 峰岸の方がいいんじゃないかな」
かがみは素直にそう思う。あやのには彼氏がおり、みさおもあやのの方が相談しやすいのではと考えたのだ。
「うん、私もそう思ったけどさ」
みさおはかがみから視線を外し、空を見上げた。夕闇が近づこうとしている空に、うっすらと月が見えている。
「兄貴に伝わりそうで言いづらくて」
「あ……そっか」
あやのはみさおの兄と付き合っていると聞いている。確かに家族に知られるのは、少し恥ずかしいだろう。
「まあ峰岸なら心配ないと思うけど、そういう理由ならいいわよ。でも私でよかったのかな」
「私は柊に聞いて欲しいんだよ」
みさおは真っ直ぐにかがみを見ていた。言葉も態度も素直すぎて、かがみには眩しかった。
「そ、それで、あんたはそいつをどう思ってるの?」
かがみは思わずみさおから目を逸らし、話を続けた。
「んー。正直どうもこうも無いんだよなー」
「……は?」
「見た事無い奴でさ、『卒業するまでの間でいいから付き合って欲しい』だか何だかでさ」
みさおはそう一息で言い、次いでため息をついた。
今は晴れているが、先ほどまで小雨が降っていたせいか、少し冷える。
かがみは小走りでみさおの元へ向かった。
「おまたせ、日下部。今日は突然どうしたの?」
みさおはフェンス越しに校庭を見ていた。かがみに気づいた様子は、無い。
そっと近寄り、みさおの隣に立つ。三学期ももう後半で、校庭には生徒は余りいない。
二人を照らす夕日が感傷的にさせるのだろうか、かがみも無言で校庭を見ていた。
「……よっ、柊。来てくれたのか」
力無くみさおがあいさつをする。いつもの元気さは欠片も見られなかった。
「日下部……」
かがみは驚きの余り、二の句が継げなかった。
この時期になると、授業も短縮になり、互いに会う機会が少ない。それでもみさおは普段と変わらずにいたと、
かがみはそう思っていた。
「いや、そんな驚かれると相談しにくいじゃん」
「そりゃ驚くわよ。あんた悩まなさそうだしさ」
「あー、ひどいなあ」
「冗談よ。悪かったわね」
かがみはふくれるみさおの頭をくしゃっと撫でた。
みさおは髪型が崩れるのを嫌がる様子もなく、されるがままにしている。
「へへっ」
「……うれしそうだな」
「まあね。柊に会いたかったんだ」
「いや、毎日会ってるじゃん」
「うー。今会いたかったんだよ」
反射的に突っ込んでしまうかがみに、みさおは口を尖らせる。そして躊躇いがちにつぶやいた。
「ちょっと相談したい事があってさ」
二人の間をやさしく風が撫でる。ツインテールが緩やかに揺れていた。
かがみは続きを急かすような事はせず、みさおが話すのを待っていた。
「……あ、あのさ。今日なんだけど、私、告白ってのをされたんだけどさ」
みさおが顔を真っ赤にして言う。モジモジと恥じらうみさおはなかなか新鮮である。
「どうしたらいいかな?」
みさおは首を傾げてかがみを見ていた。
「……あのな」
そんなみさおとは対照的にかがみは眉間を押さえている。
「あんた人選を激しく間違えていないか?」
かがみはバレンタインの前に、こなたに対して『彼氏の一人ぐらいいる』と嘘をついてしまった。
つかさともその件で喧嘩になってしまい、大変だったのだ。
それぐらい男っ気がないのだ。相談されても、あてにならないだろう。
「この間あんたにも迷惑かけたけど、忘れたのか? 峰岸の方がいいんじゃないかな」
かがみは素直にそう思う。あやのには彼氏がおり、みさおもあやのの方が相談しやすいのではと考えたのだ。
「うん、私もそう思ったけどさ」
みさおはかがみから視線を外し、空を見上げた。夕闇が近づこうとしている空に、うっすらと月が見えている。
「兄貴に伝わりそうで言いづらくて」
「あ……そっか」
あやのはみさおの兄と付き合っていると聞いている。確かに家族に知られるのは、少し恥ずかしいだろう。
「まあ峰岸なら心配ないと思うけど、そういう理由ならいいわよ。でも私でよかったのかな」
「私は柊に聞いて欲しいんだよ」
みさおは真っ直ぐにかがみを見ていた。言葉も態度も素直すぎて、かがみには眩しかった。
「そ、それで、あんたはそいつをどう思ってるの?」
かがみは思わずみさおから目を逸らし、話を続けた。
「んー。正直どうもこうも無いんだよなー」
「……は?」
「見た事無い奴でさ、『卒業するまでの間でいいから付き合って欲しい』だか何だかでさ」
みさおはそう一息で言い、次いでため息をついた。
「……わからないんだ。ドキドキはしたけど、相手にじゃなくて告白された事にだと思うし」
「知らない奴なんでしょ? 無理ないわよ」
かがみもみさおの立場になれば、同じように戸惑うだろう。
「そりゃそうだろうけど、うーん、何て言ったらいいのかな……」
その先が言いにくいのか、みさおは口ごもる。それでも意を決し、何とか先を続けた。
「……何で、私なのかなって」
「おいおい、自信持ちなよ」
らしくない、とかがみは思う。やけに自虐的だ。
「だってさ、前言った私の評判覚えてるか?」
「あー。アレね」
はっきりと覚えている。『実は男』であると。ちなみにかがみは『怖くて近寄り難い』である。
その後みさおは『私は女だー』と魂の叫びを聞かせてくれた。
「だから実はドッキリなんじゃないかなーって思う訳よ」
「……いやさすがにそれは無いだろ」
とは言うものの、時期的に中途半端ではあった。みさおが告白を受け入れたとしても、一緒にいられる時間は短い。
「卒業式じゃ遅すぎるから、かなあ」
「……」
かがみのつぶやきに、みさおは無言だ。何かをずっと考えているようだった。
「もう、卒業なんだよな……」
不意にみさおが空を見上げながら言った。
「……そうだね」
見上げる夕日が別れを彷彿とさせる。二人はしばらく無言で空を見ていた。
「柊は彼氏って欲しいのか?」
みさおの言葉が沈黙を破る。
「欲しくないと言えば嘘になるけど、今は必要ないかな」
バレンタインの喧嘩の際、つかさが教えてくれた。
彼氏は無理に作るものではないし、何しろこなたたちといるような、楽しい気持ちになれる男友達はいない。
「私は、今は友達と……みんなと一緒にいたいからさ」
かがみも空を見上げたまま言う。その横顔をみさおはじっと見つめていた。
「そっか……そうだよな」
みさおは深呼吸をすると、にはは、と笑った。
「私も、そう思うよ」
はっきりと言い切り、笑顔を浮かべたみさおにつられ、かがみも思わず笑う。
「……よかった、あんたは笑ってるのが一番よ」
「はははっ。ありがとう柊」
いつものみさおに戻った様だ。かがみはひとまず安心した。そして気になっていた事を質問してみる。
「そうだ、聞いていいかな?」
「ん? 何を?」
「何て告白されたの?」
「ちょっ……なななな何聞くのさっ」
みさおは盛大に驚いた。顔を真っ赤にしてかがみから逃げ出す。そしてそのまま建物の陰に隠れてしまった。
「ふふっ、日下部驚きすぎよ」
「いや、だって、そんなの恥ずかしいだろ」
そんな風に恥じらい、戸惑うみさおを、かがみは見た事が無い。
『恋する乙女』
みさおに歩み寄りながら、そんな言葉が脳裏によぎる。まさかみさおに対し、そういう感情を抱くとは思わなかった。
「……聞きたいのか?」
とても渋い表情をしながら、みさおが言う。それに対しかがみは満面の笑顔を浮かべ、答えた。
「とっても」
「あうー……笑わない?」
笑うような答えなのだろうか。一抹の不安を覚えたが、かがみは素直に言った。
「うーん、自信無いなあ」
「じゃあ言わない」
みさおは速攻で拒否する。
そんなみさおの頬を引き延ばし、白状させようとした。
「知らない奴なんでしょ? 無理ないわよ」
かがみもみさおの立場になれば、同じように戸惑うだろう。
「そりゃそうだろうけど、うーん、何て言ったらいいのかな……」
その先が言いにくいのか、みさおは口ごもる。それでも意を決し、何とか先を続けた。
「……何で、私なのかなって」
「おいおい、自信持ちなよ」
らしくない、とかがみは思う。やけに自虐的だ。
「だってさ、前言った私の評判覚えてるか?」
「あー。アレね」
はっきりと覚えている。『実は男』であると。ちなみにかがみは『怖くて近寄り難い』である。
その後みさおは『私は女だー』と魂の叫びを聞かせてくれた。
「だから実はドッキリなんじゃないかなーって思う訳よ」
「……いやさすがにそれは無いだろ」
とは言うものの、時期的に中途半端ではあった。みさおが告白を受け入れたとしても、一緒にいられる時間は短い。
「卒業式じゃ遅すぎるから、かなあ」
「……」
かがみのつぶやきに、みさおは無言だ。何かをずっと考えているようだった。
「もう、卒業なんだよな……」
不意にみさおが空を見上げながら言った。
「……そうだね」
見上げる夕日が別れを彷彿とさせる。二人はしばらく無言で空を見ていた。
「柊は彼氏って欲しいのか?」
みさおの言葉が沈黙を破る。
「欲しくないと言えば嘘になるけど、今は必要ないかな」
バレンタインの喧嘩の際、つかさが教えてくれた。
彼氏は無理に作るものではないし、何しろこなたたちといるような、楽しい気持ちになれる男友達はいない。
「私は、今は友達と……みんなと一緒にいたいからさ」
かがみも空を見上げたまま言う。その横顔をみさおはじっと見つめていた。
「そっか……そうだよな」
みさおは深呼吸をすると、にはは、と笑った。
「私も、そう思うよ」
はっきりと言い切り、笑顔を浮かべたみさおにつられ、かがみも思わず笑う。
「……よかった、あんたは笑ってるのが一番よ」
「はははっ。ありがとう柊」
いつものみさおに戻った様だ。かがみはひとまず安心した。そして気になっていた事を質問してみる。
「そうだ、聞いていいかな?」
「ん? 何を?」
「何て告白されたの?」
「ちょっ……なななな何聞くのさっ」
みさおは盛大に驚いた。顔を真っ赤にしてかがみから逃げ出す。そしてそのまま建物の陰に隠れてしまった。
「ふふっ、日下部驚きすぎよ」
「いや、だって、そんなの恥ずかしいだろ」
そんな風に恥じらい、戸惑うみさおを、かがみは見た事が無い。
『恋する乙女』
みさおに歩み寄りながら、そんな言葉が脳裏によぎる。まさかみさおに対し、そういう感情を抱くとは思わなかった。
「……聞きたいのか?」
とても渋い表情をしながら、みさおが言う。それに対しかがみは満面の笑顔を浮かべ、答えた。
「とっても」
「あうー……笑わない?」
笑うような答えなのだろうか。一抹の不安を覚えたが、かがみは素直に言った。
「うーん、自信無いなあ」
「じゃあ言わない」
みさおは速攻で拒否する。
そんなみさおの頬を引き延ばし、白状させようとした。
「そんな事言わずにさあ」
「ひはなひよっ……へいっ」
かがみを振り払い、みさおは逃げ出した。そんなみさおを追いかけ、かがみも走り出す。
「待てーっ」
「やだよっ、柊のイジワル~」
「こらー……うわっ」
みさおを追いかけていたかがみは、まだ湿り気のある地面に足を滑らせてしまった。
「え? うがっ」
そのままみさおの背中に追突してしまう。ガシャン、と音を立てながら、みさおの顔がフェンスにめり込んだ。
「……か、顔っ、痛っ」
かがみはみさおの腰に抱きつく形になっていた。見上げるとみさおの顔にフェンスの跡がついている。
「ぷっ……はははっ。ご、ごめん、日下部」
「うー。わざとやってんじゃないか?」
「やってないって」
かがみはそう言うものの、みさおはすっかりいじけてしまっていた。
「柊さー、私の事嫌いなんだろ?」
そっぽを向いてしまったみさおではあるが、腰にしがみつかれているかがみを振り払おうとはしない。
「……日下部ってかわいいわね」
かがみはそんなみさおを素直にそう思った。
「……えっ、あっ、そそそそんな恥ずかしい事言うなよっ」
ベシベシベシ。
「いてててっ。日下部、痛いっ」
みさおは恥ずかしさの余り、かがみを叩いていた。腰にしがみついたままでいるかがみも、なかなかのものである。
「だったら離れろよー」
「嫌よ。こんなかわいいあんたはなかなか……いたたたたたた」
「だから、恥ずかしいってのっ」
「わ、私に恥ずかしがるなよ……もう」
見ているかがみの方が照れてしまうほど、みさおの顔は赤い。もう少し近くで見ていたかったのだが、
これ以上叩かれるのも痛いので、そっと離れた。
「だってさー、かわいいだなんて言われた事無かったしな。言われるのは、いつもあやのの方だし」
もじもじしながらみさおは言う。こなたに『バカキャラはかわいい』と言われた時も照れていたし、
聞き慣れない言葉なのだろう。
その気持ちはかがみにもよくわかる。
言った当人にとっては些細な言葉でも、その一言が人を変える事はあるのだ。
「私もそうだったわね」
かがみが今の髪型にするきっかけの言葉でもある。
みさおはかがみの同意がうれしいのか、うなづきながら言った。
「そうだろ。何かさ、告白された事よりうれしくて」
「……あんた男に『かわいい』って言われたら落とされそうだな」
「落とされる?」
「……いや、何でもない」
すっかりこなたにギャルゲー脳にされてしまったようだ。無意識の発言に、かがみは内心頭を抱えた。
そんなかがみに気づかないまま、みさおは話を続ける。
「何しろ『男らしい貴女が好きだ』なんて言われ……あ、いけねっ」
「……は?」
みさおは思わず口を滑らせた。その言葉にかがみは固まってしまう。そしてゆっくりと動き出し――
「……柊」
「何?」
「はっきりと笑い物にしてくれた方がましだよ……」
かがみはみさおの肩に手を置き、形だけは慰めているように見える。しかし
その表情を見れば、間違いだとわかるだろう。
「むー……ぶはっ」
みさおはかがみのニヤケ顔をじっと見つめていたが、不意に吹き出した。
「ちょ、ちょっと。何で笑うのよ」
「い、いや、柊のアホ面が面白くて」
「ぐっ……日下部にだけは言われたくないっ」
「何だとー」
「何よ」
かがみとみさおが睨み合う。しかしそれも長くは続かなかった。
「ひはなひよっ……へいっ」
かがみを振り払い、みさおは逃げ出した。そんなみさおを追いかけ、かがみも走り出す。
「待てーっ」
「やだよっ、柊のイジワル~」
「こらー……うわっ」
みさおを追いかけていたかがみは、まだ湿り気のある地面に足を滑らせてしまった。
「え? うがっ」
そのままみさおの背中に追突してしまう。ガシャン、と音を立てながら、みさおの顔がフェンスにめり込んだ。
「……か、顔っ、痛っ」
かがみはみさおの腰に抱きつく形になっていた。見上げるとみさおの顔にフェンスの跡がついている。
「ぷっ……はははっ。ご、ごめん、日下部」
「うー。わざとやってんじゃないか?」
「やってないって」
かがみはそう言うものの、みさおはすっかりいじけてしまっていた。
「柊さー、私の事嫌いなんだろ?」
そっぽを向いてしまったみさおではあるが、腰にしがみつかれているかがみを振り払おうとはしない。
「……日下部ってかわいいわね」
かがみはそんなみさおを素直にそう思った。
「……えっ、あっ、そそそそんな恥ずかしい事言うなよっ」
ベシベシベシ。
「いてててっ。日下部、痛いっ」
みさおは恥ずかしさの余り、かがみを叩いていた。腰にしがみついたままでいるかがみも、なかなかのものである。
「だったら離れろよー」
「嫌よ。こんなかわいいあんたはなかなか……いたたたたたた」
「だから、恥ずかしいってのっ」
「わ、私に恥ずかしがるなよ……もう」
見ているかがみの方が照れてしまうほど、みさおの顔は赤い。もう少し近くで見ていたかったのだが、
これ以上叩かれるのも痛いので、そっと離れた。
「だってさー、かわいいだなんて言われた事無かったしな。言われるのは、いつもあやのの方だし」
もじもじしながらみさおは言う。こなたに『バカキャラはかわいい』と言われた時も照れていたし、
聞き慣れない言葉なのだろう。
その気持ちはかがみにもよくわかる。
言った当人にとっては些細な言葉でも、その一言が人を変える事はあるのだ。
「私もそうだったわね」
かがみが今の髪型にするきっかけの言葉でもある。
みさおはかがみの同意がうれしいのか、うなづきながら言った。
「そうだろ。何かさ、告白された事よりうれしくて」
「……あんた男に『かわいい』って言われたら落とされそうだな」
「落とされる?」
「……いや、何でもない」
すっかりこなたにギャルゲー脳にされてしまったようだ。無意識の発言に、かがみは内心頭を抱えた。
そんなかがみに気づかないまま、みさおは話を続ける。
「何しろ『男らしい貴女が好きだ』なんて言われ……あ、いけねっ」
「……は?」
みさおは思わず口を滑らせた。その言葉にかがみは固まってしまう。そしてゆっくりと動き出し――
「……柊」
「何?」
「はっきりと笑い物にしてくれた方がましだよ……」
かがみはみさおの肩に手を置き、形だけは慰めているように見える。しかし
その表情を見れば、間違いだとわかるだろう。
「むー……ぶはっ」
みさおはかがみのニヤケ顔をじっと見つめていたが、不意に吹き出した。
「ちょ、ちょっと。何で笑うのよ」
「い、いや、柊のアホ面が面白くて」
「ぐっ……日下部にだけは言われたくないっ」
「何だとー」
「何よ」
かがみとみさおが睨み合う。しかしそれも長くは続かなかった。
『……はははっ』
どちらともなく笑いだした。二人の屋上に笑い声が響く。元々、本気で怒っていた訳では無かった。
「日下部、笑ってゴメンね」
「へへっ私の方こそ……へーくしっ」
みさおは謝るのと同時にくしゃみをしてしまった。
「うー、さすがに冷えるなあ。柊、長いことごめんな」
「いや、気にしないで。……でも確かに冷えるな」
屋上な上、雨上がりという事もあり、二人の体はすっかり冷えきっていた。
その間を冷たい風が吹き抜けていく。
「うー。さびっ」
かがみより先に屋上にいた為だろう、みさおは足踏みしながら寒さを紛らわせていた。
「とりあえず中に入ろうか? ……何か相談に乗れなかった気がするけどさ」
かがみはドアノブに手をかけながら聞いた。雑談して走り回っただけな気がする。
「ん? そんな事無いよ。話したら何か楽になったよ」
「そうかなあ」
「そうそう。早く中に入ろうぜ」
みさおは立てかけてあった鞄を手に取り、足早に駆けていった。
どちらともなく笑いだした。二人の屋上に笑い声が響く。元々、本気で怒っていた訳では無かった。
「日下部、笑ってゴメンね」
「へへっ私の方こそ……へーくしっ」
みさおは謝るのと同時にくしゃみをしてしまった。
「うー、さすがに冷えるなあ。柊、長いことごめんな」
「いや、気にしないで。……でも確かに冷えるな」
屋上な上、雨上がりという事もあり、二人の体はすっかり冷えきっていた。
その間を冷たい風が吹き抜けていく。
「うー。さびっ」
かがみより先に屋上にいた為だろう、みさおは足踏みしながら寒さを紛らわせていた。
「とりあえず中に入ろうか? ……何か相談に乗れなかった気がするけどさ」
かがみはドアノブに手をかけながら聞いた。雑談して走り回っただけな気がする。
「ん? そんな事無いよ。話したら何か楽になったよ」
「そうかなあ」
「そうそう。早く中に入ろうぜ」
みさおは立てかけてあった鞄を手に取り、足早に駆けていった。
鈍い音を立てながら扉が閉まる。外気が遮断され、冷えた体に温もりが戻ってきた。
「はー。寒かったなあ」
「そりゃ屋上だからね。……勝手に入っちゃったけど、鍵はどうなってるのかな」
「ん。壊れてるよ」
「……いいのか?」
「いんじゃね」
軽く言いながらみさおは階段を下りていく。かがみはその後を、滑らないようゆっくりと追っていった。
コッ、コッ。足音が響く。生徒のいない学校は物寂しい。
「私さ、告白されてうれしかったのもあったけど、それ以上に……何か面倒と言うか鬱陶しいと言うか」
前を歩いているみさおが不意に呟く。表情は見えない。
「……そんなこと思っちゃったんだ」
かがみは無言でみさおの言葉を聞いていた。
珍しいと思った。みさおは勉強や興味の無い事に対して煩わしく思う事はあっても、
見知らぬ相手にそう感じるとは思えなかったのだ。
「でも、柊の話で気づいたんだ」
「え? 私、何か言ったっけ」
突然かがみの名が出てきて、思わず戸惑う。特にそういう話をした記憶が無い。
「言ったよ」
みさおが振り向いた。優しい微笑みをかがみに向けていた。
「『今は友達と……みんなと一緒にいたい』ってさ。それで気づいたんだ。
私も、柊達と一緒にいたいってな」
恥ずかしかったのか、みさおはくるりと背中を向けた。そのままゆっくりと歩き出す。
「ガキだって言われるかもな」
「……ガキでいいじゃない」
かがみは階段の踊り場で立ち止まった。
通い慣れた教室。ずっとそばにいた友達。
卒業を間近に控え、大切な友達といたいという気持ちを、誰が笑えるだろうか。
「笑われるなら、私もでしょ?」
「柊……」
みさおは目を丸くして驚いている。不意にその目が潤んだ。
「ありがとうな」
そう言うと、みさおは目を擦りながら階段を駆け降りて行ってしまった。
「あ、コラ。待ちなさい」
かがみもみさおを追い、駆け降りる。
こういう風に追いかけたりするのもあと少しだと思うと、やはり寂しい。
みさおは階段を降りきった所でかがみを待っていた。
「にしても柊とは五年も一緒だったんだなー」
かがみはみさおと並んで歩いていた。横でみさおが指折り数えている。
「そうね。中学の時からだもんね」
「……んー。その割には何か私たち背景扱いだったなあ」
みさおの指折りの意味が変わっていく。かがみにとっては、何だか耳が痛い。
「昼休みには隣に行っちゃうし、付き合い悪いよなー」
「あう……」
「三年になってからは……半々?」
「……私に聞かないでお願い」
かがみは思わず涙しながら言う。みさおに責めているつもりは無いだろう。何しろ事実なのだから。
そこでふと気づいた。
「よくお互い友達でいられたわね。薄情者と言われてもおかしくないよね」
自分で言うのも何だが、そう思う。こなたのクラスに入り浸りで、クラスメイトに対する印象が薄いぐらいだ。
「何だそんな事か」
だがみさおは笑いながらあっさり一蹴した。
「柊が好きだからだよ」
みさおは何の照れもなくそんな事を言ってのけた。
「な、何言ってるの。誉めたって何も出ないわよ」
かがみは思わず照れてそっぽを向く。かがみにはまずそんな風に言えないだろう。
素直に感情の出せるみさおを羨ましく思った。
「へへっ、柊は照れ屋さんだな」
そんなかがみをみさおはツインテールをいじりながらからかう。
「ちょっ……照れてなんかないわよ」
かがみは早足で歩きだした。後ろで、みさおが髪をいじりながらついていく。
「はー。寒かったなあ」
「そりゃ屋上だからね。……勝手に入っちゃったけど、鍵はどうなってるのかな」
「ん。壊れてるよ」
「……いいのか?」
「いんじゃね」
軽く言いながらみさおは階段を下りていく。かがみはその後を、滑らないようゆっくりと追っていった。
コッ、コッ。足音が響く。生徒のいない学校は物寂しい。
「私さ、告白されてうれしかったのもあったけど、それ以上に……何か面倒と言うか鬱陶しいと言うか」
前を歩いているみさおが不意に呟く。表情は見えない。
「……そんなこと思っちゃったんだ」
かがみは無言でみさおの言葉を聞いていた。
珍しいと思った。みさおは勉強や興味の無い事に対して煩わしく思う事はあっても、
見知らぬ相手にそう感じるとは思えなかったのだ。
「でも、柊の話で気づいたんだ」
「え? 私、何か言ったっけ」
突然かがみの名が出てきて、思わず戸惑う。特にそういう話をした記憶が無い。
「言ったよ」
みさおが振り向いた。優しい微笑みをかがみに向けていた。
「『今は友達と……みんなと一緒にいたい』ってさ。それで気づいたんだ。
私も、柊達と一緒にいたいってな」
恥ずかしかったのか、みさおはくるりと背中を向けた。そのままゆっくりと歩き出す。
「ガキだって言われるかもな」
「……ガキでいいじゃない」
かがみは階段の踊り場で立ち止まった。
通い慣れた教室。ずっとそばにいた友達。
卒業を間近に控え、大切な友達といたいという気持ちを、誰が笑えるだろうか。
「笑われるなら、私もでしょ?」
「柊……」
みさおは目を丸くして驚いている。不意にその目が潤んだ。
「ありがとうな」
そう言うと、みさおは目を擦りながら階段を駆け降りて行ってしまった。
「あ、コラ。待ちなさい」
かがみもみさおを追い、駆け降りる。
こういう風に追いかけたりするのもあと少しだと思うと、やはり寂しい。
みさおは階段を降りきった所でかがみを待っていた。
「にしても柊とは五年も一緒だったんだなー」
かがみはみさおと並んで歩いていた。横でみさおが指折り数えている。
「そうね。中学の時からだもんね」
「……んー。その割には何か私たち背景扱いだったなあ」
みさおの指折りの意味が変わっていく。かがみにとっては、何だか耳が痛い。
「昼休みには隣に行っちゃうし、付き合い悪いよなー」
「あう……」
「三年になってからは……半々?」
「……私に聞かないでお願い」
かがみは思わず涙しながら言う。みさおに責めているつもりは無いだろう。何しろ事実なのだから。
そこでふと気づいた。
「よくお互い友達でいられたわね。薄情者と言われてもおかしくないよね」
自分で言うのも何だが、そう思う。こなたのクラスに入り浸りで、クラスメイトに対する印象が薄いぐらいだ。
「何だそんな事か」
だがみさおは笑いながらあっさり一蹴した。
「柊が好きだからだよ」
みさおは何の照れもなくそんな事を言ってのけた。
「な、何言ってるの。誉めたって何も出ないわよ」
かがみは思わず照れてそっぽを向く。かがみにはまずそんな風に言えないだろう。
素直に感情の出せるみさおを羨ましく思った。
「へへっ、柊は照れ屋さんだな」
そんなかがみをみさおはツインテールをいじりながらからかう。
「ちょっ……照れてなんかないわよ」
かがみは早足で歩きだした。後ろで、みさおが髪をいじりながらついていく。
「それにしても何で今告白されたのかなあ」
歩きながらいじっていた為か、絡んでしまったかがみの髪を解きながらみさおが聞く。
「そうだな。日下部に本命がいないか確かめたかったとか? あんた割と男子と交流あるしさ」
かがみには心当たりは無いが、陸上部つながりで、もしかしたらそういう人もいるのかもしれない。
「そんな奴いないよー」
「あ、それとも実は貰う方だとか?」
「……あやのから分けてもらった柊のチョコだけだよ」
小さく「……今年は」と呟くのが聞こえた。どうやら地雷だったらしい。
「う、ごめん」
「柊のは欲しかったな」
かがみは素直に謝るが、みさおは拗ねていた。
あやのにチョコを渡したのは、かがみが世話になったお礼だが、みさおも欲しかったのだろうか。
「また来年ね」
一緒の学校では無くなるけど、友達で無くなるわけではない。きっとまた会える。
だからかがみは普段のように言った。つかさもみんなに渡したいと言っていたし、それもいいだろう。
「絶対だぞ。約束だからな」
「こだわるなあ。日下部のと交換だからな」
かがみはみさおと指切りをし約束した。
歩きながらいじっていた為か、絡んでしまったかがみの髪を解きながらみさおが聞く。
「そうだな。日下部に本命がいないか確かめたかったとか? あんた割と男子と交流あるしさ」
かがみには心当たりは無いが、陸上部つながりで、もしかしたらそういう人もいるのかもしれない。
「そんな奴いないよー」
「あ、それとも実は貰う方だとか?」
「……あやのから分けてもらった柊のチョコだけだよ」
小さく「……今年は」と呟くのが聞こえた。どうやら地雷だったらしい。
「う、ごめん」
「柊のは欲しかったな」
かがみは素直に謝るが、みさおは拗ねていた。
あやのにチョコを渡したのは、かがみが世話になったお礼だが、みさおも欲しかったのだろうか。
「また来年ね」
一緒の学校では無くなるけど、友達で無くなるわけではない。きっとまた会える。
だからかがみは普段のように言った。つかさもみんなに渡したいと言っていたし、それもいいだろう。
「絶対だぞ。約束だからな」
「こだわるなあ。日下部のと交換だからな」
かがみはみさおと指切りをし約束した。
靴をはきかえ、外に出ようとした時だった。
「……そういえば、卒業式で男子の第二ボタンをもらうってのあるけどさ、女子のはないのかな」
みさおは唐突にそんな事を言いだした。
「うーん……」
かがみは考えた事が無かったが、男子の第二ボタンをもらう理由は、心臓(ハート)に一番近いからだと言う。
「ブレザータイプならボタンがあるけどね……スカーフになるのかな」
セーラー服で一番近いのは、やはりスカーフだろうか。
「なるほどな。でもスカーフ無かったらマヌケだよなあ」
かがみも想像してみるが、確かに味気ない。
「でも貰いに来る様な奇特な奴はいないから、問題無いわよ」
「いや、いるかもよ」
「いねーよ」
そういう風習があるわけでもなく、心配する必要はまず無い。
かがみは妙に拘るみさおが気になるが、心当たりが無い。とりあえず突っ込んでみる。
「それともあんたはあるのか?」
「もちろん無いよ」
「……だったら何でそんな心配するんだ?」
「さあね」
すっかりみさおにはぐらかされてしまった。かがみはそれ以上の追及を諦めた。
「……そういえば、卒業式で男子の第二ボタンをもらうってのあるけどさ、女子のはないのかな」
みさおは唐突にそんな事を言いだした。
「うーん……」
かがみは考えた事が無かったが、男子の第二ボタンをもらう理由は、心臓(ハート)に一番近いからだと言う。
「ブレザータイプならボタンがあるけどね……スカーフになるのかな」
セーラー服で一番近いのは、やはりスカーフだろうか。
「なるほどな。でもスカーフ無かったらマヌケだよなあ」
かがみも想像してみるが、確かに味気ない。
「でも貰いに来る様な奇特な奴はいないから、問題無いわよ」
「いや、いるかもよ」
「いねーよ」
そういう風習があるわけでもなく、心配する必要はまず無い。
かがみは妙に拘るみさおが気になるが、心当たりが無い。とりあえず突っ込んでみる。
「それともあんたはあるのか?」
「もちろん無いよ」
「……だったら何でそんな心配するんだ?」
「さあね」
すっかりみさおにはぐらかされてしまった。かがみはそれ以上の追及を諦めた。
先に外に出たみさおを追い、かがみも外に出る。冷たい空気が肌に痛い。
「……もし柊のが貰われてったら、代わりに私のをあげるよ」
「え? 何?」
突然の強風に、かがみは髪を押さえる。みさおの呟きが流されていき、かがみには届かない。
「何でもないよ」
「……?」
みさおはそのまま空を見上げていた。その姿は、どこか寂しそうだ。
声を掛けられず、かがみはそのまま立ち止まって見ていた。
「……おっ、柊。凄いぞ」
「何が……あっ」
突然みさおに呼ばれ、かがみも空を見上げる。
「……もし柊のが貰われてったら、代わりに私のをあげるよ」
「え? 何?」
突然の強風に、かがみは髪を押さえる。みさおの呟きが流されていき、かがみには届かない。
「何でもないよ」
「……?」
みさおはそのまま空を見上げていた。その姿は、どこか寂しそうだ。
声を掛けられず、かがみはそのまま立ち止まって見ていた。
「……おっ、柊。凄いぞ」
「何が……あっ」
突然みさおに呼ばれ、かがみも空を見上げる。
――虹が出ていた。
夕日に照らされ、虹が浮かんでいる。儚くて、とても綺麗だ。
かがみもみさおも無言で見上げていた。
程なくして夕日と共に虹も消えていった。
かがみもみさおも無言で見上げていた。
程なくして夕日と共に虹も消えていった。
「綺麗だったな」
「……そうだね」
すっかり日の落ちた校庭を二人は歩いていた。
「……へくしょいっ」
さらに下がった気温に、みさおは思わずくしゃみをしてしまう。
「日下部、何か暖かいものでも買いに行こうか?」
さすがに風邪を引きかねないと思い、かがみが提案をする。
「んあ? なら私が奢るよ。今日は柊には迷惑かけたし、最後にいいものも見られたしな」
鼻水をすすりながらみさおは言う。見苦しかったので、かがみはティッシュを差し出した。
「ほら、鼻はきちんとかみなよ……でも確かに綺麗だったね」
みさおにティッシュを手渡し、かがみは先に歩きだした。
みさおの中で結論は出ているのだろうが、大して役には立てなかったなと思う。
「そういえば、峰岸には何も言わないのか」
かがみは、背後で鼻をかむ音を聞きながら、みさおに問う。きっとあやのも心配しているだろう。
「……うん。ちゃんと言うよ。柊のおかげですっきりしたしな」
「鼻水がか」
「……違うよ」
冗談を言い合いながら、二人で歩いていく。
虹と共に今日の事は心に刻まれた。きっと忘れない、大切な思い出になるだろう。
「……そうだね」
すっかり日の落ちた校庭を二人は歩いていた。
「……へくしょいっ」
さらに下がった気温に、みさおは思わずくしゃみをしてしまう。
「日下部、何か暖かいものでも買いに行こうか?」
さすがに風邪を引きかねないと思い、かがみが提案をする。
「んあ? なら私が奢るよ。今日は柊には迷惑かけたし、最後にいいものも見られたしな」
鼻水をすすりながらみさおは言う。見苦しかったので、かがみはティッシュを差し出した。
「ほら、鼻はきちんとかみなよ……でも確かに綺麗だったね」
みさおにティッシュを手渡し、かがみは先に歩きだした。
みさおの中で結論は出ているのだろうが、大して役には立てなかったなと思う。
「そういえば、峰岸には何も言わないのか」
かがみは、背後で鼻をかむ音を聞きながら、みさおに問う。きっとあやのも心配しているだろう。
「……うん。ちゃんと言うよ。柊のおかげですっきりしたしな」
「鼻水がか」
「……違うよ」
冗談を言い合いながら、二人で歩いていく。
虹と共に今日の事は心に刻まれた。きっと忘れない、大切な思い出になるだろう。
「それじゃあコンビニの『うるとらまん』でいいか?」
「……何だそれは」
「期間限定の肉まんだと思う」
「曖昧だな……自分で買うのはひけるけど、奢ってもらうならいいか」
他愛のない会話をしながら歩いていく。
校門の前で、かがみは首だけ振り向き、校舎を見やる。
「どしたの? 忘れ物か?」
「ううん、何でもない」
そして校舎に背を向け、そのまま歩きだした。
「……何だそれは」
「期間限定の肉まんだと思う」
「曖昧だな……自分で買うのはひけるけど、奢ってもらうならいいか」
他愛のない会話をしながら歩いていく。
校門の前で、かがみは首だけ振り向き、校舎を見やる。
「どしたの? 忘れ物か?」
「ううん、何でもない」
そして校舎に背を向け、そのまま歩きだした。
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- 泣けてきた・・・
かなた並みに泣けてきた・・・
ちょっと切ないな・・・ -- mkl (2009-04-25 04:28:45) - 心に沁み入るというのか、じんわりとした優しい話だね。素敵。 -- 名無しさん (2008-12-16 15:20:19)
- みさおにラブレター・・・・お、俺もあげたい!!! -- 名無しさん (2008-11-04 23:32:45)
- なんか心が暖まる話でいいな。 -- 有拳 (2008-04-09 03:59:03)
- なんかいいね。 -- 名無し (2007-10-04 08:43:06)