小論文講座 第2回
昨今、人間が便利さの追求のために発展させてきた科学技術により環境破壊が進んでしまっている。私はこの状況と同じくして、医療においてもそれが生命に直接関わるという意味でもより一層技術をどこまで導入すべきか考える必要があると思う。
最も考えなくてはならないのは末期癌患者に対する延命治療だろう。抗癌剤により、確かに患者を「生かす」ことに関しては以前より技術が飛躍的に進歩した。しかし、高額な技術によってしか生き延びられないとなった時、人の命と金を天秤にかけるという状況を招きかねないのである。現に、抗癌剤を買う金が十分になく、近親者が厳しい生活を強いられているという事態も発生しているのだ。我々はこういった患者を援助する制度を作る様訴えていく必要がある。又、それは副作用という苦痛を伴い、完治するあてもなく辛い治療を続けたくないという、「技術」の行使を拒否する患者もいる。その様な患者に正しい情報を伝え、患者自身が尊厳死を希望することも考えられる。そうなった時に、私はやはりパターナリズムに陥ってはならず、本人の意思を尊重しなくてはならないと思う。
医療技術の行使の是非に明確な「正答」は存在し得ないのである。蓋し、医療技術だけでなく技術全般に言えることであるが、だからこそ様々な人の立場から考えた上で行使すべきか決められなくてはならないのである。
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最終更新:2009年01月30日 20:55