赤い軍服を着た男であった。
ピンクの長髪と顎髭(あごひげ)をした男であった。
長いその髪を、耳近く、側頭部、頭頂と、リングで結んでいる。
刻まれた皺(しわ)が年齢を感じさせるその男。
ピンクの長髪と顎髭(あごひげ)をした男であった。
長いその髪を、耳近く、側頭部、頭頂と、リングで結んでいる。
刻まれた皺(しわ)が年齢を感じさせるその男。
“アフリカ大陸南部・侵略の司令官”
“宇宙巨大宗教国家・アムステラが大佐”
“レッド・スーツ・ボギー”ボギヂオ=クラケット
ボギヂオは追い詰められていた。
度重なる敗戦により、軍は疲弊(ひへい)していたからだ。
度重なる敗戦により、軍は疲弊(ひへい)していたからだ。
その情報は恐らく地球側にも伝わっている。
絶体絶命。窮地。そんな時であった!
絶体絶命。窮地。そんな時であった!
ボギヂオはそんな劣勢をモノともせぬように、こう言い放つ!!
「最後まで戦おう…!!」
「此処がボギヂオ=クラケット最後の地になろうとも戦いたい!!」
「ギガント28号!恐るべき相手だと思うよ!!」
「でも逃げられない!恐怖を感じたまま逃げる事は、恥ずべき事だと思うんだよ!!」
ッ
ッ
「 男 と し て 逃 げ ち ゃ い け な い !
そ う 感 じ る ん だ よ ぉ ぉ お お お お ! ! 」
そ
の
時
で
あ
っ
た
パ チ パ チ パ チ パ チ パ チ パ チ ! !
(拍手である!)
そして女の声が響き渡る!!
「『Excellent(エクセレント)ッッ!!!』」
「『良き!指揮官ですッッ!!』」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
それは金髪の女性であった。長い髪をし、金縁のサングラスをかけていた。
女にしては大柄ではあったが、サングラスをかけていても解る美しさを持っていた。
そして何より威厳があった。支配者の貫禄である。そう!その女サイボーグとは!!
女にしては大柄ではあったが、サングラスをかけていても解る美しさを持っていた。
そして何より威厳があった。支配者の貫禄である。そう!その女サイボーグとは!!
ボギヂオが叫ぶ!!
「き・君はQueenX(クイーンエックス)ッ!!」
QueenXはこう言う。
「それがそれが。実はもう一人、BIGな方が居るのです。」
ボギヂオは驚く!!
「な・何だって!?」
ッ
ッ
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
その姿はリトルでキューピットのようであった。
固定されてる『無垢な表情(ベイビィ・フェイス)』。メタリックシルバーに彩られた『身体有色(ボディカラー)』。
控え目なペニス(お○んちん)とポッコリした寸胴腹が『西洋彫刻』を連想させる・・・。
『脳移植型改造式鋼鉄赤ん坊(スーパー・メタリック・ベイベー・カスタム・バディ)』。
そしてその首には、黒い首輪がはめ込まれていた。
特異な体と特異な名前を持つ男・・・。
その名は・・・。
特異な体と特異な名前を持つ男・・・。
その名は・・・。
「 『 ド ク ト ル ・ ベ イ ベ ー ・・・・・ ッッ 。 』 」
ッ
ッ
ス ゥ ・ ・ ・ 。
ドクトル・ベイベーは。
ス ゥ ・ ・ ・ 。
広げた両腕を。
ス ゥ ・ ・ ・ 。
ゆるやかに下げていき・・・。
ス ゥ ・ ・ ・ 。
股間のソレを覆い隠すように・・・。
ス ゥ ・ ・ ・ 。
両の腕を交差(クロス)させ・・・。
ビ ィ ッッ ッ ッ タ ァ アアア ア ア ア ア ーーーー ー ー ー ー ー ッッ ッ ッ ! ! ! !
両 の 手 広 げ る 事 に て 、 完 遂 と し た ッ ッ ッ ! ! ! !
ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド
そう・・・!
『 SECRET PENIS ( シークレット・ペニス ) 』で ご ざ い ま ち ゅ う ゥ ッ ! !
ッ
ッ
ボギヂオは歓喜の声を挙げた!!
「 ホ チ ョ ォ ォ オ オ オ オ ! !
ド ク ト ル ・ ベ イ ベ ー の 帰 還 だ よ ぉ ー ! ! 」
・
・
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・
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・
○クロガネの賛歌 第8章 “激戦!クロガネの咆哮”
第 1 話 「 愚 将 と 闘 売 女 。 」
「ドクトル・ベイベー様!!」
そう言った男。その男とは…!
とても…。とても『青い男』であった。
先が鋭く。下に曲がった鼻を持ち。
青い外套を身に纏い。
青い外套を身に纏い。
静謐(せいひつ)を覚える、顔立ちをし。
年月(としつき)を感じる、皺(しわ)が刻み込まれ。
年月(としつき)を感じる、皺(しわ)が刻み込まれ。
整った頭髪と。整った顎髭(あごひげ)と。
髪が青くて。顎髭(あごひげ)も青くて。
眉も青い。
車椅子に乗っている、そのサイボーグの名は……!
ー『 鷲鼻のバトゥロ( わしばな の ばとぅろ ) 』
そのバトゥロに、ドクトル・ベイベーはこう言う。
「バトゥロくん。君(チミ)の心臓の事は聞き及んでいまちゅ。」
「レアメタル・スターシルバーの用意は出来ていまちゅ。」
「 す ぐ に 手 術 を ち ま ち ょ う ! ! 」
バトゥロ!
「有り難きお言葉!!」
そこへボギヂオが割って入る!!
「ホチョー!シュポシュポですよん!!」
「バトゥロくんが戦線復帰となれば、
にっくきギガント28号だって、
ホホイのホイですよぉおおおおおおん!!」
ベイベーはボギヂオにこう言う。
「ミスター・ボギヂオ。手術は少々時間が掛かりまちゅ。」
「その間に『耐撃の百文字(ハンドレッド)』達が攻めて来るとも限りまちぇぬ。」
「だから、僕は君に告げる…。」
ッ
ッ
「 ア フ リ カ 大 陸 南 部 ・ ア ム ス テ ラ 基 地 は 、
君( チ ミ )に 防 衛 を 任 せ ま ち ょ う 、
ミ ス タ ー ・ ボ ギ ヂ オ ! ! 」
ッ
ッ
ボギヂオはびっくらこいた!!
「 に ゃ ん で す と ぉ ー ! !
私 が で す か ぁ ん か ぁ ん か ぁ ん ! ? 」
ベイベーは解説する。
「本来なら『QueenX』に任せたいトコロでちゅが、
彼女には『耐撃の百文字(ハンドレッド)』くんと戦うと言う
“重要な役目”がありまちゅ。故にミスター・ボギヂオ!
君( チ ミ )し か い な い の で ち ゅ ッ ! ! 」
ワナワナワナワナワナワ ナ ワ ナ ワ ナ … … … ! ! !
ボギヂオは震える!
気持ちに昂(たかぶ)るモノがある!!
言うんだ!やるって!やるって!!やるってぇー!!
ポ
ン
!
ボギチオが“ポン”と肩を叩かれる。
肩を叩くのは…!QueenX…!!
ボギヂオ!
「Queen…!!」
Queenは言い放つ!!
「愛がある…!悲しみもある…!!」
そ
し
て
!
「凌辱(りょうじょく)があるでしょッッ!!!」
「出来る!ミスター・ボギヂオ!!」
「 貴 方 な ら 出 来 る で し ょ ! ! 」
ッ
ッ
ボギヂオォォォオオオオオオオ!!!
「そこまで…!そこまで、私を買ってくれるのかい…!!」
「う…!う…!う…ッ!!」
「 う ぉ ぉ お お お お お お お お お お お お お お お ! ! ! ! 」
ッ
ッ
ボ ギ ヂ オ は 咆 哮 を 挙 げ た ! !
そ し て こ う 言 い 放 つ ! !
「 や る よ ! こ の ボ ギ ヂ オ = ク ラ ケ ッ ト ! !
命 の 限 り 、 こ の 基 地 を 防 衛 し て み せ る よ ! ! 」
ボ ギ ヂ オ は 決 意 で 身 を 固 め た ! !
- アムステラ基地 アフリカ大陸南部支部 ー 地 下 牢 ー
赤い髪をした女性であった。化粧をした女性であった。
毒針に愛される事を望んだ女サイボーグ…。その名も…。
毒針に愛される事を望んだ女サイボーグ…。その名も…。
“闘売女(バトルビッチ)”ズレアバーシャ。
彼女は地下牢に入れられていた。
冷凍睡眠をしていた『QX団製サイボーグ』を“惨殺”したからだ。
全ては愛する“毒針(アクート)”の為…。
彼の為だったら何だってする。
QX団製サイボーグは、正式にアムステラ神聖帝国の民でないので、
罪にはならなかったが、味方を68名惨殺した行為は重い…。
処罰が決まるまではアクート隊に居れたけど、
地下牢に入れられる事が決まって以降、こうして牢に居る。
その後、噂じゃアクート隊は、ギガント28号相手じゃ、
割に合わないって事で、どこか別の戦地へと移ったらしい。
アタシには何も告げずにね…。
どうやら、アタシは見捨てられたみたい…。
「…アクート。」
こんな時、泣けたらなって思う。
でも改造手術を受けた私は、涙を流す事が出来ない。
「…アクートぉ。」
こんなんになってしまっても、アタシはアクートを愛していた。
アタシの人生は、それが全てなんだもの…。アクート以外何も要らない。
このまま、この牢で一生を過ごすのだろうか?
会いたい。アクートに会いたい。
酷くって。卑怯で。ずる賢いアンタにアタシは惚れているんだ。
肉欲に任せるまま、熱い夜を過ごしていたい。
アタシは“毒針の女”。“闘売女”ズレアバーシャ…。
そ
の
時
で
あ
っ
た
!
「バトゥロくんの手術前に、君(チミ)に会っておきたくてでちゅね。」
「ハァイ。久し振りでちゅね、ズレアバーシャくん。」
ドクトル・ベイベーが牢の中に入って来た。
ズレアバーシャはそんなベイベーに応える。
「ああ。久し振りってカンジじゃん、ドクトル・ベイベー。一体何の用さ?」
ベイベーはこう言う。
「君(チミ)の力を借りたくてここに来まちた。」
「働きによっては、再び『アクート隊』に再入する事も叶うでちょう。」
ズレアバーシャは目の色を変える。
「詳しく教えておくれよ!ドクトル・ベイベー!!」
ベイベーは話す。
「君(チミ)は犯してならぬ事を犯してちまいまちた。しかし、このアムステラ。」
「特例ではありまちゅが、そのような者ででも動く事が出来る制度がありまちゅ。」
ズレアバーシャはつぶやく。
「特殊暗殺部隊・闇夜八行衆(アンノーセス)…!」
ベイベーは続ける。
「君(チミ)の実力では闇夜八行衆に入る事は出来まちぇぬが…。」
「現在、闇夜八行衆の亜流扱いの“僕の部下”になるのなら…。」
「例外と言うモノが発生致しまちゅ。」
ズレアバーシャ!
「アンタの部下になれば良いって言うのかい!」
「構わないよアタシは!もう一度、アクートに会えるのなら…!!」
ベイベーは言い放つ!
「良いでちょう。ではこの爆薬付きの首輪を付けなちゃい。」
「これで晴れて、闇夜八行衆の亜流扱いの“僕の部下”でちゅ。」
「今後の働き次第で、アクート隊で再入させてあげまちょう。」
ズレアバーシャ!!
「誓うよ!いい働きをするってね!!」
こうして“闘売女(バトルビッチ)”ズレアバーシャは釈放された。
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