〜 衛星軌道上・アムステラ軍宇宙基地 補給物資倉庫 ~
「ムッハッハッ!活気ある物流は、眺めておるだけでも心が弾むわいっ!」
暴牙堂は、物流作業の邪魔にならぬ片隅で、腕組みをしたまま作業風景を眺めていた。
その彼の背後には、無言で佇む2人の配下。
その彼の背後には、無言で佇む2人の配下。
「……して、ザエモンよ。スティングとレイナ、どう見た?」
「はっ。『燕を水練に誘うが如し』かと」
「だろうな。腕利きの2人だったから引抜きも考えたのだがな……」
「しかし、『心を失いし者は人形』でありますが故に」
「分かって居る。彼奴らをあの環境から離すのは害にしかならぬわ」
「はっ。『燕を水練に誘うが如し』かと」
「だろうな。腕利きの2人だったから引抜きも考えたのだがな……」
「しかし、『心を失いし者は人形』でありますが故に」
「分かって居る。彼奴らをあの環境から離すのは害にしかならぬわ」
そう言って太い吐息を零した暴牙堂だが。次の瞬間、その眼がギラリと輝いた。
〜 物資倉庫 別視点 ~
この日、カスム隊の補給物資受け取りに出向いて居たのは、スティングであった。
倉庫の片隅に見覚えのある巨体が見えたので、声を掛けようと口を開いた瞬間!
倉庫の片隅に見覚えのある巨体が見えたので、声を掛けようと口を開いた瞬間!
「ぼ…うぉぉっ?!?」
「ムッハッハッ!達者にしておる様だな!」
「ムッハッハッ!達者にしておる様だな!」
十数メートルの距離を瞬時に詰めた暴牙堂は、既にスティングの目の前。
その大音声の挨拶を至近距離で浴び、スティングは目を白黒させた。
その大音声の挨拶を至近距離で浴び、スティングは目を白黒させた。
( 「速い!この巨体でこれだけ素早い体捌き……」 )
( 「生身でも見た目を超えて強いぞ、この人」 )
( 「生身でも見た目を超えて強いぞ、この人」 )
「近々そちらの方面で又、実戦を兼ねた威力偵察を行う予定でな!」
「その際、お主らの拠点にも寄って又、一戦交えたいので宜しく伝えてくれ!」
「忘れん内に先日の模擬戦の借りを返して置きたいのだ!」
「その際、お主らの拠点にも寄って又、一戦交えたいので宜しく伝えてくれ!」
「忘れん内に先日の模擬戦の借りを返して置きたいのだ!」
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~ 某所・アムステラ軍前線基地 ~
「……と、旦那から聞いた翌日には来ちゃったよ暴牙堂のオッサン……暇なの?あの人」
「リベンジマッチは良いけれど、今度はどんな感じで来るのかな?」
「従者の二人も『封刃』で参加する可能性が大だと思うわ。幸い火器は無い筈だけど、防御力は相当よ」
「そうなるとこっちもペアを組んで……ベルダは離れて援護ね。多分、近接戦を強いられると思うから」
「はぁい……頑張ってみますぅ〜」
「リベンジマッチは良いけれど、今度はどんな感じで来るのかな?」
「従者の二人も『封刃』で参加する可能性が大だと思うわ。幸い火器は無い筈だけど、防御力は相当よ」
「そうなるとこっちもペアを組んで……ベルダは離れて援護ね。多分、近接戦を強いられると思うから」
「はぁい……頑張ってみますぅ〜」
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~ シミュレーター空間 ~
荒野を模した空間に、カスム隊の操兵5機が揃い踏む。
まず前列には吠弩羅とラウズィーガーが並び立つ。
そして吠弩羅の斜め後方には雷獅子、ラウズィーガーの斜め後方には劾狼。
更に後方中央にベルダの羅甲が控えた五角形の陣形。
まず前列には吠弩羅とラウズィーガーが並び立つ。
そして吠弩羅の斜め後方には雷獅子、ラウズィーガーの斜め後方には劾狼。
更に後方中央にベルダの羅甲が控えた五角形の陣形。
その遠方正面、近接系攻撃では届かない射撃武器の間合いに4機の大型操兵が具現化する……4機?!
「わわっ!おっきいのがいっぱいですぅ〜!!」
「うっへぇ……オッサンおとなげねぇなぁ〜……」
「レイナさんの読み通りだったけど、4機??」
「アレ、一体誰なのかしら?」
「さぁ?でも『雷迅』じゃなくて『雷迅颶参』が2機よ」
「うっへぇ……オッサンおとなげねぇなぁ〜……」
「レイナさんの読み通りだったけど、4機??」
「アレ、一体誰なのかしら?」
「さぁ?でも『雷迅』じゃなくて『雷迅颶参』が2機よ」
対戦者として現れたのは、封刃と雷迅颶参が各々2機!
「ムッハッハッ!お主らを失望させたく無いのでな。少々奮発した!……では、始めるとするか!」
「ゲインッ!」「応っ!」
「ゲインッ!」「応っ!」
暴牙堂の開始宣言と同時に、ゲインの雷獅子が広域殲滅型マルチミサイル『雷雨』で先制攻撃。
前に出た封刃2機が護鬼を散布してミサイル群を相殺。打ち洩らしは鉄砂塵で狙いを狂わせる。
そして雷迅颶参の一機は高々と跳躍、もう一機は弧を描いて爆風地帯を回避し、カスム隊を目掛け接近!
「ティナ、レイナさんと地上のを頼む!」
「俺達3人は、上のを何とかしてから合流する!」
「俺達3人は、上のを何とかしてから合流する!」
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~ クリスサイド ~
「何だ?高く跳び過ぎだろ。良い的……ぬあっ??」
雷獅子が空中の雷迅颶参に猛御雷とミサイルの狙いを定めた瞬間、別の巨体が視界を覆う。
後方に居た封刃が、低高度の高速ジャンプで射線を遮る様に割り込んで来たのだ!
後方に居た封刃が、低高度の高速ジャンプで射線を遮る様に割り込んで来たのだ!
「構うか!喰らえぇ〜っ!!」
斉射を浴びて、堪らず雷獅子の前に墜落する封刃。しかし雷迅颶参は無傷で吠弩羅の眼前に急速降下。
「ゲイン、そっちは頼む!……何っ?!」
眼前の雷迅颶参に肉薄する吠弩羅だったが、雷迅颶参は吠弩羅を飛び越える様に低く跳躍した!
吠弩羅は咄嗟に、踏み込んだ爪先を軸に半回転する。だが、振り向いた先に機影は無い!
吠弩羅は咄嗟に、踏み込んだ爪先を軸に半回転する。だが、振り向いた先に機影は無い!
「 上 で す ぅ 〜 っ !! 」
ベルダの叫びに呼応して、吠弩羅が頭上に両腕の盾を掲げた瞬間!
吠弩羅の頭上で浮遊静止した雷迅颶参が二本の機甲刀を抜き放ち、上空から連続突きを繰り出す!
吠弩羅の頭上で浮遊静止した雷迅颶参が二本の機甲刀を抜き放ち、上空から連続突きを繰り出す!
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
凄まじい勢いの連続諸手刺しが吠弩羅に降り注ぐ!
雲殻由来の反重力浮遊をしつつ、倒立状態で背のブースターを軽く吹かし、下への圧力を保持しているのだ!
雲殻由来の反重力浮遊をしつつ、倒立状態で背のブースターを軽く吹かし、下への圧力を保持しているのだ!
「……やっべぇな。クリス、少し待っててくれ!」
体格差を頼りに掴み掛かる封刃を躱しつつ、雷獅子は機会を窺う。
雷獅子は射撃戦仕様なので、その武装も至近距離での攻防には向いて居ないのだ。
しかも相手は装甲の厚い封刃。大ダメージを負っては居るが、牽制射撃程度では怯みもしない。
雷獅子は射撃戦仕様なので、その武装も至近距離での攻防には向いて居ないのだ。
しかも相手は装甲の厚い封刃。大ダメージを負っては居るが、牽制射撃程度では怯みもしない。
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~ ティナサイド ~
爆風の中から飛び出した封刃が、迂回して接近する雷迅颶参の露払いをする様に先行して来た。
「封刃の動きを止めるわ!雷迅颶参をお願い!」
レイナの劾狼は、迫る封刃に全火力を叩き込む!
ラウズィーガーも劾狼の背後からファングリッパーを放ち、封刃の背後に居る雷迅颶参を狙う!
それらの攻撃の対処に追われ、封刃の足が止まる。
ラウズィーガーも劾狼の背後からファングリッパーを放ち、封刃の背後に居る雷迅颶参を狙う!
それらの攻撃の対処に追われ、封刃の足が止まる。
背後の雷迅颶参も腰の両刀を抜いて封刃を迂回するが、そこへラウズィーガーが突進!
アサルトライフルを撃ちながら接近するも、少々の被弾は無視して雷迅颶参も突進する!
アサルトライフルを撃ちながら接近するも、少々の被弾は無視して雷迅颶参も突進する!
そして右の機甲刀を投擲!ラウズィーガーは左肩を前に突き出し、半身になってそれを避ける!
今度は左の機甲刀を投擲!これも背を反らし、胸元を掠める軌道をやり過ごす!
今度は左の機甲刀を投擲!これも背を反らし、胸元を掠める軌道をやり過ごす!
だが、雷迅颶参は既に目の前。もう近接戦の間合いだ。
(「……左腕は投擲直後で下がってるから、背の刀は抜けない!チャンス!」)
ラウズィーガーは雷迅颶参目掛け、最速の右クローストレート突きを放つ!
しかし、それよりも速く雷迅颶参の左腕が繰り出したのは、逆薙ぎの白熱手刀であった!!
しかし、それよりも速く雷迅颶参の左腕が繰り出したのは、逆薙ぎの白熱手刀であった!!
「……しまった!!」
薙ぎ上げの白熱手刀に右手首を斬り飛ばされた直後、ラウズィーガーは敢えてバランスを崩し右前転回避。
……それは、辛うじて間に合った。
……それは、辛うじて間に合った。
雷迅颶参が右腕を上に伸ばすのと同時に、背の鞘から機甲刀が飛び出していたのだ。
そのまま磁力誘導で柄を掴むや掲げた両腕を振り下ろし、機甲刀と白熱手刀の変則モンゴリアンチョップ!
そのまま磁力誘導で柄を掴むや掲げた両腕を振り下ろし、機甲刀と白熱手刀の変則モンゴリアンチョップ!
もしラウズィーガーが立ったままであれば、避け切れず強か(したたか)に斬り裂かれて居たであろう。
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~ クリスサイド ~
戦局が動いたのは、ささやかな一撃からであった。
ベルダの羅甲が恐る恐る放った銃撃。それは封刃が踏み出した足元で弾け、封刃の動きを瞬時阻害した。
その隙を逃すゲインでは無い。相打ち覚悟の至近距離斉射を叩き込み、強引に封刃を沈黙させる。
その隙を逃すゲインでは無い。相打ち覚悟の至近距離斉射を叩き込み、強引に封刃を沈黙させる。
無論、雷獅子とて只では済まぬ。爆風に巻き込まれて吹き飛び転がりながらも身を起こし、膝立ち復帰。
そこから上空の雷迅颶参を狙うが、敵もさるもの。
そこから上空の雷迅颶参を狙うが、敵もさるもの。
即座に着地して吠弩羅に斬り掛かりつつ、もう一方の機甲刀を雷獅子に投げ撃つ!
だが吠弩羅も同時にワイヤーナックルを飛ばし、その機甲刀を掴み取る!
だが吠弩羅も同時にワイヤーナックルを飛ばし、その機甲刀を掴み取る!
「ムッハッハッ!やはりお主らと戦うのは面白い!」
歓喜の叫びと共に、白熱手刀でそのワイヤーを断ち切る雷迅颶参。次いで機甲刀を手放し両腕を引く。
そこから繰り出されるは、白熱手刀諸手突き!!
そこから繰り出されるは、白熱手刀諸手突き!!
「 ム ウ ゥ ン ッ !! 」
「 一 意 ! 穿 ! 震 !! 」
「 一 意 ! 穿 ! 震 !! 」
白熱手刀で両肩を大きく抉られつつ、吠弩羅が捨身で繰り出した対の竜穿が、雷迅颶参の胴体に炸裂した!!
その攻撃で蹌踉めき離れた雷迅颶参に、待ち構えて居た雷獅子の全力斉射攻撃が引導を渡したのであった。
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~ ティナサイド ~
劾狼は、ホバー機動を駆使して封刃との間合いを取る。封刃の攻撃手段不足を読んだ上での立ち回り。
格闘や鉄砂塵の有効範囲を外せば、互いに決定打を受ける事は無い筈なのだ。
格闘や鉄砂塵の有効範囲を外せば、互いに決定打を受ける事は無い筈なのだ。
又、封刃のブースター高速機動の軌跡も予測しつつの位置取り。同時にラウズィーガーとの距離も調整する。
ティナへの援護射撃も混ぜつつ立ち回るが、しかしこのままではジリ貧。
焦りを押し殺していたレイナだが、視界の隅に入った光景に思わず笑みを浮かべた。
焦りを押し殺していたレイナだが、視界の隅に入った光景に思わず笑みを浮かべた。
「……やっと来たわね」
そう呟いて、封刃に牽制攻撃。このダメージには期待して居ない。ただ気を逸らすだけで良いのだ。
キ ュ ド ォ ォ ン ッ !! ド ォ ォ ン ッ !!
直後、封刃に猛御雷の狙撃が命中!すかさず劾狼もその着弾箇所に狼天戟を撃ち込む!
トドメは駆け寄って来た吠弩羅が繰り出す、烈迅跳び膝蹴り!
さしもの封刃もこの連撃には耐え切れず、機能が停止した。
トドメは駆け寄って来た吠弩羅が繰り出す、烈迅跳び膝蹴り!
さしもの封刃もこの連撃には耐え切れず、機能が停止した。
「良し!後はティナだ!」
跳び膝蹴りの勢い余って転がった吠弩羅が立ち上がる。だが、その両腕はダラリと垂れ下がって居た。
先の白熱手刀で負ったダメージは、ベルダ機の応急修理では修復出来ない程の損傷だったのである。
先の白熱手刀で負ったダメージは、ベルダ機の応急修理では修復出来ない程の損傷だったのである。
改めて戦場を見渡したレイナが瞬時、瞠目する。
しかし直ぐに部隊内通信で幾つか指示を飛ばし、吠弩羅と共に雷迅颶参へ攻撃を仕掛けた。
しかし直ぐに部隊内通信で幾つか指示を飛ばし、吠弩羅と共に雷迅颶参へ攻撃を仕掛けた。
だが雷迅颶参もさるもの。吠弩羅の蹴りとラウズィーガーの左クローによる猛攻を受け流している。
劾狼も細やかに動いて援護射撃の隙を狙うのだが、近接する二機を盾にされて攻撃を放てない。
そして雷獅子は、先程までの無茶で稼動限界に達したのか。煙を吐いて横倒しに転がって居た。
劾狼も細やかに動いて援護射撃の隙を狙うのだが、近接する二機を盾にされて攻撃を放てない。
そして雷獅子は、先程までの無茶で稼動限界に達したのか。煙を吐いて横倒しに転がって居た。
「 …… 今 よ !! 」
数合斬り結んだ末、レイナの叫びに呼応した吠弩羅とラウズィーガーが、息の合った同時攻撃を繰り出す!
しかし雷迅颶参も機甲刀でそれらの攻撃を押し留め、かつ劾狼が攻撃出来ない位置も保持していた。
しかし雷迅颶参も機甲刀でそれらの攻撃を押し留め、かつ劾狼が攻撃出来ない位置も保持していた。
「 な ん と か な れ 〜 っ !! 」
キ ュ ド ォ ォ ン ッ !!
その時!同時攻撃の対処で動きを封じられて居た雷迅颶参の背に、火砲が炸裂する!
だがベルダの羅甲にはそんな大火力の砲は無い……いや!その正体は雷獅子の猛御雷。
行動不能になった雷獅子から取り外し、単発砲として無理矢理、運用していたのであった。
だがベルダの羅甲にはそんな大火力の砲は無い……いや!その正体は雷獅子の猛御雷。
行動不能になった雷獅子から取り外し、単発砲として無理矢理、運用していたのであった。
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~ シミュレーション戦の終了後 ~
「ムッハッハッ!ムッハッハッ!この儂を二度も負かすとはな!存分に誇るが良い!」
「……とは言え、私達もギリギリの戦いだったよねー」
「雷獅子は行動不能、吠弩羅の両腕とラウズィーガーの右腕も使用不能、劾狼も弾切れ寸前だったものね」
「あぁ。あそこでベルダの奇襲が無ければ、最後に押し返されてたかもな」
「あれはゲインさんのアイデアですぅ〜」
「いやー、あれが上手く行って良かったぜ。ベルダの立ち回りも上手くなった証拠だな!」
そこで一旦言葉を切ったゲインは、暴牙堂と二人の従者の脇に立つ人物をジト目で睨む。
「……んで?何で居るンすか?影狼の隊長サン」
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~ えぴろーぐ? ~
ゲインの問いに、あっさりと答える影狼隊隊長。
「何、雷迅颶参の戦術コンピューターに暴牙堂殿の戦法などを学習させて居たのでな」
「実戦形式で学習させるのに、君達は申し分ない相手でね。こういう機会が有るなら一口乗るさ」
「実戦形式で学習させるのに、君達は申し分ない相手でね。こういう機会が有るなら一口乗るさ」
「ハハッ……そいつぁどうも。お陰様でクソゲー難易度でしたけどね!」
「こりゃもうね、敵さんに同情したくなるよなぁ……」
「こりゃもうね、敵さんに同情したくなるよなぁ……」
その時、ボヤくゲインの背後に立った人影。
ゴ ツ ン ッ !!
問答無用でゲインの脳天に鉄拳制裁を見舞ったのは、この部隊の隊長であるカスムであった。
「客人に下らん愚痴を溢すなバカモン!」
「ムッハッハッ!構わん!若気の至りというものよ!」
「しかしな……儂も一つ愚痴を言わせて貰えば……」
「しかしな……儂も一つ愚痴を言わせて貰えば……」
「……何ですかね?」と、思わずカスムは問い返す。
「次も強敵が出てくれんと、消化不良に成りそうで怖いのぉ!!」
そう言って、暴牙堂は部屋を揺らさんばかりの呵々大笑を轟かせたのであった。