影狼隊徒然記【機械仕掛けの異種格闘】中編2/2
~ 英国付近のスパロボ事情 ~
前提から言うと。操兵の大群を率いて攻めてくるアムステラ帝国に地球側が対抗する手段。それは相手と同等以上の機動マシンを投入する事であった。
まずは生産ラインや対応力の関係で『特機』、所謂『スーパーロボット』にカテゴライズされる何機かの機動マシンが出現してきた。
同時に、雑兵レベルでも良いから動く防壁として活動出来る各種汎用機も製造されてゆく。
まずは生産ラインや対応力の関係で『特機』、所謂『スーパーロボット』にカテゴライズされる何機かの機動マシンが出現してきた。
同時に、雑兵レベルでも良いから動く防壁として活動出来る各種汎用機も製造されてゆく。
そして開発が進むにつれ、パイロットと改造の度合い次第では、汎用機ベースでも特機に近い性能を誇る機体も多々現れてきている。
最初はアムステラ側も「羅甲の大群を誇示すれば、すぐ降参するだろ?」程度の認識で、攻撃の手も鈍かった。
しかし気付くと結構な被害を受ける破目に陥り、これではいかんと遊撃部隊も投入。
しかし気付くと結構な被害を受ける破目に陥り、これではいかんと遊撃部隊も投入。
遊撃部隊となるとその質はピンキリであるが、羅甲の比では無い特機級の操兵が居る部隊もあり、地球側特機にすら脅威を与える場合もあった。
さて、今回の状況であるが。
アムステラ側は大部隊投入作戦も未だ行って居る。物量差で押し切るのは単純かつ強力な手で、地球側もそれに対応せざるを得ない。
現在もヨーロッパでは割と大規模な侵略戦が行われており、数に劣る地球側は空戦機部隊による対地攻撃を抑えるのが戦略的に必須な状況であるのだ。
アムステラ側は大部隊投入作戦も未だ行って居る。物量差で押し切るのは単純かつ強力な手で、地球側もそれに対応せざるを得ない。
現在もヨーロッパでは割と大規模な侵略戦が行われており、数に劣る地球側は空戦機部隊による対地攻撃を抑えるのが戦略的に必須な状況であるのだ。
つまり、欧州におけるスーパーロボット系の空戦機であるウインドスラッシャーやフェルグスは、制空権を保持する為の要であった。
汎用機のグラニによる『飛鮫騎士団』などの空戦部隊も徐々に増えつつあるが、それでも機体性能や戦闘経験を考えると任せ切るには未だ不足であった。
汎用機のグラニによる『飛鮫騎士団』などの空戦部隊も徐々に増えつつあるが、それでも機体性能や戦闘経験を考えると任せ切るには未だ不足であった。
そんな状況を見透かしたかの様に、英国の守備を任されるスーパーロボットが居る基地が小規模襲撃を受けたというのだ。
しかも交戦相手(カスム隊)は、かつてウインドスラッシャーやフェルグスですら苦汁を飲まされた連中だと判明。
そうなると被害を最小限に留める為、援軍が欲しい。しかし汎用機では先のキャノンショルダー隊の二の舞になりかねぬ・・・ならば?
しかも交戦相手(カスム隊)は、かつてウインドスラッシャーやフェルグスですら苦汁を飲まされた連中だと判明。
そうなると被害を最小限に留める為、援軍が欲しい。しかし汎用機では先のキャノンショルダー隊の二の舞になりかねぬ・・・ならば?
やはり援軍となりうるのはスーパーロボット系か。しかし、基本的に陸戦機が多い故にヨーロッパ本土から海を渡って来る余裕は無い。
そうなるとここで候補に挙がるのは、スコットランド貴族・ランスロッド家所有の機動兵器『ランスロード』による部隊である。
そうなるとここで候補に挙がるのは、スコットランド貴族・ランスロッド家所有の機動兵器『ランスロード』による部隊である。
だがこれも影狼隊隊長は『小型特機部隊』と言及して警戒済みであった。ランスロードは小型機なので、小回りは利くが自力での長距離移動は苦手。
それ故に現在の状況下では、彼らの部隊が輸送機まで移動してオブシダンの援軍に行くのは、まず難しかろうと見極めていたのだ。
それ故に現在の状況下では、彼らの部隊が輸送機まで移動してオブシダンの援軍に行くのは、まず難しかろうと見極めていたのだ。
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~ 英国・軍事通信回線 ~
「ま、何にせよオブシダンで出るわ。このコなら連中ともそれなりに渡り合えるハズよ」
「・・・頼む。アースクラッシャーも何とか間に合わせるから、それまで持ち堪えてくれ」
「・・・頼む。アースクラッシャーも何とか間に合わせるから、それまで持ち堪えてくれ」
「はいはーい! そこで正義の味方参上っ!」「…エリカ、お前は引っ込んでろ」「…危ないからお嬢ちゃんは待機ね」
「回線はこちらで宜しいかしら? 私も、スコットさんの援護に向かえると思いますわ」
「ッ! ランスロッド家のお嬢さんか? 援護は有難いが、スコットランド騎士団(ハイランダー)の現在地からじゃ『足』が無いんじゃないか??」
「私の『ヴィクトワール』だけなら、『ドナテルロ』が居るから大丈夫ですわ」
「ッ! ランスロッド家のお嬢さんか? 援護は有難いが、スコットランド騎士団(ハイランダー)の現在地からじゃ『足』が無いんじゃないか??」
「私の『ヴィクトワール』だけなら、『ドナテルロ』が居るから大丈夫ですわ」
「そこにエリカちゃんの『クリスタルカイザー』が加われば鬼に金棒…」ブチッ!「…弱り目に祟り目だ」
「? あらっ、今のは?」「混線です」「でも、今の声…」「 混 ! 線 ! で す !! 」
「? あらっ、今のは?」「混線です」「でも、今の声…」「 混 ! 線 ! で す !! 」
「…と、とにかく私も直ぐに向かいますわ」
「待て、マリアンヌ! お前だけじゃ心配だからお兄ちゃんも相乗り…」ボグゥ!「…ドナテルロは一人乗りですのよ」
「・・・今のは?」「混線ですわ」「だが、今の声はリチャード…」「 混 ! 線 ! で す わ !! 」
「待て、マリアンヌ! お前だけじゃ心配だからお兄ちゃんも相乗り…」ボグゥ!「…ドナテルロは一人乗りですのよ」
「・・・今のは?」「混線ですわ」「だが、今の声はリチャード…」「 混 ! 線 ! で す わ !! 」
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~ 英国基地近辺 ~
「ありゃあ近接系っぽいなぁ? ちょいと遠いけど、挨拶してやろうか」
「こっちの方面からだと幸い、山もあるから護りやすいわね。敵は・・・地上に3機と空に1機ね。まだ距離は遠・・・っ!」
吠弩羅が前に出て、雷獅子とラコちゃんがその後方で待機する陣形。
その遥か前方に見えるは、小山の間を抜けて駆けて来るオブシダンの姿。まだ攻撃するには若干距離が離れては居るが・・・雷獅子は猛御雷を構えた。
その遥か前方に見えるは、小山の間を抜けて駆けて来るオブシダンの姿。まだ攻撃するには若干距離が離れては居るが・・・雷獅子は猛御雷を構えた。
ウ オ ォ ォ ン ッ ! ………ギ ィ ィ ィ ン ッ ッ !!
大型レールキャノン・猛御雷から滑らかに発射された必殺の砲弾が、両腕でブロック体勢を取りつつ走るオブシダンに直撃した。
「おっ、硬いねー。やっぱこの距離じゃあんま効いてないか。じゃ…何いぃぃっ!!」
オブシダンの背から激しく爆炎が噴出し、その姿がみるみるうちに大きく……猛烈な速度で接近している!!
これは強襲用ロケットブースター『ブロッサムI』によるもの。瞬発力を極限まで高めたこの加速により、オブシダンの巨体は音速を軽く突破する!!
これは強襲用ロケットブースター『ブロッサムI』によるもの。瞬発力を極限まで高めたこの加速により、オブシダンの巨体は音速を軽く突破する!!
「避け…いやっ、受ける! 頼むぞ吠弩羅!!」
左前腕を掲げて黒銅鋼の盾を構え、衝撃を支える姿勢で右脚を引いて、オブシダンを待ち構える吠弩羅。直後。
ガ オ ォ ォ ォ ン ッ ッ !! … ズ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ッ ッ !!
遥か後方で加速した時の音が追いついたのと同時に、右拳で吠弩羅の防御を殴り付けたオブシダン。
脚で大地を削りながら激しく後退する吠弩羅だが、拳を受けた左腕は何とか掲げ続けている。
脚で大地を削りながら激しく後退する吠弩羅だが、拳を受けた左腕は何とか掲げ続けている。
「…は、吠弩羅のパワーと黒銅鋼の盾でも、止めるのがやっとだぜ・・・何てパワーしてるんだ、こいつ」
「…ちょっとぉ。この速度の『オブシダン・スマッシュ』を受けて耐えられるワケ? コイツ」
「 う お ぉ ぉ ぉ っ !! 」「 イ ヤ ァ ァ ァ ァ ッ !! 」
ガ ゴ ギ ィ ィ ィ ィ ン ッ ッ ッ !!
攻撃の手が止まったと思った瞬間。吠弩羅の右拳とオブシダンの左拳が同時に繰り出された。
互いの拳は交差し、互いの顔面に痛烈なクロスカウンターが叩き込まれる!!
互いの拳は交差し、互いの顔面に痛烈なクロスカウンターが叩き込まれる!!
双方、ここまでは互角。互いに今の痛打のショックを振り払い、睨み合う。
この近接間合いでは、射撃主体の雷獅子が干渉するのは困難。ラコちゃんも構える2機に気圧され、更に間合いを空ける。
この近接間合いでは、射撃主体の雷獅子が干渉するのは困難。ラコちゃんも構える2機に気圧され、更に間合いを空ける。
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上空の荒光も無論、この対決を見ていた。
「おぉ。これは良い勝負になりそ・・・むうっ?! ・・・拙者も期待して良いでござるか?」
その対決の観戦を中断させたのは、空の彼方から飛来する飛行物体。そう、英国空軍のスーパーロボット・アースクラッシャーである。
「・・・ヘルパー。あの機体には特殊ミサイルは効かないよな?」
「空中で胡坐かいて座ってる奴に使っても無駄だと思うニャ・・・」
「空中で胡坐かいて座ってる奴に使っても無駄だと思うニャ・・・」
アースクラッシャーはウインドスラッシャーと同じく可変機であるが、武装はかなり特殊である。
例えば、特殊な苔を空中に散布し、敵のフライトシステムを惑わせるミサイル。敵の動きを止めたり引き寄せたり出来るワイヤークローなど。
これに戦闘支援人工知能・ヘルパーシステムの情報支援と、パイロット・ムッター自身のプロレス技術を応用した戦い方をみせるのだ。
例えば、特殊な苔を空中に散布し、敵のフライトシステムを惑わせるミサイル。敵の動きを止めたり引き寄せたり出来るワイヤークローなど。
これに戦闘支援人工知能・ヘルパーシステムの情報支援と、パイロット・ムッター自身のプロレス技術を応用した戦い方をみせるのだ。
とは言え。荒光は初見の機体なので、どう対応するかも慎重にならざるを得ない。
「解析結果。胴体の特徴から甲虫(斬空一式)や毒蛾(斬空二式)の系列っぽいニャ。でも射撃兵器は全く見当たらないニャ」
「・・・様子見に通常ミサイルを打ち込んでみるか」
「・・・様子見に通常ミサイルを打ち込んでみるか」
アースクラッシャーが2発のミサイルを発射。ゆらりと虚空で立ち上がった荒光を目掛けてミサイルが飛来する。
「 ヌ ウ ゥ ゥ ー ン ッ !! 」
荒光がミサイルに向け、おもむろに両腕を突き出す。すると荒光の手前でミサイルの軌道が捻じ曲がり、あらぬ方向へと飛んで行ってしまった。
そう。腕から発生させた斥力で、ミサイルの軌道を捻じ曲げたのだ。
そう。腕から発生させた斥力で、ミサイルの軌道を捻じ曲げたのだ。
「ミサイルとて結局は物理学! 拙者の格闘術と荒光が合わされば、荒光の戦闘力は実際三倍近い凄さになる。これは実際アムステラの中でもかなり強い!」
「・・・言葉の意味は判らニャイけど、とにかく凄い自信だニャ」「ここは誘いに乗って格闘戦に持ち込んでみるか」
アースクラッシャーが空中で人型に変形するのを見届けた荒光が、虚空を蹴ってミドルキックを放つ。
「見切った! ドラゴンスクリューだっ!」
荒光が横一文字に繰り出した蹴りを敢えて脇腹で受け止め、その蹴り足を両腕で抱え込んで自ら錐揉み回転。荒光の蹴り足を軸に捻り投げを放った。
これが地上ならば、その錐揉み回転に従って投げ飛ばされねば、膝を壊されるという恐るべき投げ技であるが・・・。
これが地上ならば、その錐揉み回転に従って投げ飛ばされねば、膝を壊されるという恐るべき投げ技であるが・・・。
「何のっ、虚空格闘術・螺旋顎(らせんあぎと)っ!」
だが、互いに空中に居る以上、そんな制約は無い。荒光は素直に錐揉み回転に従いつつ、両足を使って逆にアースクラッシャーの腕を挟んで捻る。
錐揉み回転の破壊力が逆に、自らの腕を壊しに来たのを悟ったアースクラッシャーは、脚のホールドを外して間合いを取る。
錐揉み回転の破壊力が逆に、自らの腕を壊しに来たのを悟ったアースクラッシャーは、脚のホールドを外して間合いを取る。
「・・・ほほぉ。格闘術の心得があるでござるな」
「空中プロレスなんか初めてやるぞ・・・何て厄介な奴だ」
「空中プロレスなんか初めてやるぞ・・・何て厄介な奴だ」
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吠弩羅とオブシダン。荒光とアースクラッシャー。
いずれも近接格闘を得意とする機体で、この戦い方においてはパイロットの腕も、機体性能も互角に近い。
いずれも近接格闘を得意とする機体で、この戦い方においてはパイロットの腕も、機体性能も互角に近い。
そうなると、勝負を分ける要因の一つは・・・経験。
何度も激しい死闘を潜り抜けてきた経験が。無重力下での格闘術を磨いてきた経験が。各々の闘いに差を付けた。
更にそこへ雷獅子の的確な援護射撃が加わる。困難ではあるが、ゲインの腕前ならば牽制射撃で割り込むチャンスもあったのだ。
何度も激しい死闘を潜り抜けてきた経験が。無重力下での格闘術を磨いてきた経験が。各々の闘いに差を付けた。
更にそこへ雷獅子の的確な援護射撃が加わる。困難ではあるが、ゲインの腕前ならば牽制射撃で割り込むチャンスもあったのだ。
そして気付けば、オブシダンは基地手前の小山付近にまで追い込まれて居た。小山の間を抜ける道を抑えられたら、基地の最終防衛線が破られたと同義。
空中から支援を試みるアースクラッシャーも、荒光の相手をするので手一杯であった。
空中から支援を試みるアースクラッシャーも、荒光の相手をするので手一杯であった。
「ゲイン! 特機はここで食い止めるから、ベルダと先に行けっ!」「…おうっ!」「はぁいっ!」
「させませんわっ!」
「させませんわっ!」
突如、凛とした声が響き、山間の道に向かう雷獅子の前をピンク色の影が遮った。
無論ラコちゃん…では、ない。それよりも一回り以上は小さい小型の機動マシン。マリアンヌ=ランスロッドが駆る特機・ヴィクトワールである。
無論ラコちゃん…では、ない。それよりも一回り以上は小さい小型の機動マシン。マリアンヌ=ランスロッドが駆る特機・ヴィクトワールである。
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スコットランド貴族・ランスロッド家が所有する小型機動マシン・ランスロード部隊。
現頭首代行・リチャードはランスロードのプロトタイプをカスタムメイドした漆黒の機体『ハルバロッド』を駆る。
リチャードの妹・マリアンヌが駆るは、そのハルバロッドのデータを元にカスタマイズされたピンク色の兄妹機・ヴィクトワール。
現頭首代行・リチャードはランスロードのプロトタイプをカスタムメイドした漆黒の機体『ハルバロッド』を駆る。
リチャードの妹・マリアンヌが駆るは、そのハルバロッドのデータを元にカスタマイズされたピンク色の兄妹機・ヴィクトワール。
だが、ヴィクトワールはランスロードやハルバロッドと異なり、銃火器は装備していない。ブレードランサーによる近接戦を主体とする。
いずれにせよ小型機である為に、ランスロード部隊は自力での長距離移動は無理だと判断されていた。
いずれにせよ小型機である為に、ランスロード部隊は自力での長距離移動は無理だと判断されていた。
しかし、その長距離移動が苦手な筈の小型機動マシン・ヴィクトワールがこれほど早く戦場に到着出来た訳は、ドナテルロにあった。
ドナテルロとは。マリアンヌの愛馬であり、機動マシンの名前でもある。
ランスロードなどと比べるとやや大きい、それこそ人と馬の比率をそのまま機動マシンサイズにしたのがドナテルロ(メカ)である。
DTS(ダイレクト・トレース・システム)を搭載したその馬型機動マシンは、軍馬が騎士を乗せる様にヴィクトワールを乗せる事が出来る。
(ランスロード並の機体なら一応は乗馬できるが、乗り手は基本的にランスロッド家の兄妹である)
そして地上のみならず、フライト機能により空中をも駆ける。すなわち空中で騎馬戦を行う事も可能なのである。
DTS(ダイレクト・トレース・システム)を搭載したその馬型機動マシンは、軍馬が騎士を乗せる様にヴィクトワールを乗せる事が出来る。
(ランスロード並の機体なら一応は乗馬できるが、乗り手は基本的にランスロッド家の兄妹である)
そして地上のみならず、フライト機能により空中をも駆ける。すなわち空中で騎馬戦を行う事も可能なのである。
しかし若干大きいとはいえ、ドナテルロも小型機体。ランスロード等と同じく、長距離移動は苦手という制約は?・・・それは無い。
そもそもが『人』では無い。より速く、より遠くへと駆ける為に産まれて来た『馬』なのだ。移動が苦手な筈は無かろう。
そもそもが『人』では無い。より速く、より遠くへと駆ける為に産まれて来た『馬』なのだ。移動が苦手な筈は無かろう。
故に。天空駆ける軍馬として、この戦場へとヴィクトワールを送り届ける事が出来たのである。
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ヴィクトワールは雷獅子の懐に飛び込み、剣を揮う。
射撃系専門の雷獅子にとって、高機動性を誇る近接攻撃系のヴィクトワールとの近接戦は相性最悪である。
射撃系専門の雷獅子にとって、高機動性を誇る近接攻撃系のヴィクトワールとの近接戦は相性最悪である。
「これ以上の狼藉、このわたくしが許しませんっ!」
「・・・おっ? 声の張りからして美人さんっぽいなぁ…ってぇ! いや感想だって! まだナンパじゃ無ぇから!」
「・・・おっ? 声の張りからして美人さんっぽいなぁ…ってぇ! いや感想だって! まだナンパじゃ無ぇから!」
それでも日々クリス達との模擬戦にも付き合わされてる経験を活かし、何とか致命傷を避けている雷獅子だが、やはりこのまま攻められるのは辛い。
ラコちゃんの援護も期待出来ない。とはいえ、こちらはむしろ下手に援護しない方がマシとも言える。
ラコちゃんの援護も期待出来ない。とはいえ、こちらはむしろ下手に援護しない方がマシとも言える。
「ふっふっふ・・・ここで満を持して、正義の味方・エリカちゃん登場~っ!」
混戦模様の最中。小山の間を抜ける道を塞ぐ様に立ちはだかる、2本の角の生えた頭と水晶じみた半透明のボディを持つ大柄な機体。
手にはインフィールドチタン製の大ハンマー『ぼくさつ2号』を構えている。この機体の名はクリスタルカイザー(@エリカ命名)。
南極で発見された謎多き機体である。正直言って、今はその能力のウン10分の1程度しか発揮できてない状態ではあるが。
手にはインフィールドチタン製の大ハンマー『ぼくさつ2号』を構えている。この機体の名はクリスタルカイザー(@エリカ命名)。
南極で発見された謎多き機体である。正直言って、今はその能力のウン10分の1程度しか発揮できてない状態ではあるが。
「あー、そこのピンク色(マリアンヌさんじゃ無くてね?)。何かボーナスキャラっぽいから一回殴らせて。経験値がっぽがっぽくれたらエリカ嬉しい♪」
「そんな理由で殴られるの、嫌ですよぉ~」
「そんな理由で殴られるの、嫌ですよぉ~」
・・・風向きが変わってきた。援軍の登場でカスム隊の攻勢が一転、膠着状態に。
その時、彼らの誰もが知らぬ声が通信回線から響く・・・。
その時、彼らの誰もが知らぬ声が通信回線から響く・・・。
「・・・頃合だな。撤退を支援する」