影狼隊徒然記【機械仕掛けの異種格闘】後編
~ ムッター・状況判断中 ~
荒光と交戦中のアースクラッシャー。他を援護する余裕こそ無いが、空中という配置の妙もあり、この戦場の中では一番、状況判断しやすい立場にあった。
(「偉いぞ、エリカ。今回だけは『ダメ妹』の汚名は返上してやる・・・でも頼むから、挽回はするな。決して『振り』じゃ無いからなっ!!」)
(「そしてヴィクトワールのお陰で、厄介な砲戦機を封じてられるのが大きいな。このままなら押し切れそうだ」)
(「それにしても、小山が防御壁になってて助かった。山間のポイントを抑えさえすれば俺達が優勢・・・ん? ちょっと・・・待て?」)
(「そしてヴィクトワールのお陰で、厄介な砲戦機を封じてられるのが大きいな。このままなら押し切れそうだ」)
(「それにしても、小山が防御壁になってて助かった。山間のポイントを抑えさえすれば俺達が優勢・・・ん? ちょっと・・・待て?」)
奇妙なデジャブを感じたムッターは、空中で荒光と関節の取り合いを続けつつも更に思考を飛躍させた。
(「妙だ! そもそも奴等は何故、『こんな狭隘な道を通る方向から侵攻』した?」)
(「こいつもこいつだ。俺を倒して先に進もうって言うより『技の掛け合いを楽しんでやがる』感じだ・・・」)
(「こいつもこいつだ。俺を倒して先に進もうって言うより『技の掛け合いを楽しんでやがる』感じだ・・・」)
その時、彼らの誰もが知らぬ声が、通常の通信回線から響く・・・。
「・・・頃合だな。撤退を支援する」
(「何っ? 新手?? 撤退するならするで良いが一体、何を仕掛ける気だ??」)
ムッターの疑問に応えたかの様なタイミングで、謎の声が静かに告げる。
「 虚、焼 沼 ( う ろ 、や け ぬ ま )」
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~ 地上 ~
突如、クリスタルカイザーが立つ小道の地面全体が深紅に光る。
ボ ッ コ ー ン ッ ッ !!
次の瞬間。クリスタルカイザーの巨体が、一瞬で溶けて赤熱化した大地に自重でめり込み、脇の下まで埋まる。
その時、空中に居たムッターはいち早く気付いた。小山の影から擬装を解いて現れた操兵に。
それは羅甲の亜種かと思われる、角張った、旧態然とした機体。
それは羅甲の亜種かと思われる、角張った、旧態然とした機体。
「こちら影狼隊のバイパー・セグ。カスム隊の諸君、足留め中に撤退せよ」
その言葉と共に、角張った機体の指先から小さな塊が3つ、別々の方向へと発射された。
オブシダン、ヴィクトワール、そしてアースクラッシャーの鼻先目掛けて放たれたその小さな塊は一瞬、激しい光を放った。
オブシダン、ヴィクトワール、そしてアースクラッシャーの鼻先目掛けて放たれたその小さな塊は一瞬、激しい光を放った。
それは『猫騙し』にも似た数瞬の呪縛。しかしクリスタルカイザーを襲った謎の現象と閃光による撹乱は、カスム隊が撤退するには充分な隙を生んだ。
英国軍が惑乱から回復した頃には既に、カスム隊は距離を空けていた。その方向を向いて、腰を落として構えるオブシダン。 「…へーるぷ」
「…止めろ、スコット」「…えっ?」「追うんじゃない」
追撃の構えを取ったオブシダンを制止するアースクラッシャー。そして畳み掛ける様にその理由を述べる。 「…へーるぷ、へるぺすみー」
「ここでお前が突出すると、俺達が追い着くまではお前が奴等全員を同時に相手する事になる。いくらオブシダンでもそれは拙いだろう」
「結果的には撃退に成功した訳だから、今回はそれで良しとしよう。深追いは禁物だ」
「・・・それとな。地面が固まって動けなくなる前に、うちの妹を掘り出してやってくれ」
「結果的には撃退に成功した訳だから、今回はそれで良しとしよう。深追いは禁物だ」
「・・・それとな。地面が固まって動けなくなる前に、うちの妹を掘り出してやってくれ」
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~ アムステラ基地・ミーティングルーム ~
カスム隊の面々と影狼隊隊長、バイパー・セグ、それにライゴウが卓を囲んで今回の作戦結果を話し合っていた。
バイパー・セグは年の頃は30代前半ぐらいの寡黙な雰囲気を漂わす男だが、現場に居た面々から早速の質問攻めを受けていた。
バイパー・セグは年の頃は30代前半ぐらいの寡黙な雰囲気を漂わす男だが、現場に居た面々から早速の質問攻めを受けていた。
「今回の撤退、バイパーさんが支援してくれたんで助かりました。でも、何時の間に俺達に追い付いたんですか?」
「地面がいきなり赤くなって、あの変なお姉ちゃんのキラキラ機体が落ちたのにもビックリしましたぁー」
「もしかして俺達が順調に基地攻撃に成功してたら、あのまま隠れてたまんまだった?」
「貴殿の事は拙者、聞いてないでござるよ?」
「地面がいきなり赤くなって、あの変なお姉ちゃんのキラキラ機体が落ちたのにもビックリしましたぁー」
「もしかして俺達が順調に基地攻撃に成功してたら、あのまま隠れてたまんまだった?」
「貴殿の事は拙者、聞いてないでござるよ?」
クリス、ベルダ、ゲイン、ライゴウが口々に問うのに律儀に答えて行くバイパー・セグ。
「いや、別に『追い付いた』訳では無い。君達が侵攻するよりずっと前から、あそこで潜伏して居た」
「あれは予め地面に浸透性の高熱融解剤を仕込んでおいた。仕込みの時間が充分あったしな」
「そうだな。出る必要が無ければ、あのまま潜伏を続けてただろうな」
「俺の役目上、撤退が困難な時以外は出る予定が無かったからな。だから特に言われて無かったんだろう」
「あれは予め地面に浸透性の高熱融解剤を仕込んでおいた。仕込みの時間が充分あったしな」
「そうだな。出る必要が無ければ、あのまま潜伏を続けてただろうな」
「俺の役目上、撤退が困難な時以外は出る予定が無かったからな。だから特に言われて無かったんだろう」
横から影狼隊隊長も口を挟む。
「先にも言った通り、敵戦力分析が主体で基地攻略は二の次だったからな。お陰で良いデータ採りが出来た」
それにレイナとティナが相槌を打つ。
「こちらこそ。頂いてた事前情報で私達も危なげなく任務を遂行出来ましたしね。クリス達は敵が予想以上に強かったから大変だった様ですけど」
「ホント、ホント。相手の動きを把握してたら、ファングリッパーもあれだけ綺麗に決まるんだなー、って」
「ホント、ホント。相手の動きを把握してたら、ファングリッパーもあれだけ綺麗に決まるんだなー、って」
各々が強行偵察任務の話題で盛り上がっている中、整備担当のスティングが報告がてら入室した。
「整備の目処は付きましたよ。それにしても吠弩羅のフレーム構造があそこまで痛めつけられるとはね。崩山の時に匹敵するよ、あれは」
「あれっ? ゲオルクさん相手の時よりは余裕があったんだけどなぁ」
「最初の一撃が相当効いてるし、その後もなまじ余裕がある分、真っ向から殴り合ったろう? それじゃあ痛むのは当たり前だ」
「旦那、俺の雷獅子は?」
「見た目は派手にやられてたが、良く避けてたな。深層部位への被害は少なかったから、修理も割と速く済むだろう」
「ゲイン殿は相性の悪い相手に良く頑張って居られたでござるよ。で、拙者の荒光は?」
「そちらも大丈夫。ただ、格闘型の空戦機って所為もあるんだろうが、普通の操兵と損耗の度合いが結構異なるね」
「あれっ? ゲオルクさん相手の時よりは余裕があったんだけどなぁ」
「最初の一撃が相当効いてるし、その後もなまじ余裕がある分、真っ向から殴り合ったろう? それじゃあ痛むのは当たり前だ」
「旦那、俺の雷獅子は?」
「見た目は派手にやられてたが、良く避けてたな。深層部位への被害は少なかったから、修理も割と速く済むだろう」
「ゲイン殿は相性の悪い相手に良く頑張って居られたでござるよ。で、拙者の荒光は?」
「そちらも大丈夫。ただ、格闘型の空戦機って所為もあるんだろうが、普通の操兵と損耗の度合いが結構異なるね」
影狼隊隊長が再び口を挟む。
「そうだ、後で荒光の整備記録も纏めておいて欲しい。新機軸の機体なだけに、データ採りが重要なのでな」
「・・・一種のテスト運用みたいなものですね」
「その通り。それを言えば君達の部隊も似た様なものだな・・・ふむ。折角だから、今までの機体整備記録データを一式貰って良いかな? カスム隊長」
「・・・一種のテスト運用みたいなものですね」
「その通り。それを言えば君達の部隊も似た様なものだな・・・ふむ。折角だから、今までの機体整備記録データを一式貰って良いかな? カスム隊長」
いきなり話を振られたカスム隊長は少し思案し、やや冗談めかしてそれを許可する。
「そうだな・・・まぁ良いだろう。ついでに、うちの隊へも何か便宜を図って貰うと嬉しいがね」
「ギブ&テイク、だな。そこは善処しよう」
「ギブ&テイク、だな。そこは善処しよう」
影狼隊隊長もその雰囲気に合わせたか、ニヤリと笑って応じる。
「今回ので再認識したが、やはり地球側も侮れん連中が増えているからな。色々と対処法を練って置かねばなるまい」
「とはいえ、『不死身のカスム隊』を繰り出す程の状況が頻発して貰っても困るのだがね」
(「そしてカスム隊の諸君・・・君らはまず変わるまい・・・だが今後、廻りの状況がどう変わるかが問題ではあるな」)
「とはいえ、『不死身のカスム隊』を繰り出す程の状況が頻発して貰っても困るのだがね」
(「そしてカスム隊の諸君・・・君らはまず変わるまい・・・だが今後、廻りの状況がどう変わるかが問題ではあるな」)
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少々話は脱線するが、アムステラ帝国にとって辺境の地である地球。
そこでの抵抗が予想以上に大きいとはいえ、これだけの戦力を投入する背景には実戦テストという一面もある。
そこでの抵抗が予想以上に大きいとはいえ、これだけの戦力を投入する背景には実戦テストという一面もある。
例えばオーデッド隊(SRC作品『剣王推参』を参照)などが良い例だ。
ここは隊長機の銃指威を始め、羅甲や絢雨、逢魔のカスタム機、咆牙の派生系実験機・麟牙や麟駆などを擁する混成機種部隊である。
ここは隊長機の銃指威を始め、羅甲や絢雨、逢魔のカスタム機、咆牙の派生系実験機・麟牙や麟駆などを擁する混成機種部隊である。
それは遊撃隊などの表立った活動に限らず言える事で、裏から親アムステラ団体などにデータを流す事で試作機を投入するケースもある。
ブラッククロスに協力する形で活動していた銀虎やネオ・ペルセポネーなどがそうである。(SS作品『あーるへナーガ!』『黒の兄弟』などを参照)
以前にも述べたが、ラウズィーガーも今では地球産のアムステラ技術応用機体として、カスム隊に所属している。
ブラッククロスに協力する形で活動していた銀虎やネオ・ペルセポネーなどがそうである。(SS作品『あーるへナーガ!』『黒の兄弟』などを参照)
以前にも述べたが、ラウズィーガーも今では地球産のアムステラ技術応用機体として、カスム隊に所属している。
地球の戦場に試作機などを送り込み、データを集める。同時に地球側の特機データなども収集。
万が一、試作機が鹵獲されたとしても、地球の特機が強くなっても、現状ではアムステラ本星までは届かないだろうという保険もある。
万が一、試作機が鹵獲されたとしても、地球の特機が強くなっても、現状ではアムステラ本星までは届かないだろうという保険もある。
言うなれば地球を、多数の毒蟲に食い合いをさせて最強の毒蟲を育てる『蠱毒壺』として扱って居るのだ。
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歓談も一段落着いた辺りで、ライゴウが切り出した。
「拙者、もうしばらくは荒光の実戦パイロットとして、助っ人で各所を回る事になるでござろう」
「その後どうするかは、まだ思案中でござるが。再びこちらに伺って、末席にでも加えて貰うというのも良さそうでござるなぁ」
「ともあれ、一先ずはさらばでござる」
「その後どうするかは、まだ思案中でござるが。再びこちらに伺って、末席にでも加えて貰うというのも良さそうでござるなぁ」
「ともあれ、一先ずはさらばでござる」
それを受け、カスム隊の面々も別れの挨拶をしてゆく。
「ライゴウ君、今回の任務は君のお陰で成功したと言っても良い。次に来た時も歓迎しよう。入隊希望も無論、大歓迎だ」
「またシミュレーターしようぜ! 俺と吠弩羅もそれまでにはもっと強くなってるからさ!」
「入隊希望ってのも嬉しいけど、うちの隊ってブラック企業だぜ? よく考えないと万年下っ…痛ってぇ!!」
「またシミュレーターしようぜ! 俺と吠弩羅もそれまでにはもっと強くなってるからさ!」
「入隊希望ってのも嬉しいけど、うちの隊ってブラック企業だぜ? よく考えないと万年下っ…痛ってぇ!!」
ゲインがまた、不用意な発言の最中に蹴飛ばされた。
「そーそー。確かにうちの隊って出世街道には縁遠いかもだし、結構ハードな任務も多いけど、馴染めば良い場所よ」
(「あーっ、俺と同じ様な事を言ってんのに。女の子には甘いんだもんなぁ、うちの連中」ボコッ「言い方の問題だ、バカモン」)
(「あーっ、俺と同じ様な事を言ってんのに。女の子には甘いんだもんなぁ、うちの連中」ボコッ「言い方の問題だ、バカモン」)
「今回の支援は本当に助かりました。また会える日を楽しみにしてますね」
「お陰様で斬空系列にも慣れてきたから、次も万全の整備が出来ると思うよ」
「わんこのライゴウさん、有難う御座いました!」
「お陰様で斬空系列にも慣れてきたから、次も万全の整備が出来ると思うよ」
「わんこのライゴウさん、有難う御座いました!」
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~ 英国軍基地・ミーティングルーム ~
一方、場所は変わってこちらは地球側。辛くも襲撃を撃退したスコット、ムッター、マリアンヌ、エリカが一室に集っていた。
「率直に言って、今回のも奴等の目的が『威圧偵察』で、俺達の戦力分析が主体だったから助かった様なものだな」
「そうね。マリアンヌさんとエリカちゃんが間に合ったから良いけど、そうじゃなかったら行きがけの駄賃で基地も落とされてたかもね」
「お役に立てて幸いでしたわ」「我を讃えよ!」
「そうね。マリアンヌさんとエリカちゃんが間に合ったから良いけど、そうじゃなかったら行きがけの駄賃で基地も落とされてたかもね」
「お役に立てて幸いでしたわ」「我を讃えよ!」
「有難う御座いました、マリアンヌさん。・・・自重しろエリカ。(ズビシッ!)」
アースクラッシャー搭乗中の戦化粧を落としたムッターが、マリアンヌに礼を述べつつエリカの頭頂に軽いチョップを叩き込む。
「良い位置で防衛してくれたのは認めるが、敵さんの罠があの程度だったからお前、無事だったんだぞ。もう少し危機感を持て」
「ぶーぶー。それは自分トコの基地の近くにあんな罠仕掛けられて気付かない方が悪いんでしょうがー!」
「それはそうだがな・・・スコット、お前さんはどう思う?」
「ぶーぶー。それは自分トコの基地の近くにあんな罠仕掛けられて気付かない方が悪いんでしょうがー!」
「それはそうだがな・・・スコット、お前さんはどう思う?」
話を振られたスコットが、少し思案してムッターに答える。
「確かに少し変よね。あの罠って彼らが侵攻するよりも前から仕掛けられてたとしか思えないわ」
「あれは爆発系じゃなくて融解系の罠だったから、仕掛けると同時に発動ってタイプじゃないもの」
「もしかすると・・・戦力分析すら囮、かしら?」
「あれは爆発系じゃなくて融解系の罠だったから、仕掛けると同時に発動ってタイプじゃないもの」
「もしかすると・・・戦力分析すら囮、かしら?」
ムッターも重々しく頷く。
「いや、それは目的の一つをそのまま囮にしてるんじゃないか? オブシダンとあれだけやり合える時点で囮ってレベルじゃ無いしな」
「何にせよ他に何か仕掛けられてないか、詳細に調査して貰わないとマズいだろうな・・・」
「何にせよ他に何か仕掛けられてないか、詳細に調査して貰わないとマズいだろうな・・・」
マリアンヌも頷きつつ発言。
「そうですわね。私達も協力関係を密にしないと、彼らに対抗するのは難しいと思いましたわ。何か判りましたらこちらにも連絡を頂けますか」
「それから個人的な事になりますが・・・今回の援護の件も軽く流して下さいね。兄は私の行動を大袈裟に吹聴するもので」
「それから個人的な事になりますが・・・今回の援護の件も軽く流して下さいね。兄は私の行動を大袈裟に吹聴するもので」
「何というか・・・苦労してるんだな」「ワカル、ワカル」「お前が言うな!」ズビシッ!
ムッターが応じるが、エリカが口を突っ込んだので漫才めいた雰囲気になってしまった。
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~ アムステラ本部基地、影狼隊隊長室 ~
そして、前線から戻った影狼隊の2名も・・・
「首尾は良かった様だな、バイパー・セグ」
「潜入組の撤収も確認済みです。いずれ戻って来るでしょう。が、俺の介入で目的がバレてませんかね?」
「何、気付かれても構わん。だが疑心は暗鬼を呼ぶからな。我等の目的を把握しようとする行動自体が結局は隙を生むという事だ」
「潜入組の撤収も確認済みです。いずれ戻って来るでしょう。が、俺の介入で目的がバレてませんかね?」
「何、気付かれても構わん。だが疑心は暗鬼を呼ぶからな。我等の目的を把握しようとする行動自体が結局は隙を生むという事だ」
影狼隊隊長は悠然と応えつつ、部屋の一角にあるコンピュータを操作する。
「・・・よし。騒ぎに乗じて奴等の基地に混入させた情報収集ウィルスには未だ気付かれて居ないな」
「クククッ・・・当然、こちらの分析もしてる様だが、まさかその解析結果をこちらにも知らせて居るとは思うまい」
「いずれ気付かれるかもしれんが、それまでは有意義に情報収集させて貰うとしようか」
「クククッ・・・当然、こちらの分析もしてる様だが、まさかその解析結果をこちらにも知らせて居るとは思うまい」
「いずれ気付かれるかもしれんが、それまでは有意義に情報収集させて貰うとしようか」
今回の作戦における影狼隊の目的は複数あった。
威力偵察による英国軍の戦力分析。そして予め英国軍基地に潜入させた工作員によるコンピュータクラッキングである。
クラッキングによって英国軍の動向を密かに閲覧する事で、それに応じた対応が出来るという訳である。
威力偵察による英国軍の戦力分析。そして予め英国軍基地に潜入させた工作員によるコンピュータクラッキングである。
クラッキングによって英国軍の動向を密かに閲覧する事で、それに応じた対応が出来るという訳である。
「それでは、失礼します」「あぁ。ご苦労だった」
バイパー・セグが退出するのを見送った影狼隊隊長は再びコンピュータに向かい合う。
「・・・アフリカ方面はやはり苦戦しているか。それでも諸要因を考えれば、まだ良くやってる方だな」
「アメリカ方面は・・・ふむ。こちらは吸血チカーロとその背後の存在が大きいな」
「さて、我等もこれらの情報を元にどう動かされてゆくか・・・フン、考えても詮無いか」
「アメリカ方面は・・・ふむ。こちらは吸血チカーロとその背後の存在が大きいな」
「さて、我等もこれらの情報を元にどう動かされてゆくか・・・フン、考えても詮無いか」
影狼隊長は立ち上がり、コンピュータの電源をOFF。
「自由に動ける間は好き勝手やらせて貰うか・・・実際、この惑星にも興味が尽きぬからな」
そう呟いた影狼隊隊長は、灯の消えた隊長室からいずこかへと去っていった・・・。