喧嘩稼業別巻(加筆修正版を基にしています)
よく使う編集構文(編集の役に立ててください)
&ruby(ルビ){文章}
&footnote(脚注の内容・元ネタについて等)
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山本陸「十年早く生まれていれば――いや、師が十年遅く生まれていればよかったのだ。
ならば俺は師のもとで学ばず、師と対峙できたのに」
ならば俺は師のもとで学ばず、師と対峙できたのに」
葉森源内(日本は負けた‥‥‥だがすべてを失っていいのか‥‥‥心まで売ってしまっていいのか‥‥‥)
葉森「いいはずがない」
葉森「いいはずがない」
ケンプ少将「どうだ、間違っていましたと謝るか? 日本人!
それとも尻尾を巻いて逃げ出すか? 日本人!」
葉森は表情を変えず、敵意に満ちた青い氷の瞳から目線を切らずに言った。
葉森「その条件で、戦わせていただきます」
それとも尻尾を巻いて逃げ出すか? 日本人!」
葉森は表情を変えず、敵意に満ちた青い氷の瞳から目線を切らずに言った。
葉森「その条件で、戦わせていただきます」
葉森(いた!
聞いていた通りの男じゃないか!
今も心を売っていない!
心を失っていない男がいた!
敗戦国の、この日本に!)
聞いていた通りの男じゃないか!
今も心を売っていない!
心を失っていない男がいた!
敗戦国の、この日本に!)
名護夕間「大丈夫ですよ。私に空手を教えてくれた人は八十路を超えていました。何歳から始めても得られるものはあります」
葉森「武道禁止令が出ている今、空手を習おうと思う者などいないでしょ」
葉森「武道禁止令が出ている今、空手を習おうと思う者などいないでしょ」
名護「銃剣か‥‥‥やったことないからな‥‥‥できるかどうかわかりませんよ」
名護「自分の手は武道ではなく武術、武器を奪われた者が手で敵を壊すために作られたもの。先生がいうような生き方をとく道などではないです。
だが"Martial Arts""戦争戦闘技術"とも違います。
自分を守り。家族を守り。仲間を守り。弱者を守る。そういう武術です。
私はそういう手を愛しています。手がなければ私自身の存在価値はない。手は私そのものです」
だが"Martial Arts""戦争戦闘技術"とも違います。
自分を守り。家族を守り。仲間を守り。弱者を守る。そういう武術です。
私はそういう手を愛しています。手がなければ私自身の存在価値はない。手は私そのものです」
糸川安則「空から落ちてきた天井を支えるつもりで逆立ちをしてみなさい」
松山左近「型の中で想定している相手の強さが一定だ
型の中で最低一人は自分より強い者を想定して型を行いなさい」
型の中で最低一人は自分より強い者を想定して型を行いなさい」
松山「名護‥‥‥お前より強い者は誰がいる?」
名護「父と兄‥‥‥だけ‥‥‥ですかね‥‥‥‥あっ、あと先生も」
松山「気を使わなくていいよ」
名護「父と兄‥‥‥だけ‥‥‥ですかね‥‥‥‥あっ、あと先生も」
松山「気を使わなくていいよ」
松見坂興毅「教えるのは良いが、あんたは私より強いよ。それでも構わんかね?」
松見坂「うん。私の方が弱いから、あんたは私を殴ったらいかんよ。殴られると痛いからね」
松見坂「お前には岩が見えないんだよ」
松見坂「もしお前がこのまま唐手をつづけたら、強者であるお前は後ろから刺されて死ぬぞ」
松見坂「頭上に岩を吊るすんだよ。落ちて来たら死ぬような大きさの岩を頭上一メートルに切れそうな縄で吊るしていると想像しておくんだよ。
だから私が笑ったくらいで隙ができた」
だから私が笑ったくらいで隙ができた」
松見坂「心を許したフリをしてちゃんと岩を吊るしているじゃないか」
松見坂「夕間、腹が減ったよ」
松見坂「味に飽きたら、入れなさい」
松見坂「拳と豚で身体を大きくし、岩で集中力を高める。まずはそれからだ」
名護「豚ばかりだったら楽でいいんですけどね」
名護「豚ばかりだったら楽でいいんですけどね」
松見坂「この線から離れたら夕間の負けだ
それからここに来た日に言ったことは覚えているよな?
私の方が弱いから、夕間は私を殴ったらいかんよ」
名護「本当に負けず嫌いですね先生は」
それからここに来た日に言ったことは覚えているよな?
私の方が弱いから、夕間は私を殴ったらいかんよ」
名護「本当に負けず嫌いですね先生は」
松見坂「夕間がいなくなると、寂しくなるな‥‥‥」
名護「ありがとうございました」
松見坂「二度と来るなよ」
名護「ありがとうございました」
松見坂「二度と来るなよ」
名護「私で試してみませんか?」
木佐貫元「ほー兄貴と違って弟は逃げないのか?」
名護「兄は大人なんですよ。私は子供なので突っかかりますよ」
木佐貫元「ほー兄貴と違って弟は逃げないのか?」
名護「兄は大人なんですよ。私は子供なので突っかかりますよ」
名護「それじゃ、居合が本業なのに剣道で優勝したってことになる」
名護夕武「そうなるな、かなりの実力者という事になる。戦争が終われば教えを請える機会があるかもしれないな」
名護夕武「そうなるな、かなりの実力者という事になる。戦争が終われば教えを請える機会があるかもしれないな」
名護「最後の剣豪かもな‥‥‥」
名護(凄い……凄い男だが……それは間違っている。拳の打ち方は拳闘のように腰の捻りによって拳に力を伝えるだけではない
剣対拳 ではなく剣対拳 と考えるべきだった)
剣対
木佐貫(今見ただけでここまで、できるか……)
名護「卑怯じゃない
ここにいるあなた以外の全員が何が起こったのかを分かっている
あなたが今やられた攻撃は”あんな攻撃ならば俺は左手の小太刀一本で勝ってみせると言った。あんな武術……
兄が見せた型”バッサイ・ダイ”だ」
ここにいるあなた以外の全員が何が起こったのかを分かっている
あなたが今やられた攻撃は”あんな攻撃ならば俺は左手の小太刀一本で勝ってみせると言った。あんな武術……
兄が見せた型”バッサイ・ダイ”だ」
名護「嫌われ役になってしまって申し訳ありませんでした
しかし、結果として型の重要性を示すことができました。私たち兄弟と木佐貫さんの役目はほぼ達成されました」
しかし、結果として型の重要性を示すことができました。私たち兄弟と木佐貫さんの役目はほぼ達成されました」
名護「木佐貫さんは天神差しにした。刀の峰で当てるつもりで斬るつもりはなかったんですよね」
夕武「琉球の武士 には守るべき心得があります
自分が強くなったら、兄弟を助けなさい
もっと強くなったら、村を助けなさい
もっと強くなったら、国を助けなさい」
自分が強くなったら、兄弟を助けなさい
もっと強くなったら、村を助けなさい
もっと強くなったら、国を助けなさい」
木佐貫「俺には先祖から受け継いでいる日本刀がる。もし俺が死んでもあんたがそれを持っていてくれたら小太刀が残る。これは俺の保険だ
貰ってくれたら助かる」
貰ってくれたら助かる」
夕武「自分がなすべき使命を見つけ、それをまっとうしろ」
大林興治「どうだぁ。これが日本の魂だぁ」
名護「ケンプ少将‥‥‥これは私達、日本人の魂です。どうか大切にして下さい」
ケンプ少将「名護先生にお渡しください」
葉森「なんですか。これ」
ケンプ少将「アメリカの魂です」
星条旗だった。
葉森「なんですか。これ」
ケンプ少将「アメリカの魂です」
星条旗だった。
イチョウの葉が舞う。
落ちた実は芽を出し。
やがて木になる。
日本人は必ず立ち上がる。
立ち上がる。
日本人は立ち上がる。
落ちた実は芽を出し。
やがて木になる。
日本人は必ず立ち上がる。
立ち上がる。
日本人は立ち上がる。