A 感染症の疫学と流行状況
小項目
- 主な感染症の疫学と流行状況,感染症発生動向調査(サーベイランス),学校施設等における感染症,検疫,母子感染症
102B45
33歳の男性。発熱,腹痛,嘔吐および下痢を主訴に来院した。東南アジアに1週間出張して一昨日帰国した。昨日昼から急に悪心,嘔吐とともに39℃台の発熱と腹痛とが出現した。最初は,便意はあるものの排便がみられず,さしこむような腹痛が何度も出現したが,その後水様下痢が頻回となり,便に血液,粘液および膿を混じるようになった。
原因微生物はどれか。
a 寄生虫
b 細菌
c リケッチア
d マイコプラズマ
e ウイルス
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
101B19
我が国で発生報告のある感染症はどれか。
a クリミア・コンゴ熱
b マールブルグ病
c エボラ出血熱
d ペスト
e 黄熱
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
101H10
30歳の男性。高熱と意識障害とで搬入された。3月末まで1週間東南アジアを旅行していた。帰国5日目の昨日から頭痛と38℃台の高熱とが出現した。脳脊髄液検査で細胞増多と蛋白増加とを認め,血清で日本脳炎ウイルス特異的IgM抗体が陽性である。
直ちに行うのはどれか。
a 患者の隔離
b 居住区の消毒
c 保健所への届出
d ワクチンの接種
e 抗ウイルス薬の投与
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
100G22
感染症の最近の動向で正しいのはどれか。
a 日本脳炎は小児に多発傾向がある。
b 細菌性赤痢の推定感染地は海外が多い。
c つつが虫病は毎年10件ほどの届け出がある。
d 1類感染症届け出数は年間5~10件である。
e 2類感染症で届け出数が最も多いのはコレラである。
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
100G29
我が国で毎年3万人前後の患者が新たに発生しているのはどれか。
a 結核
b マラリア
c エイズ
d 赤痢
e コレラ
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
99D28
感染症法で都道府県知事による入院の勧告・措置の対象とならないのはどれか。
a 腸管出血性大腸菌感染症
b 急性灰白髄炎
c ラッサ熱
d ペスト
e コレラ
× a
○ b
○ c
○ d
○ e
正解 a
99F5
25歳の1回経産婦。現在妊娠14週である。風疹罹患が心配になり来院した。第1子が1週前に風疹に罹患しているが,妊婦には発疹や発熱などの症状はなく,風疹ワクチン接種の既往もない。妊娠10週時の血液検査の結果で風疹HI抗体価は64倍であった。身長 158cm,体重 48㎏。血圧 110/70mmHg。尿所見:蛋白(-),糖(-)。内診と超音波検査とで異常を認めない。
この妊婦で正しいのはどれか。
a 児に心奇形を発症するリスクは低い。
b 風疹罹患の既往は不明である。
c 周囲へ感染を拡大する可能性がある。
d 風疹IgM抗体を測定する。
e 流産の危険性が高い。
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
診断 風疹感染を心配する妊婦への対応