それは、ライフィセット・梔子・ブチャラティの三名が橋を渡り終えたころ合いだった。
『あー、あー。ちゃんと響いてるわよねこれ...まあいいわ。いま私たちはテレビ局にいる。ベルベット・クラウと琵琶坂永至、この二人に用がある奴らは今すぐここに来い!』
響き渡る声。
それは紛れもなく、少年の知る声そのもので。告げられた名は少女の求める名前で。
それは紛れもなく、少年の知る声そのもので。告げられた名は少女の求める名前で。
「ベルベット!?」
「琵琶坂...!?」
「琵琶坂...!?」
ドッ、ドッ、ドッ、とともに鼓動が早くなる。
彼はここにきてから彼女に殺されかけた。
慈悲はなく、存在すら否定され。挙句の果てにはその存在すら別のモノに成り果てて。
あの旅の日々を知らぬまま魔王と化した彼女は、紛れもなく敵である。だがそれでも。
彼女を憎めない。むしろ、彼女をああしてしまったこの環境と主催に腹が立ってしょうがない。
ライフィセットにとって、ベルベット・クラウは、世界が変わろうとも、魔王を名乗ろうとも、変わらず『ベルベット・クラウ』だから。
慈悲はなく、存在すら否定され。挙句の果てにはその存在すら別のモノに成り果てて。
あの旅の日々を知らぬまま魔王と化した彼女は、紛れもなく敵である。だがそれでも。
彼女を憎めない。むしろ、彼女をああしてしまったこの環境と主催に腹が立ってしょうがない。
ライフィセットにとって、ベルベット・クラウは、世界が変わろうとも、魔王を名乗ろうとも、変わらず『ベルベット・クラウ』だから。
彼女はここに来る前から彼を憎んでいた。
平和だった家庭が、欲望に踏みにじられ、全てを燃やし尽くされ。
楽園に逃げ込んでも、与えられた幸福の幻でも、おんぼろになった心身は戻らず。
憎しみしかない。無関係な人たちのことを考えなければ、確実にこの手で葬れる機会を与えてくれたことだけには感謝もしよう。
梔子にとって、琵琶坂永至は、世界が変わろうとも、時を越えようとも、変わらず『琵琶坂永至』だから。
平和だった家庭が、欲望に踏みにじられ、全てを燃やし尽くされ。
楽園に逃げ込んでも、与えられた幸福の幻でも、おんぼろになった心身は戻らず。
憎しみしかない。無関係な人たちのことを考えなければ、確実にこの手で葬れる機会を与えてくれたことだけには感謝もしよう。
梔子にとって、琵琶坂永至は、世界が変わろうとも、時を越えようとも、変わらず『琵琶坂永至』だから。
衝動のまま、二人の足に力が入る。
一刻も早く。
一刻も早く。
一刻も早く。
彼女と会いたい。
あいつを殺したい。
あいつを殺したい。
つかの間の衝動に突き動かされ、思考は数舜、空になり。
駆ける。
駆ける。
駆ける。
「待つんだ二人とも」
呼び止められる。
その声に振り替える二つの顔が対照的なのは言うまでもない。
「ライフィセット。逸る気持ちはわかるが、無策で突っ込んでいい相手じゃあない。...わかるな?」
「う...ご、ごめん」
「う...ご、ごめん」
ブチャラティの指摘に、ライフィセットは思わずしゅん、と顔を伏せる。
彼の言うことは正しい。
ベルベットが魔王と化したのはほんの数時間前。
ムネチカと二人かかりでも敢え無く一蹴された上に、自分もようやく調子を取り戻してきたというだけで、パワーアップを果たしたわけじゃない。
そんな状況下で今の彼女のもとに向かえば今度こそ殺されるのは、言わずともわかる。
そして自分が殺されるということは、ここにいる梔子やブチャラティを筆頭に、別の場所にいる仲間たちにも被害を被る話だということも。
だから素直に己を顧みるし、悪いと思っているのでしゅんと縮こまる。
ムネチカと二人かかりでも敢え無く一蹴された上に、自分もようやく調子を取り戻してきたというだけで、パワーアップを果たしたわけじゃない。
そんな状況下で今の彼女のもとに向かえば今度こそ殺されるのは、言わずともわかる。
そして自分が殺されるということは、ここにいる梔子やブチャラティを筆頭に、別の場所にいる仲間たちにも被害を被る話だということも。
だから素直に己を顧みるし、悪いと思っているのでしゅんと縮こまる。
「梔子もだ。復讐心を否定するつもりはないが...」
「断る。引く理由などどこにもない」
「断る。引く理由などどこにもない」
一方で、梔子は怒気を露わにブチャラティに異を唱える。
もともと、梔子は一人で琵琶坂を殺したいと願っていた。
事故死なんて曖昧な結末ではなく。
この手で決着をつけなければ意味はないと、既に身をもって知っている。
行方が知れなかった段階ならばいざ知らず。
ここにいるとまで宣言されたなら、見逃すいわれはない。
事故死なんて曖昧な結末ではなく。
この手で決着をつけなければ意味はないと、既に身をもって知っている。
行方が知れなかった段階ならばいざ知らず。
ここにいるとまで宣言されたなら、見逃すいわれはない。
「あなたたちが行かなくても構わない。私一人で行くだけだ」
例え敵でなくとも邪魔をするなら協力する謂れはない。
それならば、やはり一人で動いたほうが得策だ。
それならば、やはり一人で動いたほうが得策だ。
「...そこまで腹をくくっているのなら止められる言葉はないな」
「ブチャラティ...」
「ブチャラティ...」
わかってくれたか、と梔子が安堵の息を吐いたまさにその刹那。
「だが!」
ブチャラティのスタンド『スティッキィ・フィンガーズ』の腕が出現し、間髪入れずに梔子の右足を叩いた。
「なっ!?」
驚く梔子に躊躇せず、スティッキィ・フィンガーズは取り付けられたジッパーを引き、右足を分断する。
「きみが『自殺をしたい』のではなく『復讐を果たしたい』、というのなら、今のをよけられない時点で論外。ただ殺されて終わりが現実だ。きみならわかるな、ライフィセット」
「うん...僕は琵琶坂っていう人のことは知らないけれど、ベルベットのことはよく知ってる。ベルベットなら今のだって全然反応できたし、敵だってみなされてたら容赦なく梔子のことも殺すと思う」
「っ...!」
「うん...僕は琵琶坂っていう人のことは知らないけれど、ベルベットのことはよく知ってる。ベルベットなら今のだって全然反応できたし、敵だってみなされてたら容赦なく梔子のことも殺すと思う」
「っ...!」
二人の言葉に梔子は目を見開き、なにかを言い返そうとするも、唇を噛みしめ口をつぐむ。
ただ殺されて終わり。
実体験を伴った無慈悲なその宣告が、彼女の思考をかえって冷静にさせる。
ただ殺されて終わり。
実体験を伴った無慈悲なその宣告が、彼女の思考をかえって冷静にさせる。
(...二人の、言う通りだな)
いまテレビ局にいる琵琶坂が自分の知る琵琶坂であるなら、実力的にはあまり変わらないはず。
しかし、今の自分にはμの恩恵はなく、なにより火のトラウマがある。
ただ苦手、というレベルではなく、呼吸困難に陥るほどにだ。
そして何の因果か、琵琶坂のカタルシスエフェクトは火を伴っている。
しかし、今の自分にはμの恩恵はなく、なにより火のトラウマがある。
ただ苦手、というレベルではなく、呼吸困難に陥るほどにだ。
そして何の因果か、琵琶坂のカタルシスエフェクトは火を伴っている。
つまり対面した時点で圧倒的に不利であり、ましてや迎え撃とうとしている奴に不意打ちは難しい。
そんなことは言われるまでもなくわかっていなければならないことだ。
それすら考え及ばず乗り込んだところで、ブチャラティの言う通り、これではただの自殺だ。
誰かに仕留められるよりも避けるべき事態である。
そんなことは言われるまでもなくわかっていなければならないことだ。
それすら考え及ばず乗り込んだところで、ブチャラティの言う通り、これではただの自殺だ。
誰かに仕留められるよりも避けるべき事態である。
「...すまない。あなたたちの言う通りだ」
結局、梔子もまたライフィセットのように、強行を断念するほかなかった。
三人はテレビ局に向かっていた進路を変え、道中の刑務所に立ち寄ることにした。
テレビ局が危険だというのはわかったが、わざわざ向こうから居場所を教えて待っているのなら、逆に言えば別の施設で出くわすということはないということ。
故に探索をしてから、一度戻り、戦力を立て直そう。それが三人の方針だった。
テレビ局が危険だというのはわかったが、わざわざ向こうから居場所を教えて待っているのなら、逆に言えば別の施設で出くわすということはないということ。
故に探索をしてから、一度戻り、戦力を立て直そう。それが三人の方針だった。
とはいえ、刑務所にあるのはこれといって特筆したものもなく。
デイバックからシルバを出して四人で探したが、あったのは牢屋などに基本設備に、電話や電話帳、冷蔵庫や水道などの最低限の生活品程度で。
特段、変わった様子もなく、さしたる収穫もなかったのだが。
デイバックからシルバを出して四人で探したが、あったのは牢屋などに基本設備に、電話や電話帳、冷蔵庫や水道などの最低限の生活品程度で。
特段、変わった様子もなく、さしたる収穫もなかったのだが。
「...stork...」
唯一の収穫といえたのが、梔子と友好的だったstorkの姿が監視カメラから確認できたことだ。
もう一人は三人とも見覚えがない男であったが、カナメから聞いていた特徴と照らし合わせれば折原臨也であることがうかがい知れた。
詳細な会話までは聞き取れなかったが、情報通り、彼らもまた殺し合いに抗っていたのだろう。
詳細な会話までは聞き取れなかったが、情報通り、彼らもまた殺し合いに抗っていたのだろう。
変態ではあれど善人でもあった。友達、とは言い切れなくても、友好的な人間であった。
ほんの数時間前まではここにいた彼の喪失を改めて味わう梔子の顔に影がさす。
ほんの数時間前まではここにいた彼の喪失を改めて味わう梔子の顔に影がさす。
「......」
そんな彼女の様子を伺いつつも、ライフィセットは無言でじっと見つめ、やがて意を決したかのように口を開く。
「あのさ、ブチャラティ。その...どうにかしてベルベットの様子がわかる方法とかはないかな」
「?今は彼女たちに近づくべきではないと...」
「うん。わかってる。それには僕も賛成してる。でも...ここはさ、殺し合いなんだよ。いまこうしてる時だって、いつ、だれが終わっちゃうかもわからないんだ」
「?今は彼女たちに近づくべきではないと...」
「うん。わかってる。それには僕も賛成してる。でも...ここはさ、殺し合いなんだよ。いまこうしてる時だって、いつ、だれが終わっちゃうかもわからないんだ」
Storkの死に心を痛めている梔子を、それだけでなくここに至るまでに見てきた仲間の喪失を嘆く者たちを、なによりエレノアやマギルゥを失った己を顧みて思う。
人は死ぬ。それも、ここで死にますと予告されるような劇的な場面だけでなく。ちょっとしたことで。些細なすれ違いで。自分の知らないところで。あっけなく。前触れもなく。
梔子とStorkがどういった関係かまでは深くはわからない。ただ、本で読む物語のような、とても印象深くきれいな最後の会話ではなかったはずだ。
人は死ぬ。それも、ここで死にますと予告されるような劇的な場面だけでなく。ちょっとしたことで。些細なすれ違いで。自分の知らないところで。あっけなく。前触れもなく。
梔子とStorkがどういった関係かまでは深くはわからない。ただ、本で読む物語のような、とても印象深くきれいな最後の会話ではなかったはずだ。
そんな中で不安に駆られてしまった。
もしもこの先、ほどなくして自分が死んでしまったら。もしもベルベットがああして呼びかけたことで誰かに殺されてしまったら。
自分と彼女の最後の会話は
もしもこの先、ほどなくして自分が死んでしまったら。もしもベルベットがああして呼びかけたことで誰かに殺されてしまったら。
自分と彼女の最後の会話は
『煩い』
偽物だと侮蔑され。弟の皮を被った化け物だと、アルトリウスの下僕だと唾棄されて。
存在すら煩わしいとごみを見るような目で見降ろされたあの光景。
自分にとってベルベットは、すべての始まりだ。
道具の自分の手を引いてくれた。
自分が生きていることを教えてくれた。
『ドキドキ』することの意味を教えてくれた。
存在すら煩わしいとごみを見るような目で見降ろされたあの光景。
自分にとってベルベットは、すべての始まりだ。
道具の自分の手を引いてくれた。
自分が生きていることを教えてくれた。
『ドキドキ』することの意味を教えてくれた。
そんな彼女との最後の会話が。光景がアレになるかもしれない。
それがたまらなく不安になったのだ。
「会わなくてもいいんだ。ベルベットみたいに周りに言いふらしもしない。ただ、一目だけ見られれば...」
言いながら、語気が弱まっていくのを自覚する。
―――いま、すごく我儘を言ってる。
自分の言った通り、ここは殺し合いだ。
ちょっとの隙で誰かに殺されるかもしれない。こちらから探知したせいで、ベルベットがこちらの場所に気づいて戦闘にでもなれば確実に犠牲が出る。
ちょっとの隙で誰かに殺されるかもしれない。こちらから探知したせいで、ベルベットがこちらの場所に気づいて戦闘にでもなれば確実に犠牲が出る。
もしも自分が聞かされた立場なら、絶対に反対する。特に、梔子からしてみれば自分は止められたのにと怒りさえ抱いてもおかしくない。
こんなの、全然合理的じゃない。みんなの迷惑だ。ただ勝手に不安に煽られているだけで、やる必要もない。だから撤回するべきだ。
そう理解しているはずなのに―――ごめん、の一言すら口が動かせない。
こんなの、全然合理的じゃない。みんなの迷惑だ。ただ勝手に不安に煽られているだけで、やる必要もない。だから撤回するべきだ。
そう理解しているはずなのに―――ごめん、の一言すら口が動かせない。
「...気持ちはわかるが、見ることは適わないな。そもそも双眼鏡もないんだからな」
そのブチャラティの窘めにも近い言葉にライフィセットは落胆する。
が、一方で。これで良かったかもしれないとも思う。
もしもここで止められたら、梔子の時よりも食い下がって揉めてしまったかもしれないから。
が、一方で。これで良かったかもしれないとも思う。
もしもここで止められたら、梔子の時よりも食い下がって揉めてしまったかもしれないから。
「ただ、向こうの問題にはなるが...声くらいならやり取りできるかもしれないな」
「え?」
「あそこに黒いのがあるだろう?」
「え?」
「あそこに黒いのがあるだろう?」
ブチャラティが顎でしゃくった先にあるのは、黒のプッシュボタン式電話だ。
「あの電話に向こうが応答してくれれば会話ができる。試してみたらどうだ?」
「えっ、えっと...いいの?」
「えっ、えっと...いいの?」
ライフィセットはキョトンと目を丸くする。
自分の言ったことは、自分でも不適切だと思っていた。
それがこうもあっさりと認められれば、嬉しさよりも戸惑いが勝ってしまう。
自分の言ったことは、自分でも不適切だと思っていた。
それがこうもあっさりと認められれば、嬉しさよりも戸惑いが勝ってしまう。
「迷惑、かけちゃうかもしれないんだよ?」
「否定はしないさ。きみが俺の部下であれば気持ちは抑えろと言ったかもしれない。だが、俺たちは対等な同志である仲間だ。俺が決めたことに反対も賛同も、どうするかはきみが決めることだ。勿論、あまりにもこちらが不利になるような情報を与えそうになったら止めるつもりだが」
「......」
「否定はしないさ。きみが俺の部下であれば気持ちは抑えろと言ったかもしれない。だが、俺たちは対等な同志である仲間だ。俺が決めたことに反対も賛同も、どうするかはきみが決めることだ。勿論、あまりにもこちらが不利になるような情報を与えそうになったら止めるつもりだが」
「......」
ライフィセットはブチャラティを数秒見つめた後、チラ、と梔子に、シルバへも目を移す。
「...君たちと、私たちの関係はまるで違うんだ。そこの分別はついている」
ライフィセットとベルベット。梔子と琵琶坂。
片や親近と片や復讐では、同じ行為でも望むものがまるきり違う。
だから、ライフィセットがベルベットの声を聞いたからといって、梔子が琵琶坂の声を聞きたいだなんて微塵も思わない。
故にライフィセットだけが権利を得たとて、そこにはなんの不満も抱かない。
片や親近と片や復讐では、同じ行為でも望むものがまるきり違う。
だから、ライフィセットがベルベットの声を聞いたからといって、梔子が琵琶坂の声を聞きたいだなんて微塵も思わない。
故にライフィセットだけが権利を得たとて、そこにはなんの不満も抱かない。
「僕は...わからないけど、2ご...ライフィセットにとって意味があるなら、いいんじゃないかなと思う」
シルバは不満というよりは困惑を抱いている。が、それは自分にはわからないが、自分とは違う道を進んでいるように見えるライフィセットにとって大切なことであるのなら、否定することもないと彼なりに考えた。
「みんな...ありがとう」
「彼女たちはテレビ局にいると言っていたな...よし、電話帳にも載っている」
「彼女たちはテレビ局にいると言っていたな...よし、電話帳にも載っている」
ブチャラティは慣れた手つきでボタンを押し、受話器をそのままライフィセットに渡す。
「相手の声が聞こえてきたらそのまま話せる。ただ、もしも出たのがベルベットではなく琵琶坂だったらすぐに俺に渡してくれ。話を聞く限り、琵琶坂という男はかなり狡猾だ。下手な会話はこちらに付け込まれる可能性が高いからな」
「うん、わかった」
「うん、わかった」
ブチャラティに言われた通りに受話器を耳に当てる。
鼓膜に囁くような電子音に、ちょっとした興奮と高揚感を得られる。
それは未知の機械に触れる無邪気な喜びだけでなく。
鼓膜に囁くような電子音に、ちょっとした興奮と高揚感を得られる。
それは未知の機械に触れる無邪気な喜びだけでなく。
もしかしたら、声だけでも彼女と会えるかもしれない。そんな期待が彼の胸を高鳴らせていた。
もちろん不安もある。
もしも自分が考えていた通りに、この彼女が自分と出会う前の彼女であれば。
また偽物だと、侮蔑と怒りを向けられるだけかもしれない。病院でシルバと話したように、辛くて痛い気持ちを味わうだけかもしれない。
それでも。
今はただ、彼女の声を聞きたい。
それだけでいっぱいだった。
もしも自分が考えていた通りに、この彼女が自分と出会う前の彼女であれば。
また偽物だと、侮蔑と怒りを向けられるだけかもしれない。病院でシルバと話したように、辛くて痛い気持ちを味わうだけかもしれない。
それでも。
今はただ、彼女の声を聞きたい。
それだけでいっぱいだった。
プルル、プルル、と耳元で囁かれる電子音は既に10回。
出ないかな、とブチャラティに返そうとしたまさにその時だった。
『...だれ?』
声がした。
凛々しくも、どこか柔らかみのある女性の声が。
凛々しくも、どこか柔らかみのある女性の声が。
「ベルベット...」
『っ!?えっ、あっ、ら、らいふぃせっと?』
予想外の相手だったからか、電話越しでもわかるほどに取り乱しているのがわかった。
その声音に。呼ばれた名前に。
あの電車で向けられた純然たる殺意とはまるきり違うソレらに、ライフィセットは。
その声音に。呼ばれた名前に。
あの電車で向けられた純然たる殺意とはまるきり違うソレらに、ライフィセットは。
―——ぶわり、と胸の奥からなにかがせりあがるような感覚を覚えた。
「うっ、うん。僕だよ、ベルベット!」
気が付けば思わず声に色づいていた。
頭の中では、もっと落ち着いて話すつもりだったのに。
言いたいことはいくらでもあったはずなのに。
ただただ、名前を呼ばれたことへの歓喜が勝った。
頭の中では、もっと落ち着いて話すつもりだったのに。
言いたいことはいくらでもあったはずなのに。
ただただ、名前を呼ばれたことへの歓喜が勝った。
その喜色に、他の三人は思わずぽかんと開口していたが、今の彼の眼には映っていなかった。
『ちょっ、ちょっと待って...はぁ』
あからさまに動揺して。落ち着くために息を整えて。
ライフィセットの記憶に、ベルベットのこんな姿はなかった。
先刻の魔王としてでの顔ではなくて。そこにいたのは自分の知らないベルベット・クラウで。
けれど、確かにベルベット・クラウそのものに思えて。
ライフィセットの記憶に、ベルベットのこんな姿はなかった。
先刻の魔王としてでの顔ではなくて。そこにいたのは自分の知らないベルベット・クラウで。
けれど、確かにベルベット・クラウそのものに思えて。
「―――ふふっ、らしくないねベルベット。どっちかというとエレノアみたいだよ」
『うっ、うるさいわね...私、そいつのこと知らないんだけど』
「...もしかして拗ねてる?」
『拗ねてないわよ』
『うっ、うるさいわね...私、そいつのこと知らないんだけど』
「...もしかして拗ねてる?」
『拗ねてないわよ』
彼にはそれがたまらなく嬉しかった。
「...ブチャラティさん。話が違うようだが...」
梔子はブチャラティとライフィセットからは、いまのベルベットは危険人物だと聞かされていた。それにライフィセットにも異様なほど憎悪を向けていたとも。
それが、この電話から漏れ出る声音はなんだ。ライフィセットとかわしているやり取りはなんだ。
想像していた凶悪さとは真逆のただの女の子のようではないか。
それが、この電話から漏れ出る声音はなんだ。ライフィセットとかわしているやり取りはなんだ。
想像していた凶悪さとは真逆のただの女の子のようではないか。
「俺も驚いている...こうなるとは想像だにできなかった」
それはブチャラティも同じだ。
実際にこの目で見たのは僅かな時間であるが、もしもライフィセットの仲間であるという前提が無ければ、排除は妥当であると言わざるを得ないほどに、彼女は暴と殺意に塗れていた。
実際にこの目で見たのは僅かな時間であるが、もしもライフィセットの仲間であるという前提が無ければ、排除は妥当であると言わざるを得ないほどに、彼女は暴と殺意に塗れていた。
「......」
シルバもまた言葉を失っていた。
ただ、その原因となるのはベルベットではなく、ライフィセットの方だが。
ただ、その原因となるのはベルベットではなく、ライフィセットの方だが。
(笑ってる...?)
対魔士に使役される聖隷は、基本的にその意思と心を封じられる。
その方が道具として扱いやすいからだ。
それは自分と二号も例外ではなかった。
その方が道具として扱いやすいからだ。
それは自分と二号も例外ではなかった。
なのに、目の前の彼はベルベットの声を聞いて笑顔になっている。
病院で容体を看ていた時は苦しんでいたし、その時点で自分よりも感情豊かになっているとは知っていたけれど。
いまのはにかむ彼の顔は、感情を持つヒトとなんら変わりなく見えて。
病院で容体を看ていた時は苦しんでいたし、その時点で自分よりも感情豊かになっているとは知っていたけれど。
いまのはにかむ彼の顔は、感情を持つヒトとなんら変わりなく見えて。
(僕も、あんなふうにできるのかな)
垣根には自分の道は自分で考えろ、命令を聞くだけの木偶は要らないと言われた。
ライフィセットには、感情は苦しくて痛くて辛いものだけど、そのあとに楽しいことや良かったことも作れると言われた。
ライフィセットには、感情は苦しくて痛くて辛いものだけど、そのあとに楽しいことや良かったことも作れると言われた。
もしも自分が、ただの道具として扱われていなかったら。もしもあの時、手を引かれたのが二号ではなく自分だったら。
ああやって、楽しいことを得られたのだろうか。
ああやって、楽しいことを得られたのだろうか。
「...羨ましいな」
ぽつりと呟かれた言葉は誰にも届かず。
ただ、不満や嫉妬とも呼べぬ、純粋な本音がぽろりと空気に零れ落ちた。
ただ、不満や嫉妬とも呼べぬ、純粋な本音がぽろりと空気に零れ落ちた。
「それで、その...僕のことはもう偽物って怒らないの?」
『あー...そんなことも言ってたわね。忘れてくれると助かるわ』
「えー、無理だよ。あの時はすごく傷ついたんだからね。ちゃんと謝ってほしいな」
『あんた見かけによらず強情なのね...悪かったわよ』
『あー...そんなことも言ってたわね。忘れてくれると助かるわ』
「えー、無理だよ。あの時はすごく傷ついたんだからね。ちゃんと謝ってほしいな」
『あんた見かけによらず強情なのね...悪かったわよ』
剣呑さとは無縁の会話を続ける二人に、見守る三人は思う。
ベルベットへ抱いていた警戒心は既に杞憂に終わっていて。
このまますんなり和解して終わるのではないかと。
ベルベットへ抱いていた警戒心は既に杞憂に終わっていて。
このまますんなり和解して終わるのではないかと。
「―――でも、僕を殺すつもりなんだね」
『...ええ。あんたを殺して先へと進む。それが私の選んだ道よ』
『...ええ。あんたを殺して先へと進む。それが私の選んだ道よ』
その幻想は、他ならぬライフィセット自身の口から踏み込み壊されたが。
「そっか...うん、わかった。なら、僕はもう説得なんてしないよ」
愛しきものからの殺意を聞かされたというのに、ライフィセットの声音は微塵も変わっていない。
先ほどまでの喜色は変わらず、微笑も携えたそのままの顔で。
先ほどまでの喜色は変わらず、微笑も携えたそのままの顔で。
「ベルベットはさ、もう僕を憎んでないんだよね?」
『ええ。だから偽物だって言ったことには謝った』
「じゃあこれは喧嘩だね。あの時の続きじゃなくて、僕とベルベットの喧嘩」
『そうね。命を落とすかもしれないけど、きっと喧嘩ね』
「それならいいよ。今すぐじゃないけど、必ず会いに行くから。絶対に負けないからね、ベルベット」
『ええ。望むところよ。...またね、ライフィセット』
『ええ。だから偽物だって言ったことには謝った』
「じゃあこれは喧嘩だね。あの時の続きじゃなくて、僕とベルベットの喧嘩」
『そうね。命を落とすかもしれないけど、きっと喧嘩ね』
「それならいいよ。今すぐじゃないけど、必ず会いに行くから。絶対に負けないからね、ベルベット」
『ええ。望むところよ。...またね、ライフィセット』
互いの宣誓は相成り、ぷつりと電話が切れた。
「これで終わった...のかな」
「ああ。...本当に、今ので良かったのか?」
「ああ。...本当に、今ので良かったのか?」
受話器を受け取ったブチャラティは改めて尋ねる。
ライフィセットがどれだけベルベットを想っているかは、数時間の付き合いでもわかった。
そんな相手と敵対宣言をしたのだから、気にかけるなという方が無理な話だ。
ライフィセットがどれだけベルベットを想っているかは、数時間の付き合いでもわかった。
そんな相手と敵対宣言をしたのだから、気にかけるなという方が無理な話だ。
「うん。大丈夫だよ。僕のやることは変わらない。ベルベットと戦って、勝って、また一緒に戦うんだ。だって、ベルベットは僕の大切な人だから」
そう言い切る彼の顔には、悲壮感など欠片もない。
話している内に理解(わ)かったからだ。
今の彼女は魔王なんかじゃなくて。ベルベット・クラウとして、自分を超えると決意していると。
どうして魔王じゃなくなったかはわからないが、そんなのはまた本人が話したくなった時に話せばいい。
小難しい理屈なんかより、男らしく正面から受けてやれ。ロクロウやアイゼンならそう言いそうだし、自分もそうありたいと願っている。
話している内に理解(わ)かったからだ。
今の彼女は魔王なんかじゃなくて。ベルベット・クラウとして、自分を超えると決意していると。
どうして魔王じゃなくなったかはわからないが、そんなのはまた本人が話したくなった時に話せばいい。
小難しい理屈なんかより、男らしく正面から受けてやれ。ロクロウやアイゼンならそう言いそうだし、自分もそうありたいと願っている。
だから思うのだ。彼女を戻さなきゃという使命感なんかじゃなくて。ライフィセット自身もまた、ベルベットに勝ってみたいと。
いつまでも子供じゃなくて、立派な男の子として頼られたいと。
いつまでも子供じゃなくて、立派な男の子として頼られたいと。
そんな、どこまでも前向きに決意するライフィセットに吊られるように、シルバもまた決意する。
「ではシルバ。これから来た道を戻るからまたカバンの中に」
「ううん、大丈夫」
「ううん、大丈夫」
ブチャラティの気遣いを、シルバは自ら拒否をする。
「自分で歩くよ。迷惑はかけないから...かけたくないから」
「...そうか。わかった」
「...そうか。わかった」
道具として立場に甘んじるのではなく、自分も一人の存在として経験を重ねれば。
ライフィセットとなった二号のように、自分も何者かに成れるかもしれない。
それが垣根の言っていた、自分の道を決めることにつながるのかもしれない。
ライフィセットとなった二号のように、自分も何者かに成れるかもしれない。
それが垣根の言っていた、自分の道を決めることにつながるのかもしれない。
そのための一歩として、彼は、先に行く三人の後を追い、床を踏みしめた。
【G-6/真夜中/刑務所/一日目】
【ブローノ・ブチャラティ@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】
[状態]:疲労(中)、強い決意、全身に火傷、ダメージ(中)
[服装]:普段の服装
[装備]:
[道具]:不明支給品1~3、 サーバーアクセスキー マギルゥのメモ 身体ストック(ライフィセットの両腕、ブチャラティの左腕使用済)
[思考]
基本:殺し合いを止めて主催を倒す。
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:魔王ベルセリアへの対処。
2:ヴライが生き残って襲ってきたら対処。
3:自称ブチャラティ(ディアボロ)に対して警戒。
[状態]:疲労(中)、強い決意、全身に火傷、ダメージ(中)
[服装]:普段の服装
[装備]:
[道具]:不明支給品1~3、 サーバーアクセスキー マギルゥのメモ 身体ストック(ライフィセットの両腕、ブチャラティの左腕使用済)
[思考]
基本:殺し合いを止めて主催を倒す。
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:魔王ベルセリアへの対処。
2:ヴライが生き残って襲ってきたら対処。
3:自称ブチャラティ(ディアボロ)に対して警戒。
[備考]
※参戦時期はフーゴと別れた直後。身体は生身に戻っています。
※九郎、新羅と知り合いの情報を交換しました。
※画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。
※新羅から罪歌についての概要を知りました。
※垣根と情報交換をしました。
※霊夢、カナメと情報交換をしました。
※持ち出した身体ストックはブチャラティ、九郎、ライフィセット、梔子、ア
リア、新羅のもののみです。
※隼人、クオン、早苗らと情報交換をしました。
※参戦時期はフーゴと別れた直後。身体は生身に戻っています。
※九郎、新羅と知り合いの情報を交換しました。
※画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。
※新羅から罪歌についての概要を知りました。
※垣根と情報交換をしました。
※霊夢、カナメと情報交換をしました。
※持ち出した身体ストックはブチャラティ、九郎、ライフィセット、梔子、ア
リア、新羅のもののみです。
※隼人、クオン、早苗らと情報交換をしました。
【ライフィセット@テイルズ オブ ベルセリア】
[状態]:強い倦怠感、全身のダメージ(大)、疲労(中)、強い決意
[服装]:いつもの服装
[装備]:ミスリルリーフ@テイルズ オブ ベルセリア(枚数は不明)
[道具]:基本支給品一色、果物ナイフ(現実)、不明支給品×2(本人確認済み)本屋のコーナーで調達した色々な世界の本(たくさんある)
[思考]
基本:ベルベットを元に戻して、殺し合いから脱出する
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:ブチャラティ達と行動する
2:ムネチカへの心配
3:ベルベットの同行者(夾竹桃、麦野)への警戒
4:ロクロウ達との合流
5:ヴライがアンジュを殺しているならムネチカやその仲間達に伝えるべき?
6:エレノア、マギルゥ……。
[状態]:強い倦怠感、全身のダメージ(大)、疲労(中)、強い決意
[服装]:いつもの服装
[装備]:ミスリルリーフ@テイルズ オブ ベルセリア(枚数は不明)
[道具]:基本支給品一色、果物ナイフ(現実)、不明支給品×2(本人確認済み)本屋のコーナーで調達した色々な世界の本(たくさんある)
[思考]
基本:ベルベットを元に戻して、殺し合いから脱出する
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:ブチャラティ達と行動する
2:ムネチカへの心配
3:ベルベットの同行者(夾竹桃、麦野)への警戒
4:ロクロウ達との合流
5:ヴライがアンジュを殺しているならムネチカやその仲間達に伝えるべき?
6:エレノア、マギルゥ……。
[備考]
※参戦時期は新聖殿に突入する直前となります。
※異世界間の言語文化の統一に違和感を持っています。
※志乃のあかりちゃん行為はほとんど見てません。
※呼ばれた時間に差がある事に気づきました。
※梔子と聖隷契約をしました。
※現在はデイパックの中にシルバがいます。
※隼人、クオン、早苗と情報交換をしました。
※参戦時期は新聖殿に突入する直前となります。
※異世界間の言語文化の統一に違和感を持っています。
※志乃のあかりちゃん行為はほとんど見てません。
※呼ばれた時間に差がある事に気づきました。
※梔子と聖隷契約をしました。
※現在はデイパックの中にシルバがいます。
※隼人、クオン、早苗と情報交換をしました。
【梔子@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】
[状態]:健康、疲労(中)、精神的ダメージ、レインの仮説による精神的疲労(少し回復)
[服装]:メビウスの服装
[装備]:ストップウォッチ@東方project(1回使用)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(心許ないもの)、静雄のデイバック(基本支給品、ランダウ支給品×1~2)、ライフボトル×2@テイルズオブベルセリア
[状態・思考]
基本行動方針:琵琶坂永至に然るべき報いを。
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:当面はライフィセット達と行動
2:彩声の義理を返す為、レインを死なせないようにする。
3:琵琶坂永至が本人か確かめる。
4:琵琶坂を擁護する限りアリアとは行動を共にしない。
5:本当に死者が生き返るなら……
6:煉獄さん……天本彩声……
7:私が虚構かもしれない、か……
[備考]
※参戦時期は帰宅部ルートクリア後、
また琵琶坂が死亡しているルートです。
※キャラエピソードの進行状況は少なくとも誕生日のコミュは迎えてます。
※静雄、レインと情報交換してます。
※ブチャラティ、霊夢達と情報交換をしました。
※ライフィセットと聖隷契約をしました。
※隼人、クオン、早苗と情報交換をしました。
[状態]:健康、疲労(中)、精神的ダメージ、レインの仮説による精神的疲労(少し回復)
[服装]:メビウスの服装
[装備]:ストップウォッチ@東方project(1回使用)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(心許ないもの)、静雄のデイバック(基本支給品、ランダウ支給品×1~2)、ライフボトル×2@テイルズオブベルセリア
[状態・思考]
基本行動方針:琵琶坂永至に然るべき報いを。
0:来た道を戻り、隼人たちやクオンたちと合流して戦力を整える。
1:当面はライフィセット達と行動
2:彩声の義理を返す為、レインを死なせないようにする。
3:琵琶坂永至が本人か確かめる。
4:琵琶坂を擁護する限りアリアとは行動を共にしない。
5:本当に死者が生き返るなら……
6:煉獄さん……天本彩声……
7:私が虚構かもしれない、か……
[備考]
※参戦時期は帰宅部ルートクリア後、
また琵琶坂が死亡しているルートです。
※キャラエピソードの進行状況は少なくとも誕生日のコミュは迎えてます。
※静雄、レインと情報交換してます。
※ブチャラティ、霊夢達と情報交換をしました。
※ライフィセットと聖隷契約をしました。
※隼人、クオン、早苗と情報交換をしました。
【シルバ@テイルズ オブ ベルセリア】
[状態]:健康
[思考]
基本:ゲームを止める人たちの手助けをする。
0:自分の足で歩いて、少しでもライフィセットに近づきたい
1:ライフィセットたちと行動する。
[状態]:健康
[思考]
基本:ゲームを止める人たちの手助けをする。
0:自分の足で歩いて、少しでもライフィセットに近づきたい
1:ライフィセットたちと行動する。
「ふうっ...」
電話を置き、一息を吐くベルベット。
「絶対に負けないからね、か」
ただではやられないという宣戦に、ベルベットは思わず頬が緩みそうになる。
やはりというべきか。彼はいまだに自分を強く意識してくれている。
あれだけ酷いことをしたのに。痛めつけて、腐るほど罵倒したのに。
それでもなお、自分をベルベット・クラウだと認めてくれている。
戦闘狂でもないのに、彼と全霊で戦えることに喜びすら感じている。
やはりというべきか。彼はいまだに自分を強く意識してくれている。
あれだけ酷いことをしたのに。痛めつけて、腐るほど罵倒したのに。
それでもなお、自分をベルベット・クラウだと認めてくれている。
戦闘狂でもないのに、彼と全霊で戦えることに喜びすら感じている。
突然の電話にも咄嗟に出てしまった甲斐があったというものだ。
「......」
ふと、己の持つ受話器を見ながら疑問に思う。
どうして、私は電話を使うことができたのだろう?
だってそうだろう。
私の世界には、こんなもの存在していなかったのだから。
それがまるで、当然のように受話器を取って、ボタンを押して通話した。
本来ならあり得ない行為だ。
だってそうだろう。
私の世界には、こんなもの存在していなかったのだから。
それがまるで、当然のように受話器を取って、ボタンを押して通話した。
本来ならあり得ない行為だ。
「これも、μに皮を被せられた誰かさんの影響、ってことかしらね」
魔王という虚構と現実の狭間にたったからこそ、理屈ではなく実感としてわかる。
いまここにいる自分は、ベルベット・クラウのデータを被せられた別人だということが。
その『誰かさん』はきっと『電話のある世界』に住む存在であって。
自分はさんざん魔王だの罪歌汚染だのゲッター線の干渉だのと、意図せずバグを多く取り込んだから、綻びでも出たのだろうか。
いまここにいる自分は、ベルベット・クラウのデータを被せられた別人だということが。
その『誰かさん』はきっと『電話のある世界』に住む存在であって。
自分はさんざん魔王だの罪歌汚染だのゲッター線の干渉だのと、意図せずバグを多く取り込んだから、綻びでも出たのだろうか。
「偽物、かぁ。どの口が言ってるのやら」
電車の上で詰っていた時は、彼を偽物だ、弟の皮を被った化け物だのと罵倒していたが、今の自分の方がどう見たって偽物だし皮を被った化け物だ。
魔王と化す前に垣間見た記憶では、ライフィセットにあんな情けない姿を見せてはいなかった。
これこそまさに『ベルベット・クラウっぽい誰かさん』に他ならないじゃないか。
魔王と化す前に垣間見た記憶では、ライフィセットにあんな情けない姿を見せてはいなかった。
これこそまさに『ベルベット・クラウっぽい誰かさん』に他ならないじゃないか。
(ま、そんなことで不貞腐れるほどピュアじゃないけど)
もしも、ライフィセットと共に旅をしてきた本物のベルベット・クラウに会えたらちょっとばかり自慢してやりたいくらいだ。
私はお前の偽物かもしれないけれど。
私は彼と全力で戦って。彼もまた私と全力で戦ってくれる。
そんな、お前が経験することのないことを実践してやったぞ、と。
私はお前の偽物かもしれないけれど。
私は彼と全力で戦って。彼もまた私と全力で戦ってくれる。
そんな、お前が経験することのないことを実践してやったぞ、と。
(そのためには生き残らなくちゃね。私も、あの子も)
ここは殺し合い。ロマンチックな夢に溺れても、それが叶うとは限らない。
実際、自分が幾つも死をもたらしてきたのだから、何が起ころうと自業自得だ。
その因果に負けないように、彼女は彼ともう一度向き合う光景を思い描きながら。
実際、自分が幾つも死をもたらしてきたのだから、何が起ころうと自業自得だ。
その因果に負けないように、彼女は彼ともう一度向き合う光景を思い描きながら。
今はただその時のために身体を休めるのだった。
【一日目/真夜中/Hー5/テレビ局】
【ベルベット・クラウ@テイルズオブベルセリア】
[状態]:疲労(大)、全身にダメージ(大)、????を注入された。気分スッキリ。
[服装]:いつもの服装 (新品)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:復讐を果たす。私のやりたいことはソレだ。
0:テレビ局で他の参加者を待ち受ける。
1:琵琶坂永至、信用ならないが利用する。
2:会いたい...ライフィセット
3:『ゲッター』は邪魔をするなら排除する。
[備考]
※牢獄でのオスカー戦後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※恐らく『絶対能力者』へ到達しました。恐らく『その先』にも到達する可能性があります。
※夾竹桃の知っている【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
[状態]:疲労(大)、全身にダメージ(大)、????を注入された。気分スッキリ。
[服装]:いつもの服装 (新品)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:復讐を果たす。私のやりたいことはソレだ。
0:テレビ局で他の参加者を待ち受ける。
1:琵琶坂永至、信用ならないが利用する。
2:会いたい...ライフィセット
3:『ゲッター』は邪魔をするなら排除する。
[備考]
※牢獄でのオスカー戦後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※恐らく『絶対能力者』へ到達しました。恐らく『その先』にも到達する可能性があります。
※夾竹桃の知っている【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
※複合能力 『災禍顕現』を習得しました。本人の拡大解釈を以て穢れを様々な形として行使できる能力です。
...が、本人が魔王になるつもりがないので出力は大幅に下がっています。
...が、本人が魔王になるつもりがないので出力は大幅に下がっています。
| 前話 | 次話 | |
| 悪魔の契約 | 投下順 | --- |
| 前話 | キャラクター | 次話 |
| 追跡セヨ -夜宵のNext Order- | ブローノ・ブチャラティ | --- |
| 追跡セヨ -夜宵のNext Order- | ライフィセット | --- |
| 追跡セヨ -夜宵のNext Order- | 梔子 | --- |
| 1/3の純情な感情 | ベルベット・クラウ | --- |