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連載 - サムディ男爵-06

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サムディ男爵 06


「…それで?我輩に話とは何であるか?電話番号なら、いつでも気軽に教えるであるよ」
「いえ、そんな情報はいりません」

 きっぱり、盟主に言い切られ、ゲデはやや残念そうに肩をすくめた
 電話番号に関しては、割と本気である
 美女に教えるのなら、なんら問題はない
 教えてもいい番号と、教えてはいけない番号と、両方持っているのだし

「それでは、何であるか?」
「…あなたが、何者なのか、という事です」

 ストレートに、盟主はそう聞いてきた
 隠す必要が、自分にはあるか?
 ……否、ないのである
 からからと、ゲデは笑う

「我輩、サムディ男爵であるよ?ハイチ生まれの都市伝説……死神であるよ」
「…死神?」

 その単語に、ゲデを縛り上げた少女の兄が、やや警戒したような表情を浮かべた
 からからからと、ゲデは笑う

「警戒しちゃいや~ん!であるよ。死神といっても、我輩、死を振りまくタイプの死神ではないである。あくまでも、死を管理するタイプの死神なのであるよ。殺すとかそう言うのは嫌いである!」
「…それで、ハイチ生まれの死神さんが、何故、こんな島国の…それも、この街にいらしたのですか?」
「からからからからからから!!この街はとぉ~~っても特殊な状態になっているである。だから、であるよ」

 包み隠さず、ゲデはそう口にする
 隠す必要性など、彼は全く感じていない
 悪事を働きにきたのではないのだ
 ならば、堂々としていればいい

「この街はひっじょぉ~~~に!都市伝説が生まれやすい状態になっているである!世界的に見ても、非常に、非常に珍しい状態なのであるよ。当然、あちこちの組織がこの街に興味を持っているである」
「…あまり、面白くない状況ですね」
「そんな顔しちゃいやんである。ビューティフルレディには笑顔が一番であるよ」
「…………

 …バチバチバチっ

「オーマイガっ!?これ以上の電撃プレイは流石に勘弁である」
「それでは、冗談などおっしゃらずに」
「…鬼だ、鬼がいる」

 背後から聞こえてきた呟きは、さらりと無視する盟主
 ゲデは、からからと懲りない様子で笑い、続ける

「まぁ、気持ちはわかるであるよ。組織が集まる、という事は、当然トゥラブルも発生しやすくなるである。事実、我輩が所属している「薔薇十字団」と敵対している組織も、この街に来ているのは事実である。確認できているだけで、二つほど、我輩たちと敵対している組織がこの街には存在しているである」
「…二つもですか」
「しっかぁし!我輩たち「薔薇十字団」は平和主義である!向こうから手を出されない限りバトルはしないである。死神ゲデの名前に誓って、それは事実であるよ?」

 むぅ…と、考え込んでいる様子の盟主
 ゲデの言葉を信じるか否か、悩んでいるようだ

「信じてくれないであるか?ならば、我輩たち「薔薇十字団」は、ユーたちに…ビューティフルレディたちに対して、協力体制を表明しようであるか?「薔薇十字団」で把握している都市伝説がこの街に入り込んだら、情報を提供するであるよ。それが危険な都市伝説であれば、なおの事である!」
「…だから、そちらにも協力しろ、と?」
「そうなるかどうかはわからないである。「薔薇十字団」は割りと意地っ張りの集まりであるからなぁ。割と自分たちだけで何もやろうとするであるから、協力をプリーズするかどうかはわからないである」

 ふむ……と、盟主は考え込んでいる

 からからと笑いながら、ゲデは盟主を見つめた

 先ほど申し出た事は、本心からの言葉である
 「薔薇十字団」が把握している都市伝説となると、自然と欧米諸国や南米の都市伝説に集中する
 自分達としても、自分たちの出身地の都市伝説がこんな島国まで来て騒ぎを起こすようでは、恥ずかしくて仕方ない
 …だからこそ、その情報は逐一、伝えても構わない
 問題を起こすようだったら、お仕置きしてくれてもなんら問題はないのである

 …そして
 自分たちと敵対している組織が、「怪奇同盟」と手を組まれるよりは…こちらで先に協力体制を申し出た方が、ずっとマシなのだ

 考え込む様子も美しい、と思いながら、ゲデはからから笑い、盟主を見つめ続けているのだった





続くかどうかわからない



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