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連載 - サムディ男爵-05

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サムディ男爵 05


「------っは!!」

 ぱちっ!
 亀甲縛りで縛られた男性が、目を覚ました
 その様子に、縛った当人とその兄が、様子を見ようと舌が

「…おやおやおやぁ?ビュ~~~ッティフルな美女に電撃プレイを喰らったと思ったら、今度は縛られてるであるかぁ?
 何とも今日は寂しい思いをしたり美味しい思いをしたりと忙しい日であるよ
 か~~~~っらからからからからからからからから!!!」

 …………

「兄さん、この人、変態です」
「いや、目が覚めたばかりで錯乱しているのかもしれないから、いきなり変態認定はしつれ……いや、変態か?」
「オーマイガっ!?何やら心抉られる会話をされているよっかーーん!?でも我輩負けないであるよ!」

 縛られた状態のまま、からからとその男性は笑う
 黒い、くたびれて古ぼけた黒の燕尾服にシルクハット…それだけならば、落ちぶれ紳士と言ったところだが、その表情はどこか品がない
 葉巻をくわえている様子でも似合いそうなその雰囲気は、まさしく「ヤクザ紳士」と言った所か

「からからからからからからからから!!そこなクールガール?我輩の置かれた状況を説明してくれるとありがたいであるよ」

 ごろん
 縛られた状態のまま、そのヤクザ紳士は己を縛った当人を見上げた

 別に、自分を縛った当人だとわかって、声をかけたのではない
 少女だから、声をかけたのである
 ただ、それだけだ
 男と女がいたら、とりあえず女に声をかける
 これが彼の心情である

「えぇと、このビルの前で気絶して、運びこまれたので。とりあえず、縛っておきましたけど」
「ほほ~~~~う?我輩、電撃プレイを喰らった後に、中に運び込まれたであるか
 …我輩、招待されてないから入れなかったはずであるがぁ………?
 結界を破れるほどの強者が、我輩を運んでくれたであるか、いや、愉快愉快!
 か~~~~っらからからからからからからかからから!!!」

 何が楽しいのか、ヤクザ紳士は笑う
 そして、楽しげに、少女と少年を見上げた

「我輩、サムディ男爵であるよ。これでも一応都市伝説である。
 そして、もう一つ尋ねたいであるよ」
「…何だ?」

 やや、警戒したようにそう問い掛けてきた少年に
 サムディ男爵…ゲデは、ニヤリと笑った

「我輩を縛り上げたのは、ガール、オアボーイ??」

 少女と少年を、順々に見つめ、ゲデは訪ねる

 ……やや嫌そうに、少女が手をあげると

「おぉ~~~~っと!?我輩、ビューティフルガールに縛られたであるか!?
 我輩、縛る方が好きであるが、逆に縛られると言うのもこれはこれでまた!?
 これは、友人に自慢すべき体験であるよ!か~~~っらからからからからからからからから!!」
「兄さん、やっぱりこの人変態です」
「うん、変態だな」

 …まぁ、変態だとわかったところで
 一体、どうしろと言うのか、と言うのはまた謎であるし、どうしたらいいのかわからない

 …そもそも、気のせいだろうか?
 方向性はさておき、この会場には、既に多種多様の変態がいるような気がするのは
 馬鹿笑いを続けるゲデを前に、合わせ鏡のアクマとブラックドックの契約者である少年と、その妹は
 どこか困ったように、ゲデを見つめているのだった



終われ



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