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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - わが町のハンバーグ-01

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hollow

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さて、ここはとある住宅街の一角。小学校も近い。
そんなところを俺は今全力疾走している。――ある『爺さん』に追いかけられながら。



その日、俺は散歩をしていた。学校も休みで、正直やることもなく暇だったからだ。
散歩中に旧友にでも会えたならよかったのだろうが。待っていたのは最悪な出会いだった。

―――――爺さんだ。
その爺さんは、向こうの道から歩いてきた。
傘を持った爺さん。降水確率0%と今日の朝の天気予報で言っていたにもかかわらず傘を持っている。
その傘を持った爺さんとすれ違おうとしたとき、爺さんはその傘を俺の脇腹に当てた。
厳密には、「つついた」のだが、それに反応してしまった俺は、爺さんのほうを向いてしまった。

―――その瞬間だった。俺の前の地面がへこんだのは。
その爺さんは、傘の一振りでもって俺の前のコンクリートの道路をへこませた。
…ヤバイ。直感的にそう思った俺は走り出した。爺さんから逃げるために。



「ハァッ、ハァッ…なんて運動神経してやがんだ…!あの爺さん!」
10分くらい走っているのだが、さっきから爺さんは疲れる様子は全くない。
それどころか、塀の上を走ったり、電信柱をどんどんと飛び移るという人間離れしたことまでやってのける。
しかし、いくら昼下がりの住宅街といってもなぜ人がいないのか。いてもこんな状況で助けてくれるとも思えんが。
仮に交番へ「傘を持った爺さんが追いかけてくるんです」などと言っても笑われるだけに違いない。



…あの爺さんは、どうやら俺を見失ったらしい。俺の後ろに爺さんはいない。
非現実すぎる現実を頭の中で整理しながら俺はすっかり迷い込んでしまった住宅街から逃げる道を考えてながら住宅街の角をまがった。
「…ッ!」
そこには爺さんがいた。だが、よく見ると傘を持っていない。どうやら一般人らしい。俺は藁にもすがる思いでその爺さんに話しかけた。
「そこの爺さん、ちょっと助けてくれ。道に迷っちまって。」
「…フゥム…ずいぶんと疲れておるようじゃの、若者。」
「ちょっと人に追われててな。…急いでるんだ、早く大通りへの道を教えてくれ」
しかし、その爺さんは道など教えてくれず、違うことを話した。

「かさジジイに襲われたんじゃな…全くあのジジイときたら…」

「えっ!?かさジジイ!?」
「最近このへんに傘を持ったでんぢゃらすなじーさんが現れると聞いてな。そのジジイはわしの昔馴染みじゃからの。
 久々に顔を見るついでに成仏させてやろうと思うてのぅ。」
「…成仏!?」
同年代の爺さん相手になんてことを言うのだろう。そんな事を思ったが、傘ジジイという名前に俺は昔の記憶を蘇らせ、それを爺さんにぶつけた。
「…かさジジイ…?あんなに凶暴な爺さんだったか?」

―――傘ジジイ。晴れの日でも傘を持ってて、通り過ぎる人を傘でつつく。
雨の日にも現れるがなぜか傘を使うことはない。

子供のころ小学校で聞いた都市伝説だ。実際にいるとは思ってなかったが。
「昔は、な。今は傘に取り憑かれたただのもうろくジジイじゃよ。」
「…ところで、あんた一体何m」バコォオオォン!
…俺の後ろで爆音が鳴り響いた。後ろに振り替えると、家のブロック塀が粉々になっていた。
そしてそこには傘を持った爺さん――「かさジジイ」が立っていた。
「話しとるひまはないの、若者」そして俺と爺さんは後ろへ走り出した。



「なぁ爺さん、アンタ何者なんだ?」
「この状況から助かりたいか若者!家に帰りたいか若者!」
「質問に答えろおぉぉぉぉぉぉ!」
そんなやり取りのうちにもかさジジイは俺たちに近づいてくる。
「生きたいか若者よ!それとも逝きたいか!」
「爺さんがそういう表現使うんじゃねえよ!生きてえよ!」
「ならば話は早い!わしと契約するんじゃ!そうすればわしがお前さんを手助けする!」
…契約?意味がわからない。どういう契約だよ。が、俺の口からは別の質問が出ていた。
「契約ってどうやんだよ!」「このハンバーグを食べるんじゃ!」
そういって出されたのは何の変哲のないハンバーグ。…食いかけ。
「…こんなん食うだけでいいのか!?そんだけで助けてくれるのか!」「ああ!じゃから早く食え!早くしないと両方とも逝ってしまうぞ!」
だからその表現をryと突っ込む時間もなく、俺はそのハンバークを口に入れた。



――――ある日、家の車のフロントガラスにあり得ないものが張り付いていた。
それは、「ハンバーグ」。食べかけのハンバーグが張り付いていた。
当時、かさジジイとともに広まっていた伝説。わが町だけの伝説だと知ったのは中学時代に入ってだった。

 「ハンバーグジジイ」――――車にハンバーグを張り付ける変な爺さんだ。



…フロントガラスのハンバーグ。俺のとって初めての怪奇現象だった
「お前が俺んちのフロントガラスにつけたのか!あのハンバーグ!」
「ほぅ、お前さんちにも行っていたのか。現役のころの時代がよみがえるわい。ほっほっほっ…」
「なつかしむ前に今はこの状況から助けてくれ!早く!」
正直もう危ない。傘が空を切る音がすぐそこで聞こえる。
「お前さん、ハンバーグを作ったことはあるか?ハンバーグの形を作るような動きをしてみよ。」
「…こうか?」昔調理実習あたりで作った記憶を必死で蘇らせながら手を動かす。
「…いい動きじゃ。…そろそろじゃ…」「…?おおぉぉ!?」
手が光り輝き、一瞬で手にハンバーグが生み出された。「おい!これでどう助かるんだよ!」
「あとはわしに任せい! ぬえぃ!”肉塊移動”!」

「ぶごわぁぇぁぃぅぇ!!?!?!??」
一瞬だった。俺の手からハンバーグか消えたと思ったらそれはかさジジイの顔に直撃していた。

「ほあぅえうおりkfぢうじゃぃ……」「久々じゃの、ジジイ。」
できたてのハンバーグの熱さにのたうちまわるかさジジイ。その横に立つハンバーグジジイ。
「全く…体もボロボロのくせに…無理しおってから…」
そう言いながらかさジジイにハンバーグを食べさせる。…そして、なぜかかさジジイが消えかけていく。
「わしは、まだ逝かん。じゃから、せめて冥土でばあさんと暮らせや。元気での。」
「あ…ぅ……」
そして…かさジジイという名の都市伝説はいま、消滅した。


「…で、爺さんいつまでついてくるんだ?かさジジイには会っただろ。」
「わしとおまえは契約を交わした者同士じゃからな。都市伝説と戦ってゆくことになる」「はぇ!?」
「そういえば話してなかったの。都市伝説と契約したものは悪い都市伝説と戦うことになる、と。」
「……へ?…てかアンタ悪い都市伝説の類じゃないのか?」
「フン、わしゃあまだぬるいもんじゃよ。あのジジイもな。ただあやつは傘に取り憑かれ、凶暴化しただけじゃがな」
「…で、俺にその凶暴な都市伝説と戦えと?」「拒否権はないぞ若者。それにおぬしはわしに借りがあるじゃろう?」
「……わかったよ、爺さん。戦うぜ。爺さんのハンバーグとともにな。」

とまぁ、こんなわけで俺の都市伝説との戦いはある晴れた日から始まった。



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