―――この物語はIFでありどうせ幻想に決まってます
本編と関係あるはずもありません―――
本編と関係あるはずもありません―――
これは、少し昔の話
まだ、「首塚」組織が出来る前の話……
まだ、「首塚」組織が出来る前の話……
「ん……------」
目の前で酩酊状態の少年を前に、店主はほくそえんだ
本人は高校生だ…と言い張っていたが、まだ中学生だろう
年齢を偽ってバイトの面接に来た時点で、訳アリに決まっている
だから…たとえ、この少年が行方不明になったとしても、周囲はさほど騒ぎ立てないだろう
いや、騒ぎ立てたところで、彼はそれを問題とはしないのだが
本人は高校生だ…と言い張っていたが、まだ中学生だろう
年齢を偽ってバイトの面接に来た時点で、訳アリに決まっている
だから…たとえ、この少年が行方不明になったとしても、周囲はさほど騒ぎ立てないだろう
いや、騒ぎ立てたところで、彼はそれを問題とはしないのだが
-----ねぇ、知ってる?
あのお店のバイトの子って、しょっちゅう入れ替わるでしょ?
あれって、どっかの国に売られてるからなんだって
どうして売られるかって?
そりゃあ、エッチなお仕事につかされるためらしいよ?
面接の時点で、既に選別されるんだって
そこで選ばれると…売られちゃうんだって
あのお店のバイトの子って、しょっちゅう入れ替わるでしょ?
あれって、どっかの国に売られてるからなんだって
どうして売られるかって?
そりゃあ、エッチなお仕事につかされるためらしいよ?
面接の時点で、既に選別されるんだって
そこで選ばれると…売られちゃうんだって
そんな噂があった
そんな都市伝説があった
店主は、その都市伝説と契約していた
…いや、そもそも、彼には「契約した」と言う自覚はない
自覚などないままに、彼はその仕事を行っていた
面接にきた、主に女性を相手に、水に能力で作り出した特殊な液体を混ぜて飲ませ、今のこの少年のような状態にして
そして、じっくり、じっくりと選別して
売り物になりそうだったら、売り払う
その相手がどうなるのか、彼は知らないし興味がない
ただ、対象の初物を得られるのが楽しくて、彼はそれを続けていた
そんな都市伝説があった
店主は、その都市伝説と契約していた
…いや、そもそも、彼には「契約した」と言う自覚はない
自覚などないままに、彼はその仕事を行っていた
面接にきた、主に女性を相手に、水に能力で作り出した特殊な液体を混ぜて飲ませ、今のこの少年のような状態にして
そして、じっくり、じっくりと選別して
売り物になりそうだったら、売り払う
その相手がどうなるのか、彼は知らないし興味がない
ただ、対象の初物を得られるのが楽しくて、彼はそれを続けていた
彼は気付いていない
無意識に都市伝説と契約してしまった時点で、彼は既に都市伝説に飲み込まれかけていた
…それ以前から、彼は別の都市伝説とも契約していたからだ
あまりにジャンルが違う都市伝説同士の多重契約
もともと、さほど器が大きくなかった彼は、それによって…都市伝説に、飲み込まれかけた
既に彼は、彼自身が半ば都市伝説となりかけている
無意識に都市伝説と契約してしまった時点で、彼は既に都市伝説に飲み込まれかけていた
…それ以前から、彼は別の都市伝説とも契約していたからだ
あまりにジャンルが違う都市伝説同士の多重契約
もともと、さほど器が大きくなかった彼は、それによって…都市伝説に、飲み込まれかけた
既に彼は、彼自身が半ば都市伝説となりかけている
「…さぁて、男相手は久々だが…」
相手は、まだ中学生だ
…この年頃で、まさか後ろの経験なんぞある訳ないだろう
あったらむしろ驚く
元から契約していた能力で配合した薬も、水に混ぜておいた
たとえ、そっちの才能がなかったとしても…じっくりと、開発してやればいい
…この年頃で、まさか後ろの経験なんぞある訳ないだろう
あったらむしろ驚く
元から契約していた能力で配合した薬も、水に混ぜておいた
たとえ、そっちの才能がなかったとしても…じっくりと、開発してやればいい
「------んん」
するり
シャツの下に、手を滑り込ませた
少年特有のきめ細やかな肌の感触を堪能する
薬の効果が表れているだろう、ぴくりっ、少年の体は触れられた事に反応し、小さく跳ねる
つつ、と脇腹からゆっくりと、手を上へ上へと移動させ…そこに、到達する
シャツの下に、手を滑り込ませた
少年特有のきめ細やかな肌の感触を堪能する
薬の効果が表れているだろう、ぴくりっ、少年の体は触れられた事に反応し、小さく跳ねる
つつ、と脇腹からゆっくりと、手を上へ上へと移動させ…そこに、到達する
「---っ」
くに、とそこを弄ってやれば、少年の体はますます跳ねた
執拗に弄ってやれば、そこはぷくり、立ち上がってきて
せっかくだ、味も見させてもらうとするか
シャツをたくし上げ、露出させた肌に、舌を這わせようとした…その時
執拗に弄ってやれば、そこはぷくり、立ち上がってきて
せっかくだ、味も見させてもらうとするか
シャツをたくし上げ、露出させた肌に、舌を這わせようとした…その時
「---そこまでです」
「っ!?」
「っ!?」
駆けられた声に、慌てて振り返る
彼の能力が発動し、誰も入り込めないはずの部屋
…その部屋の入り口に、何時の間にか、黒服の男が立っていた
彼に銃を向け、静かに告げてくる
彼の能力が発動し、誰も入り込めないはずの部屋
…その部屋の入り口に、何時の間にか、黒服の男が立っていた
彼に銃を向け、静かに告げてくる
「…その少年から、離れなさい」
「っく……「組織」か!?」
「っく……「組織」か!?」
都市伝説の知識などほぼないはずの彼であったが、なぜか「組織」の事は知っていた
その理由を、彼は知らない
彼の以前にこの都市伝説と契約し、「組織」に消された人間がいるなど…そんな事実を、彼は知る良しもないし
だからこそ、その知識を自分が受け継いでいるのだ、と言う事実など知らない
その理由を、彼は知らない
彼の以前にこの都市伝説と契約し、「組織」に消された人間がいるなど…そんな事実を、彼は知る良しもないし
だからこそ、その知識を自分が受け継いでいるのだ、と言う事実など知らない
ただ、彼がいますべき事は
あの黒服を、どうにかする事だ
幸い、ひょろりとした体格で弱そうだ
不意さえ打つ事ができれば…
あの黒服を、どうにかする事だ
幸い、ひょろりとした体格で弱そうだ
不意さえ打つ事ができれば…
そう考えて、彼はそれを発生させた
己の体から、人間だけではなく、都市伝説相手すら効果のある薬を生み出す
それが、彼の力
薬の効果は、彼の思いのままに作り上げられる
睡眠薬なり媚薬なり、毒殺できるような薬こそ作れないが、他人を思いのままにできる薬を作り出せる
その、応用だ
体内で睡眠薬を合成し、彼は体中から発生させる
霧状になったそれは、部屋を包み込み…
己の体から、人間だけではなく、都市伝説相手すら効果のある薬を生み出す
それが、彼の力
薬の効果は、彼の思いのままに作り上げられる
睡眠薬なり媚薬なり、毒殺できるような薬こそ作れないが、他人を思いのままにできる薬を作り出せる
その、応用だ
体内で睡眠薬を合成し、彼は体中から発生させる
霧状になったそれは、部屋を包み込み…
----しかし、黒服に、変化はない
「…対策を打たずに来るとお思いますか?」
「っち……」
「っち……」
眠らせてやろうと思ったのだが…中和剤か何かでも飲んできたか!?
薬が効かないとなると、不味い
あの銃で一発でも撃たれたら、彼は死ねる
彼自身の肉体は、強化などされていないのだから
薬が効かないとなると、不味い
あの銃で一発でも撃たれたら、彼は死ねる
彼自身の肉体は、強化などされていないのだから
「…く、くそっ!」
少年は惜しいが、仕方ない
彼は急いで部屋の奥へと走り、隠し扉の奥へと逃げ込んだ
そのまま、外へと……
彼は急いで部屋の奥へと走り、隠し扉の奥へと逃げ込んだ
そのまま、外へと……
「おぉっと、残念」
「ーーーーっ!?」
「ーーーーっ!?」
……しゅるんっ !
彼に向かってきた、それ
彼は、それを寸前で避けた
びたんっ!と壁に張り付く
彼に向かってきた、それ
彼は、それを寸前で避けた
びたんっ!と壁に張り付く
「お?」
しゅるり
黒い、まるで触手のようになった髪を操る黒服の男が、そこにはいた
…逃走経路は既に抑えられていたか!
だが、甘い!
にょろん、ズボンの裾から真黒な尻尾をはみ出させ、彼はひたひたと壁を垂直に登っていく
黒い、まるで触手のようになった髪を操る黒服の男が、そこにはいた
…逃走経路は既に抑えられていたか!
だが、甘い!
にょろん、ズボンの裾から真黒な尻尾をはみ出させ、彼はひたひたと壁を垂直に登っていく
「……「イモリの黒焼き」との多重契約かい。それで、イモリっぽい能力もあるってか?」
っち、とその黒服は舌打ちしてきた
しかし、彼はそんな事は聞いていない
今は、逃げるべきなのだ
逃げて、どこか遠くでこの商売を続ければいい
そう、彼は考えていた
殺されるつもりなんざ、さらさらない……!
しかし、彼はそんな事は聞いていない
今は、逃げるべきなのだ
逃げて、どこか遠くでこの商売を続ければいい
そう、彼は考えていた
殺されるつもりなんざ、さらさらない……!
「…だが、逃がさねぇよ」
黒服も、彼を逃がすつもりなどなかった
しゅるり、際限なく伸び続ける髪が、彼を追う
ごがっ!
ごがっごがっごがっ!!!
強烈な薙ぎが、次々と壁に打ち付けられる
彼は、それを必死で避けて逃げ続けた
捕まるものか、捕まるものか
まだ、自分は生き続けるのだ
仕事を続けるのだ
しゅるり、際限なく伸び続ける髪が、彼を追う
ごがっ!
ごがっごがっごがっ!!!
強烈な薙ぎが、次々と壁に打ち付けられる
彼は、それを必死で避けて逃げ続けた
捕まるものか、捕まるものか
まだ、自分は生き続けるのだ
仕事を続けるのだ
…自分を生み出した噂は、まだ生き続けているのだから……!!
「…残念ゲームオーバーだ」
しゅるりっ
彼の、そのズボンからはみ出した尻尾が……捕らえられた
彼の、そのズボンからはみ出した尻尾が……捕らえられた
「お前、もう飲み込まれてるよ」
無慈悲な声と、共に
彼の体に、黒服の髪の毛が一斉に絡まりだした
彼の体に、黒服の髪の毛が一斉に絡まりだした
「大丈夫ですか?しっかりしてください」
「……ん」
「……ん」
…駄目だ
睡眠薬の類でも、摂取させられたようだ
意識が定まっていないのだろう、ぼんやりとしていて…こちらの声も、聞こえているかどうか
呼吸が荒く、頬が紅潮している辺りを見ると…他の薬も混ぜられているのかもしれない
とにかく、急いで解毒してやらなければ
黒服は、すぐに「ユニコーンの角の粉末」を鞄から取り出した
少年に、飲ませようとするが…
睡眠薬の類でも、摂取させられたようだ
意識が定まっていないのだろう、ぼんやりとしていて…こちらの声も、聞こえているかどうか
呼吸が荒く、頬が紅潮している辺りを見ると…他の薬も混ぜられているのかもしれない
とにかく、急いで解毒してやらなければ
黒服は、すぐに「ユニコーンの角の粉末」を鞄から取り出した
少年に、飲ませようとするが…
「………」
…口を、空けてくれない
水は…コップに入ってる分は問題外だ。鞄にミネラルウォーターが入っているから、それを使えばいい
ただ、どちらにせよ口をあけてくれない事には…
水は…コップに入ってる分は問題外だ。鞄にミネラルウォーターが入っているから、それを使えばいい
ただ、どちらにせよ口をあけてくれない事には…
「…仕方ありませんね」
強引にでも、飲ませなければ
そう考えながら、黒服はミネラルウォーターのペットボトルをあけた
ミネラルウォーターとユニコーンの角の粉末を、そのまま口に含むと、少年の顎に手をかけた
少し力を入れると、少年の口が、うっすらと開いて
その口内に、ユニコーンの角の粉末を含んだ水を流し込んでいく
……ぴくりっ、と
黒服の腕の中で、少年の体が小さく跳ねた
そう考えながら、黒服はミネラルウォーターのペットボトルをあけた
ミネラルウォーターとユニコーンの角の粉末を、そのまま口に含むと、少年の顎に手をかけた
少し力を入れると、少年の口が、うっすらと開いて
その口内に、ユニコーンの角の粉末を含んだ水を流し込んでいく
……ぴくりっ、と
黒服の腕の中で、少年の体が小さく跳ねた
「………んん」
まだ、意識は戻っていないが…ユニコーンの角の粉末の効果が現れているようだ
呼吸が、落ち着いてきている
黒服がほっと息をはいて、少年の頭をそっと撫でてやったのだった
呼吸が、落ち着いてきている
黒服がほっと息をはいて、少年の頭をそっと撫でてやったのだった
「悪いねぇ、お前さんに恨みはないんだけどよ……むしろ、女の子相手にエロエロする。それに関しては羨ましいと思うよ」
しゅるしゅるしゅるしゅる
その黒服の伸びる髪が、店主を束縛する
全身を髪の毛で覆われ、店主は苦しそうにもがき苦しんでいた
…それだけ、ではない
全身を締め付けられ、呼吸など最早できていないはずだ
その黒服の伸びる髪が、店主を束縛する
全身を髪の毛で覆われ、店主は苦しそうにもがき苦しんでいた
…それだけ、ではない
全身を締め付けられ、呼吸など最早できていないはずだ
「でも、まぁ、こっちは黒服成り立てでよ……上の信頼を得なきゃいけないだわ、これが」
困ったように笑いながら、黒服はそう言って
…そして、残酷に言い切った
…そして、残酷に言い切った
「だから、悪いけど死んでくれや。俺が上から信頼を得るために」
ぶちんっ!!
店主の首を、髪で引きちぎる
ぽい、と、なるでボールのように投げられたそれは、壁にぶつかり、ごろん、と床を転がった
店主の首を、髪で引きちぎる
ぽい、と、なるでボールのように投げられたそれは、壁にぶつかり、ごろん、と床を転がった
「うっし、終わりー!」
ぐぐぅ、と背伸びする黒服
とてもじゃないが、たった今、人殺しをしたようには見えない
…と、携帯が着信を告げて、黒服はすぐに応対した
とてもじゃないが、たった今、人殺しをしたようには見えない
…と、携帯が着信を告げて、黒服はすぐに応対した
「あ、はいはい……あぁ、始末したぞ………ん?あぁ、被害者がいたのか……まぁ、未遂かどうかは割りとどうでもい…あ~、わかったわかった。そう責めないでくれよ。とりあえず、そいつ、送ってやるのな?……わかった」
…やれやれ
なんとも、優しい同僚がいたものだ
黒服に優しさなど、必要なのか?
…この黒服には、その必要性がわからない
なんとも、優しい同僚がいたものだ
黒服に優しさなど、必要なのか?
…この黒服には、その必要性がわからない
「ま、いいか」
後始末は任せられた
……すなわち!
……すなわち!
「店のどこかにいるかもしれない、囚われのおねーちゃんたちの扱いは俺に任せられた、という事だな!!」
しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる!!!
物凄い勢いで、髪を伸ばし
この黒服はスキップなどしつつ、店内へと入っていったのだった
物凄い勢いで、髪を伸ばし
この黒服はスキップなどしつつ、店内へと入っていったのだった
「………あれ?」
「あぁ、目が覚めましたか?」
「あぁ、目が覚めましたか?」
少年を背負って、店を出た
…薬の効果が切れたのだろう
少年が、意識を取り戻した
…薬の効果が切れたのだろう
少年が、意識を取り戻した
「…あれ…俺…」
「あまり、無理に喋らなくてもいいですよ…とにかく、家に送りますから」
「家………嫌だ……」
「あまり、無理に喋らなくてもいいですよ…とにかく、家に送りますから」
「家………嫌だ……」
ふるふると
少年は、小さく首を振る
少年は、小さく首を振る
「…あんな所……もう、戻らねぇ…」
……また、家出だろうか?
一瞬、そう考えたのだが…少年の声から感じられたのは、「家には絶対に帰らない」と言う、はっきりとした強い意志
今までの家出とは、明らかに違う
もう二度と、家には戻らない…あの両親に対する、はっきりとした拒絶を感じ取れた
一瞬、そう考えたのだが…少年の声から感じられたのは、「家には絶対に帰らない」と言う、はっきりとした強い意志
今までの家出とは、明らかに違う
もう二度と、家には戻らない…あの両親に対する、はっきりとした拒絶を感じ取れた
「…それでは、どちらにお帰りになられるので?」
「…………」
「…………」
…返事はない
ほぼ無計画で家を飛び出したのだろう
全く、困ったものだ
……しかし、少年の考えもわからなくはない
あの家は…この少年には、酷すぎる環境だから
ほぼ無計画で家を飛び出したのだろう
全く、困ったものだ
……しかし、少年の考えもわからなくはない
あの家は…この少年には、酷すぎる環境だから
「わかりました、今夜は、ホテルに送りますから…家から、私物は持ち出しているのですか?」
「…きょーかしょとか、着替えとかは……ダチの家に…」
「わかりました。明日、その友人に連絡するのですよ?」
「…きょーかしょとか、着替えとかは……ダチの家に…」
「わかりました。明日、その友人に連絡するのですよ?」
わかった、とそう頷いてきて
少年はこてん……と、力尽きて、寝息を立て始めた
少年はこてん……と、力尽きて、寝息を立て始めた
小さく、ため息をつく
この少年は、まだ中学3年
生活費を稼ぐ為に、アルバイトをしようとしたのだろうが…
…あぁ言う都市伝説に引っかかってしまうようでは、危ない
せめて、安全なアルバイト先を見極められるようになるまでは、自分が援助してやらないと
黒服はそう考えながら、少年を背負い、夜の街を歩き続けたのだった
この少年は、まだ中学3年
生活費を稼ぐ為に、アルバイトをしようとしたのだろうが…
…あぁ言う都市伝説に引っかかってしまうようでは、危ない
せめて、安全なアルバイト先を見極められるようになるまでは、自分が援助してやらないと
黒服はそう考えながら、少年を背負い、夜の街を歩き続けたのだった
fin